未経験からのコンサルへの転職は、どうしてもコンサルとしてのスキルやコンサルの業務経験の部分で、経験者とは差がつきがち。その分自己PRでは、たとえ未経験でもコンサルとして「使える」と思ってもらう必要があります。
今回の記事では、未経験からコンサルへ転職する際に、面接官や選考担当者に刺さる「自己PR」作りのポイントをお伝えします。
【目次】
コンサル選考の自己PRにおいて評価される4つのスキル
刺さる自己PRを作成するためには、まず未経験からコンサルを志望する場合、どのようなスキルや知識・経験などがあると評価されやすいのかを理解する必要があります。
以下から、コンサル未経験でもアピールできる4つのスキルを紹介します。
コンサル未経験でも自己PRに使えるスキル①課題の洗い出しと課題解決スキル
コンサルビジネスの本分は、顧客のビジネスを改善するための解決策の提示や実行支援をおこなうことにあります。一方で現実的には顧客が「よくない状況ではあるが、何が本質的な課題かわからない」状態に陥っていることも少なくありません。
したがって、コンサルには現状をもとに課題を洗い出すスキルと、課題への解決策を考えるスキルの両方が求められます。
確かにコンサルタントは課題の洗い出し・解決のプロフェッショナルともいうべき存在ですが、こうしたタスクは、コンサル以外での業務でもしばしば携わるはず。例えば営業であれば、今顧客が抱えている悩みや課題を明確にして、それを解決できる商品・サービスを提案するでしょう。
今までの自分の業務経験の中で、課題の洗い出し・解決といったタスク経験がある人は、ぜひその実績を自己PRに役立ててください。
コンサル未経験でも自己PRに使えるスキル②プロジェクトの推進・マネジメントスキル
コンサルでは多くのケースにおいて、チームアップしてプロジェクト単位でビジネスを推進していきます。チームをまとめてプロジェクトを円滑に推進していく能力や経験は当然のように重視されます。
例えば、小さいチームやユニットでもいいので、若くしてリーダーとしてマネジメントした経験があれば、プラスに働くでしょう。また、投資銀行や商社、IT系などのようにコンサルでなくともプロジェクトベースで働く機会が豊富な業種はあります。プロジェクトベースで働いた実績・経験があれば積極的に自己PRに盛り込んでください。
また、本業でなくとも、例えば「社内のボランティア活動をまとめた」「企業内のクラブ活動をマネジメントした」などといった経験も、プロジェクト管理に役立ちますので、アピールするとよいでしょう。
コンサル未経験でも自己PRに使えるスキル③顧客との交渉・調整のスキル
流石にコンサルの転職で「コミュニケーションスキルがあります」といってしまうとやや陳腐な印象を持たれるリスクがあるので、もう一段レベルアップさせてみましょう。
コンサルプロジェクトの円滑な推進のためには、さまざまな場面で顧客にプロジェクトの状況や方針を納得させ、時には交渉して承認を得ていかなければなりません。
時にはファーム対クライアント、クライアント内部でトラブルや意見の食い違いなどが起きることも。そのような時も、うまく間に立って、プロジェクトのスケジュールやゴールの達成に影響が出ないようにする必要があります。
コンサル以外でも例えば、商社や卸売業では、商品の仕入れ先と納品先の間に立って納期や価格を調整しなければならない場面が想定されます。他の業種でも、社内の立場が異なる部署が対立して、案件が進まないというケースは珍しくありません。
こういった時に異なる立場の主体の間に立って交渉や調整をした経験があれば、コンサル未経験でも高い評価を得られるでしょう。
コンサル未経験でも自己PRに使えるスキル④資料作成・データ分析スキル
アソシエイトクラスまでの若手の場合は、業務の多くの部分で分析や資料作成のスキルが必要に。特に資料自体が成果物であるコンサルにおいては、ミスなく質の高い資料の作成が当然のように要求されます。
資料作成に慣れていないとこの部分で苦労して、定着しない若手も少なくありません。一方で、コンサル以外でも、財務部・経理部などお金を扱う部門は、ミスの一切ない分析・集計・資料作成が求められる場面は少なくありません。また、金融業界でも多額な資金が動くことから、非常に高いクオリティの資料を求められる傾向にあります。
現職で素早く質の高い資料を作成したり、データ分析を必要とするタスクを多く経験したりした人は、ぜひ実績を自己PRに盛り込んでみてください。
コンサル選考で評価される自己PRの4つのポイント
コンサルとして必要とされるスキル・経験をふまえて選考において評価される自己PRのポイントをまとめました。もちろん熱意も大事ですが、コンサルではそれ以上に、「使える」ポイントを合理的に示すことが、高い評価の獲得につながります。
ここからは評価される自己PRのポイントを4つ紹介します。
コンサル選考で評価される自己PRのポイント①これまでの業務経験やスキルをもとにコンサルらしい強みをアピールする
コンサルの自己PRでは、自分の強みを、これまでの経験の中から具体的にアピールすること、さらに「強み」をコンサルの仕事の中で活かせると示すことが重要です。
【自分の強みを生かしたコンサルの自己PR例】
- 社内プロジェクトのファシリテーションをやってきたので、プロジェクトマネジメントに自信があります
- 財務部で日々、細部まで正確な資料を迅速に作ってきたので、プロジェクトにおけるデータ分析・正確な資料作成が可能です
未経験の場合は、コンサルとしての実績や経験がないため、選考の評価者はコンサル外の業務の中でコンサルとしても「使える」素質が身についているかをみています。熱意だけで評価されるものではなく、また新卒のようにむやみに自分の強みをまとめればよいというわけでもありません。
まずは、コンサルとして必要とされる・評価されるスキルを理解し、その中から自己PRに使えそうなポイントを整理しましょう。そのうえで、自分の業務経験の中でアピールできる要素をまとめてください。
コンサル選考で評価される自己PRのポイント②強みを活かして達成した成果をアピールする(できれば定量的に)
コンサルの自己PRに導入する内容には、強みを活かして達成した成果があると、より納得感を得られます。
【コンサルの自己PRに導入する内容例】
- 交渉力を武器に、反発する社内の審査部門を説得して、○億円の新規取引の開拓に貢献しました
- マーケティングスキルを土台に課題を洗い出し、Webマーケティングの改善を通じて、○%の集客力アップにつなげました
「業務で確かな実績をあげているのだから、いう通りの強みがあるのだろう」と選考担当者に思ってもらえれば、未経験でも評価アップにつながるでしょう。
また、コンサルは漠然とした情報よりも、数値で示された定量的な情報を信頼します。さらに、コンサルとして働く時にも「自分の考えを定量的な数値で示す」ことは、顧客へのプレゼン、交渉やプロジェクトの効果測定などさまざまな場面で必要となるため、選考の時点でこれができると評価アップにつながります。
コンサル選考で評価される自己PRのポイント③コンサル外だからこそ得た専門性をアピールする
コンサルはさまざまな業種・領域において高いパフォーマンスを発揮するために、専門性の高い人材を常に求めています。コンサル未経験者は、逆に「コンサル外における専門性がある」ことをアピール材料として活用するのが有効です。
【コンサル外だからこそ得た専門性の自己PR例】
- 金融における決済プロセスについて深い知見があります
- DXにおいてシステム・ツールの導入や改革を実行してきました
コンサルにおいてホットなテーマに関する専門性であれば、高い評価の獲得が期待できます。まずはコンサル業界のことを調べ込んで、どのような専門性があるとバリューを発揮できそうかみたうえで、自分に該当する領域の強みがないか整理していきましょう。
財務戦略や金融、マーケティングやDXといった領域であれば、近年はさまざまなクライアントが課題を抱えているため、専門性を発揮できます。また特定業種の深い知見があれば、その業種に相対するチームで「使える」と思ってもらえるでしょう。
コンサル選考で評価される自己PRのポイント④意欲やタフネスをアピールすることも大事
コンサルは頭脳労働職と思われやすいですが、他の業種の転職活動と同じように、労働意欲やタフネスをアピールすることももちろん必要です。
特に若手を中心にコンサルは時に激務・ハードな環境に置かれるケースが少なくないため、長時間労働や不規則な労働に耐えられるというPRは役立ちます。現職で激務を乗り越えた場合は、積極的に自己PRに盛り込んでいきましょう。
【意欲やタフネスのアピールを含むコンサルの自己PR例】
- 現職でも顧客の要望に応えるために長時間労働も厭わず取り組んできました
- コンサル業界でマーケティングにおける自分の強みを発揮して、クライアントのビジネス拡大に貢献していきたいと考えています
また、コンサルにおいてどのようなことを成し遂げたいのか、どのような熱意があるのかについて、思いを明確にするのも大切。そのような人の方が、長くコンサル業界で活躍してくれると信頼されやすいためです。月並みではあるものの、やはりコンサルに対する思いを熱く語ることが評価アップにつながっていくでしょう。
コンサル未経験の転職では論理性とパッションを兼ね備えた自己PRが有効
コンサルの転職では、未経験であっても、転職希望者が早期に「使える」かどうかを判断しながら選考が進みます。したがって、自己PRにおいても第一に重要なのは、自分の能力の高さと、それが「コンサルで役立つ」ことを定量的・合理的に示すことです。
一方で、選考者も人間なので、意欲的で好感の持てる人材に高い評価を与えるのは当然。「意欲が高い人材の方がファームに定着すると期待できる」という合理的な理由づけからも、コンサルビジネスに対する強いパッションを持つ人材は評価されやすいといえます。
未経験のコンサル転職における自己PRを作成するうえでは、この論理性とパッションを兼ね備えた内容とするのが有効です。今回の記事も参考に、自分の強みと意欲を整理してみてください。
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コンサルタントへ転職するための「志望動機書」の作り方【未経験~ファームtoファームまで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html
【実例】コンサル転職後も「順調にプロモーション」するための3つの挙動
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/careerpromotionhowto3
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今回の記事では、未経験からコンサルへ転職する際に、面接官や選考担当者に刺さる「自己PR」作りのポイントをお伝えしました。
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