外資系コンサルタントは全体として高収入な傾向にありますが、特に20代の若手のうちから実力次第で高い年収が狙えるのが魅力です。一方で、コンサルの給与体系は日系企業とは異なるため、特に日系企業から転職を検討する際には給与体系を理解しておく必要があります。
今回の記事では外資系コンサルタントの20代の年収について紹介します。
【目次】
外資系コンサルタントの年収は20代から高い
外資系コンサルタントは基本的に各年代において平均より年収が高い傾向にあり、それは20代も例外ではありません。日系企業では20代のうちに1,000万円を超える企業は限られています。一方で、外資系コンサルタントであれば、最速では20代のうちに2,000万円近い年収を手に入れるケースもあります。
なお、実力次第でコンサルタントの中でも差が開くこと、また同じ外資系コンサルタントでも、総合系より戦略系の方が高いこともおさえておきましょう。
コンサルタントの年収は職階に大きく依存する
外資系コンサルタントには年次昇給という概念が基本的になく、職階と職階の中の細かいランクや業績評価によって決まります。特に職階ごとに年収レンジに大きく差があるため、職階で年収の大部分が決まるといっても過言ではありません。
最も低い職階でも平均的な日系企業の20代よりは高めの年収レンジとなっているため「20代コンサルタントの年収は高い」という点に相違はありませんが、その中でも高い評価により早く出世する人と出世が遅い人の中で年収水準が大きく変わるのも特徴です。
評価が上がらなければ、ランクや職階が上がりません。さらに悪いケースとして降格して減給となるリスクもあります。
総合系コンサルタントの職階ごとの年収
まず、弊社調べによる総合系コンサルタントの職階ごとの年収レンジは次のようになります。
・シニアマネージャー:1,300~2,000万円
・マネージャー:1,000~1,500万円
・シニアコンサルタント:700~1,200万円
・コンサルタント:620~900万円
・アナリスト:450~600万円
新卒で入社する場合にはアナリストから始まります。また、日系企業から20代でコンサルに転職する場合はシニアコンサルタント以下で転職する場合が多いですが、それでもほとんどの日系企業よりは年収を上げられるでしょう。
MBAホルダーであるなど稀有な経歴や職歴がある場合には、新卒でもコンサルタント以上で入社することや、いきなりマネージャーに抜擢されることも。仮に20代のうちにマネージャークラスで転職となれば、入社した途端に高い確率で1,000万円台の年収が実現します。
コンサルタントの一般的な意味で「順調」な昇進ペースは、若手のうちは2〜3年で職階が1つ上がるくらいです。20代最後のあたりでマネージャーまで到達できれば順調というところでしょう。従って、並以上のコンサルタントであれば、総合系でも30歳手前で年収1,000万円は充分狙えます。
一方で、実力次第でスピーディに昇進していくのがコンサルタントの特徴です。そのため、中には20代でシニアマネージャークラスまで昇進する人も。この場合は20代で1,500万円など、さらに高い年収が実現する人もいます。
戦略系コンサルタントの職階ごとの年収
戦略系コンサルタントの年収水準は次のとおり。こちらも弊社独自の調査に基づくものです。
・プリンシパル:2,000~10,000万円
・マネージャー:1,500~2,500万円
・シニアコンサルタント(アソシエイト):1,000~1,700万円
・コンサルタント(ビジネスアナリスト):500~800万円
戦略系の方が職階の数が少ない傾向にあります。基本的に新卒入社時点から総合系より年収レンジが高めなのが特徴です。スタートから500万円以上の年収を狙える企業がほとんど。MBAホルダーや院卒で稀有な実績がある場合などは、さらに高い年収水準からキャリアが始まる場合もあります。
戦略系で職階が少ないファームでは、その分昇進ペースも平均的に遅くなります。上記の職階例で言えばシニアコンサルタントになるまでに4〜5年かかるケースも少なくありません。ただしそれでも、コンサルタントから1つ昇進すれば年収1,000万円を超えられるため、やはり高収入であることは間違いありません。
また、戦略系も実力次第で早いペースで昇進できるのは同様です。中には20代のうちにマネージャー、プリンシパルまで上り詰める人もいます。
プリンシパルになると、業績に対するインセンティブの割合も大きくなってくるため、同じ職階でも年収にかなり開きが出ますが、最低でも2,000万円クラスとなります。ここまで来ると日系企業では歩合制の専門職など、特殊な職種でなければ到達できないでしょう。
外資系コンサルタントの給与体系の特徴
外資系コンサルタントの給与体系は日系企業と異なり、提示年収は基本給+残業代+賞与がすべて含まれていることが多いです。一方で、日系企業の場合は、入社前では残業時間がわからないため、残業代が提示年収に含まれていないケースが少なくありません。
その違いを加味しても外資系コンサルタントの方が高収入である点には変わりませんが、両者の違いを理解しておかないと、転職判断を誤ってしまうリスクがあるので注意しましょう。
残業代が追加で支給されるケースは少ない
細かいルールはファームによって異なりますが、外資系コンサルファームでは、みなし残業代や年俸制の採用などにより、残業代が出ないケースがほとんどです。提示された年収にはある程度の残業代が加味されると考えておいた方がよいでしょう。
特に転職の際は注意が必要です。日系企業の場合は残業代が別途支給されますが、転職時点では残業時間を見積もることができないため、前述した通り残業代は提示年収に加味されていないことがほとんど。そのため、実際に働いてみると残業代で年収が想定より上振れするケースが少なくありません。
転職の是非を判断する時には、残業代の有無の違いを踏まえて検討する必要があります。
賞与も含まれているが、業績・成績次第で加算されることも
コンサルタントへの転職における提示年収では、賞与も含まれています。ただし、賞与の実際の支給額はその年の業績や個人成績によっても変わってくるため、多くの転職案件では賞与の想定額が提示年収に含まれています。
そのため、実際の働きが順調であれば、賞与は一定額の加算がされるケースも少なくありません。弊社の調査によると、大体0〜30%程度加算させる傾向にあり、平均すると15%程度というところです。
サインオンボーナスが支給される場合も
入社年のみ限定の制度ですが、前職と転職先のファームの年収差が小さい時などは、交渉次第でサインオンボーナスなどと呼ばれる入社時ボーナスをもらえるケースも少なくありません。時には100万円単位のボーナスが入社後に支給される場合もあります。
サインオンボーナスをもらってすぐに辞められては困るため、入社後数ヶ月など一定期間勤続したのちに支給されるケースも少なくありません。なお、サインオンボーナスはワンタイムでしかもらえないため、2年目以降は評価や職階を上げなければ年収が下がってしまう場合も多い点に注意しましょう。
20代で外資系コンサルファームに転職するメリット
20代から外資系コンサルファームに転職すると、ここまで紹介した通り魅力的な年収が手に入りますが、それだけではありません。むしろ年収だけを目当てにコンサルに転職してしまうと、転職後のストレスフルな環境に耐えられず、評価が上がらなかったり、短期で退職したりする人もいます。
ここでは20代で外資系コンサルファームに転職するメリットを整理しました。コンサルへの転職を検討する上で、参考にしてください。
年収は日系からはほとんどの場合は年収アップできる
日系企業の場合、新卒では300〜400万円程度から始まり、30歳でも600万円程度までいけば順調な方です。最大手クラスの金融機関や総合商社なら20代のうちに1,000万円近くに到達する場合もありますが、アップサイドを加味すればやはりほとんどの日系企業より外資系コンサルファームの方が年収がアップするでしょう。
また、仮に「年収アップ度合いが今ひとつ」という場合は、交渉次第でサインオンボーナスをもらうこともできます。すべてを加味する場合、かなり高い確率で年収アップでの転職を実現できます。
自分の付加価値をスピーディに高められる
業績や成績が良ければ早いペースで昇進し、大きな仕事を任せてもらえるのが、外資系コンサルファームの特徴です。順調に進めば20代のうちからマネージャー以上となってプロジェクトのマネジメントに携われるようになります。
外資系コンサルタントでは、大手企業をクライアントとする案件も多く見られます。フィー収入などの面で規模の大きいプロジェクトも多く、そのような案件でプロジェクトチームを管理する立場につけるのは大きなメリットです。
20代のうちからチームのマネジメント能力を養うことができるため、年功序列が色濃く管理職になるまで時間がかかる日系企業よりも早期に管理職相当のスキルをつけられます。長期にわたってコンサルタントとしてキャリアを築く人はもとより、事業会社に転職する場合も若いうちから管理職としての転職チャンスが増えるでしょう。
企業に依存することなく自らのキャリアをデザインできる
日系企業に属していると、基本的に自らのキャリアはその企業での部署の選択や出世ペースなどを軸に考えざるを得なくなります。以前よりは相応に人材の流動性が高まったとはいえ、日系企業では基本的に、長期にわたり(理想は定年近くまで)その企業に勤めることを前提としたシステムが形成されているからです。
これに対して外資系のコンサルファームは良くも悪くもそのようなことはありません。長期にわたるキャリア形成が前提となっているわけではなく、実力やスキルセットがマッチしている人はそのファームで順調にキャリアアップしていきますし、芽がないと感じた人は積極的に転職していきます。
ほとんどのファームはチャレンジングなビジネス環境のため、働いているうちに付加価値を高めることができます。転職市場での付加価値も高く、選択肢も広がるため、そのファームでのキャリアが思い通りにならないと感じたら柔軟に新たな機会にチャレンジ可能です。中には、自らフリーコンサルタントとして活動したり、起業してビジネスをデザインしたりするような人もいます。
このように、外資系コンサルタントは自ら能動的にキャリアをデザインするきっかけとする上で有効です。長期雇用を前提としないファームのカルチャーや、自分のスキルアップによりキャリア=企業での異動・出世という考え方から脱却することができます。
英語を多用する仕事につける
日系企業でも大手となれば海外にオフィスを構えているケースも多く、一見どの会社でも「英語」を使いそうですが、まだまだ日経大手と外資系企業では英語の使用頻度に相当な差があります。
外資系コンサルではクロスボーダーの案件や海外進出案件など、より直接的に海外の企業や組織などと関わりを持つ案件が多数存在します。そうした案件に就けば、使用する文書も、ミーティングにおけるコミュニケーションもすべて英語がベースになります。
外資系コンサルに入る時点で一定程度の英語力が要求されますが、日系出身ですとTOEICやTOEFLのスコアが高いなど、能力はあっても、ビジネスで使用する機会に恵まれなかった人も少なくないでしょう。語学力は実際に使用したかどうかで差がつくものなので、ビジネスで使用するシーンがなければ、なかなか堪能になりません。
外資系コンサルなら、英語を日常的に使用するプロジェクトにアサインされるチャンスも多くなります。ビジネス英語を使いこなせる人材になれば将来のキャリアにもプラスに働くでしょう。
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>コンサルタントの年収に関する記事
【未経験からコンサルタントへの転職】年収は上がるのか?ファームの年収・給与体系と未経験からの転職事例
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/consul/money.html
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もともと年収が高いイメージが強い外資系コンサルタントですが、20代で1,000万円が目指せるなど、若いうちから高収入が期待できるのが特徴です。また、同じコンサルタントでも実力次第で年収に開きが出やすいという点もおさえておきましょう。
また、若いうちから外資系コンサルタントへ転職するメリットは年収だけではありません。自分のスキルアップや、自由なキャリア形成を目指す上でも、外資系コンサルタントとしての経歴が役立ちます。
そのままコンサルタントとして長期でキャリアアップしていくのもよいですし、コンサル経験を活かして別の企業への転職や起業を目指すのも一案です。いずれにしても日系企業にいたときと比べてキャリアの可能性が広がるでしょう。
外資系コンサルタントの収入や転職するメリットに魅力を感じた人は、是非コンサルタントへの転職にチャレンジしてみてください。
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