弊社ではコンサルタントの方から事業会社へのキャリアチェンジについてご相談をいただく機会が多くあります。ただし、日系の事業会社へ転職する場合、年収が下がるケースが多く、結局はコンサルファームへ戻るという決断をされる方も多くいらっしゃいます。
一方、外資系の事業会社の場合、年収面でのギャップが少なく転職を決断する方が多いようです。
そこで、今回の記事では、コンサルタントから外資系の事業会社へ転職するメリット・デメリット、また転職する上で求められる英語力や活躍する上で必要なスキルについて解説します。
【目次】
外資系事業会社へ転職する魅力
■高い年収:
何よりも、外資系事業会社の魅力として年収が挙げられます。コンサルタント時代の年収から比較的スライドで提示されるケースが多いです。
(例)
・顧客営業ポジション(20代アナリスト、コンサルタント向け):年収500万~1,000万
・物流センターを統括する責任者のポジション(シニアマネージャー~パートナークラス向け):年収1500万円~3000万円
外資系総合コンサルファームのシニアマネージャーの年収レンジが1,200万円~2,000万であり、ケースによっては転職した方が年収も高くなる場合があります。
■中途文化でキャッチアップの環境が整っている:
日系はプロパー文化の企業が多く、部長クラスで入社した際に、「部長で入社したのに、なぜ会社・業界のこと何も知らないのか?」と不名誉な批判を浴びやすい傾向にあります。
一方で、外資系事業会社には中途入社の社員が多いこともあり、高い年齢で転職した際にもキャッチアップの環境や、社風があります。
■転職できる年齢の幅が広い:
下限40歳など、マネージャークラス以上の年齢を対象にした募集も数多くあります。
プロパー文化ではなく、優秀な社員であれば年齢を問わず活躍できる環境のある外資系の特徴でもあります。
ある部署の採用担当は、ポジションによっては40歳でも若手と語るほどであり。PMポジションで即戦力なら50代でも入社の可能性あります。
■最新の開発・ソリューションに携われる
世界中に拠点を持つ外資系企業では、世界各国の拠点で開発がされているので業界最新のソリューションや開発に携われることが魅力です。
例えば、ドイツの自動車会社にはドイツの開発、中国では中国の開発がされており、世界中の開発地域でのナレッジやソリューションを統合して最新の提案ができます。
特定の業界に興味があり、業界の課題解決をしたい方にとってはやりがいを感じられる環境でしょう。
外資系事業会社へ転職する際の注意点
■アップ・オア・アウトの文化
外資系コンサルファームと同じく、外資系の事業会社でもアップ・オア・アウトの文化が強く、中途社員を受け入れる環境はある一方で、結果を出せない場合には日系企業と比較すると風当りが強くなる傾向があるようです。
■自社プロダクトの導入、コンサル・ソリューション営業色が強くなる
特にメーカーやベンダーの場合、海外本体の力が強く、コンサルタントポジションでもプロダクトの導入型コンサル・ソリューション営業色が強くなります。また、ソリューションは自社製品を経由した方法に限られ、本国で決まったことをローカライズした上でデリバリーする、いわば自社プロダクトの使い方の専門家というキャリアを歩むことになります。
仕事をする上では、どの自社プロダクトをお客様のためにどうデザインするかが重要であり、ある外資系事業会社のマネージャーは、「世の中にこういう課題があって、私たちはその課題を解決するためにこういう製品を作っています。御社にも同じ課題はありませんか?そこに私たちのプロダクトが役立ちます」といった考え方が大切だと語っています。
特定の業界や分野に対して課題意識を持ち、さらにその会社の使命感やプロダクトそのものに対して共感や信頼ができるコンサルタントの方は事業会社への適性があると言えるかもしれません。
また、PLMの領域に特化した仕事など、入社後に扱う領域が限られるケースが多いので、たとえば、外資系総合コンサルファームでPLMを専門にキャリアを歩んできた方で、事業会社志向のある人の親和性が高いと言えます。
採用要件ともなる英語力について
外資系事業会社では海外本社との会議や、部署によっては海外への出張も多く、また日本支社にも外国籍の社員がいることから、採用において英語力が必須要件となります。
■求められる英語のレベル
まず、外資系企業が考える英語のレベルをご紹介します。
ある外資系事業会社では、採用において英語のレベルを以下の6パターンで分類しています。
⑴Native level(上級)
⑵Business level of phone meeting
⑶Business level face to face meeting(ある程度英語ができる:中級)
⑷Conversational + reading/writing English E-mail
⑸Not difficulty in reading/writing English E-mail(初級レベル)
⑹Not required
外資系事業会社の場合、会議で使用できる英語力となる中級以上を求めるケースが多く、中級以上のスキルがあれば評価が高いと言えます。
また、マネージャーなど上のクラスになればなるほど、海外本社と連携するために高度な英語力が求められる傾向があります。
一方で、過去に英語のスキルを重視していたものの英語力のある方が少なく、採用ができないこともあり、ハードルを下げている企業や、緊急に必要なポジションに関しては英語力を問わない企業もあります。
入社して3年でTOEIC700点を目指す方なら現段階での英語力を問うことはなく、また入社後はいきなり即戦力になりにくいので、1ヶ月英語の研修があったりと、実務的なスキルを優先し、英語力は入社後にキャッチアップさせる企業もあります。
よって、ポジションや企業の採用状況にもよりますが、⑸の初級レベル以上の英語力であれば、選考のチャンスがあると考えられそうです。
■英語面接の内容:
外資系の事業会社では、英語面接を課すケースもあります。ある採用担当によれば、「人に影響を与えられるような会話ができるか」が問われており、海外拠点のメンバーと電話で最終面接をする企業もあります。
■具体的な英語を使用した仕事例:
外資系企業では、グローバルでレギュレーションになっている資料を日本語に直して導入する必要があります、その際には高い英語の読解能力が必要とされます。また、オフィスに外国籍の社員がいる会社も多く、英語を使用した社内会議・電話会議ができるレベルは入社後に必要となるケースが多いです。
外資系の事業会社に勤める上で重要なこと
上記の内容から、外資系の事業会社に勤める上で必要なこととして、
・特定の業界や領域に対しての興味・知見が高い人
・毎年世界規模の企業買収でソリューションが増える中、積極的に自社プロダクトを学び、お客様にアプローチできる人
・現場に即したデリバリーに注力できる人
・初級レベルの英語力のある人
以上が挙げられます。
上記のスキルや要件を満たす方は外資系の事業会社への親和性が高いと言えるでしょう。
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今回は、コンサルタントから外資系事業会社へ転職するメリット・デメリット、また転職する上で求められる英語力・スキルについて解説しました。
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