戦略コンサルと経営コンサルの違い【仕事内容や目的、求められるスキル、年収など】

今回の記事では、戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違いについて、仕事の内容/求められるスキル/待遇等の観点からご紹介したいと思います。

【目次】

  1. 戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:仕事の内容
  2. 戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:求められるスキル
  3. 戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:待遇等

戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:仕事の内容

まず、戦略コンサルティングと経営コンサルティングの仕事の内容の違いとして、手掛ける領域、カウンターパート、連携するパートナーの三つが挙げられます。

戦略コンサルティングと経営コンサルティングの手掛ける領域の違い

戦略コンサルティングの仕事で手掛ける領域:クライアント先の上流の意思決定や、戦略立案による判断に寄り添った支援
経営コンサルティングの仕事で手掛ける領域:クライアント先の業務支援やシステム導入によってミドル領域の案件に注力

戦略コンサルティングの仕事で手掛ける領域は、クライアント先の全社戦略立案/事業戦略立案/新規事業の立ち上げ検討等に代表されるように、上流の意思決定/判断に寄り添った支援が大勢となります。他方で経営コンサルティングの仕事で手掛ける領域は、クライアント先の事業戦略/IT戦略/業務支援/システム導入といったミドル領域の案件に注力するという違いがあります。

この違いを言い換えると、戦略コンサルティングは進むべき道は何かを模索して最適解を導出するのに対して、経営コンサルティングは進むべき道は与条件として与えられており、その道の開拓方法の最適解を導出するという違いがある、と言えます。そのため、戦略コンサルティングの場合は、中長期的な視点でクライアント企業のあるべき姿を見据えた上で、将来に繋げる打ち手を経営陣と共に見出す事に重点を置くため、短期的な成果には拘らず中長期的にクライアントが勝ち抜く構図を創り出す事に長けています。一方で経営コンサルティングの場合は、短中期的に成果を出す事に重点を置くため実行フェーズの案件が多く、現有リソースを活用して成果を最大化させる事に長けているという違いがあります。

戦略コンサルティングと経営コンサルティングのカウンターパートの違い

戦略コンサルティングが対峙するカウンターパート:クライアント先の取締役以上
経営コンサルティングが対峙するカウンターパート:クライアント先のミドルクラスの職位、部長/課長/係長レベル

戦略コンサルティングが対峙するカウンターパートは、クライアント先の取締役以上であることが大勢となります。これは、前述の通りプロジェクトで対象とする領域が意思決定の上流部分であることが多いため、コンサルタントクラスであってもコミュニケーションを取る相手は、必然的に役員クラスとなりやすいです。他方で、経営コンサルティングの仕事で対峙するカウンターパートは、比較的ミドルクラスの職位、部長/課長/係長レベルの方とのコミュニケーションが多い印象を受けます。特に、業務支援やシステム導入の様な案件であればあるほど、クライアント先の現場レベルの方々とのコミュニケーションを通じて日々進捗を管理していきます。

この違いを言い換えると、戦略コンサルティングはなぜその道を進むべきなのか/どの道を進むべきなのかを問うのに対して、経営コンサルティングはこの道をどの様に開拓するのか/この道をどの様に進むのかを問う、という違いがある、と言えます。そのため、戦略コンサルティングの場合、競合分析や先進事例からの要諦導出等のため社内外/業界内外のエキスパートインタビューや社内のプロフェッショナル(国内/海外のパートナー)とのディスカッション/クライアント先の経営陣とのディスカッションの比重が大きくなります。他方で、経営コンサルティングの場合、現状分析やより具体的なアクションプランの立案/並走支援の比重が大きくなるという違いがあります。

戦略コンサルティングと経営コンサルティングが連携するパートナーの違い

戦略コンサルティングが連携するパートナー:少人数のチーム
経営コンサルティングが連携するパートナー:大規模なチーム、現場の方々

さらに、連携するパートナーに違いがあります。戦略コンサルティングの仕事で連携するパートナーは、プロジェクトの規模の大小はあるものの、往々にして少人数のプロジェクトが多く、平均的に4-5名程度のチーム構成が主となります。他方で、経営コンサルティングの仕事で組むパートナーは、社内のメンバーの人数も戦略コンサルティングに比べて多く、クライアントサイドも事業活動の現場の方々と密に連携しプロジェクトマネジメントを行わなければなりません。

この違いを言い換えると、戦略コンサルティングは「ファーム内のプロフェッショナル/社内外のエキスパート/ごく少数のクライアント先の経営層」といったクローズドの中でのやりとりが行われるのに対して、経営コンサルティングの場合は「社内の手を実際に動かせる多数のメンバーとクライアント内の現場の方々」が一体となって、比較的オープンな環境でやりとりが行われやすいという違いがあります。そのため、戦略コンサルティングの場合、協議するテーマやカウンターパートはハイレベルかつチャレンジングである一方で時間のコントロールは比較的調整が効きやすい(もちろんlast one minuteまで頭が擦り切れるほど考えるものの)と言えます。一方で経営コンサルティングの場合、カウンターパートや連携メンバーとのレベル感は下がるものの、短期的な成果を求められる側面が強いため時間のコントロールが非常に難しい/チャレンジングである点が違いと言えるかもしれません。

戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:求められるスキル

戦略コンサルティングと経営コンサルティングで求められるベーシックスキルに、基本的に大きな違いはありません。論理的思考能力や仮説構築力は両者とも高いレベルで必要になってきます。また、クライアント先と対峙する商売であるため、コミュニケーション能力(対人能力)も両者とも不可欠なスキルと言え、スキルセットのアイテムに違いはありません。一方、両者で必要となるスキルの違いとして挙げられるのは、それぞれのアイテムで求められる水準です。

戦略コンサルティングの場合、対峙するカウンターパートはクライアント企業の意思決定者や取締役レベルであるため、ミドルマネジメントクラスよりも時間の制約やコミュニケーションハードルが高いため、論理的に思考し説明する力が経営コンサルタント以上に高次元で求められます。

また、仮説構築力も、業界に長く身を置きクライアント企業の競争に勝ち抜いてきた経営層が頭を抱えているテーマに立ち向かうため、仮説の精度や仮説の斬新さも非常に高いレベルで求められるほか、仮説の斬新さ(将来に向けて期待が持てる打ち手)を維持しながら実現可能性を担保する必要があるため、仮説構築力一つとっても経営コンサルティングと比べて非常に高次元のレベルを求められます。

さらに、どれだけ論理的で斬新な仮説を打ち出したとしても、クライアント先の経営層を腹落ちさせて、勇気ある将来への意思決定を促すコミュニケーションも非常に高次元で求められます。特に、前述の論理的思考能力や仮説構築力は自己努力である程度のレベルまで向上させることは可能ですが、相手を行動させるコミュニケーションは対峙相手の性格や嗜好等諸々に都度合わせていく難しさ等もあり、一番ハードルの高いスキルと言えます。

他方で、経営コンサルティングが戦略コンサルティングよりも高いレベルを求められるスキルとして、PMOとして周囲を巻き込む/コントロールする力が要求されると認識しています。経営コンサルティングで手掛けるプロジェクトは、戦略コンサルティングのプロジェクトと比べて長期かつ大規模なメンバー構成で行うほか、対峙するカウンターパートの人数も多い傾向があります。そのため、社内外のメンバーを管理しコントロールする多眼的な進捗管理とバックアッププランの整備等、非常に高次元で求められハードルの高いスキルと言えます。

戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違い:待遇等

戦略コンサルティングと経営コンサルティングの待遇の違いは、大きく二つの点で異なります。一つ目は、働いている時に得られる対価、もう一つがポストコンサル時に得られる対価です。

年収は、特に外資系戦略コンサルティングファームの方が経営コンサルティングファームよりも高額となるケースが多いです。同じ役職であったとしても、経営コンサルティングのポジションの一つ~二つ上くらいの年収が戦略コンサルティングの年収になることもあります(経営コンサルティングのマネージャークラスの年収が、戦略コンサルティングのコンサルタントクラスorシニアアソシエイトのプロモーション前など)。

また、ポストコンサル時に得られる報酬も大きく異なります。戦略系コンサルタントは母数が小さいため、キャリアとして挟んだ場合の希少価値は非常に高くなり、ポストコンサル時に困る事はまずないと言ってよいでしょう。特に、転職市場は前職の年収以上を提示する事が通例であるため、非常に高額な報酬、高いポジションやストックオプションを提示されることも往々にしてあり、入社難易度が高い分入社後のキャリアは非常に恵まれていると言えます。

特に、昨今の日本市場におけるコンサルティング需要は右肩上がりで上昇しており、その分経営コンサルティングの人材も各社が大量採用に踏み切っています。そのため、転職市場に流れる経営コンサルティング出身の人材も急拡大しているため、中途でコンサルティング経験者を採用する側も目が肥えてきており、経営コンサルティング出身者間での競争は激化しているのです。転職市場での希少性の違いが戦略コンサルティングと経営コンサルティングでの大きな違いと言えるかもしれません。

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>戦略コンサルへのキャリアに関する記事

「戦略ファームの役員になれる」ITコンサル、「システム屋で終わる」ITコンサル
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/itconsultantst

「ロジックツリー」例題を参考に作り方を完全理解する
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/logic_tree

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今回の記事では、戦略コンサルティングと経営コンサルティングの違いについて、仕事の内容/求められるスキル/待遇等の観点からご紹介しました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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