電力・ガスなどのエネルギーは人々の生活に不可欠ですが、度重なる災害や環境問題によって供給不足となるリスクが常にあります。エネルギーに関する課題の解決は企業にとっても最優先事項です。
そこで今回は、人々の快適な生活を支援するエネルギー系の日本発スタートアップ・ベンチャー企業を20社に厳選し、各社の取り組みについて、設立背景やサービス内容、資金調達の情報も踏まえてご紹介します。
【目次】
パワーエックス
洋上風力によって作られた電力の運搬船「Power Transfer Vessel」および大型蓄電池工場の提供を行うスタートアップです。
2021年3月22日、衣料品通販大手ZOZOのCOOを務めた伊藤正裕代表が立ち上げました。電気運搬船「Power Transfer Vessel」は洋上風力発電所から海岸に向けてクリーンエネルギーを輸送します。
実用化されれば洋上風力発電の設置範囲を拡大でき、沖合や離島など風が強く発電効率の高い場所での発電ができるようになります。
また2024年までに1GWhの電池工場の設立を目指し、電気自動車や船舶用大型蓄電池の製造にも注力してきました。
2022年5月にはシリーズAラウンドで41億5,000万円の資金調達に成功。引受先にはリードインベスターのSpiral Capitalと日本瓦斯、そのほか今治造船や日本郵船、三菱UFJ銀行、個人投資家などが含まれています。調達した資金はバッテリー製品の製造・販売、国内大型蓄電池工場の建設に使う方針です。
クリーンエナジーコネクト
再生可能エネルギーの導入や調達コンサルティング、法人に向けたグリーン電力・ソリューション事業を手掛けるスタートアップです。
2020年4月22日に設立されたのち、内田鉄平代表の下、再生可能エネルギーの課題を抱える顧客と向き合っています。具体的には顧客が再生可能エネルギーを導入・調達できるよう、導入法や運用法のほか、複数の手法を組み合わせた最適な提案を行っています。
常に顧客側に立ったアドバイスを行い、グリーン電力の普及と拡大を加速させ、脱炭素社会の実現を目指してきました。
2022年5月にはみずほ銀行をはじめ金融機関7社のシンジケートローンによって、総額76億円の資金を調達しました。資金を使いオフサイトコーポレートPPA用サービスの太陽光発電所を開発する予定です。非FIT低圧太陽光発電所を開発することで「脱炭素化」という顧客のニーズに応えることを目指しています。
また発電所管理システムの構築や専門人材の採用にも力を入れる方針です。
※参照:https://cleanenergyconnect.jp/
チャレナジー
次世代型の風力発電機「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するスタートアップです。
清水敦史代表取締役CEOは東日本大震災と原発事故をきっかけとし、持続可能なエネルギー開発のため事業を立ち上げようと決意。2014年10月1日に同社を設立し、「エネルギーシフトが可能な風力発電機」の開発を行い始めました。
「垂直軸型マグナス風力発電機」は台風のときも安定的に発電を続けられる次世代型のイノベーティブな風力発電機です。気流中で円筒を自転させ、発生する「マグナス力」によって動作します。従来のプロペラ式風力発電機と比べて効率的で、安全に低コストで稼働させられる点がメリットです。
2017年10月に台風22号が直撃した際には、最大瞬間風速33m/sの暴風域で安定発電に成功しました。
2022年5月、アストモスエネルギーと資本業務提携を締結し、環境負荷の少ない事業形態を目指して活動を続ける方針です。
2019年3月末にはTHK、第一生命保険などを引受先とする第三者割当増資で資金調達を実施。調達した約5億円は定格出力10kW機の改良や量産販売開始に向けたサプライチェーンの構築に充当しています。
同年7月にも総額約6億円の資金調達を実施し、事業会社との提携も強化する方針です。
ヒロファーム
営農型太陽光発電「ソーラーシェアリング」の開発を行っているバイオ系スタートアップです。
2015年、瀬尾浩史代表はヒロエナジーを設立。その後は障害者支援サービスを提供するユートラストを展開します。2020年5月1日には太陽光発電と農業に取り組むヒロファームを設立するなど手広く事業を展開してきました。
農業経験者がいない状況の中でも、そばの実の栽培・収穫に成功します。「未経験でも農業ができる」ことを証明し、主力事業である営農型の太陽発電によって地域活性化に貢献する方針です。
営農型太陽光発電「ソーラーシェアリング」は農地に支柱を立て、上部空間にソーラーパネルを設置。太陽光によって農地の上部空間を活用できる農業生産方法です。
作物の販売収入だけでなく、売電によって得られる収入や発電電力の自家利用も可能。農業経営の安定化や規模拡大、経営の多角化・6次産業化の推進を目指すスタートアップです。
※参照:https://he-erg.com/solar_sharing/
パワーウェーブ
ワイヤレス給電方式「電界結合方式サービス」を展開するスタートアップです。2021年3月22日、阿部晋士・種田憲人代表の下、国立・豊橋技術科学大学発の企業としてスタートしました。
電界の変化を活用し、高周波電力を伝える「ワイヤレス電力伝送技術」は豊橋技術科学大学波動工学研究室で培われました。
この技術を使うことで、電気自動車をはじめとする電動機器に、停車中および走行中の給電が可能となります。またモビリティやアプリケーションごとに必要な電力をワイヤレスで供給できます。
特に、広範囲で電力供給が可能なため、モビリティの走行中の給電が得意です。大学で行った実験ではバッテリーレスのモビリティが、テストコースでEV走行に成功しました。
電力量に合わせたユニットを土台として、施設とアプリケーションに合わせた制作・設置を行ってきました。24時間のフル稼働に加え、人が行きにくい場所で動かすロボットの完成も目指して実験を重ねています。
今後もワイヤレス給電を武器にモビリティの電動化を促進し、「世界のカーボンニュートラル」の実現を目指しています。
グランデータ
電力サービスを軸にエネルギー事業を展開しているスタートアップです。2018年7月13日に設立されて以来、手島太一代表取締役CEOの下、電力サービスのほかにもさまざまな事業を展開してきました。
新規入居者を対象とする電気契約サポート事業「賃貸でんき」を展開。電力サービスは契約者数30万人を誇り、「家電保証サービス」「スマホ保証サービス」など幅広いサービスを提供しています。また賃貸管理事業者のDX化を加速させる「Genesis賃貸」も提供しており、順調に事業を拡大してきました。
2021年12月には、CRGインベストメントへ第三者割当増資を実施。業務提携契約を締結し、CRGの人材サービスやシステム開発といった事業で提携を行う方針を表明しました。
さらに賃貸管理会社に向けたDXサービス「Genesis賃貸」の追加開発、それに伴う人材採用も促進し、事業基盤を構築していく予定です。
※参照:https://sutoene-service.jp/
フォレストエナジー
国内のウッドチップを主燃料とし、木質バイオマス発電所を開発・運営しているスタートアップです。
沼真吾代表は慶應義塾大学総合政策学部を卒業し、ユニゾン・キャピタルやアドベント・インターナショナルに参画。15年間にわたりプライベート・エクイティ投資による投資先の経営変革、創業支援に携わりました。
2011年にはシード投資をするImproVistaを創業し、2015年4月10日にフォレストエナジーを設立します。
同社では秋田県秋田市、和歌山県新宮市、宮崎県児湯郡川南町で、木質バイオマス発電事業を成功させました。木質バイオマス発電は日本の自然環境と相性が良く、森林の手入れ時に生じる間伐材を購入すれば、持続可能な森林管理も可能です。
上記3カ所のほか、全国各地での発電所の開発を目指しています。2022年5月にはシリーズCラウンドで東京センチュリー、シグマクシス・インベストメントなどを引受先に総額14億円の第三者割当増資を実施。東京センチュリーとは資本業務提携も行い、炭素貯留技術開発を加速させ、ネガティブエミッション事業を拡大させる方針です。
シェアリングエネルギー
太陽光発電システムの第三者所有サービスである「シェアでんき」を提供しているスタートアップです。
2018年1月11日に設立され、上村一行代表の下で、分散電源の創出によるエネルギーシステムの変革を目指しています。
主力サービスである「シェアでんき」は初期費用無料で太陽光発電システムを設置可能で、電気代も安価にできます。一定期間が経過するとシステム一式を顧客に無償で譲渡する点も高く評価されてきました。
設立から4年間で契約依頼数が5,000件を突破し、公共セクターとの協定も加速させています。
2022年5月にはジャフコ グループと三菱UFJキャピタル、みずほキャピタルを引受先に第三者割当増資を実施。12億3,000万円の資金を調達し、シリーズBラウンドでの調達額が52億3,000万円、累計資金調達額が約76億3,000万円となりました。
調達資金は人材採用、DX投資およびマーケティング施策への投資に充当し、生産性を向上させる方針です。
※参照:https://sharing-energy.co.jp/
MIRAI-LABO
MaaS社会の実現を目指して、自律型MaaSコアプロダクトを開発・提供する企業です。2006年4月6日に設立され、代表は平塚利男氏。
2019年に道路舗装面で太陽光発電ができる太陽光パネル「Solar Mobiway」を開発します。2022年の実用化を目指し、これまで性能試験を進めてきました。
「Solar Mobiway」は特殊な太陽光発電パネルで、道路に敷設すれば分散発電と分散蓄電ができます。これによって通信や照明などに電力が供給できる仕組みです。
加えて自律型グリッドステーション、走行中の非接触充電と連携した送電機能、課金システムも開発している段階です。いずれもMaaSの中核的なツールとすることを目指しています。
2022年2月、東京センチュリーと資本業務提携を締結しました。事業提携を通じ、使用済みバッテリー診断の評価技術を活かした電気乗用車、電気トラックなどのリース・レンタルビジネスを強化する方針です。
自然電力
自然エネルギー発電所の発電事業や事業開発を手掛けるスタートアップです。2011年6月2日に設立され、代表は磯野謙、川戸健司、長谷川雅也の各氏。
「青い地球」を将来的にも守るため、自然エネルギー発電設備の設計や建設を行っています。
発電設備は太陽光発電や風力発電に加え、小水力発電など多岐にわたります。家庭単位で電力の自給自足を行う「ミニマムグリッド」も推奨し、太陽光電池や蓄電池の導入にも意欲的な企業です。
日本を含む世界5カ国で自然エネルギー100%の世界を実現するため活動し、2030年までに世界中で10GWにあたる発電事業に取り組むことを目標としています。
2019年11月には、太陽光発電事業の開発費用としてグリーンボンドを発行。みずほ銀行が総額3億円を引き受けました。第三者評価機関の日本格付研究所からは適格性の最上位評価である「Green1」を取得しました。
資金は「再生可能エネルギー」に該当する太陽光発電所の開発に充当する方針です。
※参照:https://www.shizenenergy.net/
Helical Fusion
磁場閉じ込め方式を使って商用核融合炉を開発する「フルスタック核融合事業」を手掛けるスタートアップです。
2021年10月22日に核融合炉の実現のため設立され、田口昂哉、宮澤順一の両氏が代表を務めています。
社名の由来はDNAのような二重らせん構造の超伝導ヘリカルコイルを使い、高温のプラズマを安定的に閉じ込める「ヘリカル方式」。
同社はヘリカル方式に独自の技術を取り入れて、世界初となる定常核融合炉の開発を進めています。核融合エネルギーを安全に使うことでエネルギー問題を解決させ、持続可能な世界の実現を目指しています。
2022年5月10日にプレシードラウンドにて6,500万円の資金を調達しました。引受先は日本マイクロソフト元社長の成毛眞氏、医学博士・メディアデザイン学博士の浅田一憲氏などです。
調達した資金で世界初の定常核融合炉の開発を加速させ、最新鋭の技術開発を進めていきます。
※参照:https://www.helicalfusion.com/
TF Power
電力調達コストやCO2フリー電力調達の最適化などを手掛けるコンサルティング会社です。
2021年6月、M&A前の戦略策定を手掛けるTryfundsの子会社として設立されました。山崎直久代表の下、電力調達に特化したコンサルティング業務を行っています。
多くの企業が抱えるCO2フリー、脱炭素への対応といった経営課題の解決を支援。企業ごとに合った電力の調達方法や電気料金削減の方法を提案しています。
電力会社からの急な値上げ要求によって経営が困難になる企業もある中、電力調達コストの最適化は重要な課題です。CO2フリー電力を調達する場合もコストがかかるため、電力会社そのものが倒産する可能性もあります。
同社は電力会社への価格交渉も含め、企業ごとに最適で安定した電力調達の実現を後押しし、企業の成長を支えています。上がり続ける電力コストと向き合い、中長期的にクライアントをサポートするスタートアップです。
※参照:https://www.tfpower.tryfunds.com/
テックシンカー
カーボン・オフセットのプラットフォーム「オフ・エミッション」を運営するスタートアップです。カーボン・オフセットは、温室効果ガスの排出量削減に努めつつ、どうしても削減されない分は排出量に見合った削減活動を行い、排出される温室効果ガスを埋め合わせる考え方。
同社は株式会社シングスコネクターから「オフ・エミッション」の事業移管を受け、2022年3月に設立されました。洪偉豪代表の下、企業のカーボン・オフセットや脱炭素の促進を目指しています。
「オフ・エミッション」の利用者は、日常生活の中で排出される温室効果ガスの量を把握し、削減が難しい場合はクレジットを購入。こうして別の場所で温室効果ガスの削減または吸収を実現するのです。
これまでカーボン・オフセットは購入クレジットが少なく、手続きが煩雑でした。「オフ・エミッション」では個人も簡単に排出量を計算でき、クレジットも購入できます。
民間セクターで拡大されつつあるカーボン・オフセットへの取り組みを支援するサービスです。
※参照:https://www.offemission.com/
ジャパン・インフラ・ウェイマーク
老朽化したインフラ設備の点検を、デジタル技術で行うサービスを展開するスタートアップです。2019年4月1日、NTT西日本グループの最年少社長である柴田巧氏が設立しました。
NTTグループで培ってきた設備管理の実績を土台とし、インフラ点検を中心としたサービスを展開。メンテナンス技術やICT・AI、ドローンといったNTTグループの技術を活用し、各地の老朽化したインフラの効率的な点検を行っています。
さらに同社のドローン機器を販売・レンタルすることで、ドローン空撮技術研修サービスも展開しています。
2021年5月19日には、九州電力やエイト日本技術開発、JR西日本イノベーションズなどと資本業務提携を実施したことを発表。各社と提携し、ドローンでの点検を定常業務化しつつ、AIの共同強化を進める方針です。さらに日本全国にあるさまざまなインフラ構造物の点検を加速していきます。
ENECHANGE
2020年12月、東証マザーズ市場に上場した、ケンブリッジ大学発のエネルギーテック企業です。
電力・ガス事業者に向けてクラウド型のマーケティングプラットフォーム「EMAP」を提供しています。Webの活用による顧客獲得、顧客管理システムの導入などをワンストップで支援するサービスです。
2015年4月に設立された同社の原点は、イギリスの研究機関ケンブリッジ・エナジーデータ・ラボでした。東日本大震災を契機にエネルギーのあり方を考えるため設立された研究所です。
有田一平代表は同研究所でデータやAI、統計を専門とする世界中の研究者たちとエネルギーデータについて語り合いました。
そこで得た知見を土台に同社を設立後は、家庭向けの電力・ガス切り替えサービス「エネチェンジ」を提供し始めます。30社以上の電力・ガス会社と提携しながら、プラットフォームとしての価値を向上させてきました。
2018年11月5日、池田泉州キャピタル、ナントCVCファンド、りそなキャピタルからの合計1億円分の出資により資本参加。法人向けの電力切り替えサービス提供や地域事業者の活性化も進めつつ、金融機関との提携を通じて事業を拡大する方針です。
enechain
国内最大のエネルギー取引マーケットプレイス「eSquare」を展開するスタートアップです。25兆円のビッグマーケットで、エネルギー業界のDXを推進しています。
野澤遼代表は東京大学経済学部を卒業し、ペンシルバニア大学ウォートンスクールでMBAを取得しました。
関西電力では現物LNGと電力のトレーディングに従事し、米国市場で電力トレーディングを経験。帰国するとThe Boston Consulting Groupの東京オフィスで、電力やガス、石油元売り企業に向けたトレーディング戦略立案などのコンサルティング業務を担当しました。
2019年7月に同社を設立し、電力や液化天然ガスなどエネルギー関連商品を扱う事業者のマッチングサービスを開始します。マーケットプレイス「eSquare」では、事業者のオンラインでの取引を可能としました。同社は現在、テクノロジーを活用しながらマーケットプレイスを構築するプレーヤーとしての地位を確立しています。
2022年1月25日にはDCM VenturesとMinerva Growth Partnersを引受先とする第三者割当増資で約16億円、金融機関からの融資で約4億円を調達。シリーズAラウンドにて、総額約20億円の資金調達に成功しました。
社員数増加、流通取引総額の10倍以上の増加、親和性がある企業の買収も目指して事業を拡大する方針です。
SIRC
小型の「SIRCデバイス」を活用したIoTソリューションを提供する、大阪市立大学発のスタートアップです。
2015年2月に設立された同社の代表は、髙橋真理子氏です。2050年の「温室効果ガス排出実質ゼロ」目標を達成するため、脱炭素DXソリューションを通じた電力需要の予測や制御を推進しています。また長期目標としては、老朽化するインフラの点検と異常検知の実現を掲げています。
提供している「SIRCデバイス」は電流や電力、角度、周波数変換を非接触でリアルタイム計測できるスマートチップです。
通信システムと組み合わせれば、あらゆる用途範囲のIoTセンサソリューションを提供できるようになります。脱炭素やDXソリューションと組み合わせることも可能です。
2022年5月には、トーアミを引受先として第三者割当増資の実施に成功しました。調達資金はSDGsに向けた、持続的な品質改善の促進に充当させる方針です。
ジオプラン・ナムテック
上下水道をはじめとするインフラ管理システムを自社で開発しています。2016年4月15日に設立され、西澤常彦代表の下で上下水道やガス、電気など都市インフラをIT技術で支援してきました。
水道やガスなどの公共事業体が顧客であり、地図情報システム(GIS)を活用したソフトウェア製品の開発からサポートまでが主力サービスです。
都市インフラを管理する事業体をサポートすることにより、公共サービスの円滑な提供に貢献しています。
顧客のニーズをヒアリングし、抱える課題を明確化します。そのうえでシステム設計・開発・保守まで一貫してサポートするのです。
地域の安心・安全、インフラ施設のスマートな維持更新に向けて、ネットワークとアセットマネジメントの観点からサービスを提供。
今後は日本国内の自治体、さらには新たに海外に向けたパッケージの開発を目指しています。人々の生活に不可欠な都市インフラを陰から支えるスタートアップです。
※参照:https://www.geoplan.co.jp/
Synspective
衛星データを使った地盤変動を解析するソリューションサービス「Land displacement monitoring」を提供するスタートアップです。加えて、後述するエネルギー関連サービス「Solar Potential Area Mapping」も展開しています。
新井元行代表取締役CEOは米系コンサルティングファームに務め、5年間で15以上のグローバル企業の新事業を支え、内部統制強化などに携わりました。
東京大学でエネルギーシステム構築を研究し、サウジアラビアやバングラデシュ、カンボジアなどのエネルギー課題の解決に取り組みます。持続可能な世界を作るため、2018年2月22日に同社を設立しました。
「Solar Potential Area Mapping」は発電に適した場所を見つけられるサービスです。太陽光発電所や屋上太陽光発電所を設置できない顧客が、最適な発電場所を効率的に見つけられます。
2022年3月には損害保険ジャパン、野村スパークス・インベストメントなどからシリーズBラウンドにて第三者割当増資を実施。融資も含めて119億円の資金を調達しました。
累計228億円の調達資金は小型SAR衛星の開発から運用までの準備、グローバル展開、データ解析技術の加速などに充当する方針です。
※参照:https://synspective.com/jp/
エネコート・テクノロジーズ
「ペロブスカイト太陽電池(PSCs)」と関連材料の製造・販売を行う、京都大学発のベンチャー企業です。
加藤尚哉代表は京都大学工学部工業化学科を卒業後、大和証券やMerrill Lynch & Co., Inc.で投資案件に携わりました。
PEファンドの創業メンバーを経て、飲食業や不動産業の経営に従事し始めます。この時期に大学の同期からの誘いを受けて、2016年に京都大学インキュベーションプログラムの事業化推進責任者となります。
2年後の2018年1月に、エネコート・テクノロジーズを共同設立しました。同社では次世代太陽電池の代表格「ペロブスカイト太陽電池(PSCs)」の開発に携わっています。
ペロブスカイト太陽電池は発電効率が高く、次世代を担うエネルギーツールとして注目されています。同社は原材料の開発に成功し、世界的な開発チームとしての地位を確立しました。
2022年5月、日揮みらい投資事業有限責任組合、みらい創造二号投資事業有限責任組合を引受先に資金を調達。資金はペロブスカイト太陽電池の開発、製造、販売に必要な社内整備と経営基盤の強化に充当します。
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