データアナリストへ未経験で転職する際に必要なスキルや経験、資格とは

今回は、未経験の方がデータアナリストに転職を検討される場合に、持っておいた方がよいスキルや経験、資格についてご紹介します。

【目次】

  1. データアナリストに求められる力とは
  2. あった方がよいスキル:SQL、PythonまたはR、BIツール、統計学の基礎知識
  3. あった方がよい経験:データを分析した経験、プログラミング経験
  4. あった方がよい資格:統計スキルとITスキルを証明できる資格

データアナリストに求められる力とは

データアナリストは、企業に蓄積されたビッグデータの分析を通して、ビジネス上の成果につなげる仕事です。

高度な専門性を背景に活躍するデータアナリストですが、その仕事は主に次の3つのスキルから成り立っています。

1.ビジネススキル:ビジネス課題を踏まえた分析の企画力、分析結果のプレゼンテーション力
2.統計スキル:統計学や機械学習のアルゴリズムに関する知識、技術
3.ITスキル:データベースやSQLに関するスキル、Pythonなどのプログラミング言語を扱うスキル

未経験からでもデータアナリストに転職することは可能です。ただし、上記で示したデータアナリストに必要なスキル、つまりビジネススキルやITスキルに関して、現職での経験などから部分的にでも身につけておくことが望ましいでしょう。それによって、転職後のキャッチアップがスムーズにできると評価されるためです。

以下では、転職前後の段階で持っていた方が良いスキル、経験、資格を具体的に紹介していきます。

あった方がよいスキル:SQL、PythonまたはR、BIツール、統計学の基礎知識

まずは転職前後の段階で持っていた方がよいスキルを紹介していきます。

①SQL

SQLは、データベースを操作するために使用される言語です。データベース上でテーブルの作成やデータの更新、削除、抽出といった処理を行う場合は、SQLでクエリを作成する必要があります。

データアナリストの仕事では、データの抽出や集計において頻繁にSQLを活用するため、SQLを自在に使いこなせることは必須条件となります。データアナリストとして持つべき最もベーシックなスキルであるため、採用の段階でもある程度は身につけていることが望ましいといえます。

エンジニア出身であれば、システム開発の過程で、データベースを設計したり、データを取り出すためにSQLのクエリを作成したことがあると思います。その経験はデータアナリストに転職した後、ダイレクトに役立つものです。もしSQLの経験がなければ、基礎を解説した書籍を読んだり、オンライン上のコンテンツで学んだりして、その概念や基本的な書き方を押さえておきましょう。

②PythonまたはR

PythonやRは、データ分析モデルを構築する際に核となるスキルです。データに回帰分析やランダムフォレスト、クラスタリングといった分析モデルを適用し、パラメータをチューニングして精度を高めていく作業は、PythonやRを使って行います。

Pythonはシステム構築にも使用される一般的なプログラミング言語ですが、データ分析にも強い言語として有名です。ディープラーニングなど、人工知能関連のライブラリが充実していることでも知られます。一方で、Rはデータの加工や分析に特化した言語であり、データ分析業界はもちろん、研究の世界でも広く活用されてきた言語です。

データアナリストはPythonかRを武器に分析を進めることが多いため、どちらかのスキルを備えていると、採用でも高く評価されます。

③BIツール

BIツールとは、インプットしたデータを様々な切り口で集計し、簡単にグラフや表、ヒートマップ、ダッシュボードなどの形式で可視化できるツールです。

データ分析のプロジェクトでは、分析結果をBIツールで可視化して報告で使うことも多いです。分析内容をビジュアルに訴求することで、報告の受け手の理解や納得が促進されるためです。

代表的なBIツールとしては、TableauやPower BIが挙げられます。このようなBIツールを使いこなせることも、採用においてアピールとなるでしょう。

④統計学の基礎知識

データアナリストとして仕事をするうえで、統計学の基礎知識は必須となります。

例えば、平均値や中央値、分散、相関係数といった統計の基礎的知識を知らずには、分析対象のデータを正しく理解することはできないためです。そのようなデータの性質を知るための指標は、統計学では記述統計と呼ばれ、最も基本的な概念となります。

記述統計に加え、データをもとに予測を立てる推測統計の知識も必要です。推測統計を学ぶことで、回帰分析などの基礎的な分析の理論を習得することができます。

学習方法としては、統計学の基礎知識を解説した書籍を読むか、または後述する統計学に関連する資格を取得しておくとベターです。

あった方がよい経験:データを分析した経験、プログラミング経験

次に、転職にあたり持っていると望ましい経験について紹介していきます。

①データを分析した経験

現在データ分析の専門職についていなくても、類似する経験があれば採用時にアピールポイントとなります。

現職でも何らかのデータに触れる機会は多いと思います。例えば、自社でWebサービスの運用をしている場合、ユーザの属性や閲覧履歴などがデータベースに蓄積されているはずです。現在エンジニアとして勤務しており、データベースを扱える環境にあるのであれば、そのようなデータを実際に分析してみて、改善施策を提案してみるという方法が考えられます。そのような経験があれば、分析への意欲や、一定のスキルがあることを示せます。

もし現職でそのような機会がなくても、プライベートで分析の経験を積むことも可能です。例えば、分析コンペティションに参加してみるという方法です。分析コンペティションとは、企業や政府が分析のテーマとデータセットを公開し、最も精度の高い分析モデルを構築した参加者に賞金が支払われるという仕組みです。

有名なコンペティションとしては、Kaggle(カグル)が挙げられます。Kaggleで分析の腕を日々磨いているデータアナリストも多くいます。初心者でも、無料で参加して学びながら分析経験を積むことができますので、試してみることをおすすめします。

また、大学や大学院時代に卒論、修論でデータ分析に取り組んだ経験があれば、それもプラスとなります。研究テーマにおいて自分なりに仮説を立て、必要なデータを収集して分析し、結果を検証するという一連の流れは、データアナリストの仕事とも通じるものがあります。学生時代のことであっても、データ分析に取り組んだことがあるなら、その経験を振り返っておくとよいでしょう。

②プログラミング経験

データアナリストには、プログラミングのスキルもある程度は求められます。エンジニアのようにプログラミング自体の専門職ではありませんが、データ分析の過程でプログラムを扱う機会が多いのです。

例えば、Pythonなどのプログラミング言語を使って以下のような作業をよく実施します。

・データのクリーニングや加工をする
・データに機械学習アルゴリズムを適用し、パラメータをチューニングしてモデルを最適化する
・分析結果をグラフや表で可視化する

そのため言語を問わず、エンジニアとしてプログラミングをしてきた経験があれば有利です。プログラミングに慣れていれば、データアナリストに転職後、上記のような作業にキャッチアップしやすくなります。プログラミングの経験があまりない場合は、上記で説明した分析コンペティションなどを通して、PythonやRによるプログラムの作成に慣れておくとよいでしょう。

あった方がよい資格:統計スキルとITスキルを証明できる資格

最後に、未経験から転職する場合に持っているとよい資格について見ていきましょう。

転職に必須な資格はないものの、資格を取得すると、業務に最低限必要な知識や理論は習得できていることを証明できます。また未経験の状態からデータアナリストに転職する意思をお持ちの場合、現在も何かデータ分析に関して勉強をされているかと思います。その意欲を客観的に証明する手段としても、資格の取得は役に立ちます。

資格の取得を検討する場合は、統計スキルとITスキルに関するものを選ぶとよいでしょう。
以下におすすめの資格を紹介します。

①統計スキル

『統計検定』
統計スキル関連では、統計検定がメジャーな資格となります。統計に関する知識や活用力を測定する試験であり、レベルに応じて4級から1級まで分かれています。取得を検討する場合は、大学基礎課程(1、2年次)のレベルまでをカバーした2級を目指すのがよいでしょう。統計検定2級を取得することで、データアナリストに必要とされる統計的な基礎知識は一通り習得できたと判断されます。

②ITスキル

『情報処理技術者試験(基本、応用)』
ITの基礎知識に関する資格としては、『情報処理技術者試験(基本、応用)』がメジャーな存在です。IT業界で取得が広く推奨されている資格としても知られています。ネットワークやセキュリティ、データベース、プロジェクトマネジメントなど、ITの基礎知識が幅広く問われる試験となっています。

エンジニア以外から転職を目指す場合など、ITに関する実績がない場合は、この資格を取得することで一定のITリテラシーを証明できます。まずは基本の方から取得し、次のステップとして応用の取得を目指すとよいでしょう。

ITスキルの中でもデータアナリストの仕事と特に関連性が高い資格としては、以下のようなものがあります。

・『データベーススペシャリスト試験』
・『オラクルマスター』
・『OSS-DB技術者認定試験』

いずれも、データベースやSQLに関する専門性を証明する資格であり、データアナリスト職と関連性が高い内容となっています。3つとも取得する必要はありませんが、どれか1つでも保有していれば、業務に直結した知識を備えていることを証明できるでしょう。

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>データアナリストへのキャリアに関する記事

コンサルファームの「データサイエンティスト職」へのよくある質問・不安と回答例
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/DS

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今回は未経験の方がデータアナリストを目指す場合にあるとよいスキル、経験、資格についてご紹介してきました。

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