外資系コンサルの仕事内容とは?スケジュールや求められるスキルを紹介

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海外に本拠地をもつコンサルファーム全般を外資系コンサルファームと呼びます。その仕事内容が漠然としていて、よく理解していない方は、コンサル志望者でも少なくありません。そもそも一口にコンサルといってもいくつか種類があり、種類によって仕事内容は大きく異なります。

そこで今回は、外資系コンサルファームの仕事内容について紹介します。後半では具体的な一日のタイムスケジュールも紹介しつつ解説しますので、コンサルファームへの転職を検討している方や仕事内容をイメージしたい方は、ぜひ参考になさってください。

【目次】

  1. 外資系コンサルファームとは?
  2. 外資系コンサルファームの種類と仕事内容
  3. 外資系コンサルファームの業務スケジュール
  4. 外資系コンサルファームの採用動向

外資系コンサルファームとは?

外資系コンサルファームは、いわゆる「コンサルタント業務を営む企業」の中で「外資系」の企業群を指します。しばしばコンサルを営む企業のことを「コンサルファーム」と呼びますが、実態としては企業体(まれに会社以外の法人の場合も)として経営されています。

コンサルとは、主にクライアントである企業・団体が抱える問題や課題に対してアドバイスしたり、解決策を実行したりしてクライアントが求める成果を実現する業務です。主にクライアントからのコンサルフィー(報酬)を基に経営が成り立っています。

そのうえで「外資系」とは外国資本の企業をいいます。端的にいうと海外のいずれかの国に本拠地があり、その企業の「日本支社」として日本に進出している企業です。本拠地が海外にあれば全て「外資系」といえますが、コンサルはもともと米国で発展したビジネスでもあるため、実質的には米国出身のコンサルファームが多いといえます。

一昔前まで、外資系コンサルファームというと激務で競争も厳しい就職・転職先の一つでした。しかし、昨今の働き方改革の潮流により変化が見られ、従来ほど激務ではなく、その分人材雇用に積極的なファームも増えています。

外資系コンサルファームの種類と仕事内容

業種のようにオフィシャルな区分けではありませんが、コンサルファームはたとえば以下のようにさらに細分化されます。

・戦略系コンサルティングファーム
・総合系コンサルティングファーム
・FAS系コンサルティングファーム
・IT系コンサルティングファーム
・組織・人事系コンサルティングファーム

それぞれ得意領域や仕事内容が大きく異なります。自分が理想とする働き方を実現するためには、ファーム毎の仕事内容の違いを理解して、自分にあったタイプのコンサルファームを選ぶことが大切です。

戦略系コンサルティングファーム

●戦略系コンサルティングファームは、企業全体の戦略立案を最も得意としているファームです。たとえば以下の様なファームがあります。

●マッキンゼー・アンド・カンパニー
●ボストン コンサルティング グループ
●A.T.カーニー
●ベイン・アンド・カンパニー
●アーサー・ディ・リトル
●ローランド・ベルガー

企業が抱える課題を踏まえて、経営戦略や計画立案を通じて業績の向上や競争力強化を追求するのが主要な仕事です。取り組む課題は経営層が検討するような、全社的で企業の将来を左右するテーマが中心となります。

「課題」というと具体的な問題が発生したときのみ活動する印象を持たれやすいですが、実際には中期経営計画の策定や次期の財務戦略など、平時の企業経営の重要項目の策定にも携わります。

課題を解決するツールとしてしばしばM&Aが有効な手段となることから、M&Aアドバイザリーとしての役割を果たすプロジェクトも少なくありません。また、日本の場合は全社的なマーケティングや海外進出といったテーマも得意領域です。

日本法人だけで見ると数百人程度の少数精鋭であるファームが多く、本来は課題の策定や提言などが中心で、解決策の実行は主領域としないファームです。

ただし、DX関連の実行支援ニーズが高まる中で、戦略系でも実行支援を行うプロジェクトも増えています。(実行支援まで行うかどうかは、顧客ニーズとフィー水準、リソースの余地、プロジェクトの規模などによって決まってきます)

総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームは、事業規模という意味では今回紹介する中でも、大きくコンサルビジネスを手がけているファーム群です。特に四大会計監査法人のグループファームである「Big4」と世界最大級のコンサルファームである「アクセンチュア」が有名です。

●デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
●PwCコンサルティング合同会社
●KPMGコンサルティング株式会社
●EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
●アクセンチュア株式会社

最初の4社が「Big4」で、それぞれが監査法人と連携しています。「総合」とついているだけあって、さまざまな業種のあらゆるテーマに対する支援を行うのが総合系コンサルファームの特徴です。そのため、一口にコンサルといっても、コンサルタントがアサインされたプロジェクトによって業務内容が大きく変わってきます。

戦略系のように財務戦略・経営戦略や新規事業戦略などの策定に携わるプロジェクトもあれば、システム改革などIT領域のプロジェクト経験を持つ場合も。最近ではDXやAI、IoTなどの先端技術を応用するプロジェクトが増加傾向で、コンサルタント側もIT領域に知見のあるスタッフが増えています。シンクタンクのように市場調査や研究・分析を行うプロジェクトなども見られます。

FAS系コンサルティングファーム

FASとはファイナンシャルアドバイザリーサービスの略です。日本語にすると財務アドバイザリーというところで、そのまま捉えると財務面での課題解決に携わるコンサルファームとなります。

●PwCアドバイザリー合同会社
●株式会社 KPMG FAS
●デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社

FAS系コンサルティングファームの典型的なプロジェクトは、M&A・バリュエーション業務です。買収価格の算定や、そもそものM&Aの意思決定のためにしばしばFASが企業や資産価値の算出を行います。

また、ここから発展する形でM&A全体のアドバイザリーを担う場合も。それ以外では財務デューデリジェンス業務、事業再生コンサルなどを手がけるプロジェクトも見られます。実務においては、他のコンサルファームと比べると、与えられたデータを基にエクセルなどでモデルを構築して価値算出をするデータワークが多いのが特徴です。

IT系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファームは、文字通りIT関連のプロジェクトを主に手がけるコンサルファームです。

有名な外資系ファームでITコンサルファームとして名が上がるのは「日本IBM株式会社」くらいですが、システム関連の専属コンサルタントを積極的に雇用するアクセンチュアもITコンサルファームとみなされるケースが少なくありません。また、総合系コンサルティングファームは、いずれもIT領域のプロジェクトを積極的に手がけています。

システム導入による業務効率化や、企業の基幹システムの導入プロジェクト、ITを活用した新ビジネス開発など、近年はITなくしてビジネスが成り立たないため、多様なプロジェクトがあります。さらに、近年ではDXの潮流がブームのように起こっているため、DXプロジェクトもIT系コンサルファームにとっての重要ビジネスです。

プロジェクト全体の立案や進行管理といった、より上流領域の仕事がコンサルファームの本来の仕事です。しかし、近年はシステム構築・運用や保守などを手がけるSIerの役割までコンサルファームが担うケースも少なくありません。

組織・人事系コンサルティングファーム

組織改革、人事制度などに関するプロジェクトを主領域とするファームです。

●マーサージャパン株式会社
●ウイリス・タワーズワトソン
●コーンフェリー

組織運営としての課題を洗い出したうえで、組織構造や業務領域、役割分担などの変革や人事・研修制度の改革、採用戦略などに取り組んでいるファームです。日本においては高齢化に伴い退職者の増加傾向が見込まれることから、退職支援や年金制度の整備などのプロジェクトも増えています。

組織論や法制度を踏まえて、合理的・効率的な組織にするための支援を行うほか、人間心理や企業風土などの論理だけで説明が難しい要素まで加味して、その企業のあるべき姿を提言する取り組みも盛んに行われています。

また、組織が大きく変わる機会としてM&Aや事業再生において、実行前後の組織構造や研修制度などの支援を行うプロジェクトも少なくありません。意外にクロスボーダーの案件も散見され、海外法人も含めた組織構造整備や海外進出時の現地法人の育成などといったプロジェクトが見られます。

外資系コンサルファームの業務スケジュール

コンサルファームの業務スケジュールは次の様な要素によって大きく変化します。

●コンサルファームのカテゴリ
●プロジェクトアサインされている/されていない(アベイラブル)
●常駐が生じる案件である
●役職

以下は実際に外資系コンサルティングファームのアソシエイトクラスだった方からお聞きした、案件にアサインされていた頃のスケジュールイメージです。

consultant schedule

【長押しして画像を開く】

赤:顧客先、青:チーム内Mtg、緑:個人作業

常駐がない案件としては比較的オーソドックスなスケジュールだと思われます。週に2日顧客とのミーティングがあり、そのほかに何度かファーム内でのチームミーティングがあります。そのほかは、マイルストーンに間に合うように案件を進めていく流れです。

役職が上がり、シニアマネージャーあたりになってからは、複数のプロジェクトにアサインされるケースも増えてきます。

今回お聞きした方曰く、大阪と東京の企業のプロジェクトにアサインされていて、かつ大阪の企業が常駐だったメンバーがいたそうです。週の前半を大阪のホテルで過ごし、残りを東京、週末のうちに大阪へ移動するといったスケジュールでした。常駐の間は時間がとれないので、資料チェックなどはおもに新幹線の移動中に行っていたそうです。

外資系コンサルファームの採用動向

最後に、外資系コンサルファームの最近の採用動向について紹介していきます。

採用市場は売り手市場

日系企業全体にいえることではありますが、コンサルティングファームも売り手市場となっています。まず土台として事業環境が好調であることがあげられます。

参考:【2024年上半期】コンサル業界転職動向

DX案件のブームは一時期の盛り上がりからやや落ち着きつつあるという声もお聞きすることがありますが、IT領域を放置すると競争力の低下を招くと言われている「2025年の崖」の期限が間近に迫る中、長期的なトレンドで見れば依然としてビジネスチャンスが豊富な時期です。

さらに、働き方改革が始まって久しいですが、依然として案件が豊富にある中で人材を増やして対応する流れが続いています。高い専門性を持つハイレベル人材に限っての話ではありますが、組織を増強するために積極的に人を雇うファームが多く見られます。

コンサルティングファームは人気だが年収面では優位性はない

コンサルファームが人気職種である状況は変わりませんが、年収面では以前ほどの優位性はありません。総合商社や日系も含む金融などが積極的に待遇を改善させる中、年収はコンサル転職の強いインセンティブとはならなくなっています。
※ただし外資系コンサルの年収は業界内では高年収と言えるのも事実です【参考】 外資系コンサル20代の年収レンジ【戦略系・総合系比較】

さらに、公認会計士を志す学生も伸び悩んでいることが、Big4を中心としたコンサル人材不足の遠因です。以前は監査法人内で完結させていた業務のうち、資格がなくても実行可能な内容の一部はコンサルファームの手を借りるケースが増えています。

参考:日経新聞「深刻化する会計士不足」

以上の様なさまざまな要因が絡んで、コンサルファームは売り手市場となっています。これからファームへの転職や就職を検討している方にとってはチャンスといえるでしょう。

本来のコンサル能力が重視される潮流に回帰

過去数年のコンサルファームは、DXプロジェクトを回転させるために、IT領域や先進技術に関する知見のある候補者を積極的に雇う流れが続いていました。

今後はDXの効果検証や課題を踏まえたブラッシュアップなどの案件が増えてくると考えられます。これからコンサルの内定を勝ち取りさらに活躍していくためには、IT領域の知見をうまく生かして、実行力のある課題解決策を提示する本来のコンサル能力を備えていることが大切です。一部のコンサルタントに過重労働を課すことが難しくなっている中で、大人数の適切なチームマネジメント能力なども重視されるでしょう。

以上のポイントを軸に、現職の経験や実績の中で強みとなるポイントを整理して、書類や面接の場でアピールしていきましょう。

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

コンサルティングとは?コンサルタントの仕事内容・業務を具体例から解説
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_dutiesandtask

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今回の記事では、外資系コンサルティングファームの仕事内容とスケジュールについてお伝えしました。

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