コンサルのマネージャーの年収や昇格要件【アナリストからの昇格体験を基に解説】

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コンサルへの転職を考えた時、転職後のキャリアパス、特にスタッフからマネージャーへの昇格が気になる方も多いのではないでしょうか。

「どのくらいの期間で昇格できるのか?」
「マネージャーに求められる要素は何か?」
「マネージャーの給料はどのくらいなのだろうか?」

今回はアナリストからマネージャーまで昇格を実際にされた方の声を基に、マネージャーの年収やマネージャーに求められる要件、マネージャーになって良かったことなどを紹介していきます。

【目次】

  1. コンサルのマネージャーの仕事内容
  2. 気になるマネージャーの年収/給料は?Big4は1,000万円超えも
  3. コンサルでマネージャーになるまでに必要な期間
  4. コンサルのマネージャーへの昇格要件は?
  5. コンサルでマネージャーになって良かったこと、苦労したこと
  6. コンサルティングファームのマネージャーになりたいあなたへ

コンサルのマネージャーの仕事内容

そもそも、コンサルのマネージャーはどのような業務を担うのでしょうか。
マネージャーの主な仕事は「プロジェクトのデリバリ」と「新規プロジェクトの獲得(営業)」の2つです。

プロジェクトのデリバリとは、プロジェクトマネージャーとしてチームをまとめ、クライアントと密に連携しながらプロジェクトを推進することです。一般的なコンサルのマネージャーとして挙げられるイメージそのままです。

もう少し業務を具体的に挙げると、
・クライアントが抱える課題に対し、適切な論点を設定しプロジェクトの進むべき方向を定める
・チームにアサインされたスタッフに対して作業指示を出す
・スタッフの成果物をレビューする
・最終的に成果物に手を加えて品質担保を行う
……などがあります。

また、クライアントに対しては、都度のミーティングで議論をリードする、最終的には上位の経営層との合意形成を経てプロジェクトのゴールを達成する、というのもマネージャーの仕事です。

マネージャーのもう1つの仕事「新規プロジェクトの獲得」については、コンサルファームが売上を立てるためには、既存・新規問わず様々なクライアントに営業し、常に新規プロジェクトを立ち上げていく必要があります。
多くのファームは、その営業責任をマネージャー以上に課しています。デリバリを進める傍らで、進行中のプロジェクトの継続フェーズの受注、新規クライアントに対し新規テーマでのプロジェクト立ち上げ、双方を視野に入れて営業します。

ちなみにマネージャーになると、上記に加えてスタッフの育成というミッションをも背負う場合が多くなります。社内研修や勉強会の講師、メンターやコーチとしてのスタッフのケアなどの業務が増え、一定の工数を割くようになります。

気になるマネージャーの年収/給料は?Big4は1,000万円超えも

マネージャーに昇格すると、お給料がどう変化するのかも気になりますよね。
各ファームともランクごとに一定の給与レンジを定めていますが、役割の広がりとともに給与も非連続的に上がっていきます。

Big4のような大手総合コンサルでは、
アナリスト / コンサルタント おおよそ550万円〜
コンサルタント おおよそ700万円〜
シニアコンサルタント おおよそ900万円〜
マネージャー おおよそ1,100万円〜 

平均的に上記のように給与が設定されており、マネージャーに昇格した段階で1,000万円を超えることが多いようです(中途入社の場合は、前職の年収との兼ね合いによりシニアスタッフで1,000万円を超える場合もあると聞いたことがあります)。
この給与は責任の重さと比例しており、年収1,000万円を稼げる業界・職種は多くはない分、魅力的です。

コンサル業界は、年齢や性別によって昇格できるランクや昇格スピードに差はなく、完全実力主義の世界です。女性でも、20代でも、実力があれば1,000万円超の収入を得ることができます。せっかくコンサルに転職するのであれば、早期にマネージャーに昇格すべく自己研鑽を積むのも一手かもしれません。

コンサルでマネージャーになるまでに必要な期間

大前提として、外資内資問わず大手のコンサルファームは年功序列による昇格判定を行っていないのが特徴です。ですので、スタッフを◯年間経験した、現在の年齢が×歳である、といった要素は重視されません。

各ファームとも、それぞれのランクが満たすべきスキルセット、マインドセットを定義しています。昇格に際しては、その人がそのランクにチャレンジできるか、という点を絶対評価で判定しています。入社して日が浅くとも、実力があると判断されれば早期に昇格することも可能です。
逆に、何年シニアスタッフをやっていても、必要な力が身についていない場合は惰性でマネージャーに昇格することはありません。ちなみに、性差も関係なく、女性だから昇格しづらいということもありません。

実際に、新卒からコンサルファームで勤務した方にお聞きすると、スタッフからマネージャーへ昇格するまでに要した期間は人それぞれのようです。プロパー(新卒)でアナリストからキャリアをスタートさせた場合、優秀な方だとトントンと昇格を重ね、入社後5年ぐらいでマネージャーにまで駆け上がっているケースもあるようです。ただし、こういった方はかなりレアケースとのことで、7年ぐらいかけて昇進するパターンが最も多いとのことでした。

中途の場合はその人のスキルによって大きく異なりますが、コンサル未経験の場合はジュニアスタッフ2-3年、シニアスタッフ1-2年を経てマネージャーに昇格することが多いようです。コンサル経験者だと、早期に立ち上がった場合はジュニア、シニアスタッフを1年ずつといったパターンもあるとお聞きしました。

新卒・中途関係なく、昇格に向けた審査は半年〜1年と時間がかかるのが一般的でしょうか。
ですので、基本的にはどのランクであっても1年は同じランクに所属すると考えておいた方が良いかもしれません。
ちなみに、様々なライフイベントが重なり、このタイミングで休職(産休・育休など)を挟む方も多くいるようです。昇格には一定の評価期間を確保することが必要なため、休職を挟むと少し昇格が遅くなることは避けられませんが、休職自体をマイナスにとらえるファームは少なく、昇格に悪影響を与えることはほとんどないのが実情です。

コンサルのマネージャーへの昇格要件は?

マネージャーへの昇格が、あくまで評価基準に基づき絶対評価で行われるということはお伝えしました。

それでは、具体的な昇格要件とはどのようなものでしょうか。
実際にコンサルティングファームで働かれている方々の声を基に整理してみたいと思います。

ある大手コンサルティングファームでは、
・卒業要件(シニアスタッフで求められるスキルセット、マインドセットが高い水準で身についているか)
・入学要件(マネージャー昇格時に最低限持ち合わせておくべきスキルセット、マインドセットを獲得できているか)
という2つの視点で評価を行うようです。

スタッフ時代は、基本的にプロジェクトのデリバリがメインの役割になりますので、卒業要件では、シニアスタッフとして質の高いプロジェクトワークができているかを見られるとのことです。スライド作成などの成果物作成スキルだけではなく、クライアントとのコミュニケーションスキルなども評価の要素だそうです。

マネージャーに求められる要件は大きく変わりますので、昇格するタイミングで全てを身につけておくことはできません。ですが、昇格直後からマネージャーとして活躍するために、最低限必要なスキルを得ていることが重要だと言えます。

マネージャーは、プロジェクトを舵取りしなければなりません。プロジェクトの課題を解くにあたって、常に適切な論点を立てることができるか、クライアントとの議論を適切にリードできるか、チームメンバーのタスク設計や進捗を適切に把握・管理し、プロジェクトスケジュールを遵守できるか、などについてはシニアスタッフを卒業するまでに併せて身につけておきたいスキルです。

昇格を視野に入れた時に、特に意識していただきたいのは「入学要件」です。
卒業要件は、日々の業務に取り組むことで自然と身につくことがほとんどですが、入学要件は、現在から一段視座を上げて行動しないと身につけられません。特に、スタッフからマネージャーへのステップは、役割が大きく変化するタイミングであり、求められる要件も非連続的なものが多いと感じることもあるかと思います。

大手ファームで働かれている方からお聞きしたところ、常々「常に2ランク上のポジションにいるつもりで仕事をしろ」と言われてきたそうです。2ランク上の立場にいたら、どのように考え、行動すべきか……。
考えつくこと、そしてそれを行動に移すことは難しいことも多いですが、常にこの視点を持ちながら仕事をすることは、昇格への近道になる可能性があります。

評価基準を満たすことは簡単ではありませんが、1人で悩み、抱える必要はありません。
多くのファームでは、プロジェクト期間内にプロジェクトマネージャーからFBをもらう機会を設けています。
昇格要件に照らし合わせた時に自身はどのスキルが身についているか?
不足しているスキルは今後どのように伸ばしていくべきか?
などについて客観的なコメントをもらうことができますので、そのような機会は積極的に利用していきましょう。

コンサルでマネージャーになって良かったこと、苦労したこと

さて、
「給与面も魅力的だしマネージャーになりたい!」
という気持ちに傾いてきた方も多いかもしれません。
ここでは実際にマネージャーとして働かれている方からお聞きした、マネージャーに昇格し、良いと感じた点、悪いと感じた点をご紹介します。

マネージャーになって最も良かったなと感じたこととしては、社内・社外ともにコミュニケーションをとる方々が圧倒的に増えることにより、仕事の自由度を高められる点にあるとのことでした。
シニアスタッフ時代から、クライアントとコミュニケーションを取ることは求められていたそうですが、相手は現場クラスの方であることがほとんどだったそうです。

一方マネージャーになると、対峙する相手は経営層クラスの方々が中心となります。経営層クラスの方とのディスカッションや雑談、様々な会話の中で、プロジェクトを取り巻く全社の状況、クライアントが新たに抱えている課題など、プロジェクト以外の情報にアクセスすることができます。

そのような会話の中で得た情報は、プロジェクトワークの中に取り入れ、議論や報告資料をお互いの思いが反映されたものにブラッシュアップすることもできますし、新たなプロジェクト提案の機会に繋げていくこともできます。クライアントの課題からどのようなプロジェクトを提案すべきか、マネージャーである自分が一からデザインできるので、与えられたプロジェクトをただこなすよりも、モチベーションが高まるようです。

社内でもプロジェクト以外の会議が増え、様々なマネージャー以上のランクのメンバーと顔をあわせる機会が増えます。マネージャー以上は特定の領域や業界の”専門家”です。ネットワーキングを通じて専門家でチームを組み、新しいプロジェクトの提案機会を見つけることもできます。こちらはより自由に”自分のやりたい仕事を創り出せる”ことにつながります。決められたプロジェクトにアサインされるシニアスタッフまでとは異なり、自分のやりたいプロジェクトを創ることができる。これがマネージャーの最大の魅力とのことでした。

また、仕事の自由度という意味では、働き方もより一層自由になるマネージャーが多いように見受けられます。元々コンサルは、ランク問わず成果物至上主義ですので、コロナ以前からリモートワークに寛容な業界ではありますが、マネージャー以上になると、さらに主体的にスケジュールを立てることができます。
マネージャーの中には、週1回のクライアントミーティングでは直接会うものの、それ以外は神出鬼没で、オンラインミーティングでのコミュニケーションが基本、という方もいたそうです。

一方で、マネージャーになって苦労することもあります。
それはなんといっても”プロジェクト以外の仕事が一気に増える”ことに尽きるようです。

最も工数を逼迫させるのが、前述したプロジェクトを獲得するための営業活動とのことです。営業活動には基本的に専属スタッフがいないケースも多く、マネージャー以上の関係者が資料作成を含め、全てを行うことが一般的です。シニアマネージャーやパートナーとの議論を踏まえ、この時ばかりは”下っ端”のマネージャーが手を動かしてスライドを作成するようです。そしてその資料を携えてクライアントと討議し、再度資料を修正して訪問……と時間がかかり、プロジェクト獲得までにかなりの工数がかかります。

また社内向けに、スタッフのスキルアップを目的とした社内研修や勉強会の講師の役目が回ってくることがあるようです。頻度としては高くないそうですが、ものによっては長時間拘束されることもあり、そこそこの負荷になるとのこと。
それ以外にも、コーチやメンターとしてスタッフのケア、社内会議の運営、様々な事務処理対応など、細々とした業務が一気に増えてくるようです。
これはコンサルに限らず、どの業界の管理職でも同じかもしれませんね。

コンサルティングファームのマネージャーになりたいあなたへ

マネージャーは、スタッフとは役割が大きく変わります。したがって、昇格の難易度についてもジュニアスタッフからシニアスタッフへのそれとは難易度が異なってきます。

スタッフの間は、プロジェクトのデリバリを業務の前提とし、昇格していくにつれてその中でできる作業の範囲が広がったり、作業の質の高さが増したりというイメージです。ですがマネージャーの場合は、昇格に向けた評価基準はその延長線上にあるわけではありません。
プロジェクトのデリバリだけではなく、自ら営業を仕掛けて案件を獲得できるか、スタッフを中心とした社内人材の育成に寄与できるか……。

シニアスタッフからマネージャーへの昇格を志す際には、マネージャーに必要なスキルセット、マインドセットが何かを理解し、早期に訓練を始めると良いでしょう。

多くのコンサルファームでは、各ランクの要件や昇格に向けた評価基準が明文化されています。また、プロジェクト終了時や、一定の期間でフィードバックを受ける仕組みも整備されています。
評価基準に基づき、今の自分に足りないものを客観的に指摘してもらうことができますし、ファーム内でスキル向上に向けた研修や勉強会も多く開催されていますので、プロジェクトの合間を縫って参加することも可能です。

コンサルタントはプロフェッショナル職であり、究極的には自分の名前を売って稼ぐ仕事です。日常的な自己研鑽はもはやコンサルタントの必須業務といっても過言ではありません。
マネージャーに昇格するために身につけたスキルは、昇格後に間違いなく役にたちます。それだけでなく、スキルを身につけるために、自分で目標を設定し研鑽を積む行為自体がプロフェッショナルに求められるものであり、早くからそのサイクルを回し続けることはコンサル人生に大いにプラスになります。

せっかくコンサルタントに転職するのであれば、スタッフしか経験しないのはもったいないことです。ぜひマネージャーへの昇格にチャレンジし、自由に幅広い仕事を創り出す側を体験していただきたいなと思います。

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

何が違う?コンサルで「マネージャー昇格後」も「継続的に活躍する人」の共通点
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_difference

コンサルのパートナーは何にお金を使っているのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/partner-money

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今回の記事では、コンサルのマネージャーの年収やキャリアについてお伝えしました。

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