戦略系コンサルティングファームを「辞めたい」と思うよくある理由と解決策

直近「戦略ファーム」への転職についてご相談をいただく機会が増えてきましたが、一方でよりハードな環境に対応できず、ドロップアウトしてしまうケースも少なからず見られます。
そこで今回の記事では、戦略コンサルティングファームで働く方が「辞めたい」と思う主な理由と解決策についてご紹介します。

【目次】

    1. 辞めたい理由は、激務/経営への影響度/自身の力量に対する期待の三つ
    2. ①激務
    3. ②経営への影響度
    4. ③自身の力量に対する期待

辞めたい理由は、激務/経営への影響度/自身の力量に対する期待の三つ

戦略コンサルティングファームを辞めたい方がよく挙げる理由に、
①激務
②経営への影響度
③自身の力量に対する期待
の三つがあります。

戦略コンサルティングの仕事は想像以上にチャレンジングでタフです。
「常識とは一線を画した働き方に耐えられない」「激務のため辞めたい」と思う方は多い印象があります。

また戦略コンサルタントの仕事を通じて、クライアント先の経営への影響度が期待していたよりも小さい場合に辞めたくなる方もいます。

さらに、
「戦略コンサルティングファームの経験を踏み台として次のキャリアステップを歩むために辞めたい」
「アントレプレナー精神が高く、自身で起業するために辞めたい」
という方も非常に多いです。

上記のそれぞれの観点から、辞めたいと思う背景とその解決策について、詳しく解説します。

①激務

辞めたいと思う理由の背景

戦略コンサルティングに従事する方が辞めたいと考える理由の一つとして、激務である事が挙げられます。昨今の国内のコンサルティング市場が右肩上がりで拡大を続けているため、戦略ファーム各社は慢性的に人手不足状態であるほか、優秀な人材の囲い込みのために働き方改革/子育てしながらサステイナブルに働ける環境作りを行っているものの、残念ながらハードな環境である事は間違いありません。

理由として、戦略コンサルティングの生業自体がクライアントありきの商売であるため、時間のコントロールが基本的にクライアント側にグリップが握られているほか、働き方改革で終業時間を縮める努力を行ったとしてもアウトプットの質は維持しなければならないジレンマが付きまとうため、結果的に労働集約型の業種である事に変わりはないのです。非常に優秀な方々が過去に相当の時間を投資して出したアウトプットの質を、時間を短縮してデジタルツール等で補う事は容易ではありません。

従って、表向きは働き方改革を断行して平日の夜を楽しんでいる様に見せて、実質は帰宅した後に夜遅くまでリモートで仕事を行う、土日に仕事をして挽回する等、働き方の形が変わっただけで、仕事量に大きな変化はありません。また、戦略コンサルティングの生業として、業界等の領域の連続性はあったとしても、対峙する課題には連続性が無い、言い換えれば、プロジェクト毎に異なる難題が待ち受けているため、その難題を解き明かすには、相当チャレンジングな姿勢が求められます。
そのため、プロジェクト期間中の働き方(激務)に徐々に疲弊していき、辞めたいと思う方の割合は非常に大きいです。

解決策

激務に対する解決策は主に二つあります。

一つは、シンプルですが早くプロモーションする事に尽きます。基本的にどの階層も忙しいものの、ある程度上に上がるとディレクション側の比重が大きくなるので、案件を獲得しなければならないプレッシャーや時間に追われる働き方からの脱却は可能です。コンサルティング業界は実力さえあればプロモーションスピードが非常に速く、早期プロモーションをすれば業務量を多少は調整しやすくなります。

二つ目は、領域を絞り込む事です。戦略コンサルティングの生業として、プロジェクト毎に全く異なる難題が待ち受けているため、戦略ファームの精鋭達をもってしても毎回が非常にチャレンジングな状況となります。また、手掛けている業界も幅広いため、初めて対峙する業界の場合は業界見識のダウンロードが欠かせません。
従って、激務を左右するパラメータとして、課題自体の難易度と業界見識の二つに分解できます。前者は、クライアント側の抱える課題の深さに左右されるものの、後者については戦略ファーム内の上司にご自身が手掛けたい領域を予め共有すれば、特定の業界のプロジェクトにアサインする事は比較的容易に行ってもらえ、ご自身の負荷を下げる事が可能です。

②経営への影響度

辞めたいと思う理由の背景

戦略コンサルティングに従事する方が辞めたいと考える理由の一つとして、経営への影響度が挙げられます。

戦略コンサルティングは、クライアント先の経営トップや取締役レベルだけでは解決が難しい難題に対峙し、非常にチャレンジングな仕事です。カウンターパートである上述の経営トップ層と膝を突き合わせて、クライアント先が抱えている課題の本質を理解し、その課題を解決する戦略オプションを提示するため、経営への影響度はゼロではありません。

しかし、戦略コンサルタントが恒常的に抱える大きなジレンマとして、戦略の実行の意思決定をクライアント先のトップ層が行う事が挙げられます。そのため「戦略コンサルティングあるある」ですが、相当の頭と身体の労力をかけた戦略を実行せずに2-3年経ち、また次の経営陣が同じ課題を戦略ファームへ依頼してくる事も往々にしてあります。あるいは、戦略オプションとして提示した最善策ではない別の提案をクライアント側が選び、クライアントの業績が低迷してしまうケースもあるのです。

そのためプロジェクトに相当量の労力を投下したとしても、その先の影響度が小さいと考えて辞める方もいます。特に、クライアント先の第三者としてのアドバイザリーという立ち位置ではなく、そのクライアント先の中に入って事業の責任者等の戦略の実行者として経営に影響を与えたい/経営のグリップを握りたいと考えて辞める方の割合は大きいです。

解決策

経営への影響に対する解決策は主に二つあります。

一つは、クライアント先に提示する戦略オプションを腹落ちさせる事です。クライアント先がコンサルタントとディスカッションして導き出した戦略オプションを実行するか否かは、取締役会での承認というハードル以上に、クライアント先のカウンターパートが腹落ちするか否かにかかっています。
どれだけ正しい戦略を練ったとしても、その戦略に魅力を感じ戦略を実行したいと思わせられなければ、残念ながら戦略の実行には至りません。カウンターパートが戦略オプション案に魅力を感じ、深く理解したうえで、クライアント内にその戦略をいわば布教していくような動き出しが必要であるため、カウンターパートを腹落ちさせる事は非常に重要なポイントです。

二つ目は、極論ですが割り切る事に尽きます。戦略コンサルティングの生業として、経営に本質的に影響を与えられる度合いを認識し、その領域の中で最善を尽くすという信念を持つ事で、恒常的に生じる経営への影響度のジレンマに対する心理的な解決策に成り得ます。
例えば、仮にクライアント先で事業責任者や取締役になったとしても、その立場で見えるビューは、戦略コンサルタントのそれとは当然異なるため、正しいと考える戦略の実行が内部の人間をもってしても難しいと受け止める事で、経営への影響度に対する儚さを和らげられるのではないでしょうか。

③自身の力量に対する期待

辞めたいと思う理由の背景

戦略コンサルティングに従事する方が辞めたいと考える理由の一つとして、自身の力量に対する期待が挙げられます。

戦略コンサルティングでの仕事を通じて、戦略コンサルタントはビジネスパーソンとして、非常に速い成長を実現する事ができます。戦略ファームで2~3年経験を積めば、転職市場では引手あまたの状態になり、非常に好条件の案件を提示され、ご自身の力量を別の場所で試してみたいと考えて辞める方は一定数います。
また、そもそも入社時にアントレプレナー精神が高く、戦略コンサルタントという仕事を踏み台にして、戦略ファーム入社時から次のキャリアステップを見定め一定の期間を過ぎたら辞める方、起業を目指して辞める方も多いです。これは裏を返せば、ご自身の力量/ポテンシャルへの期待値が高く、その力量を活かす先を常に考えていると言い変えられるかもしれません。
特に、昨今は国内のコンサルティング需要が拡大しているため、新しいコンサルティングファームの立ち上げに参画するために辞める方や、フリーランスとしてコンサルティング業務を行う方も増えてきている認識でいます。

解決策

ご自身の力量への期待に対する解決策はありません。

戦略コンサルタントとして働く以上、力量の成長は他業界と比べて圧倒的に速く、恵まれています。大切なのは、ご自身の力量に対する正当な報酬や待遇を、ファーム内に常に求める姿勢です。また戦略ファームにとっても、優秀な人材の囲い込みは最優先事項。優秀な方に気持ちよく働いてもらうために、報酬をはじめ待遇については柔軟に対応してくれるファームも多いはずです。ご自身の力量を外部(例えば転職市場)から客観的に捉えて交渉材料にして、有利な報酬や働き方、仕事の領域を得る事で、力量と仕事内容のギャップを無くしていくのが唯一の解決策かもしれません。

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https://www.axc.ne.jp/column/consultant-next-career/07.html

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今回の記事では、戦略コンサルティングファームで働く方が「辞めたい」と思う主な理由とその解決策についてご紹介しました。戦略系コンサルティングファームへの転職をお考えの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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