コンサルティングファームとは?特徴や種類、向いている人などを解説

高い報酬水準や自身のキャリアアップにつながるアグレッシブな職場環境が魅力的なコンサルティングファーム。チャレンジを検討している方が多い一方で、コンサルティングファームの実態や採用の状況などをよく知らない方も多いでしょうか。
今回は、コンサルティングファームの特徴や向いている人、細かい種類や採用環境などを解説します。コンサルティングファームへの転職を検討している方は、ぜひご参考ください。

【目次】

  1. コンサルティングファームとは、企業が抱える様々な「課題解決のサポート」を行う企業
  2. コンサルティングファームの目的とは「企業から与えられる経営課題を解決すること」
  3. コンサルティングファームに向いている人・向かない人
  4. コンサルティングファームの種類、特徴や仕事内容【ジャンル別】
  5. コンサルティングファームの採用【ジャンル別】

コンサルティングファームとは、企業が抱える様々な「課題解決のサポート」を行う企業

コンサルティングファームとは、企業が抱える様々な課題解決のサポートをメインビジネスとする企業です。

企業がコンサルティングファームの手を借りる課題は多種多様です。例えば、以下のような分野の課題の解決のため、しばしばコンサルティングファームが活用されます。

・事業戦略・財務戦略の策定
・業務オペレーション改革
・システム構築・システム導入
・企業組織の変更
・M&A

以上に限らず、企業が自社のみでの解決が困難な課題は全て潜在的なコンサルティングファームのビジネスチャンスと考えることが可能です。

各コンサルティングファームはそれぞれの専門性を活かしながら、企業の様々な課題解決をサポートします。その中で企業から受け取る手数料がコンサルティングファームの収益源となります。

現代では一流の大手企業からスタートアップまで無数の企業がコンサルティングファームの手を借りながらビジネスを展開しています。

IDC Japan調べによると2018年のビジネスコンサルティング市場規模は4,227億円でしたが、2023年には1兆円に迫るとの予測も出されています。コンサルティングビジネスの市場は拡大傾向にあり、今後さらなる成長が期待できるビジネス分野です。

コンサルティングファームの目的とは「企業から与えられる経営課題を解決すること」

コンサルティングファームのビジネスにおける目的を一言で言うと、企業から与えられる経営課題を解決することです。企業は課題を解決してくれることへの対価として、コンサルティングファームにフィーを支払っています。

ただし、一口に「経営課題」といっても、現代ではコンサルティングファームに寄せられる課題は多様化しています。以前は今で言うところの「戦略領域」に近い経営戦略や事業戦略などの中長期的な課題が多く、また「解決策」を提示するところまでを主領域としていました。

一方で、現在では特定の事業テーマにフォーカスした、よりミクロな課題が寄せられることも増えました。またITの発達により、システム導入により解決可能な課題の幅が広がったことも、コンサルティングファームが扱う課題の領域拡大に寄与しています。

また、コンサルティングファームによって特色は異なるものの、多くのコンサルティングファームでは単なる解決策の提示だけではなく、実行支援に関わるプロジェクトが多くなってきています。

これに伴い、以前は経営層とのコミュニケーションが主であったコンサルティングファームですが、より現場レベルの関係者と共同して進められるプロジェクトも増えてきているのです。

コンサルティングファームに向いている人・向かない人

コンサルティングファームで働くのが向いている人

近年のコンサルティングファームのビジネス環境も踏まえると、コンサルティングファームのビジネスが向いている人は次のような特徴を持つ人と言えるでしょう。

ü 常に期待を超える結果を追求できる
ü 業務外でも知識のキャッチアップに時間を使うことができる
ü 臨機応変に新しい課題・直面した問題を捉え、解決策を検討できる
ü クライアントの視点と客観的な視点双方で物事を捉えることができる
ü 様々な物事に課題意識を持ち、自分なりの考えを常々持っている

クライアントは自社で解決できないような課題をコンサルティングファームに依頼してくるため、容易に解決できない課題がほとんど。その中で、決して安くないコンサルフィーを支払う以上、クライアントは画期的な解決策が提示されることを常に期待しています。課題の解決のためには、時には時間・曜日に限らず知識をキャッチアップする姿勢が必要です。
また、実行支援がコンサルティングファームの守備範囲として定着したことで、よりクライアントの現場を理解し、クライアントの視点に立ってプロジェクトを推進する必要性が高まっています。

これらの状況をまとめると、以上にあげた特性を持つ方が「コンサルティングファームに向いている人材と言えるでしょう。

コンサルティングファームに向かない人材

続いて、コンサルティングファームに向かない人材は、次のような人です。

・マニュアルのある仕事を正確に行うのが好き・得意
・何よりもワークライフバランスを優先して働きたい
・限られた特定の仕事に長期間集中して取り組みたい
・顧客視点に立った臨機応変な対応が苦手
・課題解決型の仕事経験がない、もしくは苦手

以上の要素はコンサルティングファームで働く場合に障害となりやすい特性です。当てはまっていて、かつ弱点をカバーするだけの強みを持っていない場合は、コンサルティングファームを目指すキャリアプランの再考をおこなうのも一案です。

コンサルティングファームの種類、特徴や仕事内容【ジャンル別】

一口にコンサルティングファームといっても、得意とするプロジェクトや組織構造などによりいくつかの種類に分類されます。

オフィシャルに定められた分類ではありませんが、次のような分け方が一般的です。

・戦略系
・総合系
・監査法人系(Big4)
・IT系
・財務アドバイザリー系

それでは順番に見ていきましょう。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームは従来から存在する経営戦略・財務戦略・事業戦略など企業の中長期的な経営課題に関する分野に強みを持っています。近年ではM&Aや新興国をはじめとした海外進出戦略など、戦略領域といえどプロジェクトの範囲は広がっています。

組織は「プール制」と呼ばれる、その時々のプロジェクトに空いている人材が順次アサインされる仕組みを基調としているケースが多いです。

一方、近年は戦略系でも実行支援までおこなうケースも増えているため、それらに対応するチームを揃えているケースもあります。例えばボストンコンサルティングなどでは、IT/デジタル領域の組織を持っています。

戦略系に当てはまる代表的な企業
・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストンコンサルティンググループ
・A.T.カーニー
・べイン・アンド・カンパニー

参考:戦略系コンサルティングファームとは
https://www.axc.ne.jp/consul/map/strategy/

総合系コンサルティングファーム

総合系とはその名の通り、あらゆるプロジェクトに対応可能な組織構造を持っているコンサルティングファーム。つまり、総合系以外の種類のコンサルティングファームが専門領域とするプロジェクトは大抵「総合系コンサルティングファームでも対応可能」となっています。

尚、次に紹介する「Big4」も総合系に含まれることもあります。組織としては、各業種のプロジェクトを専門的に扱うインダストリー部門、特定のコンサルティングの課題内容に特化したソリューション部門が形成しているケースが多いです。

プロジェクトチームの編成時は双方の部門から適したメンバーが招集されます。多様なプロジェクトを抱える分組織が大きい傾向にあり、日本国内だけで数百人〜数千人のコンサルタントが所属しているケースも少なくありません。

総合系に当てはまる代表的な企業
・Big4各社(デロイト、PwC、KPMG、EY)
・アクセンチュア
・アビームコンサルティング

参考:総合系コンサルティングファームとは
https://www.axc.ne.jp/consul/map/general/

監査法人アドバイザリー(Big4)

Big4とはアーンスト・アンド・ヤング、デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティングとKPMGを指す通称。いずれも総合系に分類されることも多いですが、他の総合系と異なる点が、いずれも公認会計士が所属する監査法人のメンバーファームとなっている点です。

各コンサルティングファームが所属している監査法人グループ
・アーンストヤング・・・アーンストアンドヤング
・ デロイトトーマツコンサルティング・・・デロイト・トウシュ・トーマツ
・ PwCコンサルティング・・・プライス・ウォーター・ハウスクーパース
・ KPMG・・・(会計事務所としての)KPMG

総合系に属されながらも、監査法人として財務関連や会計関連のプロジェクトに強みを持つのも特徴。課題の内容によっては監査法人がプロジェクトチームに入ったり、アドバイスをおこなったりする場合もあります。

組織については各社日本に監査法人を有していることもあり、Big4以外の総合系並かそれ以上に大型化しているケースが多いです。

参考:監査法人アドバイザリー
https://www.axc.ne.jp/jobchange_knowhow/consul/map/audit_firm.html

IT系コンサルティングファーム

IT・システム関連の企業から独立したコンサルティングファームをIT系と呼びます。
ITで他のビジネス領域を持っているケースもあり、コンサルティングとしての組織やビジネス規模は小さい傾向があります。しかしながら、IT系を土台としているからこそ、システム導入やITによる業務効率化などには独自の知見を持っています。

IT系に当てはまる代表的な企業
・IBM
・日立コンサルティング
・フューチャーアーキテクト

参考:IT系コンサルティングファームとは
https://www.axc.ne.jp/consul/map/it_consulting

財務・M&Aアドバイザリー(FAS)

FASと呼ばれる場合もあるコンサルティングファームの一種。その名の通り財務関連のプロジェクトに特化しています。具体的には、以下のような分野です。

・M&A支援(買収相手の探索〜M&A後のPMIまで一貫して対応可能)
・企業再生支援
・企業価値評価
・フォレンジック(財務関連を中心としたトラブル・自己発生時の原因究明・証跡保護)

現在の日本では、先に紹介したBig4系のコンサルティングファームが監査法人としてのノウハウも活かしながら、FAS領域でも強みを発揮しています。

財務アドバイザリー系に当てはまる代表的な企業
・デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)
・KPMG FAS
・EYトランザクション・アドバイザリー・サービス(EYTAS)

以上のように、コンサルティングファームといってもそれぞれ得意とする領域は異なります。自分がどのようなプロジェクトに参画したいかイメージしながら、チャレンジするファームを選んでいくことが大切です。

参考:財務・M&Aアドバイザリーとは
https://www.axc.ne.jp/consul/map/ma

コンサルティングファームの採用【ジャンル別】

多くのコンサルティングファームは人材の流動性が高く、入社・退社が日常的におこなわれています。それぞれ高い専門性やスキルを持った人材がチャレンジするため、転職のハードルは決して低くない一方で、チャレンジするチャンス自体は豊富に存在するのが特徴です。

コンサルティングファームの採用状況や実態はファームにより異なりますが、ここでは各コンサルティングファームの一般的な傾向について紹介します。

参考記事:
コンサルタントへ転職するための「志望動機書」の作り方【未経験~ファームtoファームまで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html

【未経験からコンサルタントへの転職】年収は上がるのか?ファームの年収・給与体系と未経験からの転職事例
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/consul/money.html

コンサルタントの転職やキャリアアップに有利な資格一覧【IT・MBA・英語・公認会計士まで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/2644.html

戦略系コンサルティングファーム

一般的に転職の難易度が高い傾向にあるのが戦略系です。中途採用で入社する場合には、特定の業界に対する専門性+秀でた論理的思考力・問題解決力が求められる傾向にあります。

面接においても、これらのチェックが選考の軸になるケースが多く、現在働いている企業が属する産業に対する課題や意見などを求められるケースも。また一般的にコンサルティングファーム特有の形式と見られている、特定の課題に対する分析や解決策を提示する「ケース面接」は戦略系ではとりわけ頻繁におこなわれます。

また、近年では戦略系コンサルティングファーム内にデジタル・IT専門チームを置くようになりました。そのため、SIerや事業会社でエンジニアやデータサイエンティストとして活躍された方のニーズが非常に高まっています。

参考記事:
DigitalBCGのアナリティクスチーム「GAMMA」とは?プロジェクト事例やメンバーの経歴から同チームの魅力に迫る【座談会】
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/digitalbcg_gamma

総合系コンサルティングファーム

総合系は特に大手であるアクセンチュアを筆頭に、積極的に人材を確保しています。プロジェクト範囲が広いことと、近年の働き方改革の潮流でコンサルタント一人当たりの労働量を抑制する流れを背景に、人材不足が常態化しているのです。

総合系の場合は、インダストリー系の組織で入るか、ソリューション系の組織で入るかが重要な検討ポイントです。

ソリューション系についてはM&AやIT・デジタルを始め特定のプロジェクト課題に強みを持って入れば有利です。そういった専門性を持っていない場合は、現職の企業が属する業界に親和性のあるインダストリーチームにチャレンジすると良いでしょうか。

ただし、総合系の場合は入った後のことまで留意しておくことが大切です。プロジェクトの領域が広いため、知見のある産業といっても思わぬ分野のプロジェクトに参画させられて、入社後にうまくバリューを発揮できない方もいます。

志望する際には、採用後に参画したいプロジェクトまでイメージしながら臨むことが望ましいと言えるでしょう。

採用プロセスは一般的な面接数回+ケース面接となることがやはり多いですが、ケース面接の難易度は戦略系より低い傾向。一人で考えたケースに対する解決内容の質だけでなく、その後の面接官とのフィードバックやディスカッションも採否に影響を与える場合もあります。

監査法人アドバイザリー(Big4)

監査法人系も採用の潮流としては総合系に近い状況で、幅広い人がチャレンジ可能な状況です。やはり、知見のあるインダストリーでチャレンジするか、特定のソリューションでチャレンジするかを自分なりに考えておくことが重要です。

採用プロセスについても総合系とはあまり変わらないものの、監査法人系とあって公認会計士はポジティブに働く傾向にあります。

IT系コンサルティングファーム

IT系についてはIT周りの業務経験者が有利であることは間違いありません。SE経験者は特に有利ですが、そこまでいかなくとも、企業内でシステムに関わる業務をおこなった経験などがあるのが望ましいでしょう。

一方で、IT関連のテストなどを課すファームはあまり多くなく、面接における過去のIT関連のプロジェクトや業務経験に関するヒアリングが中心です。

プログラミングなどの技術よりも、過去のITで解決可能な課題に対してどのように考え、行動したかを重視する傾向にあります。

参考記事:【保存版】エンジニア(SE)からコンサルタントに転職・活躍するまでのAtoZ
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2018/0227/se_cous.html

財務・M&Aアドバイザリー

財務アドバイザリーでは、財務関連の知見がある方がやはり有利です。公認会計士や企業の財務部門経験者、もしくはM&Aアドバイザリーや投資銀行の経験者などは採用につながりやすいでしょう。

ただし、採用の過程で財務関連の知識などを問う局面はあまりありなく、これまでのキャリアにおける財務関連の知見を聞かれるケースがほとんどです。

またFASは、M&Aの企業価値評価のタイミングなどで極端な激務になるケースが多いため、コンサルタントの中でも、とりわけ長時間労働に対する耐性を確認されることが多いです。

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>プライベートエクイティファンドへのキャリアに関する記事

公認会計士からPEファンドへのキャリアパス【入社前後に役立つスキル・経験】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/accountanttope

FASからPEファンドに転職して活かせるスキル・キャッチアップが必要なスキルとは
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/fas_pe

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コンサルティングファームにより得意とする領域は様々です。自身のこれまでのキャリアを棚卸しした上で、自分の専門性にマッチした領域のコンサルティングファームを選び抜いた上で、チャレンジすることをおすすめします。

いずれにしてもプライベートエクイティファンドに転職する場合は常に学習・インプットして自分のものにしていく姿勢は極めて重要です。

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各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。

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