今回の記事では、日本国内に拠点を置くPEファンド30社について、その創業背景から投資実績・スタイルまでお伝えします。
※2024年時点での情報です。また、あくまで内容は一部ですので、具体的な情報について知りたい方は、ぜひご相談ください。
【日系PEファンド一覧:目次】
-
- ポラリス・キャピタル・グループ
- インテグラル
- ユニゾン・キャピタル
- アドバンテッジパートナーズ
- ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ
- ティーキャピタルパートナーズ
- 日本産業推進機構
- 日本産業パートナーズ
- 野村キャピタル・パートナーズ
- 丸の内キャピタル
- アスパラントグループ
- MCPパートナーズ
- エンデバー・ユナイテッド
- J-STAR
- 日本成長投資アライアンス
- ニューホライズンキャピタル
- ベーシック・キャピタル・マネジメント
- マーキュリアインベストメント
- ライジング・ジャパン・エクイティ
- ジャフコ グループ
- アイ・シグマ・キャピタル
- AZ-Star
- 刈田・アンド・カンパニー
- キャス・キャピタル
- クレアシオン・キャピタル
- ジェイ・ウィル・パートナーズ
- 大和PIパートナーズ
- 日本企業成長投資
- 雄渾キャピタル・パートナーズ
- アント・キャピタル・パートナーズ
PEファンド<日本国内系>①ポラリス・キャピタル・グループ
ポラリスキャピタルはもともと興銀(日本興業銀行)OBが設立したファンドである。2004年に1号ファンドを296億円で運用開始し、第5号ファンドは2020年11月にハードキャップである1,500億円で無事募集完了している、日本を代表するPEファンドの一つである。
創業以来、オーナー事業承継をはじめ、大企業からの子会社・事業部門の切り出しや非公開化を投資テーマに30件以上の投資実績があり、主に日本のスモールからミッドキャップのサイズの案件に投資している。
投資を通じて日本独自の技術力やブランド力をグローバル市場に拡げ、日本経済の活性化を図りつつ社会的な貢献をするという目標を掲げている。
過去の投資実績では2号ファンド(2008年)ではワークスアプリケーション、株式会社 VOYAGE GROUP、日本オイルポンプ、 株式会社ベストランド(旧株式会社マイランド)等の企業に投資している。
3号ファンドでは、LYKAON株式会社、株式会社Aimedic MMT、AIメカテック株式会社、株式会社ノバレーゼなどに投資している。
4号ファンドでは、パナソニックi-PRO センシングソリューションズ株式会社、トキコシステムソリューションズ株式会社(旧 日立オートモティブシステムズメジャメント株式会社)、株式会社オーネット等に投資を行っている。
5号ファンドでは、インクリメント・ピー株式会社、総合メディカル株式会社に投資している。
※参照:https://www.polaris-cg.com/
PEファンド<日本国内系>②インテグラル
インテグラルは2007年、元ユニゾンキャピタル代表でGCA創業者でもある佐山展生氏と、同じくGCA創業者の山本礼二郎氏を中心に独立系プライベートエクイティファンドとして設立されている。
インテグラルは他のプライベートエクイティファンドと同様に非上場・上場企業のエクイティ投資を普通株を中心に行う。加えて転換権付優先株、転換社債、新株予約権等エクイティ性のあるものを主な投資対象として行うプライベートエクイティファンドである。
同社は、既存事業の拡大と生産性向上、多角化、グローバリゼーション等の成長戦略構築と実行支援、M&A・事業提携のプラン構築、オリジネーション、エグゼキューション、上場(再上場)及びレバレッジドファイナンス・メザニンの活用による資金調達、評価・報酬体系の整備、人材の補強により投資先企業のバリューアップを図る。また短期的なエグジットを嫌い、常に『経営と同じ目線・時間軸』を持って(参考:事業内容)、長期的な事業の成長を第一に考えるということをモットーにしているという点が特徴的である。
主な有名な投資先としては、QBハウス、Yohji Yamamoto、アデランス、スカイマーク、PRIMO Japan, ITOKIN,BPSなどがある。
※参照:https://www.integralkk.com/
PEファンド<日本国内系>③ユニゾン・キャピタル
ユニゾンキャピタルはアドバンテッジパートナーズとともに日本を代表するプライベートエクイティファンドである。設立は1998年で、多様な業種業界への投資を行っており、投資実績は日本で29件以上、韓国で5件以上である。LP投資家は国内外の金融機関、政府系機関、年金基金、大学基金など様々である。
投資後は、事業面では新たな企業成長の支援(海外展開、再成長、非連続的な成長の実現)、人事や組織戦略(外部人材の登用、人事制度の設計)、M&A支援(業界再編に向けたM&A、戦略的資本提携)、事業承継の支援(次世代経営陣による組織的経営への移行)等を行っている。
主な投資実績では、LTLファーマ株式会社(長期収載品特化の製薬会社、2017年)、株式会社資さん(うどん店チェーン運営、2018年)がある。なお、1号~3号ファンドでは、エノテカ(ワイン)、あきんどスシロー(回転寿司)、東ハト(製菓)に投資を行っている。
2024年には、国沢勉パートナーが代表取締役に就任した。林竜也代表取締役パートナーと国沢氏の2人共同で、代表取締役を担当する体制に移行し、プライベート・エクイティ投資のパイオニアとしての活動を続けている。
※参照:https://www.unisoncap.com/jp/
PEファンド<日本国内系>④アドバンテッジパートナーズ
アドバンテッジパートナーズはユニゾンキャピタル(そしてかつてはMKSパートナーズ)と共に日本のプライベートエクイティ業界をリードする企業である。
これまでに100件の投資実績があり、 グループ全体の運用資産残高は累計5,500億円ほどを超えた。国内の投資家のみならず、海外の投資家からも多くの資金を受け入れている。投資プロフェッショナルは、東京を中心に、香港、上海、シンガポールを含めて30名以上を擁している。
30名以上の投資プロフェッショナルのうち3分の2以上は企業経営に関する実務経験、または経営コンサルティングの経験がある点が強みであり、投資先企業の経営陣や社員と協力して対象会社の業績向上や経営改革に取り組んでいる。単なるコストカットや金融技術だけに頼らず、業務改善、組織改革、新規事業立案、戦略的な提携や買収、外部からの人材登用や人事評価制度の導入、事業拡大の為の資金提供、金融機関からの資金調達などのあらゆる手段を講じて企業価値の向上を図るのが特徴。
主な投資実績は、株式会社ザクティ(デジタルカメラOEMメーカー/2013年)、株式会社ウィルコム(通信/2010年)、株式会社ポッカコーポレーション(飲料・食品メーカー/2005年)、株式会社やる気スイッチホールディングス(教育サービス)、Lvguang Education & Training Co.,Ltd.(教育サービス)などがある。
※参照:https://www.advantagepartners.com/
PEファンド<日本国内系>⑤ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ
ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)は、日本政策投資銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行が14.9%ずつ出資しているものの、銀行の系列を超え活動しているプライベートエクイティファンドである。
CEOは丸紅および新日本監査法人出身の齋藤伸一氏であり、商社時代のリレーションや再生経験を生かして同社を発展させてきたとされる。
投資対象は、上場企業ないしは売上高1,000億円以上等の比較的規模の大きい企業であり、主な出資先には曙ブレーキ、日本板硝子、SUMCOなどがある。他にも常盤興産(娯楽施設「スパリゾートハワイアンズ」を運営している企業)について、震災復興の支援を行っており、事業再生の第1号案件となっている。日本電子についても、割当増資で30億円で取得した実績がある。
PEファンド<日本国内系>⑥ティーキャピタルパートナーズ
元々は東京海上キャピタルとして活動していたが、2019年にMBOにより独立している。1991年の設立以来、これまでに計5件の投資ファンドを組成運営している。特に中堅企業のバイアウト案件、技術力に魅力のあるグロース案件投資に強みを持ちバーニーズニューヨーク、武州製薬等に投資実績がある。
これまでの主な投資実績を挙げると、株式会社泉精器製作所(電設工具及び家電製品の製造・販売)、武州製薬株式会社(医薬品の製造受託)、株式会社バーニーズジャパン(衣料品・雑貨等の販売)、スポーツプレックス・ジャパン株式会社(フィットネスクラブ運営)、株式会社ザイマックス(プロパティマネジメント)、昭和薬品化工株式会社(医薬品、医療機器の製造・販売)がある。
2023年には新設会社が、リコーインダストリアルソリューションズ株式会社からオプティカル事業を譲渡され、株式譲渡契約を締結した。事業には、車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュールの開発~販売が含まれており、事業成長や国内外での拡販などに貢献できる企業として、ティーキャピタルパートナーズの手腕が期待されている。
PEファンド<日本国内系>⑦日本産業推進機構
日本産業推進機構(NSSK)は、もともとTPGの日本代表であった津坂氏が立ち上げたファンドであり、2014年に設立された日本の中小企業支援に特化したPEファンドである。日本産業推進機構1号・2号、中部・北陸地域活性化の3つの有限責任組合を運営し、企業価値ベースで10億から500億円規模の企業・事業を対象としている。
過去の主な投資実績としては、ユーエスマート株式会社、株式会社 伊勢夫婦岩パラダイス、レイフィールド株式会社、株式会社エッジイノベーション、株式会社壮関などがある。
※参照:https://www.nsskjapan.com/
PEファンド<日本国内系>⑧日本産業パートナーズ
日本産業パートナーズ(JIP)は、2002年にみずほ証券、NTTデータ、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが出資して設立され、みずほFGの関連会社であった。その後は株式売却等により、2014年2月以降は独立系として活動しているプライベートエクイティファンドである。
JIPの特徴的な点は、投資対象を企業から事業再編のために分社化(戦略的カーブアウト)された事業部門・子会社等のほか、事業再構築に取り組む企業、市場環境に合わせて事業構造・ビジネスモデルの転換に努める企業等に絞っている点である。
バリューアップに関しては、日本の企業風土を尊重しつつ、幅広いネットワークを活用し本来その事業・産業が有していた潜在的な力を十分に引き出すよう支援することを得意としている。
主な投資先としては、オリンパス㈱の映像事業のカーブアウト、古河電気工業グループの銅管事業のカーブアウト、㈱日立国際電気をKKRと共同で非公開化の後、映像・通信ソリューション事業をカーブアウト、NECトーキン㈱のメカニカルリレー事業部門のカーブアウト、ソニー㈱のPC事業(VAIO)のカーブアウト(VAIO株式会社)がある。
PEファンド<日本国内系>⑨野村キャピタル・パートナーズ
野村キャピタルパートナーズ(NCAP)は、野村ホールディングスにより2018年に設立されたバイアウトファンドである。NCAPでは、プリンシパル・ビジネスとして、事業再編・事業再生・事業承継・MBO等の案件において主にエクイティ等の提供を行っており、投資案件の開発・スキームの検討・投資の実行や、投資先の企業価値向上支援、出口戦略を一貫して行うプライベートエクイティファンドである。
野村出身者のほか、投資銀行、PE、戦略コンサル出身者を中心に構成されている。既に数件の投資実行を実施しており、主な投資実績は、オリオンビール、プラスアルファコンサルティング、クックデリなどがある。
※参照:https://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/ncap/
PEファンド<日本国内系>⑩丸の内キャピタル
丸の内キャピタルはMUFGと三菱商事グループにより2008年に設立された、三菱系プライベートエクイティファンドである。
双方のネットワークやノウハウを組み合わせ、投資先企業の価値向上を実現することを目標としている。
2011年3月には高級スーパーの成城石井の買収をしている。他にもトライス、大貴(ペット用の砂)等に投資を行っている。
2024年5月には、PR活動への支援を行う株式会社サニーサイドアップグループと、戦略的パートナーシップ契約を締結。PR業界にとっては、企業投資ファンドとのパートナーシップ締結は、初の試みとなった。提携を通じて、数多くの日本企業を発展させるため前進を続けている。
※参照:https://www.marunouchi-capital.com/
PEファンド<日本国内系>⑪アスパラントグループ
アスパラントグループは、企業再生支援機構にて代表取締役専務を歴任した中村彰利氏が2012年10月に立ち上げたバイアウトファンドである。1号ファンドは83億円でクローズしており、6社に投資を実行している。2号ファンドは272億円で既に13社に投資を実行している。3号ファンドは約500億円であり、事業承継、子会社分離、事業拡大、業績改善、内部統制強化など様々な投資アングルに対応できるファンドになっている。
主な投資実績としては、株式会社テラケン(海鮮物居酒屋“さくら水産”の運営)、株式会社ヒューマニック(ホテル・旅館等のリゾート施設への人材派遣)、株式会社駐車場綜合研究所(有人による駐車場管理運営、駐車場コンサルティング)、りんかい日産建設株式会社(土木・建築・港湾等の工事請負)、三浦印刷株式会社(商業宣伝物を中心とした印刷業 駐車場運営事業)などがある。
※参照:https://www.aspirantgroup.jp/
PEファンド<日本国内系>⑫MCPパートナーズ
MCPパートナーズの源流は、みずほキャピタルパートナーズ(富士銀行系のベンチャーファンドであった富士キャピタルマネジメント株式会社が、富士銀行のみずほフィナンシャルグループへの統合によって名称が変更されたもの)である。会社の創設は2000年2月22日であり、バイアウトファンド、メザニンファンドによる投資を主に行っている。
2021年2月12日、株主構成が従来のみずほ銀行50%、みずほキャピタル50%から、みずほ銀行14.9%、その他新株主85.1%に変更され、MCPパートナーズ株式会社(英語: MCP Partners Co., Ltd.)に商号変更されている。
AUMは1,100億円を超し、MBOファンドとメザニンファンドに関与しており、投資先企業の特徴、状況に応じたファイナンスが可能である。投資実績としては、日本ビューホテル、須藤石材、BENKANなどがある。
※参照:https://www.mcp-partners.co.jp/
PEファンド<日本国内系>⑬エンデバー・ユナイテッド
同社は、2002年にフェニックス・キャピタルとして設立されて以降、業界最古参の一角として事業承継・カーブアウト、事業再生等の案件に取り組んでいる。2016年以降は投資業務をエンデバー・ユナイテッドに移管されている。「にっぽんのための投資ファンド」、「共に汗をかくハンズオン投資」を掲げ、通算の株式投資件数は50社超と国内最大級の実績を誇るファンドである。
主な投資実績としては、ダイヤメット(粉末冶金製品の製造、研究開発及び販売)、日本カタン(送電線用架線金具製造)、ティアック(音響・情報関連機器製造)がある。
※参照:http://www.endeavourunited.co.jp/
PEファンド<日本国内系>⑭J-STAR
J-STARは中小企業の投資に強みを持つ独立系プライベート・エクイティファンドであり、2006年2月に設立されている。1号ファンドは120億円、2号ファンドは204億円を運用し、2017年5月に募集が完了した3号ファンドは325億円をファイナルクローズで集めている。
J-STARはジャフコ<TSE:8595>のメンバーが中心となって立ち上げたファンドであり、案件規模は企業価値ベースで10億から30億円が多く参入障壁の高い技術力を持つ製造業やIT、強力なブランド力を持つサービス業、メディア、小売りやヘルスケアなど横展開が可能な事業への投資に強みを有している。
主な投資実績としては、株式会社越後屋(和食チェーン店)、株式会社サンスマイル(化粧品・美容雑貨等の販売)、JVCC株式会社(ペットサロン運営)、株式会社プラティア(認知症グループホームを主体とする各種介護サービス)等がある。
PEファンド<日本国内系>⑮日本成長投資アライアンス
2016年に設立された日本成長投資アライアンス(J-GIA)は、投資先のバリューアップのために日本たばこ産業および博報堂をアライアンスパートナーとするファンドである。元ユニゾン・キャピタルの立野氏を中心に設立された国内中堅・中小企業に特化した独立系投資ファンドであり、グロース・キャピタル及びバイアウトにフォーカスした投資を行いインハウス・コンサルティング部隊も有している。
主な投資実績としては、株式会社ポテトかいつか(さつまいも専業の食品会社)、株式会社キノファーマ(低分子薬開発企業)、プロフレックス株式会社(油圧ホース・金具の製造販売)、株式会社セフィーヌ(化粧品企画販売会社)、
株式会社ホームネット(中古マンションの買取再販企業)、シロカ株式会社(白物家電の企画販売会社)、株式会社エイジア(マーケティング支援SaaS企業)、WBFリゾート沖縄株式会社(ホテル運営会社)がある。
PEファンド<日本国内系>⑯ニューホライズンキャピタル
前身はフェニックス・キャピタルであるが、産業再編に重点を置いたニューホライズンキャピタルが分割独立したものである。事業承継・カーブアウト・成長支援・事業再生投資を中心に投資を行ってきている。独立系ファンドとしては最大規模の累積運用資産総額2,700億円超、100社超の投資実績を誇る。
投資のテーマのうち、事業承継に関しては安定した収益性があり、事業承継や事業再編のステージにある企業、再生に関しては、業績が低迷しているものの、変革により再生が可能な企業に投資する。
投資アプローチは、投資後の経営方針について投資先企業の経営陣と十分な協議、合意の上で投資を実行、企業価値の向上を通じて各ステークホルダーの利益の最大化を図り、価値の成果を共有することを主流としている。
持ち株シェア等投資の内容についても柔軟に対応可能なファンドである。
主な投資実績としては、昭和コーポレーション(メーカー)、シバウラ防災製作所(メーカー)、川﨑ホールディングス(建設・不動産)、NITTO(建設・不動産)、リードプラス(コンサルティング)、日本システムケア(IT)等がある。
※参照:https://www.newhorizon.jp/
PEファンド<日本国内系>⑰ベーシック・キャピタル・マネジメント(Basic Capital Management)
ベーシック・キャピタル・マネジメントは、中小・中堅企業を投資対象とする投資ファンド運営会社として、2002年の設立以降、30件以上の投資を実行してきている。
事業承継、MBO(経営陣の独立支援)、カーブアウト、新興企業の成長支援等、様々なアングルでの投資支援を行ってきており、社会的な意義の高い事業を営む国内企業・商品、サービス、ビジネスモデルに特徴や競争優位性を有する企業に対して主に投資を行っている。
原則、議決権の過半数を取得し、投資先の経営に直接・間接的に関与するハンズオン・スタイルで企業の成長を支援するファンドである。
主な投資テーマは、事業承継支援、MBO(経営陣による独立)支援、カーブアウト(親会社グループからの独立)支援、分散した株主の集約、第三者割当増資による成長資金の供与が中心であり、過去の主な投資実績としては、三和デンタル(ヘルスケア・介護)、テイ・アイ・シイ、マークアイ、カルネヴァーレなどがある。
※参照:https://www.basic-cm.co.jp/top/
PEファンド<日本国内系>⑱マーキュリアインベストメント
マーキュリアインベストメントは、「日本政策投資銀行(DBJ)」と、日本の独立系として有数の規模を持つ投資顧問会社「あすかアセットマネジメント」とのジョイントベンチャーとして2005年に設立されたプライベート・エクイティ投資会社である。旧社名はADキャピタルであるが設立10周年を機に現社名へ変更しており、2016年10月に東証2部に上場している。
過去の主な投資実績としてはぺんてる、TSUNODA,シンクス、水谷産業がバイアウト実績として挙げられる。
クロスボーダー投資も行っており、日本の強みを生かしながら、各国のパートナーと共に、事業の成長を支援することを目的としている。過去のクロスボーダー投資の実績として、STELLAR WORKS等の投資実績がある。
PEファンド<日本国内系>⑲ライジング・ジャパン・エクイティ
ライジング・ジャパン・エクイティは、2010年に日興プリンシパル・インベストメンツの社長を務めた丸山哲夫氏等によって設立されたPEファンドである。設立後に日興コーディアル証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)、住友商事株式会社 、住友信託銀行株式会社(現三井住友信託銀行株式会社)を主な引受先とした第三者割当増資を実施しており、2011年には第一号ファンドを組成し、同年に不二電子工業への投資を実行している。
投資哲学としては、投資前の段階から現経営陣と会社の将来像を十分協議し合意した上で株主となり、経営陣・従業員と一緒に汗をかくことで、目標実現に向けてフルサポートすることが挙げられる。また、戦略的提携先である国内金融機関(銀行・信託・証券)や事業会社(総合商社)のネットワークや幅広い顧客基盤、多様なサービス提供力等を活用し、投資先企業に対して金融面及びビジネス面での手厚いサポートが提供可能である。
主な投資実績としては、株式会社第一工業、尾張精機株式会社、株式会社シネ・フォーカス、株式会社プログレスグループ、株式会社シーケル、株式会社クオルテック、株式会社ムラヤマ、田村プラスチック製品株式会社、株式会社ナチュラピュリファイ研究所などがある。
2024年には管理運営する「ライジング・ジャパン・エクイティ第二号投資事業有限責任組合」が保有する、株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングスの全株式を売却完了した。
※参照:https://rje.jp/
PEファンド<日本国内系>⑳ジャフコ グループ
JAFCOは、日本最大の上場している投資ファンド・ベンチャーキャピタルである。もともとは野村グループ系列だったが、2017年に野村ホールディングス及び野村総合研究所が保有する全株式(27.8%)を買取り、独立系として新たなスタートを切った。
ベンチャー投資及びバイアウト(英語版)投資(企業買収)を手掛けており、国内での投資の他北米(シリコンバレー)、中華人民共和国(北京市、上海市)、台湾、シンガポール、香港に拠点を持ち、グローバルな投資活動を行っている。1973年創業。国内で現存する民間最古のベンチャーキャピタルである。
新興企業や中堅企業の成長や株式上場を長年にわたりサポートし、類型IPO数1000件を超える圧倒的なトラックレコードを有しているのが特徴である。投資金額は1社あたり平均して5億円と、国内VCでは圧倒的な資金力に強みがある。
主な投資実績としては、株式会社gumi、株式会社じげん、株式会社Gunosy、株式会社コロプラ、株式会社マネーフォワード、株式会社ロコンドなどがある。バイアウト投資では、足利銀行、KH Neochem、朝日エンジニアリング、フォーナインズ、グラニフなどがある。
PEファンド<日本国内系>㉑アイ・シグマ・キャピタル
アイ・シグマ・キャピタルは丸紅系のプライベートエクイティファンドであるが、総合商社 丸紅における金融事業の一翼を担う企業として設立。97年にアドバンテッジパートナーズ社との共同運営により、日本初のバイアウトファンドを組成した、成長支援投資のパイオニアである。
2000年に設立され2006年丸紅投資金融部(当時)からの業務移管により、バイアウト投資・プリンシパル投資を拡充、丸紅グループにおけるPE投資の中核会社になった経緯がある。
同社は総合商社の幅広い業種における機能・ネットワークを最大限活用し、幅広い業種の本邦中堅・中小企業(上場企業を含む)への出資(原則マジョリテイ出資)を行い、海外向けを含む営業・マーケティング、海外進出、原料調達、人材採用、経営戦略策定・再構築、経営管理体制の構築・整備、資本政策立案、M&A・提携等への支援を行い、単なる資金の提供にとどまらない事業パートナーとして、投資先企業と共同で企業価値向上をすることが特徴である。
主な投資実績としては、株式会社 ツバキスタイル/椿化工 株式会社、昭光通商 株式会社などがある。
※参照:http://www.i-sigma-capital.co.jp/
PEファンド<日本国内系>㉒AZ-Star
同社は、株式会社あおぞら銀行、株式会社東京スター銀行、兼松株式会社、株式会社エスネットワークスの4社が参画する企業投資ファンド運営会社である。
独自の技術やサービス等を有する国内の中堅・中小企業の中で、事業承継やMBO/カーブアウト・ニーズのある企業に投資を実行し、本ファンドから資金、人材、ノウハウ、ネットワーク等を提供することで、アジア関連事業の強化/企業価値向上を支援することを目指すことが特徴。
2015年にAZ-Star 1号投資事業有限責任組合が設立され、2018年からAZ-Star 3号投資事業有限責任組合を運用している。主な投資先では、全保連株式会社、株式会社ヘッドライト、カルネコ株式会社、株式会社ジー・プリンテックなどがある。
PEファンド<日本国内系>㉓刈田・アンド・カンパニー
2007年設立の独立系のPEファンド。代表の刈田氏は富士銀行出身でひらまつの元副社長である。
これまでのターゲットファンドによる投資だけでなく、2020年には91億円で1号ファンドを組成し、事業承継、カーブアウト・スピンオフ 、上場企業の資本政策見直し、事業戦略再構築を目的とした非公開化等を検討している。
これまでの投資実績には関東運輸、シンプレクスホールディングスなどがある。
※参照:https://karitacompany.com/
PEファンド<日本国内系>㉔キャス・キャピタル
2003年に設立された日系の独立系投資会社である。企業あるいは事業向けの投資。 マネジメント・バイ・イン(MBI)とマネジメント・バイ・アウト(MBO)のいずれも手がけている。
大企業の非中核(ノンコア)事業部門、子会社および関連会社。中堅・中小企業等を対象とし、企業価値 50億円~500億円(1社当り)程度がチェックサイズになっている。2020年には、日本企業に投資する185億円のファンドの資金調達を完了し、後継者難の中小企業や、大企業が切り離す非中核事業などを主な投資対象としている。新型コロナウイルスの感染拡大で景気の先行きが不透明となり、経営支援のニーズが高まるとみて投資を拡大する方針をとっている。
主な投資実績には、フェニックスアソシエイツ株式会社、株式会社ケアプラス、株式会社アクトワンヤマイチなどがある。
※参照:https://www.cascapital.com/
PEファンド<日本国内系>㉕クレアシオン・キャピタル
同社は、日本アジア投資株式会社(東証8518)の100%子会社としてジャイク(JAIC)投資顧問株式会社設立を発端としており、クレアシオン・インベストメント株式会社の子会社となり、クレアシオン・キャピタル株式会社に商号変更している。
同社は経営陣との信頼関係を礎にし、長期的視野に立ってエクイティ投資を行い、投資後は『経営と同じ目線・時間軸』をもって投資先企業とともに歩み、企業価値向上に向けて経営・財務の両面でのサポートを行う。同社の特徴はプライベートバンキングとバイアウトの融合」というコンセプトの下、投資先企業の企業価値向上とファンドExit後の永続的な投資先の成長にフォーカスした支援を行う点である。当社ファンドが支援させて頂いた企業には、独立企業として永続的に発展して頂きたいという想いの下、ファンドのExit手法としては株式上場(IPO)を強く志向する点も特徴の一つである。
主な投資実績としては、株式会社乃が美ホールディングス、株式会社ペイロール、株式会社ビー・ワイ・オーなどがある。
PEファンド<日本国内系>㉖ジェイ・ウィル・パートナーズ
同社の代表である佐藤氏はゴールドマン・サックス出身である。国内投資家が出資するファンドを運営し、国内中堅・中小企業の再生、日本経済の活性化を目指し、投資活動を行っている。
社名には“Japan”の“J”と“志(こころざし)”を表す“Will”が込められ「志をもって日本のために」という創業時の理念を表している。
特定の分野にとらわれず、株式、債権、不動産といった幅広い投資対象の中から自由に最適な案件を発掘し再生案件にも強い。これまで高い投資パフォーマンスを実現しており、主な投資実績は、エヌ・デーソフトウェア(介護・福祉施設用ソフトの開発、販売及び運用支援、2019年にTOBにより買収を実施)、ウィドゥ・スタイル(アパレル・雑貨、家具の製造、販売及び輸入を行う。MBOによる投資)である。
※参照:会社概要
PEファンド<日本国内系>㉗大和PIパートナーズ
同社は大和証券グループが100%出資する、プライベートエクイティファンドである。プライベート・エクイティ投資及び金銭債権投資を中心とした投資ビジネスを行っている。プライベートエクイティ投資は2000年3月から行っており、2012年6月からエネルギー投資を行っているが、同事業は2018年に会社分割によりエネルギー投資業務を大和エナジー・インフラ株式会社に移管している。
大和PIは事業の発展や再生のために資金調達を希望される企業様のニーズに対応し、株式や社債による投資を行うと共に、様々なサポートを通じて投資先企業の企業価値向上を実現し、投資収益の拡大を実現しており、国内企業、アジアを中心とした海外企業について、累計約5,000億円の投資実績がある。
主な投資実績では、株式会社エムアンドエムサービス、茂德科技ProMOS Technologies Inc、アコーディア・ゴルフ・トラスト、International Dairy Products Joint Stock Company、株式会社旭川ホテル・ホールディングス、株式会社寿製作所がある。
※参照:https://www.dpipartners.co.jp/
PEファンド<日本国内系>㉘日本企業成長投資
同社はNippon Investment Company (NIC) として知られている。国内企業を対象とした投資基金の管理運営業務及び経営アドバイザリーを含む関連業務などのプライベートエクイティ投資を行っており、ベインキャピタルの出身者が立ち上げたファンドである。
オーナー企業に代表される日本の優れた企業・事業の将来にわたる永続と一層の飛躍を目的として新たな経営・所有体制に移行しつつ、企業の持続的成長を実現するに必要な戦略、戦略実行のノウハウと経営資源のサポートを含む包括的な解決策を提供すべく設立されており、主な投資実績では、株式会社ネクサスケア(有料老人ホーム・シニア住宅の企画・建設・運営、訪問介護事業)、株式会社クラシアン(水回りの緊急メンテナンス、給排水設備工事、住宅設備機の販売、施工、住まいのリフォーム)、ピーロート・ジャパン株式会社(高級ワインの販売、イベント、ワインレストランを運営)等がある。
PEファンド<日本国内系>㉙雄渾キャピタル・パートナーズ
同社は、優良ファンドとして知られたヴァリアント・パートナーズ創業者の櫻井氏と、日興プリンシパルインベストメンツ出身の阿部氏が立ち上げたミッドキャップ・スモールキャップの独立系プライベート・エクイティである。原則として議決権の過半数を取得し、3~5年の投資期間中に企業価値の向上を目指す方針である。
主な投資実績では、湘南ゼミナールが有名であるが、他にも株式会社エスキュービズム(業務内容: ECプラットフォームやDXコンサルティングの提供を軸としたシステム開発・販売)、株式会社東信鋼鉄(業務内容: 特殊鋼・普通鋼・非鉄金属のカスタムプレート加工販売)、会社名: 株式会社日本技術センター(業務内容: 産業機械の設計製造から技術者派遣まで各種技術支援を行う総合エンジニアリング会社)がある。
※参照:https://www.yukoncap-partners.com/
PEファンド<日本国内系>㉚アント・キャピタル・パートナーズ
2000年10月に日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社と英アントファクトリー・ホールディングス・リミテッドとの合弁により、アントファクトリージャパン株式会社として設立されている。2008年に主要株主に農林中央金庫、三菱商事株式会社を迎え、これを機に社名をアント・キャピタル・パートナーズ株式会社へ変更している。
同社は、未公開企業への投資機会をとらえ、成長企業支援、企業再生、公開企業買収 によるゴーイングプライベートを含むマネジメント・バイアウトおよびマネジメントバイイン、既設投資 ファンド持分(LP)買取の業務を中心に行っている。プライベートエクイティ投資では、事業承継、業界再編、MBO、スピンオフ、事業再生、非公開化など、組織経営体制および資本政策上のニーズを有する企業や、エクイティによる新規の資金調達や事業戦略の改善によりその潜在的成長力を発揮できる企業など、ミドルサイズの企業を中心に投資を行っている。投資先への経営支援の内容としては、チームメンバーによる積極的な経営支援を含む経営管理体制および事業戦略の強化・推進、財務体質の改善、事業提携やM&A戦略の遂行、株式公開準備など多岐に亘る。
投資先の企業のサイズは時価総額が150億円から200億円未満の中小型案件に特化、ハンズオン型投資と経営支援により、ファンド投資利回りは25%~60%超(一部途中経過を含む成功報酬控除前)のリターンを実現している。
主な投資実績としては、株式会社APEXホールディングス、株式会社アミノ、株式会社フェニックスインターナショナルなどがある。
※参照:https://www.antcapital.jp/
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>PEファンドへのキャリアに関する記事
PEファンド投資検討時に必要なスキル・経験【コンサルタントの方向け】
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今回の記事では、日本国内に拠点を置くPEファンド30社について、その創業背景から投資実績・スタイルまでお伝えしました。
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