主なPEファンド<欧州・ヨーロッパ系>一覧【投資実績から日本拠点まで】

今回の記事では、欧州・ヨーロッパに拠点を置くPEファンドの投資実績やスタイル、日本拠点までを10社に厳選してお伝えします。
※2021年11月時点での情報です。また、各ファンドの詳細について知りたい方は、ぜひご相談ください。

【目次】

  1. CVCキャピタル・パートナーズ/CVC Capital Partners
  2. EQTパートナーズ
  3. Cinven
  4. ペルミラ・アドバイザーズ/Permira Advisers
  5. Partners Group
  6. Ardian(アルディアン)
  7. PAIパートナーズ
  8. ブリッジポイント
  9. BCパートナーズ
  10. Apax Partners

CVCキャピタル・パートナーズ/CVC Capital Partners

CVCキャピタル・パートナーズは英国を拠点とするプライベートエクイティファンドである。元々は1981年にシティグループの関連会社として設立され、93年に独立。99年に、CVCアジア・パシフィックを香港に設立している。

企業価値が5億ドルから15億ドル程度のミッドキャップからラージキャップの企業に対して投資を行うことが多く、投資対象は、主に小売業、製造業およびサービス業のセクターが多い。グローバルでもAlix Partnersに対する投資等の実績がある。

日本国内においても2005年12月、CVCキャピタル・パートナーズの日本支社であるCVCアジア・パシフィック・コンサルタンツ・ジャパン株式会社が設立され、2006年4月、現在のCVCアジア・パシフィック・ジャパン株式会社が設立された。

2000年代以降、信和(SBIホールディングス株式会社が保有していた全株式の譲受)やすかいらーく(TOBによって97%の株式を野村プリンシパルファイナンスとともに取得)、アルテリアネットワークス、テクノプロ、HITOWA等の企業へのバイアウト、マジョリティ投資の実績がある。最近では資生堂のパーソナルケア事業を買収したり、東芝に対して非公開化の提案を行ったりするなど、日本でのプライベートエクイティ投資を行う外資系ファンドの中では比較的存在感が強く活発に投資を行っている。

※参照:https://www.cvc.com/

EQTパートナーズ

EQTは北欧スウェーデンに本社を置くプライベートエクイティファンドであり、欧州を代表する大手投資会社で、27のファンドを有している。欧州のみならずAPACにも投資実績を多く有しているのが特徴であり、2018年5月にはアジア地域向けファンドであるEQT Mid Market Asia IIIファンドをコミットメントベースで総額8億米ドルで募集完了している。当該ファンドは中国市場および東南アジアにおいてミドルマーケットを中心に、EQTの注力セクターである、ヘルスケア業界、サービス産業、消費財、テクノロジー・メディア・通信、インダストリアルに投資を行うとしている。

日本国内にはオフィスはないものの、2020年に日本産業パートナーズと提携し、日本国内における投資にもリソースを割くことを明言している。

※参照:https://eqtgroup.com/tokyo/

Cinven

Cinvenは英国ロンドンに本拠を置く1977年に設立されたラージキャップのバイアウトを行うプライベートエクイティファンドである。同社は、ロンドン、ニューヨーク、パリ、フランクフルト、ミラノ、ルクセンブルグ、マドリッド、香港にオフィスを構えており、テクノロジー、メディア、インダストリアル、ヘルスケア、コンシューマー等の広範なセクターに投資を行うこととしている。

主な投資実績は、Spire Healthcare(2007年)、Sebia(2020年)、Ceramtec(2013年)があり、最近の実績ではLonzaのSpecialty Ingredients事業をベインキャピタルとともに買収している。またCinvenは同社のポートフォリオ企業であったChrysoをフランスのガラス大手サンゴバンに売却している。
またCinvenは投資チームとポートフォリオチームを分けているのが特徴である。

※参照:https://www.cinven.com/

ペルミラ・アドバイザーズ/Permira Advisers

Permiraは英国に拠点を置くプライベートエクイティファンドである。同社は1985年シュローダー・ベンチャーズの社名で設立され1997年にパン・ヨーロッパファンドを設立した後、2001年に社名をペルミラに変更している。

440億ユーロを運用、現在運用中のファンド総額は110億ユーロであり、ヨーロッパ、米国、アジア各地域の15拠点、360名のプロフェッショナルを擁している。注力セクターは、コンシューマー、テクノロジー、サービス、ヘルスケアの 4つである。

有名な投資先・例でいうと、人気シューズブランドのドクターマーチン(Dr. Martens)、米物流システム会社のインテリグレーテッド(Intelligrated)、カスタマーサービスソリューション開発支援会社のジェネシス(Genesys)、水産用医薬品メーカーのファーマック(PHARMAQ)がある。

日本国内においては、外食やコンシューマーグッズのセクターへの投資が中心であり、2008年には日本での第1号案件としてアリスタライフサイエンス株式会社(旧トーメン・ニチメンの農業化学・医薬・動物薬関連事業)、2012年には第2号案件として回転寿司レストランチェーンの株式会社あきんどスシローへの投資を実施し、2016年にはプレミアム・オーガニックブランドのジョンマスターオーガニックへの投資を行っている。

※参照:https://www.permira.com/

Partners Group

Partners Groupはスイス・ツーク州に本拠を置く、プライベートエクイティファンドである。1996年にMarcel ErniとAlfred Gantner、Urs Wietlisbachの3人により創業され、メザニンファイナンスによる支援など未公開株の運用を通じて急速に成長し、2000年に初の海外拠点をニューヨークとジャージーに設置している。

Partners Groupは、2013年5月、イタリアの同業Perennius Capital Partnersを吸収合併している。
最近では2021年にソフトウェアソリューションの大手企業Ideraを買収している。

日本での活動については2007年にオフィスを開設し、2014年に、年金分野におけるアセットマネジメントの拡充を目的とするみずほフィナンシャルグループと業務提携を締結、また日本再生可能エネルギー(NRE)の太陽光発電所関連施設の建設資金に出資した実績がある。

※参照:https://www.partnersgroup.com/

Ardian(アルディアン)

Ardian(アルディアン)はフランスに本拠を置くプライベートエクイティファンドであり、アクサプライベートエクイティである。1996年にドミニク・セネキエによってAXAグループのプライベートエクイティ部門として設立されたが、その後2013年に独立し、アルディアンとしてブランド名を変更している。パリ、ロンドン、フランクフルト、ミラノ、マドリード、チューリッヒ、ニューヨーク、サンフランシスコ等の欧米を中心に拠点を展開しており、ファンド・オブ・ファンズ、プライベートエクイティ、インフラストラクチャ、プライベートデット、不動産等の広範な投資範囲を有している。

最近のArdianによる買収提案では、フランスの公益事業会社スエズに対するもの(2020年)があり、これは仏同業ヴェオリア・エンバイロメントによる敵対的な買収提案よりもArdianの提案の方が理に適うとして、スエズ川がArdianの提案を支持しているというものである。
なお、Ardianは日本には拠点はなく、現時点では投資実績もない。

※参照:https://www.ardian.com/

PAIパートナーズ

PAIパートナーズは、1872年にフランスのBNPパリバグループの自己勘定投資ファンドとして設立されたプライベートエクイティファンドであり、2021年4月時点で約147億ユーロの運用資産を有している。欧州の中堅・大企業の買収を中心に行っており、コアセクターであるサービス、コンシューマー&リテイル、製造業、ヘルスケアに注力している。ポートフォリオ企業を通じて70,000人の従業員、150か国の海外展開、平均5年間の投資期間を実現している。

最近の主な投資実績でいえば、Apleona(欧州の施設管理サービスプロバイダー)への投資を2021年4月に実行している。またヘルスケア関連では、Amplitude Surgicalに2020年に投資する等、年間数件の投資を実行しているアクティブなプライベートエクイティファンドの一つである。

なお、PAIは東京にはオフィスを有しておらず、日本に対する投資実績も現時点では存在しない。

※参照:https://www.paipartners.com/language/en/

ブリッジポイント

ブリッジポイントは1984年に設立された英国を拠点とするプライベートエクイティファンドである。160億ユーロの運用資産を有し、主にミッドキャップ投資を行う。もともとはNatWest Equity Partnersという名称であり、英国の商業銀行であるNatWestのプライベートエクイティ投資部門であったが、2000年におけるNatwestのMBOにより同社はBridgepointに名称を変更している。

同社は欧州において豊富な投資実績があり、主なものだとアイウェアのRodenstock、飲食関係ではBurgerking、コンシューマー系ではMolton Brown、その他様々なセクターでPret a Manger、Foncia,Dorna, Nordic Cinema Groupなどの会社に投資を行った実績がある。
なお、ブリッジポイントは東京にはオフィスを有しておらず、日本に対する投資実績も現時点では存在しない。

※参照:https://www.bridgepoint.eu/

BCパートナーズ

BCパートナーズは英国に本拠を置くプライベートエクイティファンドであり、1986年に設立され、2020年6月現在、約250億ユーロの運用資産を有している。企業価値で3億ユーロ以上の案件や英国、ドイツ、フランス、米国等の地域に注力しており、投資先のセクターはヘルスケア、環境サービス、IT、リテール、金融、化学素材、電子機器等と広範にわたる。

最近のBCパートナーズ関連のニュースでは、サッカークラブのインテルのオーナーである中国の巨大企業である蘇寧グループが、当該チームを1,000億超でBCパートナーズに譲渡するというものがある。

日本にはオフィスはないが、日本関連案件では、ユニゾンキャピタル、シルバーレイクと共同で衛星通信会社のインテルサットに対する投資が挙げられる。

※参照:https://www.bcpartners.com/

Apax Partners

Apax Partnersは英国に拠点を置くプライベートエクイティであり、世界9ヵ国、11ヵ所(ロンドン、ガーンジー、ミュンヘン、マドリッド、ミラノ、ストックホルム、ニューヨーク、テルアビブ、上海、香港、ムンバイ)に拠点を有している。同社は約10億ユーロから50億ユーロ程度の企業を対象とし、TMT,ヘルスケア、コンシューマー・リテール、金融サービスのセクターが中心である。南アフリカ、ブラジル、ロシア等の新興市場のみにあらず、最近はアジアにも投資活動を広げている。

主な投資実績は、2008年のTriZetto Group(オンラインヘルスケア情報提供サービス)、2005年のTommy Hilfiger(ファッション)がある。
最近の買収案件では、アイウェアのRodenstock社に対する買収(2021年3月)がある。

Apaxは日本にはオフィスはないものの1999年に日系ベンチャー・キャピタル投資会社のグロービス・キャピタル・パートナーズと合弁で、エイパックス・グロービス・パートナーズ株式会社を設立している。当時の運用資産の総額は約200億円で29社に出資し、83億円を投下していたが、現在はその活動を停止。日本で投資を行っていない。

※参照:https://www.apax.com/

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今回の記事では、欧州・ヨーロッパに拠点を置くPEファンドの投資実績やスタイル、日本拠点までを10社に厳選してお伝えしました。
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