ベンチャーキャピタル(VC)とコンサル・投資銀行・PEとのスキル面での違い

今回の記事では、ベンチャーキャピタル(VC)で求められるスキルや経験をコンサルティングファーム、プライベートエクイティ(PE)ファンド、投資銀行(IB)それぞれと比較してお伝えします。

【目次】

  1. 特にシード期やシリーズAでは、コンサルティングファームよりも「相談役」のような立ち回りが必要
  2. 客観的分析の材料がないため、PEファンドとしても懐に入っていくソフトスキルが求められる
  3. 投資銀行と比較すると、提案からクロージング、投資後管理までを一人で行う一貫した投資業務知見・スキルが求められる

特にシード期やシリーズAでは、コンサルティングファームよりも「相談役」のような立ち回りが必要

ご存じの通り、コンサルティングファームの業務は主に企業分析をし、そこから見えてくる課題に対してアドバイスをし、フィーを得る仕事です。この企業分析とアドバイスの部分に関しては同じくVCでも求められる経験・知識ではありますが、特にシード期と呼ばれるサービスが始まっていない頃やシリーズAと呼ばれるサービスを始めたての頃などではコンサルティングファームで行っているような分析よりも、もっと広範囲の相談役のようなスキル・立ち回りが求められます。
「融資先の紹介」を行なったり、ビジネスモデルについて詰めていきたいところを共に検討していったりと、より企業に寄り添った形で、かつよりコンサルティングファームよりも具体性と主体性を持った姿勢が求められます。

また、金融知識や法務知識など広範なビジネスに関する知識を身につけている担当者の方が信頼されますので、コンサルティングファームからVCに入られた方には、そのあたりのキャッチアップに苦労された方も少なくない印象です。

客観的分析の材料がないため、PEファンドとしても懐に入っていくソフトスキルが求められる

PEとVCはお互い、会社の成長性に期待して株式投資をするという点で、その業務内容などにおいて非常に似通っています。基本的にPEファンドで培ってきた財務知識や法務知識などビジネス知識全般は役に立ちます。一方で、投資対象が上場企業なのか、未上場企業かで求められるスキルや知識も異なります。特に異なるのが「ビジネス成長予測の難しさ」でしょうか。
特にシード期、シリーズAの企業を相手にする場合、今まで市場になかったビジネスに投資することになるため、必然的にその予測が難しくなってきます。
かつアナリストが付いているわけでもないので、客観的な分析資料が少ないことも予測を難しくさせている一因です。そのため、より起業家の懐に入って分析するようなソフトスキルがより求められます。
ただ、先述した通りPEファンドとVCには似通っている点が多くありますので、PEファンドからVCへ転職される方は比較的スムーズにキャッチアップされる印象です。

投資銀行と比較すると、提案からクロージング、投資後管理までを一人で行う一貫した投資業務知見・スキルが求められる

最後に投資銀行との比較ですが、VCで求められる金融知識やビジネス法務知識については投資銀行でも強く求められるためこの辺りのキャッチアップはPEファンドと同様でさほど難しくはないかと思います。相違点があるとするならば、VCが提案からクロージング、投資後管理まで1人の人物が行うことも少なくないのに対して、投資銀行業務は1人でそれら全てを行うことはなく、チームで行う点でしょうか。

投資銀行業務は大きく分けて株式・債券の引受やM&Aの仲介業務を行う投資銀行部門、金融情報や経済情報などディールに関する情報調査やマーケットレポート発行を行うリサーチ部門、市場に流通する金融商品の取引を行うマーケット部門、資産運用を行うアセットマネジメント部門の合計4部門に分かれます。これら全てをまとめて1人の人間が行うこともあるのがVCとの相違点です。

よくこの2業界はその特徴を踏まえ、投資銀行は専門性が高いことからボクシング、VCはその業務範囲の広さから総合格闘技だと言われることもありますが、まさにその通りでしょうか。

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>ファンドへのキャリアに関する記事

コンサルファーム・ファンド等「ベンチャー支援ポジション」の特徴・転職年収事例・キャリアパス
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/vsupport

“コンサル”と”PE・VCファンド”の違い【年収からキャリアパスまで】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consulfundcom

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今回はベンチャーキャピタル(VC)で求められるスキルや経験を、コンサルティングファーム、プライベートエクイティ(PE)ファンド、投資銀行(IB)それぞれと比較してお伝えしました。

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