【経験者に訊く】「20代でポストコンサル転職」のメリット・デメリット

20代でコンサルティングファームにお勤めの方であれば、一度は事業会社への転職を考えられたことがあるのではないでしょうか。20代でコンサルティングファームから事業会社へ転職することには、メリットとデメリットの両面があるのが実情です。30代までコンサルティングファームに在籍して得られるものもあれば、一方で失ってしまうものもあります。

そこで、今回は、コンサルティングファームから事業会社への転職経験者に、実際に「20代でポストコンサル転職をして良かったこと」、一方で「もう少し残っておけばよかったと後悔したこと」についてお話をお伺いしました。事業会社への転職を検討する上で、少しでも当記事が参考になれば幸いです。

<プロフィール>

30代前半(現在)男性:総合コンサルティングファーム→30名程度のITベンチャー
※転職当時の年齢は28歳で、役職はコンサルタント

【目次】

  1. よかったこと①:若いうちに自由な時間が増えた
  2. よかったこと②:やりたい仕事に早く携われた
  3. よかったこと③:事業会社順応しやすかった
  4. 後悔①:もう少しお金を貯めておけばよかった
  5. 後悔②:プロモーションしておけばよかった
  6. 後悔③:優秀な上司からもっと学びたかった

よかったこと①:若いうちに自由な時間が増えた

一番のメリットは、コンサルティングファーム特有のハードワークから解放されたことです。それによって、自分自身が自由に使える時間が大きく増えました。

コンサル時代は終電近くまで働くことも多かったのですが(終電を過ぎて働くこともありましたが)、転職後のITベンチャーでは皆19時ごろに退社し、21時ごろには誰も残っていません。もちろん、土日出社もありません。ITベンチャーに限らず事業会社に転職した場合、コンサルティングファームと比較して働く時間は短く、労働環境はホワイトになることが多いのではないでしょうか。

「20代のうちは仕事一筋」というのも理解できますし、全く否定するつもりもありません。しかしながら、仕事以外の自由時間があると、趣味や副業に時間を割けますし、友達や家族との時間も確保できます。私自身は転職当時から子供がおりましたが、転職を機にまだ幼い子供と一緒に過ごす時間が増えて大変満足しておりました。これが30代でコンサルティングファームを辞めていたとなると、子供の成長が一番感じられる時期に一緒に過ごす時間が短くなっていたでしょう。

自由な時間を20代で確保するというのがポイントで、極端ですが60代でようやく手に入れても時間の使い道が全然違ってきます。20代というのは体力や気力もあり、勉学や恋愛含め自分のやりたいことを人生で色々と経験できる貴重な時期です。その時期にしか経験できないこともきっとあるはずです。20代で事業会社へポストコンサルを転職することで、その時間を捻出できる可能性が高まります。

よかったこと②:やりたい仕事に早く携われた

元々私は、コンサルティングファームに勤めた後にITベンチャーへ転職したいという意向があり、また取り組んでいきたい事業というものもありました。20代でコンサルティングファームから転職することで、その事業に早く携わることができました。

コンサルティングファームは修行の場と捉えていた面もあるので、転職を機により早く自分のやりたい仕事に携わることができたことはよかったです。もちろんコンサルの仕事もやりがいがあり、人にも恵まれ楽しく働いていたのですが、元々取り組みたいと思っていた仕事はまた別の充実感があります。

また20代ですとポストコンサルとしての求人数がそもそも多く、そのため自分の携わりたかった事業を持っている会社の求人もたくさんありました。単純に選択肢が多かったため、よりフィットした会社を選ぶことができた点もよかったです。

ITベンチャーへの転職後に内部の事情を知って分かったのですが、これが30代でのポストコンサル転職となるとポジションも絞られ、転職難易度も上がっているようでした。

よかったこと③:事業会社へ順応しやすかった

私は20代でコンサルからITベンチャーへ転職しましたが、事業会社での仕事の進め方や職場環境、人間関係などにそれほど抵抗なく順応できました。これは自分でも意外でした。

実際、コンサルティングファームの仕事の進め方や職場環境、人間関係と、事業会社のそれらとでは全く性質が異なりました。プロジェクトのスピード感や意思決定の仕方も違いますし、働き方も変わりますし、メンバーのスキルやモチベーションも異なります。それでも、1~2ヶ月ほどで事業会社に適応できましたし、事業会社の考え方やスタンスも理解することができました。

その大きな要因は、自分自身がそこまでコンサル業界に染まっていない20代という比較的若いうちに転職したからだと考えています。30代でのポストコンサル転職となると、コンサルとしての考え方や所作が無意識レベルで刷り込まれていると思いますし、コンサル出身としてのプライドもあり柔軟かつ迅速に自身のスタンスを変えることはできなかったかもしれません。

もちろん私にも、コンサルティングファームで身に付け、その後事業会社で活きているスキルやマインドはたくさんあります。ロジカルシンキングやドキュメンテーションもそうですし、クライアントへの提案を考え抜く姿勢もそうです。

しかし、事業会社でキャリアを積むのであれば、求人が多い若いうちに早めに転職し、事業会社に順応してしまうのもおすすめです。ゆくゆくは事業会社へ転職したいと考えている場合は、必要以上にコンサルティングファームでの経験を積まないという選択肢もアリなのではないでしょうか。

後悔①:もう少しお金を貯めておけばよかった

ポストコンサル転職の大きなデメリットとして、給与が下がるというのがあります。もちろん在籍ファームの給与や転職先の事業会社の給与にもよるので一概には言えませんが、役職がコンサルタント・シニアコンサルタントクラスであれば多くの場合一定程度給与がダウンします。

私の場合はITベンチャーへの転職でしたので、3~4割ほど給与が下がりました。決して少ない金額ではありませんでした。
コンサル時代は同年代と比較してそこそこ良い給与をもらっていたので、そこまで不自由さを感じていませんでした。一方、転職後は無駄遣いできずお金の使い道をしっかり考えなくてはいけませんでした。

給料の良いコンサルティングファームでもう少し働き貯金をしておけば、転職後の生活に余裕があっただろうにと少し後悔がありました。

後悔②:プロモーションしておけばよかった

私がITベンチャーへ転職した際の役職はコンサルタントでしたが、シニアコンサルタント・マネジャーといったより高い役職で転職活動を行えば、転職後の待遇が大きく違ったようでした。これは実際に、当時サポートいただいていた転職エージェントの方からお聞きしたことです。
役職自体が錯覚資産となりますし、マネジメントなどの経験の差も当然考慮されるため、役職によって待遇に差が出るようでした。

注意点として、【よかったこと②:やりたい仕事に早く携われた】でも触れましたが、年齢や役職が上がると転職後の待遇も良くなる傾向にありますが、一方でポジションは絞られ求人数も減少するため、転職の難易度も上がります。

私自身は、携わりたい事業が明確にあったためプロモーションを待たずしてITベンチャーへ転職を決めてしまいましたが、後悔が全くなかったとは言い切れません。プロモーション間近であれば、ひとまずプロモーションしてから転職活動を行う選択肢も大いにアリです。

後悔③:優秀な上司からもっと学びたかった

事業会社にも優秀な方は多いですが、コンサルティングファームの方がスキルの高い人が多い傾向にあると感じています。単純に数が多いだけでなく、スキルの高い人の密度も高く、コンサルティングファームで働いていると、学ぶべき上司、先輩、同期、後輩といった同僚がそこら中にいます。

特に、転職直前までお世話になっていた上司のマネジャーはとても優秀で育成もうまく、彼から多くのことを学びました。業務自体はとてもハードで、その上司についていくので精一杯でしたが、そこで得た経験が転職後の今でも大きく役立っています。その上司には本当に感謝しています。

もう少しその上司から学び吸収できていたなら、、、と想像したこともあります。もっと同じプロジェクトに関わって、マネジメントや業務の専門知識、部下の育成などについて学びたかったな、と。そうしたら今の自分もまた違っていただろうな、という後悔が正直ありました。

=================

<ポストコンサル転職の関連記事>

【ポストコンサル転職AtoZ】タイミング(年齢/役職)・業界別の年収キャリア事例・入社前後の留意点・独立(フリーコンサル)まで
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/postconsultantatoz

【インタビュー】元コンサルタントから見た「リクルートライフスタイル」と、同社がコンサル出身者に求める「スキル・感覚」とは?
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/Recruitlifestylebeauty

=================

今回の記事では、20代でコンサルから事業会社へ転職をしてよかったこと・後悔したことについて、実際にポストコンサル転職を行った方の生の声をご紹介しました。

次のキャリアを模索・検討されている方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。

各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。

新規会員登録はこちら(無料)

カテゴリー、タグで似た記事を探す

こちらの記事も合わせてご覧下さい

アクシスコンサルティングは、
プライバシーマーク使用許諾事業者として認定されています。


SSL/TLSとは?

※非公開求人は約77%。求人のご紹介、キャリアのご相談、
企業の独自情報等をご希望の方はぜひご登録ください。

新規会員登録(無料)

※フリーランスのコンサルタント向けキャリア支援・
案件紹介サービス

フリーコンサルの方/目指す方。
×