今回は、データアナリストに向いている人、向いていない人それぞれの特徴をご紹介します。
データアナリストは、数字やデータと根気強く向き合い続ける職業です。また業務で求められる知識やスキルの幅が広いことから、高い学習意欲も求められます。
そのような仕事に求められる適性を知り、ご自身の向き不向きを考える上でのご参考としていただければ幸いです。
【目次】
- 向いている人の特徴1:数字、データが好き
- 向いている人の特徴2:知的好奇心が強い、勉強が苦にならない
- 向いている人の特徴3:几帳面、細かい作業が得意
- 向いていない人の特徴1:データよりも直感で行動する
- 向いていない人の特徴2:仕事とプライベートを分けすぎる
- 向いていない人の特徴3:大雑把、緻密な作業が苦手
向いている人の特徴1:数字、データが好き
データアナリストとして活躍している人は、もともと数字やデータを眺めたり、計算したりといったことが好きな人が多いです。少なくとも、数字やデータを長時間扱うことが苦にならないことはマストとなります。また数字で物事を考える習慣がある人は、なお向いています。
例えば、以下のような人はデータアナリストの仕事に適性があるでしょう。
・飲食店などの待ち時間で、気がつくと座席数や客数、単価、回転率などから売上を推計している
・ニュースなどを見ても、数字的な根拠にまず目がいく。それをもとに自分で是非を判断することが多く、世論などにあまり流されない
・Excelでのデータ処理が非常に得意で、現職で頼られている
・かつて算数や数学が得意だった(データアナリストにとって、正確で素早い四則演算ができることも大事です。また統計や機械学習の理解には、数学力が必要となります)
このようなタイプがデータアナリストに向いている理由は、言うまでもなくデータアナリストが数字やデータと向き合い続ける職業だからです。
データアナリストの日常は、以下のように数字やデータを扱っている時間が大半を占めます。
・分析対象データの性質を、さまざまな統計量を計算して理解する
・SQLやR、Pythonでデータのクリーニングを繰り返す
・分析モデルの予測精度をチューニングし続ける
・ExcelやBIツールでピボットテーブルを回し続ける
・分析結果も全て、数字やデータ、ロジックにもとづいてレポーティングする
仕事の最初から最後まで、数字やデータを扱い続けるということです。
そのため、少なくとも数字やデータを扱うことが苦でない人でないと、データアナリストとして活躍することは難しいのです。
向いている人の特徴2:知的好奇心が強い、勉強が苦にならない
データアナリストは、業務を遂行するために必要とされる知識やスキルの幅が広い職業です。例えば、統計学やITに関する知見が広く要求されます。
統計学の知識
統計学関連の基礎知識は、仕事の前提となります。基本的な統計量について学ぶ記述統計から始まり、推測統計の理論を一通り習得する必要があります。また機械学習の主な分析手法にも精通しなければなりません。それらの理解には、微分積分や線形代数、確率論といった数学の知識も必要となります。
ITスキル
データアナリストの仕事はITにも強くないと務まりません。例えば、以下のようなITスキルが業務で求められます。
・分析環境を構築する際のクラウドに関する知識
・データベース設計や、SQLによるデータ抽出のスキル
・RやPythonによるプログラミングスキル
上記のような統計知識やITスキルは、業務での実践だけで網羅的に身につくわけではありません。自主的に専門書や論文を読んだり、必要に応じて資格試験を受けたりしながら、身につけていく必要があります。そのため知的好奇心が強く、勉強を苦にしないタイプが向いているのです。
それに加えて、データアナリストの仕事の特徴は、業界が変化するスピードが速いことでしょう。それはすなわち、知識をアップデートするために学び続ける必要があるということです。
分析対象となるデータは、日々新しいものが登場し続けます。かつては表の形式で整理できる構造化データの分析が主戦場でしたが、今では音声や画像、自然言語など、分析するべきデータの性質は多岐にわたっています。当然、それらのデータの分析に適した手法も日々進化しています。そのような新しい領域にキャッチアップし続けなければ、データアナリストとしてのキャリアは停滞してしまいます。
例えば、業界専門誌の購読やセミナー、勉強会への参加を通して、トレンドにキャッチアップする、ベストプラクティスを研究するといった努力は、活躍するデータアナリストであればみな当たり前のようにやっています。
統計やITなどのベーススキルを身につけるだけでも多大な学習量が必要です。それに加えて、業界の変化にあわせて知識をアップデートし続けなければならないのが、データアナリストの仕事なのです。
実際データアナリストには、博士号の保有者などアカデミックの分野から転身してくる人も多くいます。知的好奇心が強く研究熱心という資質が、この職業で有利に働くからでしょう。
向いている人の特徴3:几帳面、細かい作業が得意
データアナリストにとって、数字のミスは命取りとなります。データアナリストがはじき出した分析結果にもとづいて、ビジネスの大きな投資が行われたり、施策の大きな転換が行われたりするケースも多いからです。その意思決定の根拠となる数字が間違っていると、大きな損失につながってしまいます。
コンサルティングファームや分析の受託企業でデータアナリスト職に従事する場合、数字のミスを重ねるとクライアントからの信頼が失墜してしまうため、特に気をつける必要があります。
自分の作業に対して常に細心の注意を払うことが必要なため、大雑把な人よりも几帳面な人のほうが適性があるといえます。例えば経理部での業務経験や、金融機関での勤務経験がある人は、この点で向いているかもしれません。なぜならこのような職業の方々は、1円単位の数字の間違いも許されない環境で、何度も何度も作業結果のチェックや検算を重ねることに慣れているからです。
数字のミスをしないだけでデータアナリストとして活躍できるわけではありませんが、ミスが少ないことは一つの重要な必要条件です。
続いて、データアナリストに向いていない人の特徴についても解説します。
向いていない人の特徴1:データよりも直感で行動する
データよりも自分の感覚や直感を重視して行動するタイプの人は、データアナリストに向いていない可能性があります。例えば、新しい企画を始める場合に、数字によるシミュレーションをあまり行わず、自分の直感や定性的な情報を頼りに進めるようなタイプです。
直感重視で行動することが悪いわけではありません。実際に、起業家やクリエイターといった職業では、このようなタイプで成功している人も多いでしょう。
ただこのようなタイプの人は、思いついたアイデアや仮説を地道にデータで検証することが苦手であったり、面倒に感じるという方が多いと思います。
データアナリストの仕事は、ビジネス上の課題について、数字やデータによる地道な検証を積み重ねて解を出すことです。そのため、直感派の人は仕事で大きなストレスを感じてしまう可能性が高いのです。
もちろんデータアナリストも、自身の直感から分析のアイデアや仮説を得ることもあります。ただし、その後の検証作業は全て数字やデータをもとに緻密に行っていきます。またそもそも、分析のテーマや目的はあらかじめ決まっており、データアナリストの仕事は分析実務や検証のフェーズから始まる場合も多いのです。
そのため、直感重視でデータによる地道な検証が苦手、あるいはあまり好きでない場合は、データアナリストに向いていません。
向いていない人の特徴2:仕事とプライベートを分けすぎる
「仕事に関することは、就業時間以外では一切やりたくない」という人も、データアナリストには向きません。もちろん休日も働き続ける必要があるというわけではありません。仕事に関連する知識のインプットを、業務外でも行う必要があるということです。
データアナリストとしてまだ駆け出しなら、統計や機械学習の基本的な理論を習得し、各種ITスキルを磨く必要があります。このような知識や技術が全て、普段の業務で網羅的に身につくことはないため自主的な学習が必要なのです。
そのような学習は本来、義務的に行うものではありません。データ分析への強い興味から、就業時間外でも関連の書籍に手を伸ばしたり、勉強会に参加したりといったことを自然に行える人でないと、データアナリストには向いていないのです。
また、活躍しているデータアナリストの中には、プライベートでもデータ分析をしている人は珍しくありません。例えば、Kaggleなどの分析コンペティションに参加している人は多いです。分析コンペティションとは、企業や政府が分析のテーマとデータセットを公開し、最も精度の高い分析モデルを構築した参加者に賞金が支払われるという仕組みです。意欲的なデータアナリストは、このような機会も活用して分析の腕を日々磨いているのです。
そのため、仕事とプライベートを完全に分けたいという人にはあまり向かない職業でしょう。
向いていない人の特徴3:大雑把、緻密な作業が苦手
データアナリストの仕事は、地道で細かい作業の連続です。そのため、大雑把で緻密な作業が苦手だとあまり向いていません。
データアナリストの仕事は、ビジネスの意思決定者にデータにもとづく有用な示唆を提供することです。その分析結果が間違っていれば深刻な損失を招くこともあるため、ミスは許されません。数字やデータの処理一つ一つを、細心の注意を払いながら実施して可能な限りミスを無くす必要があります。そのような緻密な作業を苦にしてしまうタイプだと、データアナリストの仕事は辛いものとなってしまうでしょう。
また、分析の実務自体も地味で細かい作業の連続です。例えば、データの前処理のプロセスはまさにそうです。データの前処理とは、雑多なデータが混ざった生のデータを分析に適した形式に整えていく作業のことです。
欠損値の補正や異常値の除去、変数選択などを通してデータをきれいにしていく作業は、データクリーニングともいわれます。これは非常に地味で細かい作業の繰り返しとなりますが、データ分析では絶対に必要なプロセスです。この意味でも、大雑把で緻密な作業が苦手な人だとなかなか務まらない仕事といえます。
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>データアナリストへのキャリアに関する記事
データアナリストに必要な「資格」とは?【統計スキル、ITスキル別】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dataanalyst_statisticsandit
データアナリストの仕事は、コンサルと事業会社でどう違うのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dataanalyst_consuldifference
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今回は、データアナリストに向いている人、向いていない人それぞれの特徴を解説してきました。
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