カバーレターの必要性・書き方と記入例【PEファンド・IBDにおける重要性】

今回はカバーレターの概要と必要性、PEファンドやIBD向けの英文例を記載し、例文を踏まえ記載すべき必要事項について解説していきます。
カバーレターは外資系の転職で必要になることが多く、自身のキャリアを踏まえて意欲を分かりやすく伝える1枚のレターです。

深く読み込まれることはほとんどありませんが、本当に志望度が高い企業に応募する場合、書かない手はありません。採用担当者のほぼ半数は、カバーレターのない応募を拒否しているとも聞いたことがあります。「専任の専門家を雇用したい」と考えている人にとっては、求職者のバックグラウンドや熱意を測るための有用な書類です。

【目次】

1. カバーレターの概要と必要性
2. カバーレターを作成する場合の必要事項
3. カバーレターの構成
4. プライベート・エクイティ向けのカバーレターで留意する点

カバーレターの必要性

ほとんどの投資銀行では、「履歴書に添付するカバーレターはあまり読まれない」と言われます。筆者も応募してきた候補者のレジュメを拝見したことがあったのですが、カバーレターより先にCV(レジュメ)を見ることがほとんどでした。とはいえ、熱意のある志望者かどうかを判断するのに重要な書類であるため、応募書類にカバーレターを含めることが肝心です。

プロフェッショナルにふさわしいカバーレターは、ヘッダーから質が異なります。選考においては一貫性が重要であり、カバーレターのヘッダーは履歴書と同じにするため、同じテンプレートを自由に使用して問題ありません。
カバーレターは潜在的な雇用主に、あなたが雇用する価値があり、素晴らしい候補者であることを証明するツールです。

ご自身の専門について、学んだことを堂々と披露してください。その後で知識を利用して、会社とその価値観とのつながりを伝え、あなたの応用可能なスキルセットと成果を示します。さらに、決意とモチベーションが雇用主にとってメリットがあると示すことが重要です。カバーレターを書く前には、以下を必ずチェックしましょう。

・ヘッダーの連絡先情報が正しいことを確認
・採用担当マネージャーまたは採用担当者に個人的に連絡
・導入部分で読み手の注意を引く
・あなたの経験を活かして、会社のニーズに最適であることを証明
・あなたの動機とそのポジションへの適性を説明
・締めくくりの言葉はフォーマルに
・必要であれば追記情報を入れる

それから、言葉を書き留める前に、適切なカバーレターの書式を作成してください。正しい構成であればカバーレターが 1 ページに収まるようになります。(文量が多すぎるのは良くありません)
TODOとしては、採用担当マネージャーまたは採用担当者の名前を見つけます。カバーレターを応募先に応じてカスタマイズすることで、仕事に就ける可能性が高くなります。

またLinkedinなどで求人広告を見て、必要な資格や資質について述べている単語に印を付けてください。次に、それらを段落内で使用します。求人応募書では決して嘘をつかないでください。最後に、会社について可能な限り徹底的に調査します。志望企業の使命、価値観、ビジョンに関する複雑な詳細は、カバーレターを書くアングルやポイントを峻別するのに役立ちます。

カバーレターを作成する場合の必要事項

カバーレターのヘッダーを最初から作成したい場合は、次の連絡先情報を含めてください。

フルネーム
職名
電話番号
電子メールアドレス

次に、「相手方の宛名」は以下のように書きます。

[場所、YYYY/MM/DD]

[採用担当者または採用担当者の名前]
[採用マネージャーまたは採用担当者の役職]
[会社名]
[会社住所]

親愛なる[XXX] …

第1段落はカバーレターの冒頭にあるこれらの数文によって、採用担当者が読み続けるかどうかが決まります。したがって、カバーレターは、読者の興味を引き付け、保持するような方法で始める必要があります。つまり、あなたの成果、あなたの情熱と熱意を表現してください、ということです。

あなたの将来の雇用主には採用ニーズがあります。彼らがあなたを雇用する気があるのは、あなたがそうしたニーズを満たしてくれるだろうと彼らが考えているからです。
カバーレターの本文を書き終わったら、最後に正式な結びを付けるだけです。「敬具(Regards)」と書き、その後にフルネームを続けます。手書きの署名の追加はオプションです。 (よりフォーマルなカバーレターの場合にお勧めします)

使えるトリックが1つあります。それは「追記」です。あとがきを使用して、求人に厳密に関係していない場合でも、あなたのキャリアについて印象的なことを採用担当者に伝えます。そして、もし彼らが興味を持ってくれたら、喜んで詳細を提供したいと伝えます。あなたが現職で達成した成果であればなんでも良いと思います。

最後にカバーレターのフォーマットに関する重要な注意点を見ていきましょう。

・Arial や Garamond などの読みやすいカバーレターのフォントを選択し、フォント サイズを10～12ポイントに保ちます。
・すべての辺に均等な余白を設定します。1 インチの余白が最適です。
・すべてのコンテンツを左揃えにします。
・カバーレターの段落間は2倍、行間は1～1.15の間隔をあけてください。
・カバーレターに「JobTitle—CoverLetter—あなたの名前」というタイトルを付けます。

応募してきた候補者は、履歴書に従って審査され、最初のフィルターとして以下の2つが考慮されることになります。

Ÿ 出身大学
Ÿ 職歴(第2新卒等の若手の場合)
Ÿ 成績(GPA)

良い「ネーム」の学校に通い、GPA が高い場合に、更に履歴書とカバーレターがより詳細に読まれます。

カバーレター作成時には、良い印象を与えるよりも、シンプルにあなたの長所や実績をアピールすることが重要です。特筆すべき何か、特定の付加価値がある場合、カバー レターはそれを紹介するための優れたツールになります。

カバーレターの構成

標準的な投資銀行とプライベート・エクイティファンドのカバー レターには、次の3つの主要な構成要素があります。

序章(簡単な自己紹介)
経験とフィット感
結論

序章では、読者の注意をすばやく引くことを目指しましょう。このセクションでは謙虚で礼儀正しいことよりも、あなたのスキルと成果を示すことが重要です。特に投資銀行やプライベート・エクイティファンドのようなプロフェッショナルファームではその傾向が顕著です。

採用担当者にとっては、なぜ貴方をgood candidateとして気にかけるべきか、という点がカバーレターを通じて伝わらなければなりません。
出身大学、専攻、GPAに加えて、このポジションに応募したくなった理由・経緯を説明する必要があります。(例: 銀行で誰かに会った、会社説明会に参加した、など)。

応募した理由は重要です。単に憧れで応募してきたと思われるのではなく、ポジションに内定を取ることに対して本当に努力してきていることを示さなければなりません。

以下はシンプルなカバーレターの例です。
基本的に外資系でしか英文を作成しませんが、日系では一部同じような内容で志望動機という形で記載させるところもあるため、参考にはなると思います。

カバーレターの実際の記載例

[Your Name]
[Your Address]
[Your Phone Number]
[Your Email Address]

[Date]

[Name of Bank]
Dear Mr. / Ms. [Recruiter’s Name],

My name is [Your Name] and I am currently [a Year in School and Major / Business School Student at [School Name]] / [Working at Company Name in Division Name].

I have been working at XXX and was impressed with what I learned of [bankers at Your firm /Your Culture / Working Environment / Bank-Specific Info.]. I am interested in pursuing an [Investment Banking Analyst / Associate] position at your firm [to be a dedicated professional in M&A/corporate finance/capital markets]

I have previously [Completed Internships In…/ Worked Full-Time In…]. Through this experience [Working on Transactions / Leading Teams and Managing Projects / Performing Quantitative Analysis], I have gained [Go Into Anything Relevant to Banking, Such As Analytical / Leadership / Teamwork / Finance / Accounting] skills and honed my [Any Other Relevant Skills]. I also had the opportunity to work on [High-Impact Project], which [Describe Results].

Given my background and skills above, I am a particularly good fit for the [Position Name] position at your firm. I am impressed by your track record of [Transactions / Clients] at [Firm Name] and the significant responsibilities given to [Position Name], and I look forward to joining and contributing to your firm.
A copy of my resume is enclosed for your reference.

Sincerely,

[Your Name]
[Signature]
Enclosure: Resume

記載すべき必要事項

特に投資銀行やプライベート・エクイティファンドではM&Aや資金調達に関するアドバイザリー業務の経験、カバレッジの経験を記載することが多いです。その点を踏まえて、どのようなポイントを押さえるべきか解説していきます。
プライベート・エクイティファンドを受けるであろう、現役の投資銀行マンや戦略コンサルティングファームの人は、国内外のトップクラスの大学、大学院を出ている人が多いので学歴上は問題ないでしょう。

ディールの経験に関しては、現職でどのような案件をやったのかを具体的に書くことであなたのスキルやポテンシャルを測ることができます。外資系投資銀行のみならず日系投資銀行でも野村や日興などで、多くのディール経験を積んでいる場合は採用対象となり得ます。
遠慮なくディール経験を記載するのがおすすめです。

実際に案件でどのような貢献をしたのか、スキルが発揮される局面や、クライアントに対してどのようなインパクトを与えることができたか、ということが書ければいいと思います。ほかにもジュニアバンカーであれば、財務モデルの作成スキルやディールを進めるうえで留意したポイント等を記載できるといいでしょう。

自分が現職で経験したこと以外にも、応募している先でどのようなポイントで貢献できるかを明確に記載していくことが重要です。

プライベート・エクイティファンドでは、ファイナンススキルも大事ですが、投資を検討する際に作成する投資仮説では、事業に対する理解や仮説設定力が求められます。両者のスキルをバランスよく兼ね備える必要があるため、そのあたりのスキルも示しておくことができると良いでしょう。

特にジュニアポジションで応募するアソシエイト、シニアアソシエイトといった若手のうちは、前職で培ったスキルも重要なため、カバーレターでうまくアピールすることも大事です。

プライベート・エクイティファンドは20代半ばから後半で転職する人が多いのが特徴です。メインの人材は、学部を卒業後、外資系投資銀行ないしは戦略コンサルティングファームに入社、3年程度でアソシエイトに昇格した人です。

現職で一定以上の経験を積んでいることが前提であるため、カバーレターでアピールできる材料を備えているのではないでしょうか。

最後に、カバーレターに自分がどのくらいフィットしているか、具体的にどのようなポイントで貢献できるかを記載していきましょう。

プライベート・エクイティ向けのカバーレターで留意する点

プライベート・エクイティ・ファームは、資金を調達し、他の企業に投資したり買収したりするために、ネットワーク、人脈、財務知識を頼りにしています。このような金融業界で成功するためには、価値を見極め、ビジネストレンドを予測する能力が必要です。プライベート・エクイティのカバーレターを印象的に書くには、数行の簡潔なパラグラフの中で、これらの資質をすべてアピールする必要があります。

では、プライベート・エクイティのカバーレターで、自身の経歴をアピールするには、どうすればいいのでしょうか。直感と厳しい分析力を兼ね備えたあなたがいかに勝者であるかを表現するために、思慮深い文書を作成するのです。
まずはプロフェッショナルな雰囲気を演出しましょう。また最近の世の中がインフォーマルになる一方で、プライベート・エクイティのカバーレターの挨拶は、採用担当者と面識がない限り、形式的な面を取る必要があります。

当社のカバーレターの例では、「Dear Mr./Ms./Dr.」と表記していますが、相手の名前のスペルが正しいか、敬語が正しいかを確認してください。ここでのミスほど、面接でのチャンスを失う早道はないでしょう。
プライベート・エクイティ投資家としてのあなたの仕事は、新たな資金を獲得し投資することです。そのためには、潜在的な資金提供者や投資家とのコネクション、M&Aに関するスキルや経験を紹介する必要があります。どのように相手の信頼を得て、興味を持たせるか。プライベート・エクイティのカバーレターも同じ手法で始める必要があります。

カバーレターのイントロは、問題の核心に飛び込むものです。
なぜその会社はあなたを雇う必要があるのか？
あなたは会社に何をもたらそうとしているのか？
どのような経験があれば、そのポジションに最適な人材なのか？
どのような業界に特化しているのか？

自己紹介はわずか1～2文のため、そこに全てを凝縮させて、いかに自分がプライベート・エクイティに向いているかをアピールしましょう。

投資銀行や戦略コンサルタントとして培ったあなたの分析能力はプライベート・エクイティの仕事において大きな役割を果たすので、それについて適切な詳細を加えることを検討してください。後で紹介するカバーレターのサンプルで、モデル的な紹介文を見ることができます。とにかく自分の経歴やスキルがプライベート・エクイティファンドにおける実際の業務に役立つことを強く表現できるとよいです。例えば、プライベート・エクイティファンド関連の案件でLBOモデルを多く作成した経験や、エグゼキューションでSPAの交渉サポートの経験が多くあるなどの情報を多く盛り込むと、評価される可能性があります。

金融業界であれば、ジュニアのうちは数的なセンスやエクセルワークが得意だとアピールできれば問題ないでしょう。シニアなロールになると顧客を獲得できるかが大事になるので、意識することがおすすめです。

Dear Mrs. XHIOHOIHO

Having worked as an investment banking analyst during and after my MBA from NYU, the Private Equity Associate role at ZZZZZ Inc. would merge my experience in FIG and my talent for financial modelling and execution specialist of M&A

As the lead financial modeler for 50+ deals over a five-year period, I harnessed my analytical skill and learned how to work with technology to coax the most subtle insights to the surface. I am now a proficient user of all main financial modelling of FIG and was training new recruits towards the end of my three years.

I am also used to doing the bulk of the leg work in a private equity deal, preparing due diligence, creating LBO models and completing all aspects of deal administration and documentation.
Although I aspire to the more strategic associate role, I understand that there is still much to learn at an VP level and I understand that your private equity associates are given particular freedom. I interned and worked in the teams of 6 previously and understand there is a similar structure at ZZZZZ – growing under the seasoned investment professionals is a key motivator for me.

I enclose a case for investment and I am sure this investment memo would be attractive for your firm. I would welcome the opportunity to learn more about the investment priorities over the coming years and am sure that my good knowledge will ensure that I am a great asset for your firm.

Sincerely,
ABC DEF

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