ご存じの通り、近年インターネット台頭やスマートフォンの普及、グローバル化などの影響で経済が劇的に発展し過去のどの時代よりも豊かな時代になっています。その一方で、地球温暖化を代表とする環境問題や、貧困の格差の拡大、またジェンダー差別など様々な社会問題が露呈しているのも事実です。
そうした状況にも対応すべく、2015年にはニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、17の目標と 169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられました。
参考:SDGsとは?|外務省
今や社会課題に取り込むCSR活動は、企業の価値を高める重要な位置付けになっており、今後もこの潮流は加速していきます。今回は、社会課題の解決をテーマに「ソーシャルビジネス」を展開する国内スタートアップ・ベンチャー企業を厳選して20社ご紹介いたします。
※2024年7月時点での情報です。
【社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む日本の企業一覧:目次】
- 株式会社オプティム
- イーソリューションズ株式会社
- 株式会社エス・エム・エス
- 株式会社エクサウィザーズ
- 株式会社イノフィス
- ユニファ株式会社
- 株式会社HIROTSUバイオサイエンス
- 五常・アンド・カンパニー株式会社
- Global Mobility Service株式会社
- トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
- 株式会社MICIN
- レキオ・パワー・テクノロジー株式会社
- WHILL株式会社
- 株式会社ウェルモ
- 株式会社RTi-cast
- 株式会社ボーダレス・ジャパン
- 株式会社オリィ研究所
- BionicM株式会社
- 株式会社Lily MedTech
- Varinos株式会社
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業①株式会社オプティム
2000年に設立されたオプティムは、農業・医療・建設・教育などあらゆる産業に対して、IoTのクラウドプラットフォーム(OS)と、独自研究開発のAI、画像処理・解析、自動操縦技術を搭載したアプリケーションやサービスを提供している企業です。
オプティムの特徴は2つで「知財戦略」と「ベンダーフリー」です。
「知財戦略」では国内初・世界初を実現する機能・製品・サービス・ビジネスモデル開発し、日本だけでなく米国・韓国等の海外でも特許を取得し、高い技術力を証明しています。
「ベンダーフリー」ではAI・IoT・Robotics技術について自社開発する一方、自社製品囲い込みを行わず特定のITベンダーや技術に拘束されない柔軟性の高い組合せのサービス提供が可能になっています。毎年20%以上の売上成長を実現し、その収益の多くを研究開発に投資しています。海外からのオファーも多数あり、シリコンバレーにオフィスを開設するなど事業のグローバル展開も進めています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業②イーソリューションズ株式会社
イーソリューションズは日本鉄管(エンジニア)を経て、マサチューセッツ工科大学でMBA取得。ブーズ・アレン・ハミルトン、ソフトバンクを経た、佐々木経世氏によって、1999年に設立されました。
事業内容は「事業プロデュース」です。コンサルティングやベンチャーキャピタル機能を持っており、リーディング企業の新規事業プロデュースや事業戦略立案、国家的課題を解決する社会システムのデザインを行っています。
会社の特徴は扱う案件が「社会的重要テーマ」であることです。目先の課題解決だけを目標とせず、その先の未来をデザインし、未来に繋がる「レガシー」をビジネスとして創出することを目的にしています。
過去、公的機関からの案件受注も多かったようですが、現在は民間企業からの受注も半数以上となっているようです。クライアントは日本有数のトップ企業で、特に大手IT系、メーカー系企業関連の依頼が多く、「チームマイナス6%」「富山うつ病プロジェクト」「脳梗塞再生プロジェクト」など社会課題を扱う案件を多数手掛けています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業③株式会社エス・エム・エス
株式会社エス・エム・エスは「高齢化社会における情報インフラを構築し付加価値を生み出したい」という想いを元に、高齢社会に求められるサービスを多数開発、育成、運営しています。
精度の高い事業運用システムと徹底した人材育成が強みです。主力事業の人材紹介、求人情報事業は卓越したマーケティングと戦略により毎年約200%の成長を続けているようで、高い事業運営システムを持っていることがわかります。また、将来のマネジメント層や社内企業家を創出できるよう教育システムを整備してきた結果、20近い事業と責任者を生み出すことに成功していることからも人材育成力も強みだといえます。
サービスの例としては、介護事業者向けの経営支援パッケージである「カイポケ」や、介護職向け求人・転職情報サイト「カイゴジョブ」、看護師の年間求職者の約2/3が登録し、日本の病院の約70%にクライアントとなっている看護師向け人材紹介サービス「ナース人材バンク」、認知症情報のポータルサイト「認知症ねっと」、高齢者向け食事宅配サービス検索の「らいふーど」など40を超えるサービスを開発・運営しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業④株式会社エクサウィザーズ
2016年に設立されたエクサウィザーズは、リクルートのAI研究所であるRecruit Institute of Technology初代所長である石山氏が代表で、元P&G・マッキンゼーの石野氏や元BCGでAIプラットフォームリードの大植氏や、元リクルートでAI HR事業部の安田氏といった強い経営陣のもと、AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決を行なっています。
エクサウィザーズの特徴は「伸びるマーケット×伸びる技術」で事業を展開していることです。
HR領域、介護領域、ロボット工学領域、医療領域、金融領域といった伸びるマーケットで、AIという伸びる技術を活用し、「HR君」「ケアコチ」「COREVERY」「Qontxtual」など独自のソリューションを開発し事業を展開しています。
一つ一つの事業はまだアーリーステージのため、今後市場の伸びに伴ってさらなる規模の拡大が見込まれる新進気鋭のベンチャー企業です。クライアントは国内企業がほとんどのようで、関西電力や東京海上日動、DENSOなどがあります。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑤株式会社イノフィス
イノフィスは2013年に、「すべての人が、生きている限り自立した生活を送る世界を実現したい」という想いのもと、「人のためのロボット」を創出することを目的に設立された東京理科大学発ベンチャーです。
会社の強みはアカデミックな知見をエッジの効いた商品に落とし込める力だと言えます。
事業としては、人や重い物を持ち上げるとき、中腰姿勢を保つときに腰の補助に特化してサポートする「マッスルスーツ」や、人工筋肉を使ったウェアラブルロボット「マッスルアッパー」を開発・販売しています。
「マッスルスーツ」は、創業者であり、最高技術者・取締役の小林氏が、東京理科大学博士課程修了後に助教・教授として研究室から開発し、実用化させました。「超高齢化社会」となった日本の基幹産業を支えるアイテムを複数生み出している企業です。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑥ユニファ株式会社
ユニファは「テクノロジーの力で、もっと家族を豊かにする」をミッションに、住友商事、ローランドベルガー、デロイトトーマツを経た土岐泰之氏によって2013年に創業されたスタートアップ企業です。
会社の強み・特徴は、保育事業社の支援というニッチな領域に特化し、パッケージシステムを開発している点だと言えるでしょうか。
事業としては、保育事業に特化した業務支援パッケージの「ルクミー」を展開しています。「ルクミー」の具体的なサービスは、先生だからこそ撮影できる写真を手間なく保護者へ届ける「ルクミーフォト」や誰でも簡単にスピーディーに園児の体温を測定できる「ルクミー体温計」、専用のIotデバイスを園児に装着することでアプリから牛睡時の体の向きを確認、記録することができる「ルクミー牛睡チェック」など、保育事業の生産性を向上させたり、園児の安全を確保したり、保護者の満足度を向上させるサービスを展開しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑦株式会社HIROTSUバイオサイエンス
HIROTSUバイオサイエンスは、2016年に九州大学大学院理学研究院生物科学部門の助教である広津崇亮氏によって、「がんが早期発見できる世界を作り、人々の健康と未来の安心を守ること」をミッションに設立されました。経営陣は、東芝出身でNASAジョンソン宇宙センターでの宇宙飛行士候補試験に合格した山口氏や、日本銀行を経て、アフラックのシニアアドザイザーを務めた住川氏などが名を連ねています。
会社の特徴は、高い技術力と事業創造力です。アカデミックなバイオテクノロジーの知見・技術から、斬新で画期的なサービスを生み出しています。
事業としては、「N-NOSE」というがんの検査サービスを展開しています。「N-NOSE」(とは嗅覚に優れた線虫が、がんの匂いに引き寄せられることを利用し尿検査で、がんのリスクを診断できるサービスです。 簡単で痛みがなく、価格も安価で、早期がんにも反応することが確かめられています。
2021年には「N-NOSE」の海外展開、また2022年には「N-NOSE」の次に受ける検査として遺伝子組み換え線虫を用いた「がん種特定検査」を開始。2024年にはイースタン・カーライナー株式会社に対する第三者割当増資を行い、「N-NOSE」の事業拡大に向けて順調に前進しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑧五常・アンド・カンパニー株式会社
五常・アンド・カンパニーは、朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了、モルガン・スタンレー・キャピタルなどを経た愼泰俊氏によって、生まれた場所だけで自分の人生・運命が決まってしまう世界の不平等を解消したいという強い想いから「2030年までに民間版の世界銀行となり、世界70ヶ国で1億人以上の顧客に金融サービスを提供し、金融アクセスを人類にとって当たり前のものにすること」をミッションに2014年7月に創業されました。
会社の強みとしては、新興国(東南アジア等)における安定的な経済成長(GDP、人口推移)に支えられたマイクロファイナンス事業の安定収益で、将来性を見込みマッキンゼー、ローランドベルガ―、A.Tカーニー、ゴールドマンサックス、DTC、KPMG等の出身者が続々と参画しているようです。
事業としてはマイクロクレジットを中心とした金融サービスを提供しており、カンボジア・スリランカ・ミャンマー・インドの4カ国で22万人以上の顧客を抱えています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑨Global Mobility Service株式会社
Global Mobility Serviceは東京理科大学大学院修了し、電気自動車普及協議会(APEV)初代代表幹事や、東京大学大学院工学系研究科非常勤講師を務める中島徳至氏によって2013年に設立されました。
会社の特徴は、次世代の自動車ローンというユニークなビジネスモデルと、フィリピンやカンボジア、インドネシアや韓国に現地法人を設置し、グローバル化を進めている点です。
事業としては、運送業や通勤などでクルマを必要とする方で、既存のオートローンの審査に通過しない方17億人を対象とし、クルマを使って働きたいけれど、今までローンの審査が通らなかった方のために、「新しい形の自動車ローン」の仕組みを提供しています。具体的には、モビリティを安全に遠隔起動制御するIoTデバイスと車両状況をリアルタイムで管理し、金融機関や決済システム、他のFinTechサービスとの連携が可能なシステムを開発し、金融機関・車両販売店・契約者をつなぎ、従来ローンの与信審査に通過しない人でもローンが組める仕組みを創出しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑩DFree株式会社
2024年、トリプル・ダブリュー・ジャパンからDFreeに社名変更したスタートアップ企業です。UC Berkeleyへの留学、米国での起業経験をもつ中西敦士氏によって「バイタルテクノロジーで “Live Your Life” を実現する」というミッションのもと2015年に設立されました。事業としては排尿のサポートに特化した「DFree」といサービスを展開しています。
会社の強み・特徴は、排尿のサポートというニッチな領域に特化している点と、アメリカやフランスに現地法人を設立しグローバル化を推進している点だといえます。
「DFree」では、利用者に80~90gと軽量の専用Iotデバイスを装着することで、膀胱の尿のたまり具合をリアルタイムで可視化することができます。これにより最適なタイミングでトイレに行くことが可能になり、法人にとっては自立支援や生産性の向上、利用者にとっては外出時の尿もれの心配などがなくなるため、QOL(生活の質)向上を実現しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑪株式会社MICIN
MICINは2015年に「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界」の実現を目指した原聖吾氏によって設立されました。事業としては大きくアプリケーション事業とデータソリューション事業、デジタルソリューション事業の3つを展開しています。
医療・医薬品業界でデジタル技術を活用した事業を展開していることが特徴だといえます。
アプリケーション事業では、患者は手持ちのスマートフォンで、予約から問診、診察、決済、医薬品の配送⼿続きまでを完結させることができるオンライン診療サービスの「MICIN 」や、薬局薬剤師による服薬指導を、ビデオ通話で行う薬局専用サービス「curonお薬サポート」などを展開しています。
データソリューション事業では、健康診断の結果や手術動画など、これまであまり使われずに埋もれていた医療に関する情報を、AIを用いて解析し、認知症予防研究や産後うつの早期発見研究などを行なっています。また、デジタルソリューション事業「MiROHA」では、治験をオンラインで実現するプラットフォームを開発しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑫レキオ・パワー・テクノロジー株式会社
レキオ・パワー・テクノロジーは、京都大学大学院工学研究科を修了し住友ベークライト、ドリームインキュベータを経た河村哲氏によって、これまでの“太った人をいかに痩せさせるか”、“病気になった人をいかに治すか”という「壊れたものを修理する」健康管理から、“痩せている人をいかに太らせないか”、“健康な人をいかに病気にさせないか”という「壊れないように気をつける」新たな健康管理を、テクノロジーで実現することを目的に2011年に設立されました。
会社の強みとしては、高い技術力で競争力のあるハードウェアを開発できている点だと言えます。
事業としては発展途上国向けや教育現場向けに開発した超音波スキャナー「PsCAM」シリーズを販売しています。USB接続で利用できるため、PCがあれば野外や不安定な電気事情でも使用可能です。 約170g〜270gと非常に軽量で携帯性に優れながら、低価格も実現させました。日本の誇る電源技術、センサー技術、アナログセンシング技術、画像化技術を活用して、優れた製品の開発に励む企業です。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑬WHILL株式会社
日産自動車株式会社、南京での日本語教師を経た元世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC30歳以下日本代表の杉江理氏によって2012年に設立されたWHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、パーソナルモビリティ製品の開発、生産、販売、関連サービスの提供と移動サービス(MaaS)の提供を行なっています。
空港や博物館、ショッピングモール、病院、遊園地などに独自の製品である「WHILL」というマニュアルだけではなく、自動走行も可能な近距離用モビリティを提供することで、他の交通手段が提供できない目的地までのラストワンマイルをつなげる最後の1ピースとして、快適でシームレスな移動を実現しています。
会社の特徴としてはハードウェアだけでなく、自動走行ソフトウェアも開発する「高い技術力」と、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、中国、台湾に拠点を構え事業を展開している「グローバル化」が挙げられます。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑭株式会社ウェルモ
Forbes JAPAN 2018 NEW INNOVATOR ⽇本の担い⼿99にも選出された⿅野佑介氏によって2013年に設立されたウェルモは、テクノロジーを活用し「介護領域事業」「障害児教育事業」を展開しています。
介護福祉領域の中でも、ケアマネージャーの支援に特化したソリューションが特に強みだと言えます。
介護領域事業では、ケアプラン作成業務を支援する人工知能エンジン「ケアプランアシスタント」によってケアマネージャーの業務負担やストレスを軽減させています。また、保険内外サービス、ケアマネ、行政をつなぐ地域情報見える化サイト「MILMO」によって、ケアマネジャーが利用者のニーズにぴったりな事業者・団体を探し、提案することを可能にしています。
障害児教育事業としては「UNICO」というサービス名称で児童発達支援・デイサービスの展開・運営を通し、子供の成長を支援しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑮株式会社RTi-cast
RTi-castは国際航業株式会社、日本電気株式会社、株式会社エイツーと東北大学とよる産学連携研究の成果と減災への思いから生まれた大学発ベンチャー企業です。
特徴としてはアカデミックな知見に基づいた独自システムを構築し社会性の高いビジネスを展開している点だと言えます。
事業内容としては、リアルタイム津波浸水・被害推定のシステムおよびデータの構築・整備・運用・更新と予測情報、計算結果の提供と、災害およびその発生に関する自然現象に関する研究・教育・啓蒙・コンサルティング・システム構築などを行っています。手掛けた案件としては内閣府津波浸水被害推計システムの運用業務の受注などがあり、2019年には第1回日本オープンイノベーション大賞(総務大臣賞)受賞しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑯株式会社ボーダレス・ジャパン
早稲田大学卒業後、ミスミを経た田口一成氏によって2007年に設立されたボーダレス・ジャパンは、社会問題をビジネスで解決する、「ソーシャルビジネス」しかやらない会社です。国内・海外や、分野を問わず、貧困やシングルマザー、産後うつ、ホームレス、障害者の就労、フードロスなどのテーマで30以上のソーシャルビジネスを展開しています。
会社の特徴は2019年グッドデザイン賞を受賞した社会起業を創出し続ける「恩送りのエコシステム」です。立ち上げる事業は、全て独立採算の企業として起業し、その事業で得た余剰利益はプールされ、プールされた資金から新たな社会企業を生み出しています。このサイクルを回し続けることで、ソーシャルビジネスのナレッジが蓄積されていき、会社の強みともなっています。
グローバル展開も進んでおり、台湾、韓国、ミャンマー、ケニアなどに拠点を持つ、文字通り「ボーダレス」な企業です。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑰株式会社オリィ研究所
オリィ研究所は、高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学し自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発した吉藤健太朗氏によって「コミュニケーションテクノロジーで人類に孤独を解消する」をミッションに2012年に設立されました。
会社の特徴は高い技術力とユニークなビジネスモデルです。OriHime(オリヒメ)を開発する技術力と、OriHime(オリヒメ)を人間の分身と捉えてユニークなビジネスを展開する事業構造力によって独自の地位を築いています。
事業としては、移動の制約を克服しその場にいるようなコミュニケーションを実現する分身ロボットOriHime(オリヒメ)の開発・販売や、身体労働を伴う業務を遠隔で可能にするOriHime-D(オリヒメディー)の開発・販売、OriHime(オリヒメ)を活用したテレワークや結婚式への遠隔出席支援などのサービスを提供しています。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑱BionicM株式会社
BionicMは9歳の時に病気が原因で右足を切断した創業者の孫小軍氏によって、2015年より東京大学情報システム工学研究室(JSK)において推進した世界最先端のロボット研究がベースです。ロボット研究が国立研究開発法人科学技術振興機構による大学発新産業創出プログラム(START)に採択されたことがきっかけで2018年に株式会社として設立されました。
会社の特徴はアカデミックに支えられた高い技術力で、同社の製品であるロボティック義足は国内外の数多の賞の受賞歴があります。
インキュベーション施設である東京大学アントレプレナーラボ/アントレプレナープラザにオフィスを構え、「全ての人々のモビリティにパワーをもらたす」というミッションのもと、ロボティック義足の研究開発および販売事業を展開しています。
2023年には、3.7億円の資金調達を実施しました。調達した資金を活用し、事業拡大・組織体制の強化に向け、採用活動に力を入れる方針です。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑲株式会社Lily MedTech
Lily MedTechは2016年5月に、「社会の中心であると同時に仕事・恋愛・結婚・出産・育児と非常に選択肢が多い世代の女性に対して、乳がんによりその選択肢が奪われないよう、また乳がん罹患前と生活が大きく変わることのないよう、少しでも貢献したい」という想いのもと、東京大学での研究成果を基に新たな乳房用超音波画像診断装置の開発を目指し設立されました。
会社の特徴は高い技術力で、独自開発の乳房用超音波画像診断装置では、乳房をベッドの穴に入れるだけで誰にも見られたり触れられずに検診を受けられ、超音波なので被ばくの心配がなく、圧迫をしないため、自然な形に近い乳房全体の3D画像が撮ることができます。
インキュベーション施設である東京大学アントレプレナーラボ/アントレプレナープラザにオフィスを構え、東京大学医学系研究科・工学系研究科での医用超音波技術を基にした女性に優しい乳房用超音波画像診断装置の開発を行なっています。
2019年9月にはシリーズB、続いて2020年4月にアルフレッサ株式会社の追加出資により、資金調達を実現しました。女性に優しい、乳がん検査の装置を開発する、東大発のベンチャー企業です。
社会的課題の解決(ソーシャルビジネス)に取り組む企業⑳Varinos株式会社
Varinosは埼玉大学大学院 博士後期課程修了後、GeneTech株式会社 検査技術部長、イルミナ株式会社 RGHアドバイザーを経た桜庭喜行氏と東京大学大学院薬学系研究科 博士課程修了、イルミナ株式会会社シーケンシングスペシャリストを経た長井陽子氏によって2017年に設立されました。
会社の特徴としては、高い技術力に支えられた検査方法やサプリの提供を通して女性の妊娠支援というテーマに特化した事業を展開していることです。サプリメントはPococeの2020上半期のBEST BEAUTY AWARDを受賞しています。
事業としては、女性や胎児を感染症から守り、妊娠と重要な関わりがある「子宮内フローラ検査」や体外受精や顕微授精の過程で得られた受精卵(胚)から、一部の細胞を採取し、染色体や遺伝子の異常の有無を調べる「着床前ゲノム検査」、次世代シークエンサーを用いた「受託解析サービス」、子宮内のフローラを整えるサプリ「子宮内フローラのためのラクトフェリン」の販売などを行なっています。
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今回の記事では、社会課題の解決をテーマに「ソーシャルビジネス」を展開する国内ベンチャーを厳選して20社ご紹介しました。
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