女性フリーランスエンジニアの”よくある悩み”と”解決方法”【経験者に訊く】

ひと昔前に比べ、女性フリーランスエンジニアとして活躍される方も増えたことから、最近は女性フリーランスエンジニアならではのお悩みをご相談いただく機会も増えてきました。

そこで今回は、システムエンジニアとして正社員・フリーランスをご経験される方に伺った、「女性フリーランスエンジニアの方々が抱える悩み」「解決策」についてお伝えします。

これからフリーランスエンジニアになろうかと検討されている女性エンジニアの方々、また今まさに悩んでいる女性フリーランスエンジニアの方々は、ぜひご参考ください。

【目次】

  1. 出産で働けなくなる・働きずらくなることへの懸念
  2. 家事との両立が大変・辛い
  3. 在宅勤務だと保育園を探すのが大変
  4. 男性と比べると収入が低くなる可能性も
  5. 女性ならではの体調不良で報告するのに困る
  6. 【解決策1】出産・育児に関する女性エンジニアの悩みは「気持ちの整理」が重要
  7. 【解決策2】子育てに協力的な「くるみんマーク」を取得する会社への転職
  8. 【解決策3】忙しい時期は手を抜ける家事はどれか考えておく

出産で働けなくなる・働きずらくなることへの懸念

同じフリーランスエンジニアでも男性ではなく、女性フリーランスエンジニアならではの悩みともいえるのではないでしょうか。

「この仕事を続けていきたい!仕事が楽しい!」そう考えて頑張ってきていても、残業も不規則にあったり、参画するプロジェクトによって帰宅時間もまちまち…ということも多いIT業界。

・子供がいてもキャリアをあきらめずに済むのか
・突発的に休まなくてはいけないことが予測できるのに働いて迷惑をかけるのでは
・プロジェクトが動いているのに妊娠してよいのか…

このような理由から「(女性フリーランス)エンジニアとして活躍するには妊娠・出産は望めないのではないか・望むべきではないのではないか」と悩まれる方がいらっしゃいます。真面目に頑張っているからこその悩みですよね。

家事との両立が大変・辛い

既婚の女性フリーランスエンジニアも多くいらっしゃる今、この悩みはフリーランス云々ではなく多くの女性エンジニアが抱える悩みでしょうか。

・やってね、といっても「後でやるね~」というだけで遅くて結局自分でやる羽目になる
・やってくれても後でフォローアップが必要な状況になることが多い
・疲れているからやりたくないという・という空気を醸し出す

などという現実から、結局自分でやるしかない状況に追い込まれる女性は世の中に大勢いらっしゃるのでは。『これなら独身のほうが良かった!!』と考えてしまう方もいらっしゃるようです。

これについては…ご主人の意識改革、それが無理ならこちらが少しでも楽になれるように頑張る部分をいかに減らすか、どちらかになるのではないでしょうか。

洗濯物は全自動乾燥機付き洗濯機に任せて、食器は食洗器、床はルンバで…とすると少しは軽減されるはず。初期投資が必要ですが、無理して疲れて家庭もぎすぎすしてしまうより、また非協力的な旦那さん相手にイライラすることも減らせるはず。食事も疲れたら各自食べてくるor買ってきて食べる、というのは導入済みのご家庭も増えてきていますよね。

在宅勤務だと保育園を探すのが大変

働き方改革や新型コロナの感染対策として在宅勤務に切り替える職場も多くなってきているIT業界。中にはフリーランスエンジニアに対しても在宅勤務可能としているケースもあります。

実はこれが育児中の世帯にとっては「保育園に入れたいのに加点が少ないから優先されない」という問題になっていることもあるようです。

「子供が小さい時期は一緒にいたい」と思っている方にとっては、働き始める時期を自分で調整できるのはフリーランスエンジニアのメリットにもなりますが、そうではない場合には大きな悩みになるでしょうか。

フリーランスに関わらず、男性と比べると収入が低くなる可能性も

これは悩みというより疑問という形になるかもしれませんが、社内SEとして働く男性は平均年収550万円程度、女性エンジニアは平均年収450万円程度という調査もあります。

フリーランス、正社員に関わらず、確かにこう見ると女性エンジニアと男性エンジニアには大きな年収的隔たりがありますね。

悩みとして上で取り上げた女性ならではの事情で働きにくさを抱えていたり、それを懸念して昇進をあきらめている女性エンジニアがいるというのもその理由の一つでしょうか。その結果も一部起因しているのですが上級エンジニアとして働く方はやはり男性が多いということも結果に反映されていることが考えられます。

女性ならではの体調不良で報告するのに困る

女性ならではの体調不良があるとき、男性比率の高い現場では上司が男性ということも少なくありませんから、休みたいとき・遅れたいときの伝え方に悩む方がいらっしゃいます。

IT業界のみならずある悩みですが、特に男性比率の高い業界ならでは悩む方も多いのではないでしょうか。お聞きした女性エンジニア曰く、

「辛さは女性同士であっても個人差が大きいものだから理解を求めるのは無理と割り切って、”体調が悪いので申し訳ないが遅れたい・休みたいです”という報告を入れましょう。そのうえでもし周りに迷惑を掛けたら一言謝り恩返しできるように意識するようにします。自分でフォローアップできればよいのであれば、後でしっかり作業を進めれば良いです。」

とのことです。本当に辛いときに出社しても作業は進まないし返ってバグを仕込んでしまったりして、かえって迷惑をかけてしまうこともあります。だから仕方ないんだ、そして正直に話されても困ってしまう人もいるかもしれないから状況だけ簡単に伝わればよいと割り切ることも大切なようです。

【解決策1】出産・育児に関する女性エンジニアの悩みは「気持ちの整理」が重要

妊娠に関する悩みと、育児に関する悩みで解決方法は異なるため、別々に解決していきます。

【育児編】

父親であるご主人の協力を仰ぐのも一手ですが、それができれば悩みませんよね。それだけでは解決できない保育園問題では、可能であればですがご実家のご両親にお願いするという方も多いようです。

またお子さんが体調を崩して保育園には行けない、でも休めない日!!という場合には「病児保育」をおこなっている病院・クリニックを探してあらかじめ登録しておくと安心です。

帰宅が遅くなる、でも学童・保育園も時間が終わっちゃう!!というときには市区町村で行っているサポーターがある場合もありますから、どのように利用できるのか確認しておくのもおすすめです。

【妊娠編】

妊婦検診も時期によっては頻繁ですし、体調に関しても個人差が大きな時期。気持ちも体調も不安定になりがちな時期ですから、周りのサポートが得られやすいよう、事前の準備をしておくのがおすすめです。

もし可能なら在宅勤務に切り替えてもらう、出勤日数を調整してもらうなども有効です。フリーランスの立場を有効活用するなら、あまりにも辛いなら大事をとって休むという選択もこの時期だからこそ”あり”ではないでしょうか。

【解決策2】子育てに協力的な「くるみんマーク」を取得する会社への転職

フリーランスではあるけど、出産後も絶対にエンジニアとして活躍したい!という方にはこんな選択肢もあります。

「フリーランスだと収入も安定せず福利厚生もない。子育てしながら安心してエンジニアとして働ける環境に身を移す。」というもの。長期的に・お子さんが小さいうち、だけ、でもそれこそあなたのプラン次第、一度正社員になってまたフリーランスになるということも十分可能なのですから。

働きやすい会社を見つける一つの基準として、厚生労働省がおこなっている「子育てサポート企業」として認定されているかどうかをチェックする方法があります。

これに認定されれば、所定の手続きをクリアした子育て支援に積極的な企業だということで「くるみんマーク」というものを表示できるというもので、子育てに理解のある環境でエンジニアとして活躍することができるでしょうか。

【解決策3】忙しい時期は手を抜ける家事はどれか考えておく

女性フリーランスエンジニアの方々は、ほとんどすべての方が繁忙期で残業当たり前・土日出勤もありという時期を定期的に経験されているはず。(※中にはそうならないように仕事量を適切にコントロールできている理想的な環境もあります)

このような時期に家事も完璧にしようと思うと体力はいくらあっても足りませんし、息抜きできずにストレスはたまるばかり。

本当に疲れたら食事は作らないと決めてしまうのもよいでしょう。テイクアウトも外食もデリバリーもある世の中ですから活用しましょう。

掃除だって少しくらい手を抜きましょう。洗濯も毎日しなくてもよいようにタオルを増やすのも一つの手段です。

お子さんの事だって安全に健康に生きられるのなら、いつもはあまりやりたくないと考えているテレビ漬けの生活だってありです。

それよりもお母さんがイライラして笑顔がない家の中の空気のほうが最悪なはずですから。手を抜いてもよいように準備さえしておけばOK!と割り切ってしまう勇気も女性フリーランスエンジニアが輝く秘訣なのではないでしょうか。

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IT業界はまだまだ女性が多いとは言えない業界で働く女性への理解が深いとは言えません。ですが今は在宅勤務もしやすい環境になり、活用できる自治体などのサービスも増えてきています。

女性の社会進出を活発にするという政府のお題目も一応はあるわけで、少しずつでも女性フリーランスエンジニアが活躍しやすい環境を選ぶということもできるようにはなってきています。

フリーランスという特殊性を有効活用するのもよし、エンジニアとして活躍することに主眼を置いて一時的に理解のある会社に身を寄せるのもよし。色々な可能性を探り、女性エンジニアとしてイキイキと過ごせる選択をしていただければ幸いです。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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