今回の記事では、各企業が用いるコーディングテストのツールの紹介や、GitHubをコーディングテストに用いるメリット・デメリット、現状のコーディングテストの実情などについて実際に各企業の採用担当の意見も参考にお伝えします。
【目次】
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- 各企業が用いるコーディングテストのツール
- エンジニアの採用は遠からず構造化される
- GitHubを採用に利用する企業も増えてきている
- GitHub採用のメリット1.学歴・職歴よりも技術という企業ブランディング
- GitHub採用のメリット2. 候補者の技術者としての指向性や貢献度がわかる
- GitHub採用のメリット3. 候補者の準備が楽
- GitHub採用のデメリット1. 現場エンジニアの工数がかかる
- GitHub採用のデメリット2. 標準化できない
- GitHub採用のデメリット3. 公平性がない
- GitHub採用のデメリット4. 一般公開できるものしか共有できない
各企業が用いるコーディングテストのツール
外部のツールを使って評価するという方法を採用する企業も多いです。
リクルートテクノロジーズは truck.run を、スマートニュースはCodilityなど使用している模様です。
コードテストの実態として、スマートニュースは2時間で2問出て、IDEは何を使用してもいいとのこと。truck.runは日本国内の大手~中小ベンチャー企業まで幅広く導入実績があるサービスです。
解答されたコードを自動採点する機能があるため、開発経験のない人事の方でも採点結果の把握ができるのが特徴です。Codilityは楽天などが採用しているらしいコーディング試験サイトです。
こちらはアルゴリズム系のみで、20問くらいは無料で解けます。以下に挙げるLeetCodeは解けたがどうかが重視されますが、Codilityは解けた上でパフォーマンスチェックや外れ値もカバーできているか、テストされます。これらのツールに共通しているのは複数の言語(Java, PHP, Ruby, C++など)である課題に沿ってコードを書いていき、きちんと動作するかをシステム側でチェックするというものです。公平性を保つという点ではGithubよりも有効と言えます。
もちろんツールを使わず、テーマを与えて自宅でソースを書いてきてもらって2週間後に提出してもらうような企業もあります。エンジニアの採用は遠からず構造化される
Googleが人事施策を社外に公開する取り組みとしてReworkというサイトがあります。こちらでは面接は構造化されるべきという趣旨の記載があります。
『構造化された面接とは、簡単に言えば、同じ職務に応募している応募者に同じ面接手法を使って評価するということです。構造化面接を行うと、応募した職務自体が構造化されていない場合でも、応募者のパフォーマンスを予測できるという調査結果があります。Google では構造化面接を採用しています。つまり、すべての応募者に同じ質問をして、同じ尺度で回答を採点し、事前に決められた一貫した採用要件に基づいて採用を決定しています。』
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/introduction/メルカリではこのReworkを参考に面接の構造化を進めてきており、その一環としてコーディングテストも洗練化されてきているようです。
GitHubを採用に利用する企業も増えてきている
また、インターン応募時や中途採用の書類選考代わりにGitHubのアカウントを提示するように求める企業もあります。メルカリも以前GitHubアカウントの提示で書類選考代わりにするというニュースで注目を集めました。
GitHub(ギットハブ)とは世界中の人々が自分の作品(プログラムコードやデザインデータ等)を保存、公開することができるWebサービスです。
公開されているソースコードの閲覧や、バグ管理や修正などの機能に加えてSNS機能も備えており、エンジニア同士でコミュニケーションを取ることが可能です。
近年はWeb開発担当者を中心に知名度が広がり、今となっては4000万人以上のユーザー数を抱えています。企業や求職者双方にとってメリットの多いように感じるGitHub採用ですが、採用フローとして本格的に展開するには以下のようなデメリットが存在することも考慮しなければなりません。特に候補者の多い会社は以下デメリットにあてはまるケースも多い印象です。
GitHub採用のメリット1.学歴・職歴よりも技術という企業ブランディング
GitHubアカウントは基本的には匿名性が高く、アカウントには候補者の年齢・学歴・性別などの情報は含まれません。
書類選考時に履歴書や職務経歴書ではなく、「GitHubのアカウントを提出して下さい」と候補者に伝えることで、「弊社では皆さんの基本情報や職歴情報ではなく、技術を主として適切かどうかを判断します」
という技術本位の会社アピールができます。これは、実力主義の強いエンジニアにとっては、非常に効果的な選考方法になり得るでしょう。GitHub採用のメリット2. 候補者の技術者としての指向性や貢献度がわかる
もし候補者の方がGitHubを熱心に利用していた場合、どのような言語に慣れ親しんでいるのか、どのようなプロジェクトを見ているのか、どのように活動しているか(自分で公開しているプロジェクトがあるのか、プロジェクトに参加しているのか)などを確認することができます。
基本的にはソース・コードの編集履歴ベースにその人の行動がわかるので、職務経歴書に記載されているプロジェクトではブラックボックスになってしまいがちな、詳細な個人としての貢献度や具体的な行動を正確に把握することができます。
特にオープンソースのプロジェクトにはコントリビューター(寄与者)のハンドルネームが出ることもあり、コミッター(プロジェクトのソースの更新権限を持っている責任者)レベルであれば実力を更にPRすることも可能です。逆にそこまでのエンジニアが多くないため、普段からスキル研鑽の方法を考えているエンジニアはオープンソースプロジェクトへの参加を勧めます。GitHub採用のメリット3. 候補者の準備が楽
「もし書類選考をGitHubアカウントのみで実施する場合、候補者は手の凝った職務経歴書や技術アピールのためのドキュメンテーションを用意する必要はなく、URLをただ提出するだけで済みます。エントリーコストが下がり、応募者はカジュアルにエントリーすることができるので、応募人数が増えるなどの効果が見込めます。
GitHub採用のデメリット1. 現場エンジニアの工数がかかる
GitHubアカウントを提出した候補者にとっては、エントリーのための工数が下がるのが魅力的ではあるのですが、逆にGitHubアカウントからその候補者の技術個性を見極めなければならないため、採用担当である現場のエンジニアへの負荷がかかります。
GitHubアカウントを熱心にチェックして評価をしてくれる協力的なエンジニアがいる会社は良いかもしれませんが、そうでない場合は書類選考に時間がかかってしまいますし、人事では判断ができないのもデメリットの一つでしょう。これを防ぐために以下に挙げる違う形のコーディングテストを採用するのも手でしょう。GitHub採用のデメリット2. 標準化できない
GitHubアカウントに掲載されている個人が手がけるプロジェクトは言語・フレームワーク・ライブラリなどなど多種多様です。
自身が公開したオープンソースプロジェクトが1000以上のスターを集めている(注目が集まっている)、等の定量的な見方はあるのかもしませんが、必ずしも候補者がオリジナルでプロジェクトを展開しているとは限りません。
また、そのプロジェクトを閲覧する社内のエンジニアが複数いた場合に、結果として閲覧者や評価者の感覚値でしか良し悪しを判断することが出来ません。GitHub採用のデメリット3. 公平性がない
また、GitHubの浸透や利用率は年々向上しているものの、個人が必ずしもプライベートで活用しているとは限りません。 GitHubを活用していないエンジニアも世の中にはたくさんいらっしゃるのですが、GitHub採用では趣味でGitHubを活用しているエンジニアのみが受験の対象となるので、そもそも候補者がGitHubを持っていない場合は土俵にすら立つことができず、全候補者に対しての公平性には欠けるといってもよいでしょう。
GitHub採用のデメリット4. 一般公開できるものしか共有できない
会社単位でGitHubを活用しているケースも増えています(企業用のGitとしてGitlabという製品もあります)。そのためGitHubは知っていたり使えたりするソフトウェアエンジニアは多いのですが、企業がGitHub上で管理しているプロジェクトが一般に公開されているケースは非常にまれです。業務としておこなってきた活動や貢献をGitHubから測ることは難しいのです。
一般のエンジニアが公開用にGithubのアカウントを作っているということ自体が珍しく、相応の目的がないと作られることがないため普段からエンジニアとしての活動ログ代わりにGithubを使う習慣が必要です。=================
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今回の記事では、各企業が用いるコーディングテストのツールの紹介や、GitHubをコーディングテストに用いるメリット・デメリット、現状のコーディングテストの実情などについてお伝えしました。
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