戦略コンサルタントの仕事内容とは【領域からカウンターパート、連携するメンバーまで】

今回の記事では、戦略コンサルタントの具体的な仕事内容を、総合系ファーム等の仕事との比較といった観点等からご紹介します。大前提として、戦略系コンサルティングも総合系コンサルティングも、クライアントに寄り添って経営課題の解決に邁進するという本質に違いはありません。その前提に置いて、働く現場サイドの視点で違い等を具体的に述べながら、戦略コンサルタントの仕事をご説明します。

【目次】

  1. 戦略コンサルティングが手掛ける領域
  2. 戦略コンサルティングが対峙するカウンターパート/必要となるコミュニケーション
  3. 戦略コンサルティングが連携するメンバー/パートナー

戦略コンサルティングが手掛ける領域

まず、戦略コンサルティングの仕事で手掛ける領域は、クライアント先の全社戦略立案/事業戦略立案/新規事業の立ち上げ検討等に代表されるように、上流の意思決定/判断に寄り添った支援が大勢となります。従来は、既存事業の売上もしくは利益を改善させるためにどの様な打ち手を講ずるべきか、グローバル展開をどの様に図るべきか等のテーマが典型的だった様です。しかし、昨今はデジタルトランスフォーメーション(以下DX)への対応という文脈で、DXによる外部環境の変化に即した全社戦略の再構築、ビジネスモデルの転換、新規事業の立ち上げ等のテーマが多くなってきた印象を受けます。特に、近年は業界の垣根が低くなり、周辺業界を俯瞰した戦略立案のニーズが急速に高まっている様に感じます。

他方で、総合コンサルティングの仕事で手掛ける領域は、文字通り総合的にクライアントの経営支援を行うため、前述の戦略コンサルティングの手掛ける領域以外に幅広く、意思決定の上流~下流まで一通り手掛けている認識を持っています。特に、総合コンサルティングの場合、事業戦略/IT戦略/業務支援/システム導入といった意思決定のミドル領域が多い印象を受けます。

受け持つ領域の観点で、戦略コンサルティングと総合コンサルティングの仕事の違いを端的に表現すると、戦略コンサルティングは進むべき道は何かを模索して最適解を導出するのに対して、総合コンサルティングは進むべき道は与条件として与えられており、その道の開拓方法の最適解を導出するという違いがある、と言えるかもしれません。これは、戦略支援と実行支援と表現されることも多く、クライアントor戦略ファームが戦略を描いた後に、その戦略の実行に寄り添って支援をする、という棲み分けをされていると捉える事が一般的です。
そのため、戦略コンサルティングの仕事で大きなウェイトを占めるのは、戦略オプションの導出とその蓋然性を評価する部分と言えます。具体的には、Day1からオーナーであるパートナーによる初期仮説を叩き台に、アドバイザーとしてプロジェクトに参画する他のパートナーやメンバーレベルとのフラットかつハイレベルな討議を行い、その初期仮説をクライアントと目線合わせをしつつ、海外オフィスに所属するパートナーとのインタビューや、国内外の業界エキスパートへのインタビューを通じて蓋然性を高めていく事が求められます。イメージとしては、プロジェクト受注時に設定した論点をベースに検証を行いながら、初期仮説の蓋然性を固めていく流れが多いかと思います。

戦略コンサルティングが対峙するカウンターパート/必要となるコミュニケーション

次に、戦略コンサルティングの仕事で対峙するカウンターパートは、クライアント先の取締役以上であることが大勢となります。これは、前述の通りプロジェクトで対象とする領域が意思決定の上流部分であることが多いため、必然的にコンサルタントクラスであってもコミュニケーションを取る相手は役員クラスであることがざらです。アナリストクラスであっても、クライアントとのコミュニケーションの中で自分の担当するモジュールの具体的な話になれば、積極的にファクトや示唆を説明する事が求められます。最低でも、クライアントの事務局が本部長/部長クラスであることが多いため、その様な職位の高い方々とコミュニケーションを図りながら、必要なクライアント先の情報の入手、プロジェクトデリバリーを円滑に行うためのMtg調整等もアナリストが受け持つ仕事となります。

他方で、総合コンサルティングの仕事で対峙するカウンターパートは、比較的ミドルクラスの職位、部長/課長/係長レベルの方とのコミュニケーションが多い印象を受けます。特に、業務支援やシステム導入の様な案件であればあるほど、クライアント先の現場レベルの方々とのコミュニケーションを通じて日々進捗を管理していく認識でいます。

コミュニケーションの観点で、戦略コンサルティングと総合コンサルティングの仕事の違いを端的に表現すると、戦略コンサルティングは「なぜその道を進むべきなのか/どの道を進むべきなのか」を問うのに対して、総合コンサルティングは「この道をどの様に開拓するのか/この道をどの様に進むのか」を問う、という違いがあるかもしれません。そのため、戦略コンサルティングの場合、コミュニケーションの中で「クライアントとして何を成し遂げたいのか/何を課題感として持っているのか」等の上位目線の問いかけが多くなります。特に、戦略コンサルティングの場合、往々にしてコミュニケーションの中でカウンターパートである取締役の意思だけでなく、社長の意思やその他の取締役の意思等についても理解を踏まえながら、クライアント先にとっても腹落ちしやすい戦略オプションを協議する事が多くなります。他方で、総合コンサルティングの場合は、進むべき道に対して既存のリソース、例えば、既存のITシステムをどの様に改修すべきか/既存の業務プロセスをどの様に改善すべきかといった現場目線の問いかけが多くなると認識しています。

戦略コンサルティングが連携するメンバー/パートナー

そして、戦略コンサルティングの仕事で組むメンバーは、プロジェクトの規模の大小はあるものの、往々にして少人数のプロジェクトが多くなります。少ないプロジェクトの場合、パートナー二人とコンサルタント一人の計三名でデリバリーすることもあります(その場合、片側のパートナーがマネージャーロールを担う建付けであるものの、実質はコンサルタントがマネージャーロールを担う構図)。平均的には、4-5名程度のチームで動くプロジェクトが多く、デューデリジェンスの案件の場合は人数を張る傾向があります。そのため、マネージャーレベルがストーリーラインを描き、マネージャー以下が複数のモジュールを分担してリサーチやエキスパートインタビュー等を行い、得られたファクトからの示唆を導出してストーリーラインをサポートする、という流れが一般的となります。
クライアントとのミーティングの頻度にも寄りますが、大抵は与えられたロールの範囲内では自由度は高く、アウトプットさえ出していれば働き方ややり方等を強制されることはなく、自分の裁量で一日のペース配分を調整する事が出来ます。カウンターパートであるクライアント側の人数も、比較的少数であることが多く、必要に応じて事業サイド/現場サイドの方から情報を得たり、現場サイドのペインポイントの把握のためのコミュニケーションを行ったりする事もありますが、概して取締役+以下事務局メンバー程度の規模感と接する事が一般的です。

他方で、総合コンサルティングの仕事で組むメンバーは、社内のメンバーの人数も戦略コンサルティングに比べて多い傾向があるうえに、クライアントサイドも現場でバリバリ運営されている方々も巻き込んでプロジェクトマネジメントを行う事が多い認識でいます。コンサルティング側の社内人材のマネジメントの他、クライアント側の現場メンバーのタスクや進捗の管理を俯瞰して行い、遅れが生じた際のバックアッププランの練りこみ等、非常に緻密なマネジメントが要求される難しさがあるかもしれません。また、総合コンサルティングの場合、業務プロセスの改善の案件であれば、業務マニュアルを入手したり、ない場合は現場に入り込んで業務プロセスの見える化等を行う地道な努力が必要となります。他方で、戦略コンサルティングが業務プロセスに焦点を当てるケースは非常に少ないものの、新規事業/サービス立上げの文脈で、生産性の効率化がサービス価値に当たる場合は、実際の現場でPoV(価値検証)を評価するために現状の業務プロセスをクライアントの現場の方と共同で見える化を図る事もあります。

関わる人材の観点で、戦略コンサルティングと総合コンサルティングの仕事の違いを端的に表現すると、戦略コンサルティングの場合は「ファーム内のプロフェッショナル/社内外のエキスパート/ごく少数のクライアント先の経営層」といったクローズドの中でのやりとりが行われるのに対して、総合コンサルティングの場合は「社内の手を動かせる多数のプレーヤーとクライアント内の多数の現場メンバー」を巻き込む比較的オープンなやりとりが行われやすい、と言えるかもしれません。

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>戦略コンサルへのキャリアに関する記事

「戦略系ファームの戦略コンサル」と「総合系ファームの戦略コンサル(またはチーム)」の違い
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/firmdifference

総合ファームから戦略ファームにはどうしたら行けるのか?
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/Synthesistostrategy

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今回の記事では、戦略系コンサルティングの具体的な仕事内容を、総合系ファーム等の仕事との比較といった観点等からご紹介しました。

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