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ファームの成長に応じて、プロモーションが加速傾向に
社会への浸透、また関西拠点の発展といったコンサルティング業界の成長拡大などの影響から、慢性的な人材不足が発生しており、プロモーションを加速するファームが増えています。
一方で、外資系総合ファームのシニアマネージャーにお聞きしたところ、「早急なプロモーションにはキャリアの上で危険もあることを知っておくべき」とのことです。
そこで今回は、急激に拡大するコンサルファームの現状とシニアマネージャーに対する「加速するプロモーション」の注意点をお伝えします。
組織拡大や新組織設立に伴い、特にマネージャーが慢性的に不足しがちに
以前は早くて3~4年周期でのタイトルアップが一般的でした。しかしながら、現在では飛び級を含め2年でのタイトルアップもよく見られるようになっています。
背景としては業界の成長に伴う組織拡大がその一因と言えるでしょうか。昨今のコンサルティング業界の成長率は目覚ましく、IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社によれば
「デジタルトランスフォーメーション(DX)と企業の人材不足が需要を牽引、2017年~2022年に年間平均成長率7.4%で成長し、2022年には5,612億円に拡大すると予測」https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20180327Apr.html
とする見通しが立っています。
また、クライアントのデジタル推進の波を踏まえたデジタル部門・チームの新設も増加しています。
(参考)「日本・グローバル企業のデジタル変革を支援する」デジタル・マッキンゼー https://www.mckinsey.com/jp/careers/digital
戦略的な広告配信を重視するクライアントの要望に応えるように、各ファームが広告代理店を買収するなど業界を越えて奥行きのあるサービスを展開するようになりました。
さらに、今まで事例の少なかったスポーツ・エンターテイメント業界もコンサルファームを本格的に使い始める、など特に大手総合ファームを中心に急激に発展しています。
(参考)「コンサルファームの「スポーツ領域」への取り組みの現状とキャリア」https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consultsports
成長拡大する中でも、新しいインダストリー・チームの発足といった横に展開するファームが多く、自然とマネジメント層が不足しやすい傾向にあるようです。そのため、シニアマネージャーによればシニアコンサルタントのプロモーションを早めてマネージャーを確保するケースがあるようです。同時に、業界の成長に伴い、人材流出を防ぐためにタイトルアップで引き止めるケースも増しているとのことです。
急激なプロモーションで「キャッチアップに苦労する」方が一定数いるのが実情
もちろん「立場や役割が人を成長させる」というケースもありますが、今回お話を伺ったシニアマネージャーによれば「早すぎるプロモーションにより苦労している方が一定数いるのが現状」とのことでした。
特に、マネージャー以上になるとシニアコンサルタント時代には課されなかったセリングやリレーション、チームマネジメントの責務が増えるファームも多く、いきなり経験のない仕事を任されます。そんな中でも「もがく中で急激に成長するタイプ」は、最初は出来なくても成功のコツをつかんでいけるそうです。一方で、「ゆっくり、じわじわ成長するタイプ」のコンサルタントは自身の伸び悩みに苦労しているというお話でした。
また、いわゆる”メンバークラス”のシニアコンサルタントとは違い、”マネジメントクラス”になると1~2年で能力を見極められる傾向にあり、ゆっくりと成長していくタイプのコンサルタントは、中長期的に考えれば成果を出せるのにもかかわらず「仕事ができない」というレッテルを貼られてしまうという危険性もあるようです。
『性格・スキル』と、『求められるロール』がフィットしているかは慎重に検討を
マネージャーに昇格すると年収水準も1,000万円を超えることから、魅力的な面が多いのと同時に求められるスキルや期待値も高くなります。タイトルアップをしても、ファームから求められるマネージャーロールに対して自分のスキルに不足がないかを冷静に判断し、足りないところがあればそこを埋めていく、という内省的な挙動が求められると言えます。
また、ご存じの通り、一口にマネージャーと言えど、ファームによって求められるマネージャーロールは異なります。
(参考)「コンサルファームにおけるマネージャーのロールや求められる能力の違い」https://www.axc.ne.jp/column/careertips/firmmanagerdifference
これまでの経験などから、専門性や得意分野に見合うロールで着実に成長できるファームへの転職も視野に入れるのも一つの方法でしょうか。また、現在はデリバリーに特化したスペシャリスト職も各ファームで確立されつつあります。コンサルタントとして長くバリューを出し続けるには自分に合ったロールを見つけることが大切であり、今一度ご自身のスキルやバリューを再確認することをおすすめします。
特に、シニアコンサルタントのようにデリバリースキルだけで結果を残そうとすると、想定内のバリューしか出ずにクライアントから梯子を外される、といった話も聞かれます。
(参考)「「3億円の案件が取れる」コンサルマネージャーと「3,000万円の案件しか取れない」コンサルマネージャーの違い」https://www.axc.ne.jp/media/careertips/sellinghowtom
プロモーション候補に上がった際には、せひご自身のご性格やタイプに応じて慎重にご検討ください。
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今回の記事では、コンサルファームで急激なマネージャープロモーションが増えた背景とその実情をお伝えしました。
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