ポストコンサル転職を20代で決断するメリット【実例】

20代でシニアコンサルタントからマネージャーへのキャリアが見えてきた方から、コンサルから事業会社へのポストコンサル転職についてご相談をいただく機会が多くあります。
そこで、今回の記事では、ポストコンサルを20代で決断するメリットについて、4つの観点でご紹介したいと思います。
具体的には、スキルの汎用性、業界の選択肢、年収制約、QOLという観点から見ていきます。

【目次】

  1. スキルの汎用性
  2. 業界の選択肢
  3. 年収制約
  4. QOL

スキルの汎用性

ポストコンサルを20代で決断するメリットの一つとして、コンサルティングでの職務経験を通じて培ったスキルの汎用性が挙げられます。

新卒/中途の早いタイミングでコンサルティングに参画した方々は、20代でマネージャー手前くらいのコンサルタント職に位置すると認識しています(ファームによるが、昇進が早い方は20代でマネージャーポジションも可能なものの、ここでは平均的なスピードとして述べます)。

その場合、主に担ってきた業務としては、プロジェクト全体のアウトプットが複数のパートから構成される前提で、一つのパート、場合によっては二つのパートを対象に、リサーチから示唆を導出してメッセージに昇華してスライドに落とし込む一連のプロセスを行ってきたと考えられます。より厳密に表現すると、この一連のプロセスを相当のスピードで高いレベルでこなしてきた/こなすことができる、と言い換えられます。

この一連のプロセスを高速にかつハイレベルにこなす事ができるスキルは、同年代の非コンサルティング経験者と比較した場合圧倒的に差が生じており、どこの業種/業界においても重宝されるため、20代でのポストコンサルのメリットと言えるでしょう。特に、同世代と比べて圧倒的な差分を活かすのであれば、同世代が他のスキルを習得して競合と成り得る30代よりも、20代のうちにポストコンサルの動きを仕掛ける事が適切かもしれません。

業界の選択肢

ポストコンサルを20代で決断するメリットの一つとして、転職先としての業界選択肢の多寡が挙げられます。

新卒/中途の早いタイミングでコンサルティングに参画した方々が20代でポストコンサルを志す場合、一般的にその時点で業界の色は付いていない/付いていても薄いと言えると考えます。

特に、若くしてコンサル業界へ足を踏み入れている方の場合、入社して2-3年は(ファームの手掛けている案件によるものの)様々な業界の案件にアサインさせて育成プログラムを受ける事が多い印象で、特定の領域に特化している方は少ない印象を受けます。これは、ファーム側の意図として、様々な領域のプロジェクトにアサインさせることで、様々な業界に身を置かせるだけでなく、その業界に精通したマネージャー/パートナーの下に付ける事で、より多面的に人材の嗜好や得意・不得意を把握する事も背景にあります。

そのため、20代でポストコンサルを志すメリットとして、複数の業界知見を持ちつつも、特定の業界の色が染み付いていない点を活かして、様々な業界にチャレンジできる点が大きなメリットと考えます。前述の通り、どの業界に行っても通用する汎用的なスキルを持ち合わせていて、かつ業界の色が付いていない人材は、採用する側からすると非常に柔軟性がある人材に映ると考えられます。

例えば、企業が新卒で採用したものの、凝り固まったカルチャーの中で育ってしまった人材では、組織内で現状打破を促してもなかなかパフォーマンスを発揮する事は難しいケースが往々にしてあります。慣れ親しんだ業界へのキャッチアップ力はあるものの、新規事業の推進といった未知の領域へのキャッチアップが必要なフェーズの場合、社内の人材ではなかなかそのロールを任せる事が難しい等の課題は良く耳にします。コンサル経験者の場合、プロジェクト毎に様々な業界に強制的に身を置かざる得なくなるため、その業界の構造をいち早くキャッチアップする事はお手の物と言えます。

他方で、30代までコンサル業界に身を置いてから転職をする場合、その時点ではある程度の業界の制約を受ける事を覚悟した方が良いでしょう。理由としては、30代でコンサル経験者を採用する場合、年収等の条件の他にポジション等を与える必要があり、その場合、業界未経験者を充てる事は非常にリスクがあります。ある程度業界の知見やプロジェクトを通じた経験値がない場合、業界によってはコンサル経験者であっても、他の非コンサル経験者を候補として採用するケースも往々にして生じるため、20代でポストコンサルを志すメリットとしては、転職可能な業界の多寡がその一つと言えるかもしれません。

年収制約

ポストコンサルを20代で決断するメリットの一つとして、年収制約の回避が挙げられます。

新卒/中途の早いタイミングでコンサルティングに参画した方々が20代でポストコンサルを志す場合、概してその時点の年収レンジは800万円~1,500万円程度と認識しています。この年収レンジは、同世代と比較すれば非常に高給取りであるものの、転職市場においては比較的許容範囲内のレンジと言えます。特に、現状年収以上の報酬やSO等を付与する等の条件で、転職に踏み出す方の需要も比較的高い事も背景の一つと言えます。

他方で、コンサルティングで30代に突入すると年収レンジは更に高額となり、マネージャー以上の年収レンジとなると概して1,500~3,000万円程度(上限は人により、より上振れします)となり、非常に高給取りとなり、この時点で転職をするとなると事業責任者やCXOクラスでの転職が大勢となります。

そのため、このレベルまで年収レンジが上がると、転職要件として年収と役職がセットになることで採用側のリスクが一段と増すため、転職のハードルは非常に高まると言えます。特に、転職をする側も、30代ともなれば家庭を持つ方も多く、ある程度腰を据えて働ける環境/裁量の持てるポジション等も転職条件に挙がってくるため、受け皿を作る側の視点からすると、20代のコンサル経験者を雇うよりも難易度は高まります。

従って、年収制約の観点から言うと、20代でポストコンサルに踏み出す方が、受け皿も30代の時に比べて多様性が増すため、30代よりも、20代のうちにポストコンサルの動きを仕掛ける利点と言えるかもしれません。ポジションに付いても、入社後の成果によって柔軟に対応とする企業も増えてきているため、実力でポジションを勝ち取る事に慣れているコンサル経験者であれば、大きなハードルにはならない認識でいます。

QOL

ポストコンサルを20代で決断するメリットの一つとして、QOLの獲得、言い換えれば人間らしい生活への回帰が挙げられます。

新卒/中途の早いタイミングでコンサルティングに参画した方々が20代でポストコンサルを志す場合、上述の通り、スキルの競争優位性の活用や年収制約等の回避を実現できるだけでなく、30代を人間らしい生活に戻せることが大きなメリットと言えると考えます。

もちろん、ベンチャーキャピタルや外資金融等、コンサルティングと同等の忙しさの転職先を志す場合は別ですが、それ以外の企業/組織に転職する場合は、圧倒的にQOLが向上すると言えます。年収をある程度維持しながら、コンサルで磨いたスキルを活用して同世代に比べて面白味のある業務に携わって成果を挙げ、終業時間後の時間を自由に使う、といったイメージが一番しっくりとくるでしょう。

特に、30代となるとパートナーとの二人暮らし、もしくはお子さんも一人二人三人と持つ時期でもあるので、ポストコンサルを20代に実現することで、30代を充実した時間に充てられる事が、20代での転職を決断する大きなメリットと言えると考えます。

戦略コンサルで子育てを経験された方の声として、実際に「パートナーと共に最愛の子供達と生活する事が私自身にとっても唯一無二の楽しみ/幸せと感じるようになり、30代をポストコンサルの期間に充てる事に違和感がありません。特に、子供を授かると、従来の価値観も良い意味で一新され、よりパートナーと子供との時間を大切にしたいと思うようになり、20代でのポストコンサルはQOLの観点から強く推奨します」という意見もありました。

もちろん、コンサルにいながら子育てをすることは可能です。現に、夫婦共働きで子育てをするコンサルタントを何人も見てきました。
しかし、「子供視点に立った場合、十分に子育てできているのか、という問いを自分自身に投げかけると、答えはNO」という方が多いのが実情です。
どうしても、パートナー側に子育て/家事の負荷が寄ってしまったり、平日の朝/時に日中/夕方に遊んであげたい気持ちを抑えて仕事に励む事が、コンサルタントとして/プロフェッショナルとして必要という理由が多いです。
パートナーとの時間や子育ては、当然個人の価値観によって千差万別ではあるものの、20代をバリバリに働いたご褒美として、人間らしい生活を30代はする、という事も良い打ち手の一つでしょうか。

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>ポストコンサルに関する記事

「不景気でも」事業会社に歓迎されるコンサルになるための1つの身近なスキル
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ポストコンサル企業選びの見過ごしがちな3つのポイント
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/postcon3

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今回の記事では、ポストコンサルを20代で決断するメリットについて、四つの観点からご紹介しました。
ポストコンサル転職や、キャリアについてお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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