今回は、今注目を集める国内有力ヘルステック企業(スタートアップベンチャーから大企業まで)の中から、20社に厳選し、経営者のバックグランドからサービスの特徴、また現在募集中の求人についてご紹介いたします。
※2020年10月時点での情報です。
【目次】
- 株式会社メドレー
- エムスリー株式会社
- 株式会社エス・エム・エス
- 株式会社メディカルノート
- PHC株式会社
- 株式会社エム・シー・アイ
- メドピア株式会社
- IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社
- 株式会社ドクターネット
- 株式会社カケハシ
- DeNAライフサイエンス
- 株式会社ミナケア
- 株式会社AIメディカルサービス
- 株式会社テンクー
- リーズンホワイ株式会社
- 株式会社Buzzreach
- 株式会社DentaLight
- 株式会社イノフィス
- 株式会社ウェルモ
- 株式会社ファミワン
- (参考)ヘルステックの市場規模や動向について
株式会社メドレー
株式会社メドレーは、中学時代の旧友であった現代表社長の瀧口氏と代表医師の豊田氏によって2009年に設立されました。瀧口氏はがん患者の家族の立場から、豊田氏は海外医療を体験した医師の立場から、日本の医療業界に強い問題意識を抱えており、医療従事者×医療消費者のそれぞれの視点を持つ企業として医療ヘルスケア分野が抱える課題を解決していこうという想いで設立されました。
事業は人材プラットフォーム事業と医療プラットフォーム事業を展開しています。
人材プラットフォーム事業では、医療介護求人サイトの「ジョブメドレー」を、医療プラットフォーム事業では日本最大級のオンライン診療システムである「CLINICSオンライン診療」や、患者のための医療情報サービス「MEDLEY」、市民のための介護情報サービス「介護のほんね」などのメディアを運営しています。
会社の強みは、メンバーの多様性です。東大医学部卒の元医師複数名、看護師、薬剤師などの医療従事者から、大手インターネット企業のOBが在籍しているため、多様な視点を持った上で事業展開が行える点です。
現在は新規事業開発やビジネスモデル刷新、M&A推進のポジションを募集中のようで、ITやWEB事業会社、コンサルティングファームにおいて、事業開発やPMIの提案、実行支援の経験がある方が求められているようです。
エムスリー株式会社
マッキンゼーの元パートナーであり現在表の谷村格氏が2000年に設立したエムスリーは、2017年に米Forbesによる「世界で最も革新的な成長企業ランキング」で世界5位、日本1位に輝くほどの注目のメガベンチャーです。
「インターネットを活用し健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らす」をミッションとして、29万人以上の医師会員が利用する「m3.com」を中心に、医薬プロモーション、薬剤・医療機器の開発研究、医療機関支援、ビッグデータビジネス、ゲノム・パーソナル医療、一般生活者・患者向けサービス等様々な事業を展開しています。
グローバル展開も進んでおり、日本の他アメリカ、韓国、イギリス、中国、インド、フランス、ドイツ、スペイン、北欧で事業を進めており、世界に展開するエムスリーグループの医師パネルは全世界で約400万人に達しています。
現在、経営幹部候補として事業戦略グループに所属し新規事業のリードや、組織的課題の解決、その他M3の業務を推進するポジションの募集があり、戦略コンサルや事業会社におけるビジネス経験、Excel、PowerPoint操作上級レベル、ビジネス会話レベルの英語力(TOEIC800点以上)を持った方が求められているようです。
株式会社エス・エム・エス
株式会社エス・エム・エスは「高齢化社会における情報インフラを構築し付加価値を生み出したい」という想いを元に、高齢社会に求められるサービスを多数開発、育成、運営しています。
サービスの例としては、介護事業者向けの経営支援パッケージである「カイポケ」や、介護職向け求人・転職情報サイト「カイゴジョブ」、看護師の年間求職者の約2/3が登録し、日本の病院の約70%にクライアントとなっている看護師向け人材紹介サービス「ナース人材バンク」、認知症情報のポータルサイト「認知症ねっと」、高齢者向け食事宅配サービス検索の「らいふーど」など40を超えるサービスを開発・運営しています。
精度の高い事業運用システムと徹底した人材育成が強みです。主力事業の人材紹介、求人情報事業は卓越したマーケティングと戦略により毎年約200%の成長を続けているようで、高い事業運営システムを持っていることがわかります。
また、将来のマネジメント層や社内企業家を創出できるよう教育システムを整備してきた結果、20近い事業と責任者を生み出すことに成功していることからも人材育成力も強みだといえます。
現在、経営企画のポジションを募集中のようです。経営/事業/ITなどのコンサルティング経験か事業会社での経営企画/事業企画/社長室実務経験が求められるようで、リーダー・マネージャーレベルでの採用になると事業会社経験は必須になるようです。
株式会社メディカルノート
メディカルノートは大学在学中から株式トレーダーとして有名になり、ヘッジファンド、エンジェル投資家として活動してきた梅田氏と、北京頭脳オリンピック”WMSG”チェス日本代表で医師・医学博士の井上氏によって設立されました。
月間1900万ユニークユーザーを抱え、正しい医療情報を正確にわかりやすく伝達する「Medical Note」がコア事業で、総勢1800名もの著名な医師や専門家、800にのぼる医療機関の協力体制のもと運営されています。また、税込月額432円いつでも、何度でも医療相談できる「Medical Note医療相談」や、Medical Noteへの掲載で医師のブランディングを行う「ドクターブランディング」など、医療従事者と医療消費者それぞれにサービスを提供し、医者と患者を繋ぐことに貢献しています。
会社の特徴としては、パートナー企業とのアライアンスを拡大している点です。2017年5月にはアフラックとの協業、2018年6月にはヤフーが運営する「Yahoo!検索」との連携をスタートさせています。
現在、事業開発のポジションが募集中のようです。経営幹部層として、ビジネスサイドで、営業、マーケティング、事業開発などサービスをグロースさせることが求められるロールで、事業会社/ベンチャーにおける事業戦略の立案・遂行経験や戦略コンサルティングファームでの業務経験、Webサービスの立ち上げなどの経験が優遇されるようです。
PHC株式会社
PHC株式会社は連結で5400人以上もの社員を抱えるヘルステック企業で、事業領域は糖尿病マネジメント、診断&ライフサイエンス、ヘルスケアサービスの3つです。
糖尿病マネジメントでは、糖尿病患者に対して高精度で簡便な血糖値測定システムやデータ連携ソリューションを提供しています。診断&ライフサイエンスでは、顕微鏡用スライドガラス、染色試薬など包括的な解剖病理用ソリューションの提供を通じて、検体収集から診断までのワークフローを効率化したり、様々な試料の保存、細菌・細胞の培養およびクリーン環境の維持に必要な機器・サービスの提供を行っています。
ヘルスケア領域では1972年に国内で初めて医事コンピューターを開発・発売して以来、事業ブランド「メディコム」を掲げ、電子カルテシステムをはじめとしたヘルスケアIT製品・サービスの提供を行なっています。
特徴としては、多様な社員が働きやすい環境を各方面で整備しており、優良な健康経営を実践する企業として経済産業省が指定する「ホワイト500」や、女性活躍を推進する優良企業としても評価されています。
現在は新規事業であるHealthcare Platformにおいて、サービス企画・運営リーダーとしてECサイトやマーケットプレイスのサービス企画・開発・運営を担当するロールを募集中のようで、ECやWebサービスの企画や開発、プロジェクトマネージャーやそれに準じる経験が求められているようです。
株式会社エム・シー・アイ
2007年に設立された株式会社エム・シー・アイはヘルスケア業界に特化し製薬企業、医師等医療現場にマーケティングコンサルティングを提供するファームです。
現在、マーケティングリサーチ事業とデジタルマーケティング事業を展開しており、マーケティングリサーチ事業では、独自の医師調査パネルを保有し、製薬業界から年間570本以上のマーケティングリサーチプロジェクトを実施しています。
デジタルマーケティング事業では、製薬企業が展開するオウンドメディアを中心とした医師向けウェブサービスやMRとオウンドメディアの連携を実現するデジタルマーケティングプラットフォームの推進を実施しています。
強みは大手製薬企業、ヘルスケア業界に特化したコンサルティングファームとして、多くのクライアントと10年以上の長きにわたって積み重ねてきた知見・経験・信頼です。また2012年に米国最大のマーケティングコミュニケーショングループであるオムニコムグループの一員となり、1,500社以上の世界中のベンチャー企業・成長企業が集まり切磋琢磨するグループでグローバル化を推進しているのも特徴です。
現在、デジタルマーケティングコンサルタントを募集中で、自ら主体的に動き、関係者と協調しながら働くことにやりがいを感じる方、デジタルマーケティングの中でも複数の領域(Web広告・Webサイト制作・システムやツール導入、動画、等)の業務に知見、または興味がある方を求めているようです。
メドピア株式会社
メドピアは、2004年に医師・医学博士である石見氏によって設立され、ヘルスケアに関連したコミュニティサイト、人材事業、BtoCサービスなどを提供しています。
たとえば、国内医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」、医師求人情報ポータルサイト「MedPeerキャリア」、薬剤師専用コミュニティサイト「ヤクメド」、医師によるオンライン健康相談プラットフォーム「first call」、アプリで写真を送るだけで管理栄養士による食事トレーニングを受けれる「ダイエットプラス」など様々なサービスを主に医師向け、薬剤師・薬局向け、個人向けに提供しています。
会社の特徴としては代表取締役社長、自らが現役の医師のため、医師や医療従事者の声を第一優先として考えており、ユーザーファーストでサービスを提供している点や、50万件以上蓄積する医薬品の口コミをはじめとしたビッグデータを持っていることが挙げられます。
現在、新規事業企画のポジションを募集中です。新規事業の企画立案・実行、既存事業の拡大に向けた戦略立案・実行、事業提携の推進などを期待されるロールで、事業会社またはコンサルティングファーム等におけるプロジェクトの企画、推進をリードした経験や、事業会社における新規事業の立ち上げ経験、Webサービスの企画・マーケティングの経験が求められています。
IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社
IQVIAソリューションズは世界100カ国以上で医療産業に医薬品情報、ソリューションなどのサービスをヘルスケア業界にて提供する世界最大手のコンサルティング企業です。
主に、情報(Information)、テクノロジー(Technology)、サービス(Services)の3つの事業を展開しています。情報(Information)事業では国内外の医療用医薬品の売上データを、様々なレベル・角度から分析・提供したり、医師へのアンケート調査を実施し、製薬企業・医薬品卸各社のマーケティング支援を行なっています。
テクノロジー(Technology)では、ヘルスケア業界の各企業のITニーズに合わせてCRMシステムや各種デバイスの導入などITデリバリー事業を行なっています。
サービス(Services)事業ではデータ、統計解析、最先端テクノロジー、リサーチ&コンサルティングなどのアセットをフル活用して、コンサルティングを提供しています。
国内の医薬品販売情報の99%は同社が握っているなど、圧倒的なデータベースを有しているのが強みです。
現在、Med Techコンサルタントを募集中のようで、薬学、生命科学に関連した学位を持っていること、コンサルティングファーム、あるいは医療機器メーカ等での企画業務の経験があること、医療機器、関連テクノロジー等を主題とする議論をリード、ファシリテーションできることが必須要件のようです。
株式会社ドクターネット
株式会社ドクターネットは、「遠隔画像診断支援」という、ITを活用した新しい医療サービスで、患者の健康と、医療従事者の働きやすい職場づくりをサポートしている企業です。
具体的には、医療機関から依頼のあったMRIやCTなどの画像データを専門医に送り、診断後、治療方針や検査内容などをまとめたレポートを医療機関に渡す仕組みを構築しています。現在、登録しているドクターは400人以上、処理件数も1日4,000件を超えるようです。
会社の強みとしては高い技術力が挙げられます。システムを自社開発するだけでなく、大学や医療機関にも提供し、オープンに開発を進めたり、ディープランニング技術など最先端の画像認識のテクノロジーやアルゴリズムを取り入れることでこれを実現しています。
現在、経営企画部マネージャーを募集中のようです。実績管理、経営管理全般対応(、経営戦略方針に基づく企画・実施運営の対応や、新規事業の企画・立案からプロジェクトマネジメント、レポーティング業務が期待されるロールです。必須要件としてコンサルファームにおける経営/戦略コンサルティング経験者や、大手を中心とした事業会社内での経営企画または管理部門等での経験が求められます。
株式会社カケハシ
武田薬品工業株式会社でMRとして活動していた中尾氏と、マッキンゼー・アンド・カンパニーにてハイテク産業分野の全社変革プロジェクトに携わっていた中川氏らによって、2016年に設立された株式会社カケハシは、薬局で働く薬剤師に「Musubi」という電子薬歴システムを提供しており、ニッチな産業で成長するスタートアップ企業です。
Musubiは薬局で薬剤師の方が使うシステムで、薬歴業務状況や店舗の収益、患者さんとの関係性など薬局の現状をデータとして自動的に⾒える化したり、薬歴・在宅・教育などを効率化しています。また、患者への服薬指導をタブレットで簡単に実現することで、患者の医療(薬局)体験創出にもつながっています。
2018年時点で、8000薬局/6万薬局で取り入れられているサービスで、技術特許を取得したり、2019年にはグッドデザイン賞を受賞したりと注目を集めています。
現在、「Musubi」の営業/カスタマーサクセスチームの事業推進(ディレクター)のポジションを募集中のようです。事業企画/事業開発の経験、業務を分析し、論理的に整理・再構成のプロセスを一気通貫で行った経験、事業推進のために複数のチーム間の意見調整や合意形成を行なった経験が求められるようです。
DeNAライフサイエンス
DeNAライフサイエンス株式会社は2014年にDeNAの子会社として設立されました。提供するサービスは「MYCODE」と「MY健康サポート」の2つです。
「MYCODE」はCOISTREAMと東京大学医科学研究所、株式会社 DeNAライフサイエンスの産学官共同研究における研究開発成果であり、自宅で唾液を採取するだけで簡単に遺伝子検査が行えるサービスです。検査では、「がん」や「生活習慣病」などの疾患発症リスクや、「肌質」「肥満」といった体質の遺伝的傾向を知ることができます。
「MY健康サポート」は、特定保健指導や栄養指導などの経験豊富な管理栄養士を中心としたアドバイザーが、ライフスタイルに合わせ、無理のない生活改善のプランを提案する有料サービスです。
学術機関や官公庁、その他管理栄養士との連携など組織内外のリソースを最大限活用し、事業を展開している点が特徴的な企業です。
株式会社ミナケア
株式会社ミナケアは東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで循環器内科などに従事し、日本人医師として初めてハーバードビジネススクールを修了(MBA)した山本氏によって2011年に設立されました。
事業としては大きく「健康経営・健康自治コンサルティング」と「ソリューション導入・ツール事業」を展開しています。
「健康経営・健康自治コンサルティング」では医療専門職の知見や、健康関連データを活用し、健康経営や健康自治の実践に向けた戦略立案などを企業・自治体・保険事業者向けに実施しています。
「ソリューション導入・ツール事業」としては、健診やレセプトデータの統合管理ツール「元気ラボ」、むし歯や歯周病の原因となる生活習慣をチェックできる、新しい歯科健診プログラム「デンタルIQチェック」などを提供しています。医療と経営に基づいたコンサルティンが最大の強みです。
株式会社AIメディカルサービス
AIメディカルサービスは、AI(人工知能)を活用し、世界の内視鏡医療に貢献するという想いのもと、医師である多田氏に2017年に設立されたスタートアップです。
現在は、「食道・胃~小腸・大腸」に対する「がん関連病変」の内視鏡検査で、画像解析による診断支援を行うAIソフトウェアを開発中です。同社のAIが内視鏡医20名以上と対決したところ、ピロリ菌胃炎判定で医師の平均を上回る正解率をすでに達成しているようです。
会社の特徴としては、産学官問わず東大病院や、大阪国際がんセンターなど多くの研究施設や内視鏡専門医と共同で研究を進めている点です。良質かつ膨大な数の画像を継続的に集めることができるため、AI用画像データベースに強みを持っています。
株式会社テンクー
株式会社テンクーは東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了し、同大学の研究員・助教として遺伝子発現やコピー数多型およびNGSのデータ解析などを行っていた西村氏によって2011年に設立された大学発バイオベンチャーです。
事業としてはゲノムおよび生体情報解析のトータルソリューション 「Chrovis」 の開発と運用、並列分散コンピューティングによる高速データ処理システムの開発、最先端のアルゴリズムに基づくデータ分析/可視化システムの開発などを展開しています。
強みはバイオと先端テクノロジーへの知見で、東京大学が進めるがんのゲノム医療に関する研究を、知識データベースの構築と情報解析の観点からサポートしたりと、産学連携の先駆的なPJTに取り組んでいます。
リーズンホワイ株式会社(2022年「スペシャリスト・ドクターズ株式会社」に社名変更)
2011年に設立されたリーズンホワイは経産省公認企業の証であるJ-Startupに選出されています。事業としては、大きく製薬会社MR、専門医、患者という医療に関わる3者に対して自社開発サービスを展開しています。
患者に対しては「Findme」シリーズとして全国のTOPスペシャリスト・ドクターズとのマッチングサービスである「Findme スペシャリストドクターズ」や、医師と患者が直接ビデオ通話可能な「Findme オンライン診療」などを提供しています。製薬会社MR向けには、医療機関の地域連携やエリアマーケティングを推進するための分析・可視化ツール「WhytPlot <ホワイトプロット>」を展開し、専門医向けにはプロフェッショナルネットワークサービである「Whytlink <ホワイトリンク>」を提供しています。
株式会社Buzzreach
2017年に設立されたBuzzreachは患者と治験実施医療機関を繋ぐ業界初のプラットフォームを提供しているスタートアップです。
治験を含む臨床試験・臨床研究に関わる業務効率化が可能となるSaaS型システムの「puzz(パズ)」や、インターネットを利用し、臨床試験情報を患者に提供する「Smt(エスエムティー)」、「自分と似た人達とつながり、ともに支え助け合っていく」がコンセプトの患者特化型SNSサービス「MiiLike(ミライク)」など多様な自社サービスを展開しています。
会社の特徴であり、強みは治験というニッチな領域に特化し、様々なサービスをパッケージで既に提供できている点だと言えます。市場が小さく参入者も少ないため、今後も同領域のビジネスを独占し続ける可能性が高いでしょうか。
株式会社DentaLight
DentaLightは、広告代理店の企画営業やスポーツマネジメントの営業を経て、グロービス経営大学院福岡校で学び藤久保氏により、2013年に設立されました。
事業としては歯科業界に特化したソリューションを開発・運用しています。特徴は歯科というニッチな領域に特化し、患者と医院の双方にソリューションを提供している点です。
患者向けのアプリ「myDental」では、アプリが診察券の代用になり、WEB予約も可能で、定期検診のお知らせを受けることもできるため利便性が高く、予防歯科のサポートを実現可能としています。
歯科医院向けの予約・CRMサービス「ジニー」では、患者一人ひとりに合わせたメッセージや、予防歯科の実現をサポートすることで、キャンセル率の減少や、中断・離脱対策など医院の経営基盤の安定化に寄与しています。
株式会社イノフィス
イノフィスは2013年に、「すべての人が、生きている限り自立した生活を送る世界を実現したい」という想いのもと、「人のためのロボット」を創出することを目的に設立された東京理科大学発ベンチャーです。事業としては、人や重い物を持ち上げるとき、中腰姿勢を保つときに腰の補助に特化した「マッスルスーツ」や「マッスルアッパー」を開発・販売しています。
この製品は、創業者であり、最高技術者・取締役の小林氏が、東京理科大学博士課程修了後に助教・教授として2000年からマッスルスーツの開発を開始していたのが始まりです。
会社の強みはアカデミックな知見をエッジの効いた商品に落とし込める力だと言えます。
株式会社ウェルモ
Forbes JAPAN 2018 NEW INNOVATOR ⽇本の担い⼿99にも選出された⿅野氏によって2013年に設立されたウェルモは、テクノロジーを活用し「介護領域事業」「障害児教育事業」を展開しています。
介護領域事業では、ケアプラン作成業務を支援する人工知能エンジン「ケアプランアシスタント」によってkeaマネージャーの業務負担やストレスを軽減させています。また、保険内外サービス、ケアマネ、行政をつなぐ地域情報見える化サイト「MILMO」によって、ケアマネジャーが利用者のニーズにぴったりな事業者・団体を探し、提案することを可能にしています。
障害児教育事業としては「UNICO」というサービス名称で児童発達支援・デイサービスの展開・運営を通し、子供の成長を支援しています。
介護福祉領域の中でも、ケアマネージャーの支援に特化したソリューションが特に強みだと言えます。
株式会社ファミワン
ファミワンは創業者である石川氏が妊活の際に相談相手がいなかったこと、何をすべきかわからなかったことなどがきっかけで2015年によって設立された妊活に特化したスタートアップです。
不妊専門の看護師や臨床心理士などに相談できる「妊活コンシェルジュ」や月額500円で妊活専門家によるライブ動画が見放題の「妊活ライブ」、妊活と仕事を両立するためのキャリア支援サービス「ファミワンキャリア」、企業風土を変革する目的の「妊活セミナー」など妊活を軸に様々なサービスを展開しています。
同領域に特化していることが特徴で、妊活に関する膨大なナレッジを蓄積できている点、妊活の専門家とのネットワークを構築できている点が強みです。
(参考)ヘルステックの市場規模や動向について
ヘルスケア産業はGDPの約10%である50兆円という巨大産業であり、日本国内では数少ない成長産業の1つです。それにも関わらず、約30万人弱と少数である医師が、7兆円市場である医薬品・2兆円市場である医療機器の採用などに主関与・リードするきわめて特殊な産業構造となっており、マーケティングやプロモーションの成否が与える影響がとても大きい事が特徴です。
また、ヘルスケア産業の中でも、特に「ヘルステック(HealthTech)」が国、産業、アカデミアから注目を浴びています。「ヘルステック(HealthTech)」とは「Health」と「Technology」を掛け合わせた言葉で、IoTやモバイルアプリやAI、ビックデータなどの先端テクノロジーを活用して、ヘルスケア領域における課題を解決しようとする期待が込められています。近年、このヘルステック市場にて数多くのスタートアップや大学発ベンチャー、産学官のプロジェクトが誕生しています。
BtoBビジネスの領域では健康経営に関する事業によって、BtoC領域においてはウェアラブル端末などの普及によって市場が拡大しており、また新型コロナウイルスの影響によりオンライン診断の需要が高まっていること等を背景に、富士経済によると、ヘルステック・健康ソリューション関連市場は2022年には3,083億円まで拡大すると予測されているようです。
関連コラム:
「コンサル・IT人材」積極採用中のDX求人特集<ヘルスケア業界編>(各社特徴~採用ニーズ~転職年収事例)
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dxhealthcareseries
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今回の記事では、今注目を集める国内有力ヘルステック企業をご紹介しました。
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各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。