【KGI・KPI・KDIの違い】ゴール設定と達成のためのプロセスを明確にするには

適切な目標設定は、マーケティングやさまざまなビジネスプロジェクト、時には経営戦略においても重要です。しかし、達成できるのかわからない目標を闇雲に設定しても、現場を混乱させるだけになってしまうかもしれません。

合理的なゴール設定を実現するために押さえておきたいのが、今回紹介するKGI・KPI・KDIの違い。3つの違いを整理した上で、正しい数値や項目を設定すれば、スムーズに目標を達成しやすくなります。

今回の記事では、KGI・KPI・KDIについて基本とポイントを紹介していきます。

【目次】

  1. KGI・KPI・KDIの定義と違い
  2. KGI・KPI・KDIのメリットと重要な理由
  3. KGI・KPI・KDIの設定方法と注意点
  4. KGI・KPI・KDIをうまく使ってマーケティングやプロジェクトをデザインしよう

KGI・KPI・KDIの定義と違い

まずは、KGI・KPI・KDIの3つの定義について解説していきます。いずれも企業のマーケティングやプロジェクトにおけるゴール設定に関連するフレームワークですが、それぞれ役割が異なるのが特徴です。

3つを関連づけて設定することで、マーケティングやプロジェクトの目的達成に向けてスムーズにアクションが取れるようになります。

KGI:Key Goal Indicator(重要目標達成指標)とは最終的に達成したい目標

KGIはKey Goal Indicatorの略で、日本語に訳すと「重要目標達成指標」と呼ばれます。こちらは仕事において最終的に達成したい目標を定量化したもの。すなわち今取り組もうとしているマーケティングやプロジェクトの最終目的です。

基本的には最初に設定すべきものであり、またプロジェクトの存在意義に沿って設定されますが、その粒度はプロジェクトの内容によって変わってきます。

例えば全社的なマーケティングプロジェクトであれば、売上額や販売数がダイレクトにKGIとなることもあります。

【KGIの例】

  • 売上高を来年までにX%アップさせる
  • 販売数を今年中に○万個にする

一方で、例えば「Webマーケティングプロセスの確立」までをゴールとしているプロジェクトならば、より狭く、Webコンテンツからの集客効果が最終ゴールとなるケースも考えられます。

  • 広告へのアクセス数を来年までに○に増やす
  • Web経由での購入数を今年度中にX%アップさせる

プロジェクトの立ち位置もふまえて、適切なゴールを設定し、それを定量的な数値に落とし込みましょう。また、プロジェクトを活発に回していく上では、目標達成の「時期」を明確にしておくのも重要です。

KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)とは最終目標を達成するために必要な重要要素

KPIは「重要業績評価指標」「中間重要目標」と呼ばれるもので、KGIを達成するために必要ないくつかの重要要素に対する目標を設定するものです。

KGIを1つ設定しただけでは、プロジェクトの方向性を定めて行動に落とし込むところまでは持っていけないケースが多いです。例えば「売上高をX%アップさせる」というKGIに対して、具体的にどのようなポイントを達成すれば売上高アップができるのか、そのままではイメージがわきません。

そこでKGIを達成させるための要素をいくつか定義し、それらに対する中間目標を設定します。

KPIはプロジェクトをスケジュールに沿ってスムーズに進捗させる役割と、KGI達成に必要なことをより具体化させる役割を担うことから、次のように検討されます。

【KPIの例】

  • KGIを要素分解したもの
  • KGIに到達するまでの中間地点的なレベルの目標

例えば「2年度で売上高を30%増やす」というKGIを持つ飲食チェーン店で考えてみましょう。

まず要素分解について。
飲食店の売上高は簡便に考えると
 売上高=客単価×客数×店舗数
に分解されます。

もしこれら全てを増やしていきながらKGI達成を目指すなら、

  • 客単価10%アップ
  • 客数10%アップ
  • 店舗数10%アップ

これで売上高は30%強上がるため、上記3つをKPIとするのが1つの方法です。

要因分解によるKPIの例

  • 2年度で客単価を10%アップさせる
  • 2年度で客数を10%アップさせる
  • 2年度で店舗数を10%アップさせる

また、KGIにいきなり到達するのが困難と考えられるなら、途中経過の目標をKPIとして設定するケースも考えられます。例えばこのようなパターンです。

途中経過によるKPIの例

  • 半年で売上を5%アップさせる
  • 1年で売上を15%アップさせる

プロジェクトの規模や性質に応じて「要因分解」タイプのKPIと「途中経過」タイプのKPIをうまく使い合わせて設定しましょう。

KDI:Key Do Indicator(重要行動指標)は

KDIは、他の指標と比較して日本語化するケースが少ないですが、「重要行動指標」と呼ばれ、KPI達成につながるアクションの実施回数を計測した数値を意味します。KPIを達成するためには、プロジェクトの中でさまざまなアクションが求められるでしょう。KDIはそのようなアクションを定義した上で、実際にどれくらい行動を起こしたかをみるものです。

KDIはKPIと比較して数が多くなるのが一般的で、KPIの項目が多くなればさらに多くなる可能性があります。

一例ですが、下記のKPIそれぞれで計測すべきKDIは、このようなものが考えられます。

【KDIの例】

客単価10%アップ

  • 新たなセットメニューのリリース回数
  • ドリンクを料理に合わせてオーダーすることを薦めた回数
  • 高価格商品のキャンペーン告知回数

客数10%アップ

  • 料理提供時間の短縮化の達成状況
  • 新たな年齢層の顧客獲得のためのSNS発信回数

店舗数10%アップ

  • 店舗候補選定会議の実施回数
  • 新店舗オープンのための役員稟議にあげた回数

KDIは「KPIを達成させる」という軸を忘れないように、特に重要なアクションをまとめることが大切です。

KGI・KPI・KDIのメリットと重要な理由

今回紹介した3つの指標は、きちんと全て設定するのが、マーケティング施策やプロジェクト推進では重要です。全て設定することのメリットを理由とともに3つ紹介します。

定量的で合理的な目標設定がしやすい

KGI、KPIは何らかの定量的な数値で設定され、またKDIは数値でカウントできる事柄を計測します。そのため、目標や目標達成に向けたアクションについて、データに基づいて定量的に把握することが可能です。

さらに、KGI→KPI→KDIと落とし込んでいくことで、プロジェクトにおける行動指針をメンバーに与えることができます。

もしもKGIの達成に無理があるなら、その下にあるKPI、KDIのどこかに無理が生じるため、3つを順番に設定することで、合理的な目標設定が可能です。

評価基準に応用できる

KPIやKDIの達成状況を基準とすれば、メンバーの評価も簡単におこなえます。KPIだけでは「ゴール」の達成状況だけで判断されてしまう恐れがありますが、KDIを取り入れることで「トライ」した数を評価に含めることが可能です。

そもそも行動したのに結果に結びつかないのは、プロジェクトデザイン自体が悪い可能性もあるため、社員1人の評価に結びつけて良いとは限りません。

KDIを取り入れることで、表面的な結果だけを過信することによる不合理な評価づけを避けられます。

方向修正が迅速に

KPIを全て達成することで、KGIが達成される構造になっているのが、あるべきKGI・KPIの姿です。裏を返せば、KPIが未達ということは、その時点でKGI達成に向かえていないことを意味するため、早めに軌道修正や目標の修正が必要になります。

もしKPIがなく、KGIだけを拠り所に進めていたら、終盤までゴールを達成できないことに気づけないかもしれません。KPIを複数設定することで、早めに問題に気づくことができるのです。

KGI・KPI・KDIの設定方法と注意点

実効性がある目標設定が、プロジェクトの円滑な推進・実行には不可欠です。最後に、目的の実現に向けて適したPDCAを回すために押さえておきたい、KGI・KPI・KDIを設定する上での注意点を紹介します。

定量データで表現できる目標にする

今回紹介する指標は、定量データでゴールと現状・達成状況などを確認できるのが大きな利点です。

そもそも目標が数値化されたものでなければ、3つの指標は意味を成しません。もし今思い浮かぶ「ゴール」が定性的であったとしても、何らかの形で定量データに落とし込んでゴール設定をしましょう。

KPIとKGIの関係性をしっかりチェック

KGI・KPI・KDIの中では、KPIの設定が最も難しい傾向にあります。KPIを全て達成するとKGIも達成できる、という集合と要素のような関係性を持っていなければならないためです。

一方で、適切なKPIの設定はプロジェクトのゴールを達成する上で重要です。プロジェクトが始まればメンバーはKPIを見てミッションを進めるため、大元であるKPIに不具合があると、たちまちプロジェクトはうまく回らなくなる恐れがあります。

指標を設定していくときには、特にKPIとKGIの関係性をしっかりチェックして「KPIを全て達成すればKGIが達成される」よう徹底しましょう。

達成可能だが適度に難しい目標にする

プロジェクトやマーケティングでは、適切な難易度の目標を設定することで最大限の効果を得られます。難しすぎることでメンバーのモチベーションを削いではいけませんし、簡単に達成できてしまうような目標にすると、高い効果を得られない可能性があります。

プロジェクトの期間や企業のポテンシャルなどをふまえて、適切なレベルの目標設定をしましょう。

KGI・KPI・KDIをうまく使ってマーケティングやプロジェクトをデザインしよう

KGI・KPI・KDIを一貫して設定すれば、マーケティングやプロジェクトのゴール設定、ゴールに至るまでのプロセス、プロセスそれぞれにおける行動指針を全て整理できます。また、それぞれを定量的な数値で表現できるのも特徴です。

適切な難易度でこれらの指標を設定すれば、スムーズにプロジェクトを成功に導くことができます。チームや企業をゴールに導くプロジェクトをデザインする能力はコンサルタントにとって非常に重要なため、KGI・KPI・KDIの意味を理解して、うまく設定できるようにしておきましょう。

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>数値設定・課題解決に関する記事

他ファームへの転職時に「セリングKPI」を確認する際の注意点
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/sellingkpi

「ロジックツリー」例題を参考に作り方を完全理解する
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/logic_tree

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今回の記事では、KGI・KPI・KDIについて基本とポイントをご紹介しました。

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