【実例】コンサルの採用ではどのプログラミング言語が求められるのか?

コンサルティングファームにおいて開発を担うのはファーム内のエンジニア部門やSIerであるケースが多いものの、End to Endのサービスが求められるようになり、

・導入前にPoCなど目に見えるものをクライアントに見せるケースやが増えている
・データを使った具体的なコンサルティングが求められている
・開発経験を活かして実現性の高いITソリューション導入が可能になる

等の理由から、コンサルポジションの採用でもチームによっては要件にプログラミング言語を記載するケースが増えてきました。そこで、直近コンサルティングファームの採用要件として求められるプログラミング言語をニーズが高い順にご紹介します。

【目次】

  1. 総合系、IT系ファーム問わず現在最もニーズが高いのがPython/R/SQLなどのデータ分析・AI系言語
  2. IT系ファームでは分析・AI系言語と並んでJava、PHP、Cなどのオープン系言語のニーズも高い
  3. 「COBOL」「ABAP」「Dpos、DBFT、Solidity(スマートコントラクト言語)」など
  4. (参考)ITバックグラウンドの採用においてプログラミング言語以上に求められるのが「PM経験」

総合系、IT系ファーム問わず現在最もニーズが高いのがPython/R/SQLなどのデータ分析・AI系言語

弊社で保有している「プログラミング言語を採用要件に含むコンサル求人」の内、約6割以上の求人で記載されていたのがPython/R/SQLなどデータ分析やAIの開発で用いられる言語でした。

直近、同言語のニーズが高まっている背景としては、クライアントへの提案やソリューションにおいて、

・データアナリティクスによる示唆出し
・AIなど新しいテクノロジーを用いた課題解決

が重宝されていることが挙げられるようです。総合系ファームでは、同ソリューションのニーズが高まっていることから、「データ分析チーム」など新しい組織が次々と設立されております。

事業会社等でPython/R/SQLを用いてデータ分析に取り組まれていた方、AIのアルゴリズム開発やサービスに関わっていた方は、中には年収100万~200万アップで転職される方もいるようです。

(例)Big4系FAS
職務内容:クライアントがM&Aを行うにあたり、戦略的データ分析サービスを提供
採用要件:VBA、Python、R、SQL等のデータ処理言語いずれかの利用経験があり、データ分析に関連する実務経験1年以上。
転職事例:20代後半/年収500万(データ分析系ファームにおけるデータアナリスト)⇒コンサルタント 年収650万

(例)Big4系コンサルティングファーム
職務内容:データを活用した「経営課題の可視化」「最適な業務処理に関する予測・最適化」
採用要件:1年以上のAI・機械学習・統計モデルを活用した分析システム開発経験(PythonやR、Scala等によるカスタム開発)
転職事例:30代前半/年収800万(SIerにてデータ分析プラットフォーム構築)⇒シニアコンサルタント 年収850万

ただし、同チームのディレクターにお聞きしたところ、プログラミング言語を用いて分析するフェーズでは「分析モデルを日本で考え、実際に書く部分をインドや中国に任せる」など外注するケースも多く、上記のようなアナリティクスコンサルの場合でも、求められるのは「データを出すこと」ではなく、そこから「課題解決の糸口を見出す」役割であることのようです。

それゆえに、データ分析の専門知見がない社内外のメンバーと円滑に意思疎通を図る「コミュニケーション能力」がプログラミング言語への理解と並行して採用段階で求められるケースが多い印象です。

その他、「データ」でもアーキテクチャーなど基盤そのもののコンサルティングにも力を入れるチームでは、PythonやRといった言語と同時に、Hadoop、Apache Spark等を用いたビッグデータ分析システムの構築経験や、AWS、GCP、Azure、Hadoop、Non-SQLDBなどクラウドや非構造のデータ基盤構築の経験を歓迎要件とするケースも複数ありました。

IT系ファームでは分析・AI系言語と並んでJava、PHP、Cなどのオープン系言語のニーズも高い

オープン言語に関しては、戦略・総合系とIT系ファームでニーズが異なる印象です。

戦略コンサル、総合系ファームのマネジメントコンサルポジションでは経営戦略策定~要件定義までのケースが多いため、オープン言語の知識・経験を採用段階で必須条件として求めるケースは稀でしょうか。

また、求められる場合でも、パートナー曰く「標準のライブラリを利用して、一人で開発できるレベル」とのことでした。

JavaScript, CSS、HTMLなど主にWebアプリケーションで使用される言語と同列で採用要件に記載されることも多く、あくまでも「システムが分かっていると、何ができて、何ができないかという現実的な提案が可能になる」という意味合いに留まるようです。

(例)Big4系コンサルティングファーム
職務内容:新たなビジネスモデルの構築のため、デジタル戦略・計画の立案からその実行・実現を担う
採用要件:1年以上のデータ処理言語を用いた実務経験、または3年以上のシステム開発経験(Java、Scala、JavaScript等によるカスタム開発)
転職事例:30代前半/年収800万(大手SIerにおけるPM~開発)⇒シニアコンサルタント 年収900万

一方で、IT系ファームのシステム導入に特化したコンサルポジションでは、Javaなどのオープン系言語を求められるケースが多いようです。

IT系ファームでもコンサルポジションであれば自分自身でコーディングするケースは稀ですが、「システム化範囲の決定」「導入コンサル・運用支援」といった開発フェーズの進行にも責任を持つため、開発の肌感やトラブルが起きた際の対処方法について深い理解が必要なため、オープン言語での開発経験があると採用においても優位に働くようです。

(例)外資大手IT系コンサルティングファーム
職務内容:グローバル展開支援/統一CRMプラットフォーム導入~定着化支援など
採用要件:Salesforceの開発経験(Config, Coding(Apex、Visualforce)またはJavaの開発経験2年以上
転職事例:40代半ば/年収1,300万(大手SIerにおける企業向けシステムインテグレーションのPM業務)⇒シニアマネージャー/年収1,600万

(例)日系大手IT系ファーム
職務内容:特定のフェーズのみではなく、ITグランドデザインから設計/実装まで一貫して関わり、ITを活かした経営の実現を担う。
採用要件:Javaなどのオープン系言語を用いて、お客様のユーザ部門を相手に要件定義、システム設計~開発を1年以上行った経験
転職事例:20代半ば/年収450万(2次受けSIerにおけるインフラアーキテクト、オンプレミスプライベートクラウドの開発など)⇒コンサルタント 年収530万

「COBOL」「ABAP」「Dpos、DBFT、Solidity(スマートコントラクト言語)」など

COBOLを筆頭とする汎用系言語をコンサルポジションの採用要件として求めるチームは数では少ないものの、地方拠点などレガシーシステムから新システムへの刷新を専門にしたチームなどで求められるケースが多いでしょうか。

アクセンチュアなど大手IT系ファームでは、年間10数名COBOLエンジニアを採用しているなど、デジタル化が叫ばれる大手企業ほど既存のシステムにCOBOLを使用しているケースが多く、大手企業を相手にする大手ファームほどCOBOLエンジニアの需要が高いというのが実情です。

(例)外資系大手IT系コンサルティングファーム
職務内容:企業における基幹系レガシーシステムに対するモダナイゼーションと最適化を推進する。
採用要件:COBOLの開発~運用~保守経験(1年以上)
転職事例:30代後半/年収900万(大手SIerにおいて公共向けパッケージ導入プロジェクトを中心にプロジェクトマネジメントに従事)⇒マネージャー 年収1,100万円

また、2025年に保守切れを迎えることもあり、ファームやフリーコンサルでも案件が増加しているSAP領域。コンサルポジションではABAPでの保守・開発経験は歓迎要件であるケースが多く、プラスしてファーム/SIer/事業会社システム部門にてSAPを用いた業務プロセス(要件定義~設計)経験が1~2年以上あると採用のターゲットになるケースが多い印象です。

(例)Big4系コンサルティングファーム
職務内容:SAPに関するERP主要モジュール・機能をベースにした業務設計~システム構築(設計、設定、展開)~拡張機能(Addon)設計
採用要件:SAP導入経験3年以上、または複数クライアント(プロジェクトではありません)の経験(ABAPでの開発・保守経験は尚可)
転職事例:30代後半/年収900万(SIerにてSAPの導入プロジェクトをリード、要件定義から実装まで一連の工程を経験)⇒ マネージャー 年収1,000万円

また、Dpos、DBFT、Solidityなどのスマートコントラクト言語に関しては、コンサルポジションではブロックチェーンの開発に関わるわけではないため必要要件に記載するファームは殆どないのが実情でしょうか。

(参考)ITバックグラウンドの採用においてプログラミング言語以上に求められるのが「PM経験」

コンサルファームの採用において言語への理解以上に求められるのがPM経験でしょうか。おおよそ30代半ばでコンサルポジションにチャレンジする場合、コンサル未経験でもPJマネジメント経験があればマネージャーで採用されるケースもあります。

【転職事例】
30代半ば(大手SIerにおいてシステム導入のPMを約5年経験)⇒大手IT系ファームのシステムコンサルチームにマネージャーとして転職

また20代中盤~後半のエンジニアの場合は、エンジニアとしての経験値と同程度にコンサルのベーススキルである論理的思考力やコミュニケーション力で判断されることが多いようです。

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今回の記事では、コンサルティングファームの採用で求められるプログラミング言語ついてご紹介しました。

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