今回の記事では、情報システム部門(以下 情シス)の将来性や、今後の見通し、また情報システム部門の現状などについて、実際に現場マネージャーなどの声なども通してお伝えします。
【目次】
- 当分、IT人材は売り手市場が継続する
- 事業会社の情シス部門も人材の流動化が進んでいる
- 企業のM&Aやホールディングス体制化が変化をもたらしている
- M&Aは情シス部門にとっては人材確保の千載一遇のチャンス
当分、IT人材は売り手市場が継続する
自社他社問わず、情シス関連の責任者どうしが集まった時にボヤきあうトップのネタといえば、相変わらず続く採用難の厳しさに尽きるでしょうか。
新卒初任給の青天井な上昇傾向に加え、中途採用競争も採用する側にとっては環境悪化が継続しています。
<IT系人材の市場価格が2割ほど上昇してしまっている一方で、人手不足は慢性化し、辞めたいという人材慰留の面談も数知れず、「本当にどうしたもんだろう、となんかいい話ないですか?とため息混じりに冗談を言い合うような状況」とよくお聞きします。
実際、中途採用の採用選考でも「『おいおいちょっと待てよ』といった盛り過ぎプライスで堂々と面接に強気に臨んでくる方も増えたような実感がある」という声もありました。
面接される側にもこちらの事情が見透かされている状態で日々、苦虫を噛み潰しているようです。
現在のIT人材環境は、かなりの売り手市場にあることは確実ですし、このトレンドは当面続きそうです。IT人材不足が叫ばれるようになってもうかなり久しいですが、事業会社の情シス部門の多くも例外なく慢性的な人材不足に悩まされています。
事業会社の情シス部門も人材の流動化が進んでいる
まず情シスの中途採用に関する環境について、先にお伝えしておきます。
「事業会社の情シスって、内部人材で凝り固まってるんじゃないか」と心配される方も少なくないかと思います。そんな理由で、事業会社の情シスを転職先の候補としては敬遠される方も中にはいらっしゃるかもしれません。
新興系のスタートアップ・ベンチャーであれば、入れ替わりも激しく、ベンチャースピリットにも溢れていて、といったイメージが定着しているかと思いますが、事業会社の情シスは旧態依然の閉ざされた世界、あるある日本企業の典型のままでリモートワークもままならない懸念をお持ちの方が多いと感じることがあります。
実際、事業会社の情シス部門を受けようとされるご人材から「リモートワークがどれくらい可能なのか」という内容は多く、企業の体質を見極めるには良い質問かな、とも思います。まずは率直に聞いてみることをお勧めします。
少しそれてしまいましたが、事業会社の情シスも結論から言えば、それなりの人材流動化が進んでいるというのが実情です。心配するようなことはないかな、と思います。
情シス部門以外の事業会社の現場であっても、新卒以来のメンバーだけでほとんど構成されていて、転職組が珍しくほんの僅かな人数で肩身が狭い、というような人材の流動性が極端に低いという心配は、この頃はさほど必要ないでしょうか。
実際、協力ベンダーから転職してきた方が情シス部門の部長になったり、というのも何ら珍しいことではなくなっています。
企業のM&Aやホールディングス体制化が変化をもたらしている
今でもハエヌキ人材で固まることが出来る、といったそんなある意味シアワセで気楽な環境は、安定した業績が長年続いているような一部の超超大企業様ぐらいでしょうか。終身雇用型の日本企業で年功序列に、というレガシーは多くの企業で本当に過去のものとなってしまいました。
歴史ある名門企業でも、一度業績悪化の憂き目にあって仕舞えばそれこそ銀行やファンド、また再生請負職人と言った経営プロが乗り込んで来て、生産性の低いオジサンオバサン社員やボンヤリ管理職の掃討作戦がなされます。
またそのような経営プロ職人達の常套手段である企業のM&Aが活発に行われ、会社が吸収合併されてひとつになったり、逆にホールディングス体制取ることで会社分割された挙句、部門ごと譲渡されるなども珍しいことではなくなってしまいました。
最近の企業のあり方自体の変化が、事業会社の情シス部門の人材の多様化を大きく後押ししています。
M&Aは情シス部門にとっては人材確保の千載一遇のチャンス
例えば、自前の情シス部門をそれぞれもつA社、B社があったとして、規模の大きいA社がB社を吸収したとすると、黒字の事業部門は独立して継続継承されたり、赤字の不採算事業は廃止などが進みます。
一方でバックオフィス系の部署はA社に統合されますが、事務系の部門は2つもいらないですし、人数の頭数も不要ですので人材圧縮をこの機に行い、コストセンターでしかない事務部門の生産性改善が進んでいきます。
しかしながら、常に人手不足に泣いている情シス部門は悲願の人材確保が天から降ってくるタナボタ状態です。A社は絶対にこのチャンスを逃しはしません。また企業の合併で避けて通れないシステム統合という大きなイベントがすぐ後ろに控えるなかで、そんなB社のシステムをよく知る人材をリリースするのは愚の骨頂です。
そんな背景でM&Aやホールディングス体制化といったことが日常茶飯事に行われる昨今では、事業会社の情シスでも、さまざまなバックグラウンドを持った人々が普通に働いている状況です。
M&A以前に、特に事業会社の情シス部門はITという職種柄、他社から転職して来た人材の比率が高いです。また言うまでもないくらいのことではありますが、事業会社の情シスは協力ベンダーと常日頃から一緒に働く状態ですので、転職して来る人材の受け入れ側として十分にこなれています。
いわゆるバリバリの新興系IT企業というほどにはいきませんが、事業会社の情シスの転職にあたって、「転職組の冷遇」を過度に恐れる必要はなく候補として避ける必要はないと思います。
長々と背景を述べましたが、IT人材の転職先の候補として事業会社の情シス部門がターゲットに入ることもあるかと思いますが、想像して身構えるほどには人材が凝り固まってはいません。
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>情シスへのキャリアに関する記事
【情シスあるある】マネージャーが抱える「よくある悩み」と「解決策」
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/informationsystems_commonthings
【実話】SIerのSE・PMから情シスやDX推進部への「転職後のよくある落とし穴」と「対策」
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/sepmcareerchangetips
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今回の記事では、情報システム部門(以下 情シス)の将来性や、今後の見通し、また情報システム部門の現状などについてお伝えしました。
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