経営企画部の業務に役立つ「資格」とは【おすすめの理由と実用方法・事例付き】

ポストコンサルを中心に人気の高い経営企画職。しかしながら、企業の成長戦略の根幹を担うポジションということもあり、特に未経験の方にとっては、引き続き転職難度の高い、狭き門となっております。
そのため転職前のタイミングで、経営企画部での業務に有利な資格を取得しようと考える方も少なくないのではないでしょうか。

もちろん業務経験に勝るものはありませんが、資格を通じポテンシャルをアピールできれば、転職実現の可能性も高まりますし、既に業務経験のある方でも、関連資格取得を目指し、体系立てて学ぶことで、多くの気づきを得ることができるかと思います。

そのため今回は経営企画部での実務に役立つ資格についてご紹介の上、その具体的な活用方法・場面について解説いたします。

【目次】

  1. 経営企画部業務に有利な資格①MBA
  2. 経営企画部業務に有利な資格②中小企業診断士
  3. 経営企画部業務に有利な資格③公認会計士
  4. 経営企画部業務に有利な資格④日商簿記検定
  5. 経営企画部業務に有利な資格⑤TOEIC・TOEFL
  6. 経営企画部業務に有利な資格⑥情報処理技能検定試験:表計算

経営企画部業務に有利な資格①MBA

MBAとは、Master of Business Administrationの略で、日本語だと経営学部修士や経営管理修士といった訳語が使われますが、いわゆる経営学や経営管理の専門家の称号になります。
資格は1年から2年程度経営大学院に通い、修士課程を修了することで授与されます。

経営企画部の業務は、経営戦略、マーケティング、財務分析、組織論、データ分析といった多くの専門知識をフル活用し、経営課題への対応を行っていく業務ですので、会社経営に必要な多くの知識を体系立てて学んだMBAホルダーとは親和性が高く、実際の求人段階でもMBAホルダーを優遇するケースが多いです。

特にMBAの経験が役立つのが、経営課題をいかにして解決するかの検討時で、MBA取得の過程で学んだ各領域の深い知識が、提示できる解決策の引き出しを増やしてくれます。

例えばコストカットプロジェクトの際に、会計畑出身の経営企画部であれば広告費や業務委託費をいかに減らすかをよく考えますが、これが各領域に明るいMBAホルダーのような方だと、製造のサプライチェーン改善や工数を見直す等、より幅のある提案ができる場合があります。こういった視点を持って各プロジェクトに当たれるのが、MBAホルダーの大きな強みになります。

また高度な議論・意思決定の訓練を積むことができるMBAの経験は、議論を通じて多くの利害関係者と調整していく経営企画部の業務において、これ以上ない準備となることでしょう。その他、MECEやロジックツリーといった、ロジカルシンキングのフレームワークが当たり前のように使われる経営企画の世界では、既にMBAを通じてロジカルシンキングを体得している方は、それだけでも大きなアドバンテージとなります。

このように働くにあたり取得メリットの大きいMBA資格ですが、取得までの期間は長く、かつ費用も高額な点がネックとなります。特に有名海外大学院は、準備期間だけでも1年以上が目安とされ、その後1-2年間にわたり大学院生活、費用も1,000万円~2,000万円程度かかるため、本格的に準備される際には取得スケジュールと費用準備も考慮に入れる必要があります。

経営企画部業務に有利な資格②中小企業診断士

上述のMBA同様、広い範囲の専門知識が得られる点で、中小企業診断士の資格も経営企画部での業務に直接的に役立つ資格です。
中小企業診断士は、国家資格に数えられる資格であり、中小企業の経営課題に対応する診断・助言を行う専門家です。この専門家を名乗っていい資格ということで、取得には各領域の専門知識を満遍なく学習することが求められます。

この幅広い領域にわたる専門知識は、MBAホルダー同様、多角的な視点で課題対応に臨める点で、実際の業務に直結する資格といえます。

加えて業務上より重要な、経営課題を発見することについても強みがあるため、ヒアリングや資料閲覧からなる課題調査フェーズにおいても、中小企業診断士の取得過程で学べる専門知識が活かされることでしょう。

またMBAとは異なり、かかる費用は受験手数料の3万円程度が目安で、仮に受験予備校等に通った場合でも高くて20~30万円程度と取得費用も安く抑えられます。そのため経営企画部を目指すにあたり、まずは中小企業診断士の資格取得を目指す方も多くおられます。

経営企画部業務に有利な資格③公認会計士

公認会計士の資格も大きな武器になる資格の一つです。公認会計士は、会計・監査のスペシャリストに与えられる資格で、会計士試験に合格するだけでなく、実務経験と実務補修といった会計知識を駆使した実務経験を積む必要があり、取得時には実務でも即戦力に近い、高度な会計知識を備えることができる資格です。

経営企画部の業務と会計知識は切り離すことができませんので、公認会計士資格保持者の高い専門性は、多くの業務ですぐに活かすことができます。
例えば予算の作成や実績との比較では実務に即した高度なPL・BS・CFの知識が必要ですし、資金調達や投資検討の際にはファイナンスの知識が不可欠です。

また経営企画部では、企業の財務数値を改竄できない正確なものにするため、内部統制を敷くプロジェクトに携わったり、上場準備プロジェクトを率いる立場になることも少なくありません。こういったプロジェクトでも、内部統制や上場準備状況を監査する立場でもある公認会計士の知識レベルは重宝されるため、取っておいて損になることはない資格といえます。

しかし取得までの道のりは上述したMBAよりもさらに長く、一般的には資格試験準備で2年程度かかり、試験合格後2年以上の実務経験と3年以上の実務補修を積む必要があるため、全体で5年程度の時間がかかるといわれております。
一方で中には「公認」に拘らず、会計士試験合格者であれば優遇される条件提示を行う企業もありますので、かけるべき時間と労力は見定めながら、キャリアスケジュールを組み立てることをおすすめします。

経営企画部業務に有利な資格④日商簿記検定

公認会計士試験同様、高い会計知識を得られるのが日商簿記検定資格です。特に日商簿記検定1級は、上述したPL・BS・CFに関わる高い知識レベルの証明になり、経営企画部業務がこなせるポテンシャルを示すに十分な資格といえます。

上述の通り経営企画部の業務は、財務数値分析や数字に基づく議論がメインですので、財務諸表をひも解くことができないと、多くの場合太刀打ちできません。

また一般的には日商簿記2級レベルの知識は、経営企画部の業務には必須といわれておりますので、まずは日商簿記2級合格を目指して会計知識の醸成に努め、それから次のステップを目指していくやり方をお勧めします。

日商簿記は年に2度試験が開催されており、学習計画も立てやすく、費用も最も高い1級受験でも、7,850円と1万円を割り込むため、足がかりとして挑戦するには、ほど良い資格といえます。

経営企画部業務に有利な資格⑤TOEIC・TOEFL

経営企画部の業務では、英語でのやり取りが必要になる場面が多く登場します。
M&Aの投資検討先が外国企業だったり、英文の契約書の締結相談を持ち掛けられたり、資金の調達先候補が海外投資家だったり、海外子会社設立を命じられたりと、通常の業務では避けることのできた英語も、半ば強制的に巻き込まれることになります。

このような状況になって、急いで英語を学習することになり、慌てふためく経営企画部員も多くいますが、その反面、高い英語力を備えている方であれば、ポテンシャルをみて採用するケースは少なくありません。

こういった事情から、業務で使えるレベルの英語力は、早くから取り組み、身に着けておくと、経営企画部での業務に大いに役立つかと思われます。

具体的にはTOEICであれば800点以上、TOEFL ibtで70-90点程度の英語力があれば、上述のようにポテンシャルで採用される可能性も高まることでしょう。

経営企画部業務に有利な資格⑥情報処理技能検定試験:表計算

経営企画部の担当業務として代表される、予算策定、予実管理、経営会議資料作成、着地見込み作成、各種データ分析といった業務は、いずれも未だに多くの企業でエクセルを駆使して実施されています。

そのため経営企画部で働く方は高いエクセルスキルを持っていることが多く、また実務の中でも培われ、そのスキルはどんどん上がっていきます。

しかしながらエクセルの基本構造、数式の仕組み、データベースの仕組みといった基本事項は、特に実務経験のある方々は把握していることが多く、改めてトレーニングをしてくれる機会はほとんどありません。
そのため、もしこのようなエクセル構造への理解に自信がない方や業務上使う機会が少なかった方は、事前にインプットしておくことで少しでも耐性を付けておくことが望ましいです。

具体的にエクセルを学ぶ際には、ただ漠然とエクセルを開き、触ってみるよりも、「情報処理技能検定試験 表計算」にチャレンジしてみると良いでしょう。体系立ってエクセルや数式の基本構造が把握でき、練習問題をこなす中で自然とデータ処理の発想力がついていくため、実務ですぐに使えるエクセル能力が養われていきます。

また資格が取得できていれば、採用面接で必ず聞かれる、エクセルが使えるかの質問にも、具体的な資格を出して回答することができますので、特に未経験の方は挑戦してみてもよいのではと思います。

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>経営企画や事業企画など企画職へのキャリアに関する記事

経営企画と事業企画の違い【キャリアパス~年収~必要なスキルと経験まで】
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FAS M&Aアドバイザリーと経営企画のM&A業務でできることの違い
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今回は、経営企画部の業務に役立つ資格について解説してきました。
取得難易度や時間軸等、検討すべき要素はございますが、今回挙げた資格はどれも将来の自身の武器になる資格ばかりです。

また日々いかにして価値を出すかを考えさせられる業務上のプレッシャーもあり、例えば英語や会計、エクセルといった一芸を身に着けておくと、自分の価値を出せる領域を明確に持つことができるので、心理的な安定にも繋がるといったメリットもあります。
そのため今回ご紹介した中で関心をお持ちの資格があれば、積極的に挑戦することをおすすめします。

また、企業によって求める資格や経験には違いがあることも多いです、企業フェーズや規模ごとの経営企画の採用要件について詳しく知りたい方や、経営企画への転職をご検討の方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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