コンサルに限らず、未経験の業種への転職は若い方が有利と言われがちでしょうか。コンサルでも20代後半あたりが、ポテンシャル重視の未経験からの転職者が多い実情があります。
しかし、30代でも未経験からのコンサル転職は、自分のスキルや経験をうまく活かせば十分可能です。今回の記事では、30代から未経験でコンサルへ転職する場合の、20代との違いや、役立つスキルについて解説します。
【目次】
- 30代で未経験からコンサルへ転職する場合に役立つスキルや経験
- 30代未経験からのコンサル転職をうまく進めるポイント
- 20代と30代未経験からのコンサル転職の違い
- 「コンサル的な」強みが30代未経験からのコンサル転職成功のカギ
30代で未経験からコンサルへ転職する場合に役立つスキルや経験
30代で未経験からコンサルへ転職するときは、これまでのビジネス経験の中でコンサルに役立つ「スキルや経験」をうまくアピールすることが重要です。
ここからは、コンサルに従事していなくても培うことができる、コンサルで役立つスキル・経験を紹介していきます。
コンサル向けの資料作成・データ分析スキル
アソシエイトクラスの転職であれば「コンサル的な」資料作成スキルやデータ分析スキルを持っていると、強みとしてアピールできるでしょう。
資料作成でいうと、課題や現状を整理した上で解決策の提示まで持っていったり、プロジェクトを進める上でのプロセスや計画などをまとめたりするような資料を頻繁に作ります。
現状や課題を整理してフレームワークに落とし込む作業には慣れとコツが必要です。現職で、このように情報を構造的に整理する資料を作成する機会が豊富にある場合は強みとしてアピールできるでしょう。
また、データ分析について、プロジェクトにより使い方は多岐にわたりますが、例えば次のような題材で取り入れられることが多いです。
- 現状を分析して課題を明確にする
- 考えられた解決策の効果を推測する
- プロジェクトの工数やコストを計算する
例えば定性的な情報にスコアリングなどをして定量データに落とし込む作業は、現状分析に使えるでしょう。企画の部門などで、プロジェクトの費用対効果を算出する分析なども役立ちます。上記のポイントを踏まえて、自分がこれまで行ったデータ分析に通じるものがないか考えてみてください。
課題解決型の営業経験
営業といっても多岐にわたりますが、特に金融や広告、ITなどの営業にしばしば見られる課題解決型の営業経験は、コンサルに役立ちます。
既存の商品を販売するのではなく、まず顧客の現状をヒアリングした上で課題を明確にし、課題解決に役立つ商品やサービスを構築して顧客に提供するような営業スタイルであれば、コンサルのプロジェクトの進め方に通じる所があるためです。
営業経験が豊富な方で、このようなオーダーメイド型の商品・サービスを提供するタイプの業種経験がある場合は、積極的にアピールしていきましょう。
プロジェクトの企画・推進経験
商社や広告・IT・投資銀行といった企業や、マーケティング系の部署などではコンサルに似たプロジェクトベースの働き方をするケースが少なくありません。すなわち現状を踏まえて課題を洗い出し、その課題を解決するためにチームアップして一定期間プロジェクトを進めていく、といったやり方です。
プロジェクトベースの働き方の中で、特にプロジェクトを新たに立ち上げるために課題整理や解決策の仮説を立てるようなポジションや、実際に立ち上がったプロジェクトをスケジュールに沿って推進するようなポジションの仕事ぶりは、コンサルファームの働き方と通じるところがあります。そのため、未経験でも強みとして活かすことが可能です。
特定業種や領域の専門知識
コンサルの「働き方」と結びつかなくても、特定業種や領域に高い専門知識がある人が、コンサルファームへの入社を果たすケースも少なくありません。
大手のコンサルになれば、業種ごとにチーム編成を行っています。とある企業のプロジェクトを推進していく上で、企業が属する業種の専門性がなければ進められないケースは当然多いものです。またソートリーダーシップ的な側面から、第三者として特定領域の分析や情報整理、提言などを求められる案件もあります。
こうした案件でビジネスを獲得するために、コンサルファームでは各業種の専門家を積極的に雇っています。
また業種に関わらず、いくつかのソリューション領域における専門家もニーズは高いです。M&Aやマーケティング、財務といった領域はクライアントからのニーズも高く、高度な専門性が求められることから、前職の業界にかかわらずこれらの案件に従事して得た専門性は大きな強みとなります。
以上のような業種やソリューション領域で高い専門性を持つ人は、それを武器にコンサルに入社するチャンスが十分にあるのです。
ITに関する知見
現在ではほとんどのコンサルファームがIT関連のソリューションを提供するケイパビリティを持っています。課題を解決する上で、ITが重要な突破口となる案件が非常に多いためです。
DXの推進や、FinTech、AIなどの先進技術のように、IT分野で即戦力となる専門家は常にニーズが高いといえます。SIerやITを活用したビジネスへの参画経験がある人は、自分の分野の専門性を積極的にアピールしてください。
中でも上流工程と呼ばれる、課題を踏まえて導入すべきシステムを定義したり、実際にシステム導入やDXのプロジェクト推進を主導したりといった経験がある人は、大きな強みとして提示できるでしょう。
30代未経験からのコンサル転職をうまく進めるポイント
30代で未経験からコンサル転職を進めるためには、転職活動も工夫が必要です。具体的には次の3点をもとに、応募書類や面接などの準備を進めていきましょう。
- 「コンサルでどう役立てるか」を明確にして強みを整理する
- 強みによって実現したビジネス成果をアピールする
- ケース面接など独自の選考スタイルへの準備を徹底する
即戦力重視の30代の転職では、基本的に選考は「入ってすぐ役立つかどうか」を基準に評価されます。いくら稀有な経験やスキルがあってもコンサルで役立つイメージを持ってもらえなければ、採用には至りません。
自分がアピールする強みや経験は、全て「コンサルでどのように役立つか」という視点をもとに組み立て、書類や面接での答え方を整理します。入社後役立つビジョンが描けないスキル・経験はアピールしないようにすることも大切です。
また、アピールするスキル・経験は、必ず「現職でどのような成果に繋がったか」を伝えられるようにしておいてください。コンサルファームでは論理的・定量的な結果を重視するためです。
アピールしておいて仕事に役立ったことが明示できなければ、逆効果になる恐れも。定量的な形でスキル・強みを活かしてもたらしたビジネス上の成果をまとめておきましょう。
最後にコンサルファーム独自の選考である論理を試す筆記テストやケース面接については、どれだけ論理的思考力が高くても油断すべきではありません。必ず事前に対策を行って、思わぬところで足を掬われないようにしておきましょう。
20代と30代未経験からのコンサル転職の違い
30代でも未経験からコンサル転職が可能とはいっても、20代の転職とはわけが違うのは確かです。まずは、20代・30代の未経験からのコンサル転職の違いを整理しておきましょう。
ポテンシャル重視の採用は減少
20代で未経験から転職する場合、多かれ少なかれ「ポテンシャル重視」の案件が目立ちます。
「ポテンシャル重視」とは社会人経験の中で培われるスキル・経験をあまり重視せず、コミュニケーション能力や問題解決能力といった一般的なスキルをもとに判断する、ということ。
これらにプラスして若手としてビジネスの中で培った経験・スキルがあれば差別化になるのは間違いありませんが、なくてもまだ十分チャンスがあるのがポテンシャル重視の採用の特徴です。
20代であればアナリストかせいぜいアソシエイトクラスでの採用となるため、コンサルとしての能力は入社後に鍛えればいいという発想のもとおこなわれている採用手法です。
一方で30代となると、社会人経験が10年程度、もしくはそれ以上の場合、一から専門性を培うわけにはいかないため、「ポテンシャル重視」の案件は減少してきます。
即戦力を重視する案件が増える
逆に増えるのが「即戦力」となるかどうかをもとに採否を評価する転職案件です。30代の採用では年収が上がり、役職もアソシエイト〜マネージャークラスとなります。そのため、できるだけ早い段階からコンサルファームのビジネス(=収益)に貢献することが求められます。
コンサル経験者ならすぐにでも戦力化することが大前提となる年齢ですが、未経験の場合でも数ヶ月のうちには一人前のコンサルタントとしてプロジェクトに貢献できるようにならなければなりません。
そのため未経験の人でも、これまでのコンサル外の業種で培ったスキルや経験、専門知識を武器に、コンサルタントとして活躍できるかどうかを厳しく評価されます。
30代前半と30代後半でも着眼点は大きく変わる
コンサルファームは新人も、パフォーマンス次第では早期にプロモーションしていく組織であるケースが多いため、30代前半と後半でも職階の領域が大きく異なります。「キャリアチェンジをするのは35歳が限界」と言う人もいますが、年齢に合った対策を行えば未経験でも活躍は可能です。
30代前半であればアソシエイトクラス〜ジュニアのマネージャークラスに就任し、よりスタッフメンバーとして手を動かせる、プロジェクトを推進できるといった能力が好まれます。
30代後半はシニアマネージャーやディレクターといったクラスになってくるため、複数のプロジェクトチームを管理したり、クライアントとのシニアリレーション構築をしたりといった役割が増えてきます。
30代後半ともなると、コンサルというビジネスの特性を十分把握していて、ファームのビジネス拡大を積極的に進めていかなければならない立場です。35歳以上で未経験からの転職の難易度は高くなる分、現在のスキルとコンサルのスキルの整合性をアピールし、即戦力となる必要があります。
「コンサル的な」強みが30代未経験からのコンサル転職成功のカギ
ポテンシャル重視の20代とは異なり、即戦力として求められる30代の未経験からのコンサル転職では、コンサル以外の職場で培ったものだとしても、今までのスキルや経験がファーム入社後に役立ちます。
「コンサル的な」スキルや経験、専門知識がないか、という視点で、自身のこれまでの経験を振り返って整理しましょう。それらを書類や面接の回答に盛り込んでいけば、未経験でも高い評価を得られるチャンスは十分にあります。
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