今回の記事では、ベンチャーキャピタル(VC)での主な業務フェーズ(企業発掘、取材、企業分析、投資締結、投資後管理)毎に求められるスキル・経験を、実際にVCで働かれている方々の生の声なども参考にお伝えします。
【目次】
- VCの「企業発掘フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
- VCの「取材フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
- VCの「企業分析フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
- VCの「投資締結フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
- VCの「投資後管理フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
VCの「企業発掘フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
まず、企業発掘についてですが、これは主にベンチャー企業からの出資依頼や紹介など投資候補側からコンタクトがある場合と、PR TimesやTechCrunch、Makuakeなど新サービスや新商品についてのプレスリリース発信しているようなメディアを見たり、展示会に参加したりなどVC側からコンタクトを取っていく場合があります。
常日頃から最新のサービスや商品へのアンテナ感度を良くすることが、そういった出会いの数を増やすことに繋がります。
どちちらの場合でも「新しい商品やサービスに対してワクワク出来る、自分から興味を持って常に情報収集出来るかどうか」が大切です。
「まだ世の中に出ていないが、このサービスで世界をより良くすることがで出来る。そして自分たちが様々なアドバイスをすることで共にそのサービスを大きくすることが出来ることは何にも替え難い瞬間であるし、そう確信出来る企業に出会った時の喜びはいつまでも何度経験しても素晴らしいものですし、いつまでも忘れられないものです」と語る方もおり、この段階こそがVCの醍醐味でしょうか。
より実務的な話をすると、VCにおいては出資額が後々のリターンに大きく影響します。かつ、どのVCがどれだけ出資するかどうかは、関係性などからベンチャー企業側が決めるため、他のVCよりも早めにコンタクトを取って良好な関係性を築いておく、かつ高い熱量を持って企業と接することが重要です。このように、良い関係性を築くソフトスキルもこのフェーズでは重要になります。
VCの「取材フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
取材フェーズとは、企業とコンタクトを取った後に、この企業に見込みがあるかどうかを判断する段階のことを指します。
このフェーズで求められるスキルは「人を見る能力」という意見が多いです。
ベンチャー企業というものは得てして様々な苦難がこれから待ち受けているものです。その際に、この企業は、このチームは、この社長は耐えて更なる高みに達することがで出来るのかなどを実際に面談で見極めるスキルが求められます。
VCの「企業分析フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
企業分析フェーズでは、「定量分析能力」が求められるという意見が多いです。
今まではサービス内容であったり人であったりと割とヒューマンチックな部分が求められてきましたが、その企業の現在の財務安定性やサービスの収益性、成長性を見ていくことになります。そのため、この段階では数字を冷静に分析する能力が非常によく求められます。
VCの「投資締結フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
投資締結フェーズで必要になるスキルは「クロージング力」と「ビジネス法務知識」という意見が多いです。
よくあるケースが、投資契約締結の段階になってから『別のもっと良い投資家が現れたから少しまってくれないか』『やっぱり投資を受けるのはまだ不安だ』といった締結直前のトラブルです。
そのため、しっかりと契約書を結ぶまで企業に寄り添いながらサポートしていく姿勢、所謂クロージング力が求められます。
加えて「ビジネス法務知識」については、特に小規模VCによくあることですが、契約の際に書面に書いている内容について企業から事細かに確認される場合も多く、担当としてしっかりと説明出来なければ信用下落に繋がってしまい、先ほどのようなトラブルに陥る可能性が高まります。契約書に書いている程度の法律知識は是非理解しておきたいところでしょうか。
VCの「投資後管理フェーズ」で求められるスキル・知識・経験
最後に投資後管理フェーズについてですが、このフェーズでは「投資したお金がしっかりと事業に使われているか」「当初の予測通りにビジネスが大きくなっていっているか」などを把握しつつ、要所要所で適切なアドバイスをしていくことが求められる印象です。
企業の社長とはいってもビジネスに関しては初心者であることも多いため、プロとしてあらゆる場面の相談役として投資先の支援を行なっていくことが大切になります。
この段階では「常に投資先のことを気に掛ける姿勢」が必要です。この段階でお金のやりくりやビジネスの進め方で躓いてしまい、ビジネスの完成度が高くても頓挫してしまうケースもよく見られます。
「毎日投資先の企業が夜も眠れないほど気になって仕方がない状態が続いたことがあった」と語られる方も多いです。それだけその企業に対して真剣で愛情を持って接しているからこそのエピソードかもしれません。
=================
>ファンドへのキャリアに関する記事
コンサルファーム・ファンド等「ベンチャー支援ポジション」の特徴・転職年収事例・キャリアパス
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/vsupport
“コンサル”と”PE・VCファンド”の違い【年収からキャリアパスまで】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consulfundcom
=================
今回の記事では、VCでの主な業務フェーズ(企業発掘、取材、企業分析、投資締結、投資後管理)毎に求められるスキル・経験をお伝えしました。
VCの求人紹介や、キャリアパスをお考えの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。