今回の記事では、これからフリーランスを目指しているエンジニアの方、SES企業で働いていて今後のキャリアについて検討されている方向けに、新卒でSES企業に就職し、現在はフリーランスエンジニアとして客先常駐案件に関わられている方にお聞きした「独立したメリット・デメリット」をご紹介します。
【目次】
- SESより収入が格段にUPした
- SES時代よりステップアップにも意欲的
- SES時代より案件を自由に選択できるため、思い描いたキャリアパスを築きやすい
- フリーランスエンジニアは働き方にも融通が利く
- 独立後、自由は増えるが努力は必須
- 高収入により生活レベルは上がるが、その反面レベルを落とせなくなる
- 安定した生活に向かない
- 確定申告が面倒
SESより収入が格段にUPした
<新卒で就職したSES>
私が初めて就職したSESは、初任給としてもかなり薄給でした。手取りで10万円代前半、これが私のエンジニアライフのスタート金額です。
本業はITとは全く関係のないこの会社では、SESでの収益で本業の赤字を補填するという目的もあったとかなかったとか…という事情もあってか、2年目も3年目の昇給も給料は千円札2枚分程度でした。
早く「エンジニアとして稼げるようになりたい」という意欲はかなりありました。
<SES三年目にフリーランスとしてリスタート>
フリーランスとしてのスタートはエンジニア歴3年目、今考えても早すぎたと思わないでもないのですが、若さゆえ勢いで退職、フリーランスエージェント企業に駆け込んだのです。
とは言え、まだ経験3年目ということで色々案件も調整していただきつつ、手取り額30万円になるような案件を紹介していただくことに。
フリーランスとしてのスタートは手取り額にして30万円、その後の推移は大まかにですが以降3年ほどで 「35万円 ⇒ 40万円 ⇒ 45万円 ⇒ 50万円」と上向きなりました。
SESのころに比べて15万円以上上がったフリーランススタート時、かねてよりの希望だった独り暮らしもスタートしていたので「やっと楽に生活できるようになった!」と思ったのを今も覚えています。
はずれとは言え東京都内での独り暮らし、正直SES時代にはカツカツで残業はあっても残業代もごくわずか。
楽しみも持てないような状況で働いていたので、「働くって楽しい!」と純粋に思えるようになったのもフリーランスになってからでした。
SES時代よりステップアップにも意欲的
先にお話ししたように、私が就職したSES企業はとにかく薄給でした。
先輩方も同じような状況で、私より3年以上在籍されている先輩社員はいなく、30代後半の営業さん(社長のご子息)と50歳目前の部長だけ、というある種特殊な環境になっていたのもうなずけます。
そんな環境でもあり、「頑張れば収入も上がるから!」というモチベーションももてていませんでした。
ですがフリーランスになり、現場で出会う先輩方の話を聞いて、必然的にモチベーションも上がりました。それまで何となくしか理解していなかった商流についても把握するようになったのもこの頃。自分の周りしか見ていなかった私の視野が広がり、上流工程で活躍している先人たちの後を追いたいと思えたのもフリーランスになったからでした。
助けてくれる先輩や仲間たちの役に立てるようになりたい、認めてもらえる存在になりたい、と強く考えるようになったこともあり、実力もつき、お話をいただく案件の単価も上がっていったのだと思います。
SES時代より案件を自由に選択できるため、思い描いたキャリアパスを築きやすい
「この案件は嫌だな…」と様々なポイントで感じることはありますよね。
SESで働いているときには選択権は社員には与えられていませんでしたので、時には絶対嫌だと思っていた炎上必須の案件に参画せざるを得ないこともありました。(企業によっては従業員の意向を汲んでくれる場合もあります)
フリーランスになり、案件紹介していただく時に「自分で選んで面談を希望できる」というのはとてもうれしかったです。
<キャリアを自分で選んで進んでいけるのもフリーランスのメリット>
「そろそろ次のステップにいきたい」、と思えるようになったときはチャレンジできる。「今まで金融だったから今度はこういう案件に入ってみたい」というときは別業界の案件に。
様々な業界の知識も得られるのもこの仕事の魅力と感じている部分もあるので、自分でキャリアを選択できるフリーランスは私にとってとても意義がありました。
景気が悪くなったりすればシステム投資も落ち込むため、案件数も当然ですが減少します。それ以外の要因でも時期的に案件数が少ないタイミングもありますから、いつでも選べるというわけではありませんが社員として働いているよりは確実に自由度がUPした実感が持てました。
フリーランスエンジニアは働き方にも融通が利く
「自分のペースで楽しく生活したい!そのための余裕を持つためにも稼ぎたい。」それが私のフリーランスとしてリスタートする根底にあったと思います。
半年間休み0・徹夜あり・徹夜明けも昼出社…という案件に1年ほど在籍した後、案件が多く出る時期を前に一区切りつけさせていただいて、インターバルをとろうと思い計画的に休んだこともあります。
こういうことができたのもまだ独身でいたこともあると考えていますが…フリーランスで良かったと感じたエピソードです。
一方で、意図的に休みを設けられた時は恵まれたタイミングでもあり、過去にお世話になっていた現場で「再来月位からまた来て欲しいなと思っているんだけど…」とありがたいことではありますが、いきなり話をいただくこともあります。
独立後、自由は増えるが努力は必須
安定したフリーランス生活を得るためには絶えず努力することが求められます。
・できるだけ長期間関われる案件を獲得する
・案件参画時”この人じゃなきゃ!”と思ってもらえるポジションを確立する
・様々な案件にニーズの合致するエンジニアとして成長していくこのような努力を続けることができる人が、フリーランスであっても安定した生活を送れるんだなと感じました。
言葉にすると実際よりも簡単に思えてしまいますが、長年プロジェクトで活躍し続けているフリーランスの先輩方に共通しているポイントです。
高収入により生活レベルは上がるが、その反面レベルを落とせなくなる
収入が2倍以上になったことで当然ながら生活レベルは上がりました。これは喜ばしい反面、華の独身時代を終えてから苦労した要因にもなったのです。
収入が上がり生活にも余裕ができるので、仕事の後で飲みに行く、夕飯を食べて帰る、ということが当たり前かといえるくらいの頻度で繰り返した時期もあります。
しかし、結婚生活をスタートし、安定志向・貯蓄大好きなパートナーによる絶対政権により、「上がってしまった生活レベルを落とすことの苦しさ」を感じざるを得ない状況になりました。
生活レベルを状況次第でコントロールできる方にとっては特にデメリットではないでしょうが、私のように生活レベルを高める(楽しむ)ために稼ぐモチベーションを保っている人にとっては、苦難を味わうことになるかもしれません。
安定した生活には向かない
メリットとして取り上げた長期的な休みもとりやすい、というのは一重に無収入になる時期があるということ。
SES時代には仮に現場に出ていない時期があっても本社待機や自宅待機をしながら、給与が支払われます。
現場にでなければ無収入になる、フリーランスになることを躊躇する方が多いのもこれが大きな要因でしょう。友人知人の中にも「フリーランスの人とは結婚するのは怖い」という方はいました。特に女性が多かったです。
確定申告が面倒
確定申告は多くの方がおっしゃるように楽な作業ではありません。
はっきりいってしまえば仕事をしながら申告するための資料を準備しなくてはいけないので、忙しい案件に入っている時はより一層つらいです。
ですがきっちり領収書をとっておいて、節税対策も熟知している人にとっては「無駄に税金を払わずにすむから」と前向きにできる作業。
また、フリーランスになることで確定申告をしなくてはいけないだけでなく、年金・国民健康保険も自分で支払うことになります。請求書が来て「うわ!高いな!」とSES時代は天引きなので意識をあまりしていなかったものも実態が見えてきます。
面倒だなと思わないことはありませんが、自分で自分の権利を守る、そのための作業と考えられる方にはデメリットにはならないかもしれません。
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今回の記事では、今回の記事では、SESからフリーランスエンジニアへ独立のメリット・デメリットをご紹介しました。
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