今回の記事では、PEファンドならではの「やりがい」や「達成感」、それを感じられる瞬間や理由を、実際に転職された方の声なども参考に、コンサル/投資銀行と比較しながらご紹介します。
【目次】
- よりハンズオンで経営に関われる
- 視点でも期間でも、長期的に案件に関われる
- 自分たちで時間軸やプロジェクトのタイムラインを握れる
- (参考)やりがいを感じるためにコンサル・投資銀行在籍時に得るべきスキル・経験
よりハンズオンで経営に関われる
コンサルティングファームではM&Aに関するビジネスDD、経営戦略立案支援、業務効率化等のプロジェクトを担うことが多いですが、これらのプロジェクトではレポートを成果物として提出することが重要で、その後の実際の会社の経営状況に関わることがないため、よりハンズオンで経営に関わりたい方は、買収後の100日プロジェクトやPMIを行うPEファンドの方が仕事の充実感や達成感は高まりやすい傾向にあります。
スモールキャップの投資であれば実際に投資先と一緒に汗をかきながらバリューアップに邁進する点は、達成感・やりがいを感じられるポイントの一つとして挙げられます。少数精鋭のファンドも多く、アソシエイトクラスから投資先の経営陣と信頼関係を構築することも達成感につながっていると言えるでしょうか。
また、実際に投資対象の会社の経営者やマネジメントの方とお会いして、シニアメンバーと一緒に提案を行ったり、ディスカッションを重ねる等によりハイレベルかつ株主としての目線で業務を進められるという魅力についても多くの方からお聞きします。
視点でも期間でも、長期的に案件に関われる
比較的投資銀行出身者からお聞きするのが、「より長期的に案件をリード」できるという観点でのやりがいです。
投資銀行ではピッチブックの作成や、実際のディールのエグゼキューション、クロージングまでのサポートも含めて1年間でディールをいくつクローズできたか、エグゼキューションできたかというのが重要になります。そのため短期間で多くのピッチを行い、案件獲得のために尽力することが大切です。
一方で、PEファンドは、投資期間が少なくとも3年以上になるでしょうか。投資先をIPOないしは第三者への売却によりエグジットする際には、売却プロセスを主導するFAである投資銀行の選定から、実際の売却プロセスの検討を主導権を握ってFAと共に走ります。長期的にクライアントに関わり、一体感を生み出していく動きにやりがいを感じられる方も多いです。
また、アドバイザリー業務やコンサルティング業務に比べて、投資対象会社をより深く分析し、投資に見合うものかどうかを理解し、長期的に議論を進めていくというより質を重視した考え方が求められるという点にやりがいを感じられる方も多いでしょうか。
自分たちで時間軸やプロジェクトのタイムラインを握れる
コンサルティングファームも投資銀行と同様に、クライアントに時間軸を握られプロジェクトもタイトなタイムラインを指定されることが多いです。
ただPEファンドにとってクライアントは投資先であるため、自分たちで時間軸やプロジェクトのタイムラインを握ることが多く、一般的には両者と比較してワークライフバランスや残業時間は少なくなる傾向にあり、労働に忙殺されないという意味でのやりがいを感じられる方が多い印象です。
「PEファンドの方が投資銀行よりも残業時間が少なく、かつワークライフバランスも改善でき、自身の付加価値の高い業務(投資先検討、モデリング、リターン分析)等をリードできるという点でやりがいや幸福度は高い傾向にある」という意見をよくお聞きします。
(参考)やりがいを感じるためにコンサル・投資銀行在籍時に得るべきスキル・経験
資料作成の点では、PEファンドにおいても投資銀行・コンサルティングファーム同様に提案書(ピッチブック)を作成することがあります。そのためコンサルタント時代にピッチブックやプレゼンテーション資料を作成した経験やスキルは、入社後すぐに活かすことができます。
投資候補先にファンドの投資アングルや、過去の投資実績などを説得力のある内容でまとめたり、投資案件に応じてカスタマイズしたピッチブックを作成する際はクライアントに対してテーラーメイドで資料作成するアプローチが主流になりますので自身が過去から培ってきたスキルを活かせる点は、やりがいと達成感に通じるようです。
ただし、投資銀行からPEファンド入社後すぐにやりがいを感じるためには、初期的な案件検討をする際に必要な財務分析・財務モデリングを高い水準で身に付けておくべきという声もあります。
PEファンドでは財務モデルの作成能力が必要であり、投資銀行出身者に期待されるスキルセットの一つになります。
実際の投資検討時に、PEファンドではレバレッジドバイアウトという手法により買収の検討を行い、LBOモデルを作成します。投資銀行時代にLBOモデルの作成経験や、PEファンドをクライアントにしたアドバイザリー業務の経験があれば、投資して儲かるかどうかを分析する際にLBOモデリングのスキルをダイレクトに活かせるため、満足感や達成感につながるケースが多いです。
実際にPEファンドが投資する企業は未公開企業であることも多く、限定的な情報の中から初期的に検討していくことが重要になります。上場企業案件においても公開情報はありますが、公開財務情報を使用して初期的な財務分析・LBOモデル作成・バリュエーションをする必要があります。財務分析については、デスクトップ財務DDのようなものが重要になり、自分の手で主体的に行う必要があります。
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>PEファンドへのキャリアに関する記事
公認会計士からPEファンドへのキャリアパス【入社前後に役立つスキル・経験】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/accountanttope
FASからPEファンドに転職して活かせるスキル・キャッチアップが必要なスキルとは
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/fas_pe
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以上のように、実際に業務を遂行するにあたり自身で財務モデリングや事業分析等の業務をプリンシパルとして主体的に行い、実際に投資に値するかどうかを検討するといったように、より自由度が高く、かつ知的好奇心を満たせるという声をよくお聞きします。
また、PEファンドにおけるやりがいや達成感は経済的なリターンだけではなく、投資先が企業として良くなっていくという姿を目の当たりにできることにも起因しているため、事業への興味があるかどうかも重要なポイントでしょうか。
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