SAPは、現在最も広く使われているERPシステムです。
筆者も実際に使用したことがありますが、特に会計や経理の分野では、ユーザーが便利だと思う機能や効率的な集計・分析を可能にする優秀なツールです。
今回は、
・SAPコンサルの年収の実態
・SAPコンサルとして年収を上げるにはどうすればいいか
・SAPコンサルとして収入UPを図りたい転職志望者に向けた注意点
など、SAPコンサルへのキャリアを目指す方が、知っておくべき情報を中心に解説していきます。
【目次】
- SAPコンサルタントの年収は約540万円~1,300万円
- SAPコンサルタントが将来性あるプロフェッショナルとして高収入を得られる理由
- SAPコンサルタントになる方法・概要
- SAPコンサルタントとして高い年収を得るポイントは専門性とインパクト
SAPコンサルタントの年収は約540万円~1,300万円
実際の求人データによると、日本におけるSAPコンサルタントの平均給与は540万円ほどであり、順調にキャリアアップすれば1,300万円ほども狙えます。給与には、現金ボーナスなどが含まれます。高い年収を希望するなら、より高い専門性を獲得する必要があるでしょう。
SAPコンサルタントの経験別給与は増加傾向と言われています。
経験年数5年未満のエントリーレベルのSAPコンサルタントの平均総報酬には、ベース、ボーナス、残業手当が含まれます。中途採用のSAPコンサルタント(経験年数5~10年)は、平均年収は1,000万円弱と思われます。
経験豊富なSAPコンサルタント(経験年数10~20年)は、更に多くの報酬が期待できます。
SAPコンサルのキャリアを築くためのスキル
SAPコンサルの仕事は経験が収入に強く影響します。この仕事の給与を上げるスキルは、SAP Advanced Planner and Optimizer(SAP APO)、SAP Customer Relationship Management(SAP CRM)、SAP Security、SAP Enterprise Resource Planning(ERP)、SAP Sales and Distribution(SAP SD)などを扱う能力です。またSAPコンサルタントの職に就いて10年以上経つと、他の職種に転職、もしくは独立する選択肢もあり得ます。
SAPコンサルタントの内情
SAPを実装するのは難易度が高いため、ハイレベルなトレーニングとスキルが求められるのが特徴です。
クライアントの企業がより多くの経済的利益をもたらせるように、導入はクライアントの所在地で実施します。
場合によっては、導入やサポートのために頻繁に海外に出張することもあります。SAP業界では、海外案件を含め幅広い経験を積むことでスキルを磨けば、労働市場で有利になり高い給与を得ることが可能です。
SAPコンサルタントが将来性あるプロフェッショナルとして高収入を得られる理由
将来性ある仕事と言われるSAPコンサルタント。他のIT専門家と比較して高い給料を狙える理由は、主に以下の通りです。
SAPエキスパートに対する需要の高まり
SAP専門家の需要は市場で増しているにもかかわらず、まだ訓練され熟練した、有資格者のSAP専門家が不足しています。このため企業は魅力的な給与パッケージで、資格のあるSAP専門家を雇う傾向があるのです。
需要と供給の比率
需要と供給の力学は、供給が高ければ需要は低く、その逆もまた然りです。SAPの場合、SAPエキスパートの供給は、企業の観点からは明らかに少なく、需要が高まっています。ただし、経験のあるエキスパートを求めているという意味で、経験の少ない人はこの限りではないことに注意しましょう。
たくさんの予算がある企業におけるSAPの実装
SAPの導入は通常、中小企業に比べて高予算の企業や大企業で実施されることが多いです。
大企業は小規模企業に比べ、従業員に多額の給与を支払えるうえ、SAP導入の際に多くの予算を獲得できます。このような理由から、SAPコンサルタントは、他のIT分野よりも魅力的な給与を獲得しやすいのです。
SAPコンサルタントになる方法・概要
SAPコンサルタントとしてのキャリアを目指す場合の基本的なステップをご紹介します。
1. 学士号を取得する
SAPコンサルタントの資格を得るには、通常、最低でも学士号が必要ですが、準学士号と関連する経験があれば資格を得られる場合もあります。まずはコンピューター関連分野の学士号を取得することから始めるのが一般的です。また、SAPコンサルタントは組織の財務部門と密接に連携し、プロセスを合理化して効率を高めることが多いため、会計などのビジネスコースの受講も検討するとよいでしょう。
2. SAPトレーニングを受ける
学士号取得後は、Basis、CRM、SD、MMなど、専門分野を学べるトレーニングコースの受講を検討しましょう。SAPコンサルティングの中でも特にどの分野を専門にしたいか、決めるのに役立ちます。また企業に的確なガイダンスを提供するために、必要な知識を得られるのもメリットです。
ほとんどのトレーニングプログラムでは、修了時に認定資格が与えられます。認定資格を取得することで、採用企業が求める「基本レベルのスキル・理解力があること」を証明できます。認定資格は特に、SAPコンサルタントとして最初の職を得るために重要です。一般的には、その職務でより実践的な経験を積むにつれ、面接で実務経験を明確に説明できる方が重視されるようになります。
3. 関連する経験を積む
SAPコンサルタントを目指す前に、まず現在働いているオフィス環境で関連する経験を積むことをおすすめします。例えば、SAP財務会計コンサルタントを目指すのであれば、まず財務部門や経理部門に配属されます。そうすることで、財務部門のプロセスや、現場の改善点をより理解できます。またSAPのトレーニングを受けているため、SAPがそれらのプロセスをどのようにサポートできるか、より明確に助言できるはずです。
既に学位取得者なのであれば、経験を積むためのもう一つの選択肢は、ITコンサルタント会社に入社することです。ジュニア・コンサルタントを採用する企業もあるため、シニア・レベルのコンサルタントと密接に働きながら、実社会の環境で学ぶことができるのがメリットです。やはり過去にコンサルタントとしての職務経験があることが、最も役立つでしょう。
4. 修士号取得を検討する
SAPコンサルタントの求人に応募する他の候補者と差をつけるために、修士号の取得を検討するのもよいでしょう。雇用主によっては、コンピュータサイエンスや、情報システムに重点を置いた経営学の上級学位を持つ候補者を好んで採用するケースもあります。
SAPコンサルタントとして高い年収を得るポイントは専門性とインパクト
SAPコンサルタントは、仕事の見通しが良く、比較的高い収入が期待できるため、多くの人がやりがいを感じている仕事です。SAPコンサルタントの主な仕事内容や、コンサルタントになるために必要なステップを知ることで、適性を判断できます。
SAPコンサルタントとして高い給料や良好な待遇を得るためには、専門性を高め、差別化を行うことが重要です。
求められる最低水準のスキルがあるだけでは、簡単にオフショア化、アウトソーシングされる可能性があるためです。
今回の解説を参考にしつつ、まずは資格と並行して実務経験を積み、会計や財務のみならず会社の経営にインパクトを与えられるポジションを目指すことをおすすめします。
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