営業や営業企画として活躍される方から、「将来的に事業企画に挑戦したいのだが、営業からどのようなステップを踏めば良いのか分からない」というご相談をいただくことがあります。
そこで、今回の記事では、実際の転職事例を交えながら、営業企画から事業企画へのキャリアパスをご紹介します。
【目次】
- 意外と通る「事業企画」、営業企画からの転職・年収事例
- 「営業的役割」も求められる事業企画やCSへと転職し、その後再度「経営企画」を狙うという選択肢も
- 現職や副業を利用して事業企画のケイパビリティを身につけるという手も
意外と通る「事業企画」、営業企画からの転職・年収事例
“営業企画”の方からは、「事業企画へチャレンジしたいもののケイパビリティがマッチしないので中々応募しにくい」という声をお聞きします。
しかし、弊社の実績を見ても、実のところいきなり「事業企画」へキャリアチェンジされる方は多数いらっしゃいます。
※転職事例1
・20代後半:IT系ベンチャーにて営業企画として法人顧客への提案及び、自社システムの導入業務を行う。(年収500万円)
⇒メガベンチャーの事業企画部に転職し、出資先海外スタートアップの事業管理及び、日本での事業展開支援(事業企画・販売戦略立案)を担当。(年収520万円)
※転職事例2
・30代前半:大手通信キャリアに入社後、営業企画として大手小売店を対象とした光の拡販営業に従事。新店舗のオープン支援、様々なキャリア/メーカーの巻き込みなどを実施。(年収550万円)
⇒SaaS系ベンチャーに転職、企画系ポジション(カスタマーサクセス)としてプロダクトの新機能/新サービスの企画を担う。担当業務は、顧客インタビューやマーケットリサーチ、新たな機能の提案など。(年収600万円)
直近でも20代で営業企画経験2~3年の方から、30代後半で営業チームのマネジメントを経験された方まで転職事例があります。
特に、営業として得た情報を新商品開発へと活かすなど、”企画”フェーズに関わり販路を拡大し営業成績を自力で挙げた方などは、即戦力として年収もスライドまたは~100万ほど高く転職されるケースも多いです。
※転職事例3
30代後半:人材系ベンチャーの営業統括として、メンバーのKPI設定や既存オペレーション構築/改善、新サービス立案などに関わる(年収800万)
⇒IT系ベンチャーに転職し、事業部長として各事業部の事業内容やコスト見直し、新規事業立案による販路創出などに関わる(年収900万)
「営業的役割」も求められる事業企画やCSへと転職し、その後再度「経営企画」を狙うという選択肢も
一方で、”企画面”の経験が少ない場合は、そのまま無作為に事業企画へ応募しても見送られるケースも多いでしょうか。
ただし、一口に「事業企画」と言っても仕事の内容は様々で、事業を立ち上げたばかりの場合は、その「商品を売るための」戦略立案やプリセールス的な働きが求められることも多くあります。
そのため、確度を上げるためには、100%企画的役割を求められるポジションではなく、”事業企画”や”BizDev”とは言いながらも、実質的には営業的役割も必要とされるポジションを狙うことのも一案です。
※求人例:eコマースを手掛けるベンチャー/BizDev/年収~1,000万円
・職務内容:小売店舗を展開しているクライアント企業へ、eギフトの導入、流通額を増やすための企画提案から協業での事業立ち上げ
・必要経験:①事業「立ち上げ」から事業化までのプロセスを経験した方。②法人営業経験者(併せて、事業開発に関わる経験値があればベター)
まずはプリセールス的役割として”事業企画”へと転職し、営業面で結果を残しつつ、ユーザーから得た情報やニーズを元に企画部内で有益な意見を出して部内でのポジションを確立させ、事業企画サイドのスキルも徐々に身に付けるというキャリアパスもあります。
※転職事例
30代後半男性 中堅スポーツブランド:営業として結果を残し、部長に昇格して上場企業を中心とした法人営業の統括を担う、また営業企画としてブランド事業運営にも従事
⇒IT系ベンチャーに事業部マネージャー候補として入社し、事業の営業先拡大にて結果を残し、その後事業責任者、経営管理責任者として事業運営全般を統括。
また、事業企画からのキャリアパスですが、担当するプロダクトやサービスを会社経営を左右する程度に育てた段階で、ビジネスの方向性を見極める視座といった側面を評価され、経営企画ポジションに移られる方もいます。
特に、ベンチャー企業では一つのプロダクト・サービスに会社経営が左右されるケースも多く、事業戦略=経営戦略と重なることもあるため、事業企画ポジションから経営企画への道に歩まれる方が多い印象です。
特に、プロダクトが完全に立ち上がっていないスタートアップや大手子会社などの場合は、セールス面まで具体的に踏み込んだ経営戦略を立てられる「営業出身の事業企画人材」のニーズが高いようです。
※転職事例
30歳前半男性 メガベンチャー:広告営業として結果を残し、営業統括を経験。
⇒IT系ベンチャーへ事業開発・販売統括マネージャーとして転職
⇒会社の成長と共に経営企画ポジションが新設され、経営企画室長に就任
中には、CEOやCOOなど同社の経営陣として就任するケースもあります。
※転職事例
30代前半男性 ベンチャー企業:事業企画のマネージャーとして活躍後、経営企画へ異動し、IRやグループ経営計画立案及び管理などのスキルを身に付ける。
⇒新規で買収した子会社に代表取締役兼COOとして就任
また、営業系のスキルを活かす企画ポジションという観点ではCS(カスタマーサクセス)も候補として挙がるでしょうか。前職の営業経験を活かして販売企画、ユーザー分析のスキルを活かしてインサイドセールス部門といった隣接領域に移られる方も多い印象です。
さらに、特定のマーケットやユーザーニーズを深く理解する中で、事業企画や新規事業立ち上げポジション、CSから直接起業してプロダクト・サービスをローンチされる方もいらっしゃいます。
※転職事例1
大手エンタメにてコンテンツの営業を3年経験、その後動画に関するデータ提供会社に転職し、CSとして受注後のクライアントへデータ活用コンサルを行う。
⇒動画サブスク系ベンチャーに転職し、動画を中心とした商品開発に関わる
※転職事例2
大手デジタル系ベンチャーの営業を4年経験、その後CS部門のマネージャーを3年、セールス&CS部門の統括を2年経験
⇒職場の友人(エンジニアなど)と共にベンチャーを立ち上げ、ブロックチェーンのサービスをローンチする
現職や副業を利用して事業企画のケイパビリティを身につけるという手も
また、社内において任される職域を徐々に広げ、異動等の制度を利用して事業企画に就く方法もあるでしょうか。
例えば、ベンチャーの場合、初期フェーズでは「事業企画」というポジションがない場合も多く、”事業企画的”な働きをする中で事業企画ポジションが設立される、その結果いきなり事業部長というケースもあり得ます。
また、大手では、営業として一定の数字を残し、評価が高まると社内の新規事業に応募できるという仕組みもよく内部で働かれている方からお聞きします。
※事例
30代前半男性 メガベンチャー:中古車情報を扱う部門に営業として入社し、営業の情報を元に新規商品を企画する仕事を経験し、プロダクトがローンチされ1年目から黒字化に成功、その後社内の制度を利用して事業企画に異動。
中には副業としてプロダクト/サービスを企画~運用し、自力で事業企画の経験を積まれる方もいらっしゃいます。
※事例
20代後半男性:大手通信キャリアに就職し、法人営業企画を担当。副業として運営していたWebサービスをローンチし、大手ベンチャーに売却。その後、中堅ベンチャーの新規事業企画ポジションにマネージャーとして参画。
ただし、プロダクトをローンチしてもユーザーを獲得するための「マーケティングスキル」、また収益性を理解するためのPL/BSの読み方等の「経営スキル」も必要となる為、本やセミナーなどを通した自己努力が難しい方は、今まで紹介したような転職という手段でキャリアパスを築く方が最適でしょうか。
参考コラム:【コンサルと個人事業(副業)の兼業事例】起業に活きるコンサルタントのスキル/足りないスキルとは?
https://www.axc.ne.jp/media/career-change-case/entrepreneurskills
また、経営者の友人や知人の会社に業務委託や、アルバイト、ボランティアという形で入り込み、事業企画を手伝うというのも一つの手でしょうか。
※事例
30代後半男性:大手信託銀行にて営業を経験後、資産運用会社にて営業企画として入社し、営業企画部長に就任。副業として友人の経営する会社を手伝い、その後、起業し金融系のサービスをローンチ
参考コラム:ベンチャーに飛び込む前に「業務委託」で「試用期間」を作りリスクヘッジするという手法について
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/outsourcing
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今回の記事では、転職実績等を交えて、営業企画から「事業企画」へのキャリアパスについてご紹介しました。
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