今回の記事では、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがい、他方で経験するつらさについて、実際に戦略系コンサルティングファームで働かれている方々の生の声等も参考にご紹介したいと思います。
【目次】
- 面白さ・やりがい①知的好奇心を満たし続けてくれる環境
- 面白さ・やりがい②直面する課題の難易度の高さ
- 面白さ・やりがい①報酬と希少価値の高いキャリア
- 辛さ①タフな労働環境
- 辛さ②比較対象の台頭によるクライアント先からの圧力
- 辛さ③業界内での競争の激しさ
面白さ・やりがい①知的好奇心を満たし続けてくれる環境
まず、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがいの一つとして、知的好奇心を満たしてくれる最適な環境であることが挙げられます。
一般的な事業会社に就職すると、企画/マーケティング/営業といった職種の枠で、かつ比較的年功序列的に役割の範囲が制限されるため、自分から手を挙げない限り職種を跨ぐ異動はなく、ある一定領域に集中する方が多いと思います。
他方で、戦略コンサルティングファームの仕事の場合、直面する課題の視座が高いがゆえに、様々な領域に跨る複合的な課題を扱うことが多く、一つのプロジェクト内でも様々な領域の知見を学べるため、知的好奇心が強い方には非常に恵まれた環境と言えます。
また、プロジェクトも2-3ヶ月で大抵クローズして次のプロジェクトに移動するため、年間で4-6件の多岐に渡るプロジェクトに関われる点も、知的好奇心を満たしてくれる要素と言えます。特に、昨今はデジタルトランスフォーメーションといった言葉が台頭するほど、企業を取り巻く環境が大きく変革する可能性を秘めており、その変革の時流に合わせた戦略立案には、様々な変化を見抜き既存の概念を再定義することも必要とされます。
その場合、従来以上に既存の枠組みにとらわれず、様々な物事に興味関心を持ち多面的かつ柔軟に物事を捉えることが求められるため、知的好奇心が高ければ高いほど面白くなる仕事です。
もちろん、自分の関心の高い領域に集中的にアサインをリクエストすることも可能なので、戦略コンサルタントの嗜好に合わせて、それぞれの知的好奇心を満たしてくれる環境が戦略コンサルティングという職種上溢れている、と統括できるのではないでしょうか。
面白さ・やりがい②直面する課題の難易度の高さ
次に、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがいの二つ目として、直面する課題の難易度の高さが挙げられます。
前述の面白さ/やりがいが様々な領域の課題に携われる機会の多寡であったのに対して、直面するそれぞれの課題の深さも奥深いため、解決策を導出することが非常にチャレンジングです。
戦略コンサルティングファームに依頼される課題は、ある業界に長年精通したクライアント先のマネジメント層が頭を悩ませている、外部に意思決定の材料を求めるほど難解なお題/課題であることが常であるため、一筋縄ではいかない解決策であることがほとんどです。そのため、その業界に長年精通する戦略コンサルティングのパートナーと様々なバックグラウンドを有する戦略コンサルタントが、それぞれの観点から闊達な議論を通して解を導出する過程はチャレンジングであると同時に、非常にエキサイティングである点が、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがいと言えるかもしれません。
特に、カウンターパートであるクライアント先のレベルの高さ以上に、高いハードルを乗り越えて参画してきたメンバーや、コンサルティング業界の競争社会で生き抜いてきた/勝ち抜いてきたパートナーと共にクライアント先の課題に対峙すると、往々にして自分の思考の上を行く観点や示唆が飛び交います。仲間の観点や示唆を頭で昇華しながら、課題の本質を見極めるプロセスに病みつきになるコンサルタントも周りでは多く見受けられ、噛み応えのある難解な課題に巡り合えることも面白さの一つの要素ではないでしょうか。
面白さ・やりがい①報酬と希少価値の高いキャリア
更に、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがいの三つ目として、得られる報酬と希少価値の高いキャリアの獲得が挙げられます。
戦略コンサルティングという職種は、対峙する課題の難易度が非常に高くプロフェッショナルとしての姿勢を強いられるため、その対価である報酬は非常に高額となります。ファームによってばらつきはありますが、新卒入社の場合20代後半で年収2千万円を超える報酬を得られることもざらにあり、同世代の平均年収と比較すると圧倒的に高い報酬を得られます。しっかりと働き評価された分、報酬に跳ね返ってくる部分でやりがいを感じるコンサルタントも非常に多い印象を受けます。
また、戦略コンサルティングという職種は入社時のハードルも非常に高く、純粋な戦略コンサルティングファームは少数精鋭を貫いているため、戦略コンサルタントとして働いた経験は転職市場での希少価値も依然高い印象を受けます。希少価値が高いゆえに、オファーで提示されるポジションや報酬も非常に好条件であることが多く、短期間の間に様々な経験値を積んでいるためキャリア上幅広い機会をポストコンサルで得られる点もやりがいに繋がっているのではないでしょうか。
辛さ①タフな労働環境
他方で、戦略コンサルティングの仕事を通じて直面する辛さの一つとして、非常にタフな労働環境であることが挙げられます。昨今は働き方改革や人材難による労働環境の見直し等、戦略コンサルタントが働く環境は改善傾向にあるものの、高額な単価をクライアント先から頂戴する構造に変わりはないため、戦略コンサルタントに求められるアウトプットの質も据え置きと言えます。
言い換えれば、働き方改革等による労働時間の削減圧力の中で、従来と同水準のアウトプットの質を維持しなければならないため、生産性をより一層上げる必要が生じています。しかし、先駆者が担保してきた/長時間労働の下で体現してきたアウトプットの質は非常に高く、彼等もまた生産性を向上させる努力は十分に追求してきたといっても過言ではないため、徹底的に研ぎ澄まされた生産性を常に求められる点は、現代の戦略コンサルタントにとって非常に辛いはずです。
辛さ②比較対象の台頭によるクライアント先からの圧力
次に、戦略コンサルティングの仕事を通じて直面する辛さとして、比較対象の台頭によるクライアント先からの圧力が挙げられます。昨今、日本市場における戦略コンサルティングのニーズは右肩上がりで高成長を続けています。市場が拡大しているため、戦略ファームも人材の質を担保しつつ採用を強化しており、戦略コンサルタントの母数も過去に比べて拡大していると言えます。余談ですが、総合系ファーム/IT系ファームの一部の戦略部隊は、質より量に舵を切っている印象を受けており、その人材を含めると母数は圧倒的に拡大していると言えます。
そのため、各ファームの受注余力が大幅に増えたことで、クライアント先で戦略コンサルティングに依頼する機会も多くなり、結果的にクライアント先のコンサルティングファームに対する経験値も増してきたと言えます。クライアント先が様々な戦略ファームとのやりとりを通じ比較対象ができたことで、戦略ファームの提供するアウトプットに対する要求水準も年々高まりつつあり、要求水準に見合うアウトプットを毎回出さなければならない点が非常に辛い点と言えます。
特に、プリンシパル以上になるとチームのアウトプットの他に、顧客開拓も評価対象の一つとして加えられますが、その際に目が肥えているクライアント先に対して提案するハードルの高まりや、競合戦略ファームとの相見積もり等の部分で、従来以上に高いレベルの提案内容や駆け引きが顕著となっています。クライアントによっては、相見積もりをとって値下げ圧力をかける、もしくはデリバリー内容の項目の追加等を要求してくる場合も多々出てきており、チームで処理しなければならないモジュールが増える傾向にある点も昨今の戦略コンサルタントの辛さと言えると考えます。
辛さ③業界内での競争の激しさ
そして、戦略コンサルティングの仕事を通じて直面する辛さとして、業界内での競争の激しさが挙げられます。前述の通り、入社時に非常に高いハードルを課すことは、裏を返せば非常に粒揃いの優秀な人材がひしめき合っている証拠です。その中で、周りのメンバー以上に高いアウトプットを出さなければ、ポジションを上げていくことは難しく、非常に熾烈な競争を勝ち抜き生き残らなければなりません。
もちろん絶対評価/客観的な評価はなされるものの、ほぼ全ての戦略ファームが外資系であることから、グローバルでポストの配分もある程度定められており、パフォーマンスが同じであっても何かしらの評価軸で優劣をつけてポジションを付与されることも珍しくないため、圧倒的なパフォーマンスを出し続けなければこの業界で生き残れないという辛さが、戦略コンサルティング業界に長く身を置きたい方にとっては一番大きな辛さと言えるかもしれません。
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>戦略系コンサルティングファームへのキャリアに関する記事
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戦略コンサルと経営コンサルの違い【仕事内容や目的、求められるスキル、年収など】
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総合ファームから戦略ファームにはどうしたら行けるのか?
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/Synthesistostrategy
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今回の記事では、戦略コンサルティングの仕事を通じて体感できる面白さややりがい、他方で経験するつらさについてご紹介しました。
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