女性視点でみるITコンサルタントの特徴・働きやすさ・メリット・年収例を解説

career woman

「キャリアを形成しやすい」という理由で、女性に人気が出てきているITコンサルタント。
ITコンサルタントの業務やキャリアに興味を持ったり、エンジニアなどIT業界で働かれている方でITコンサルタントにチャレンジしたいと思ったりしても、ライフワークバランスやライフイベントとの両立について、不安に思う女性の方は多いのではないでしょうか。

そこで、
「具体的にITコンサルタントはどんな仕事をするのか?」
「女性にとっての働きやすさ・ワークライフバランスを保つことはできるのか?」
「女性としてITコンサルタントになるメリットや、年収は?」
といった疑問にお答えしていきます。

自らも未経験から大手総合コンサルティングファームへ転職し、コンサルティングファームで育休・産休を取得して時短勤務で復職。

その後コンサルティングファームへの転職とポストコンサルの転職を支援するエージェントで勤務した経験を持つ筆者が、女性目線でのITコンサルタントの特徴・働きやすさ・メリットや将来性・年収例について解説します。

【目次】

  1. ITコンサルタントの仕事内容と特徴
  2. 女性にとってのITコンサルタントの働きやすさやワークライフバランス
  3. 女性がITコンサルタントになるメリット・将来性
  4. 女性活躍推進を行うコンサルティングファームの求人例と年収目安

ITコンサルタントの仕事内容と特徴

ITコンサルタントの業務内容

ITコンサルタントの仕事を一言で表すと、ITを活用してクライアント企業の経営課題を解決することです。
その過程で、クライアントの経営課題と課題の要因を、クライアントへのヒアリングを行いながら調査・分析し、ITやシステムを使ってどう解決できるか、といった戦略を考え、クライアントに提案します。

また提案内容の実行まで行うこともあるため、提案したIT・システムの導入から、実施や実施後のサポートや修繕も含めた課題解決・成果創出まで携わることもあります。

具体的なプロジェクトのテーマとしては、IT戦略の立案・IT関連組織の立上げといった上流工程に関するもの、業務改善のためのITソリューションであるERP・SCMなどのシステムの導入・デリバリーとそのプロジェクトマネジメント、IT関連業務のアウトソースなどが一例です。

ITコンサルタント業務のやりがい・大変なところ

ITコンサルティングのやりがい

最もよく聞くITコンサルタント業務のやりがいは、達成感です。
ITコンサルタントは日常的にクライアントの経営層とコミュニケーションを取りながら、経営課題の解決に向き合い、特定のソリューションに縛られず、クライアントが真に必要としている解決策を提案できます。

提案した内容を実施したことでクライアント企業の業務・業績改善につながれば、クライアントに感謝されることはもちろん、プロモーションやインパクトのあるプロジェクトへのアサインなどにつながり、達成感を感じることができるでしょう。

また、最新の技術・トレンドなどを学ぶことが多いこともやりがいと言えます。
クライアントへの提案の過程で、最新のIT技術や技術トレンドなどを学んでおく必要があるため、日々ビジネスやIT技術について学び、知見をアップデートしながら、専門性やスキルを磨き続けることができるため、自分自身の成長を実感することができます。

最後に、ITコンサルタントの年収の高さもやりがいに直結するでしょう。
経済産業省が発表した「我が国におけるIT人材の動向」によると、ITコンサルタントの給与水準は1,150万円を超えています。全てのIT関連職種の中で最も高い金額であり、一般的な給与水準でも上位に入ります。

ITコンサルティングの大変なところ

やりがいでお伝えした内容の裏返しにはなりますが、企業の経営層とコミュニケーションを取りながら、経営課題に向き合うこと・期限までにアウトプットを出すことに対する責任感やプレッシャーは避けられません。

かつ提案の過程で必要となる、最新の高度なIT技術に関する知識を身につけなければならないため、日々インプットの時間を取ることに負担を感じる方もいるかと思います。
またプロジェクトの繁忙期や提案の前などは忙しくなり、ある程度の残業・ハードワークも伴います。

女性にとってのITコンサルタントの働きやすさやワークライフバランス

ITコンサルタントというと、SEの方であれば最終的なキャリアとして目指す方も多いかと思いますが、多くの方は忙しくて残業が多く、実力主義でハードワークなイメージを持たれているのではないでしょうか。
特に女性や、ライフイベントを大切にしながら働きたい方は「実際の働き方はどうなのか」と不安に感じるかと思いますので、ITコンサルタントの働きやすさについて説明します。

組織文化・風土を含む労働環境

働き方に関する様々な取り組みによる労働時間の削減

以前は非常に残業が多く、かなりハードワークだったコンサルティング業界ですが、多くのコンサルティングファームが女性の積極採用や長期での活躍を推進しており、それに伴う抜本的な働き方改革といった取り組みを行い、労働環境は変化しています。

結果、ワーキングマザーが働きたい企業ランキングにランクインしたり、女性活躍推進企業認定(厚生労働省)を受けたり、女性の退職率や管理職比率などが大幅に改善したりといったファームが増えてきています。

具体的には、残業時間をシビアにモニタリングし、残業時間の上限を設け、マネージャー未満のメンバーの残業時間が大幅に減っているファームが複数あります。
隠れ残業などを強要する上司がいれば、匿名性の組織サーベイやホットラインですぐにエスカレーションされ、厳しく処分する仕組みを取る大手コンサルティングファームもあり、本気度が伺えます。

性別に左右されないフェアな評価

実力主義のイメージがある通り、コンサルタントの評価に性別・国籍などは一切反映されず、プロジェクトのパフォーマンスやアウトプットの質によって評価が決まります。

従事したプロジェクトでパフォーマンスを発揮できれば、例えば20代であっても、女性であっても、時短勤務であっても、正当な評価を得ることができ、プロモーションも可能です。

裏返しにはなりますが、女性という理由で優遇される・評価が甘くなることもないため、周囲の男性たち同様にプロジェクトやパフォーマンスにコミットする時期・場面も必要になります。

キャリアや働き方を支える仕組み・制度

柔軟な勤務体系

コンサルティングファームにおける勤務体系は事業会社との違いが大きく、メリハリがある、かつ柔軟な勤務が可能です。

基本的にコンサルタントはプロジェクト単位での勤務になるため、忙しさに波があります。
具体的には、プロジェクトにアサインされている期間と、プロジェクトにアサインされていないアベイラブルと言われる時期が交互に発生し、プロジェクトの繫忙期は残業も増えハードな働き方をする場合もありますが、プロジェクトにアサインされていない時期はまとまった休暇を取ることが可能です。

例えば戦略コンサルティングファームのマッキンゼーでは、有給休暇以外に、プロジェクトにアサインされていない時期に数週間の休暇が取得できる制度もあります。

加えて、IT業界はリモートワークが元々浸透していた業界であり、現在も希望の働き方にあわせて出社を調整できる企業や、フルフレックス・フルリモート勤務が前提の企業も多くあります。

長期育成を前提としたトレーニング

コンサルティングファームの商材は、クライアントの課題解決ができるコンサルタント、つまり人材です。

そのため、多くのコンサルティングファームが人材の育成に力を入れ、長い間働けるように様々なトレーニング・福利厚生・制度を用意し、所属するコンサルタントのキャリア開発をサポートしています。

例えば、中途入社であっても新入社員には1か月間のトレーニングを行ったり、階層別・テーマ別の教育を充実させたり、部門ごとのトレーニングを行ったり、メンター制度を設けたりなど、様々な取り組みがあります。

特にグローバル展開を行うコンサルティングファームでは、他地域が主催するトレーニングや、海外でのトレーニングに参加する機会まであります。

ライフイベントを迎えたときのワークライフバランス

前述の通り、プロジェクトの繁忙期には忙しくなり、プロジェクトにアサインされていない時期は休暇を取ることもできる、メリハリある働き方が可能なITコンサルタントですが、ライフイベントを迎えた際のワークライフバランスの点でも、柔軟な勤務が可能です。

例えば育児や介護の関係で時短勤務が必要な場合も、勤務時間や週3日勤務など勤務日数を選ぶことができるといったように、個人の状況にあわせて調整することができる企業が多いです。

時短中であってもプロジェクトにアサインされるため、例えばクライアントからの急な要望に対応する役割ではなく、日程調整などのサポート業務やリサーチなどを中心に行う役割にしてもらうなど、業務内容でも配慮してもらうことも多々あります。

仕事と生活を両立させるためのポイント

ITコンサルタントとしての仕事と生活をうまく両立するためのポイントは、できることとできないことを明確にすること・助けを求めることです。

例えば子育てや介護で夜の時間の稼働は難しい場合、「PCを開けないため18時以降の対応はできないが、日中の打ち合わせの資料作成・ファシリテーター・顧客対応は可能」と言ったように、どのような状況で・何はできて・何ができないかをセットで伝えると、周囲もどのように関与したらいいかが分かります。

その上で何か困難に直面したときは「何ができなくて困っているか」を素直に周囲に伝え、助けを求めることが重要です。
コンサルタントはクライアントとの対話のプロであり、その仕事は課題解決です。

社内のメンバーであっても、どのように現在の問題を解決できるか、一緒に考えてサポートしてくれる上司・同僚は多いはずですので、1人で抱え込まずにSOSを伝えましょう。

女性ならではの特徴を活かせる

女性のITコンサルタントは男性と比較すると少なく、気おくれしそうなイメージを持たれやすいすが、実は女性であることを活かして、価値発揮をすることができます。
具体的な場面を紹介します。

ソフトなコミュニケーション

女性ならではのソフトなコミュニケーション能力を、信頼関係の構築や、クライアントの本音を引き出すことに活かすことができます。

コンサルタントになると、最上位の存在であるクライアント企業の経営層や、現場の管理職と話すことが多くなりますが、クライアント側も大多数が男性ということが多々あります。
コンサルタントに対して構えて接する方も多い中、女性メンバーがコンサルタント側にいると、場の空気が柔らかくなったり、打ち合わせや電話で話す中で、本音を引き出しやすくなったりすることも頻繁に起こります。

男性にはない多様な視点

コンサルティングの対象は企業だけでなく、政府や国際機関などパブリックセクターがクライアントになる案件もあります。

社会課題・SDGsに関する課題解決に従事する際は、女性ならではの経験や視点を活かし、課題の分析や解決策の提示をすることができます。
ITを通じて社会課題を解決したい、という目標を持ち、ITコンサルタントになる女性も多くいます。

女性がITコンサルタントになるメリット・将来性

前述の通り、クライアントへの多角的な提案や支援を期待し、現在各コンサルティングファームは女性の積極採用と育成を進めています。

特に未経験からITコンサルタントになる方にとっては、採用後に様々なトレーニングを受けることができるため、状況としてはまたとないチャンスと言えます。

ITコンサルタントというキャリアを選択することで得られるスキル・専門性などを活かし、自由度の高い働き方・次のキャリアの選択肢を獲得できます。
詳しく見ていきましょう。

どこでも活躍できるポータブルスキルが身につく

専門性を自分の意志で選ぶことができず、また年功序列の風土がある大企業での1年と、ITコンサルタントとして経験する1年では、得られる経験・スキルが大きく異なります。
ITコンサルタントを経験すると、下記で解説するどこでも活躍できるポータブルスキルが身につくため、様々な業界の企業の経営幹部や次世代リーダーとして、入社を切望されるでしょう。
ポータブルスキルを具体的に解説します。

問題解決力

ITコンサルタントを含む全てのコンサルタントは、日々クライアントである経営層と対話しながら、経営課題の特定・打ち手の検討・実行を行うため、問題解決のプロとして成長できます。
問題解決能力はコンサルタントの代表的かつ汎用的な能力であり、転職市場でも高く評価されるポイントです。

ステークホルダーとの折衝能力

ITコンサルタントになると、経営層から現場レベルまでのクライアントや、他社ベンダーなど様々な関係者を巻き込みながら、プロジェクトを推進することになるため、ステークホルダーとの折衝能力や高いコミュニケーション能力が身につきます。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトを進める過程で、最終成果物から逆算してタスクやリスクを洗い出し、スケジュールに反映して進捗を確認し、遅延・リスクがある場合にはサポートや介入を行いながら、納期に間に合わせるプロジェクトマネジメントスキルを身に着けることができます。
プロジェクトマネジメントスキルは、コンサルティングファーム内はもちろん、事業会社においても非常に重宝される汎用性の高いスキルです。

未来においても需要が高いITの専門性が身に着く

現代において、企業経営にITやDXは欠かせないものとなっており、今後もIT人材の需要は続くと考えられます。
ITコンサルタント業務を通じて、IT技術に関する様々な業務に関わり、幅広く高度な知識・専門性を身につけられれば、転職市場でも引く手あまたと言える人材になります。

自由度の高い働き方ができる

上記のスキル・専門性を得ている方であれば、柔軟な勤務体系を取り入れている企業への就職や、所属企業において事情に配慮した働き方を検討してもらえる可能性が高まります。
またITコンサルタントの方で、時短勤務をしながら年収アップや昇格したり、より働きやすい企業へ年収を維持しながら転職したりするケースも見られます。
またフリーランスでITコンサルタント業務を行うことも可能で、年収1,000万円を超える方も多くいます。

産休・育休・時短勤務などを取得しやすい

業務のほとんどがプロジェクトベースになるため、産休・育休を取得した後の復帰も、そのタイミングで発生したプロジェクトへのアサインを検討するだけの場合が多く、復帰のハードルが事業会社よりも低いと言えます。
ブランクから復帰した後に、技術に関する勉強は必要になるかと思いますが、プロジェクトマネジメントなどの汎用的なスキルは変わらないため、復帰後の活躍も期待できます。

高い年収を維持することができる

ITコンサルタントは一般的に、高い年収を得ることが可能です。
上記の汎用性の高いスキル・高度なITに関する専門性を身に着けることができれば、その後事業会社などに転職することがあっても、転職市場における評価・ニーズが高いため、高い年収を維持することができるでしょう。

女性活躍推進を行うコンサルティングファームの求人例と年収目安

総合コンサルティングファームのITコンサルタントの求人例と年収

ITコンサルタント未経験でも応募可能な求人が多数存在します。
IT関連のプロジェクト管理経験が必要な求人や、IT関連の経験も不問で、クライアントの業界経験(例えば金融業界の主要業務の経験や業務プロセス理解)があれば申込可能な求人もあります。

コンサル未経験者がなることが多い役職の給与の例は以下です。

・アナリスト:500~700万円
・コンサルタント:700~900万円

ここから具体的な求人を紹介します。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

企業・官公庁のリスク管理の高度化・効率化を支援するITリスク戦略コンサルタントの求人を紹介します。
具体的には、事業戦略に伴うリスク対応戦略立案・実行支援や、国内外のプロジェクトのリスクマネジメントを支援する求人です。
エンジニアや、IT関連のプロジェクト管理をした経験が必要になりますが、コンサルティング経験は不要で、年収は600~1,500万円とかなり高額です。

IT専門コンサルティングファームの求人例と年収

総合コンサルティングファームと同様、ITコンサルタント未経験でも応募可能な求人は多く、キャリアチェンジ・第2新卒歓迎の企業も多くあります。
コンサル未経験者がなることが多い役職の給与の例は以下です。

・アナリスト:450~650万円
・コンサルタント:650~800万円

具体的な求人を紹介します。

フューチャー株式会社

クライアント企業の将来予測を行い、ITを活用した最適解の実現の支援を行う求人を紹介します。
ゴールと進め方の定義、プロジェクトのリーディングや管理、要件定義から設計、開発・テスト・導入までのチームリードといった業務に従事します。
自分自身で実装経験があり、コンサルタントとしてキャリアを築きたい方は応募が可能で、年収は550~1,500万円と、総合コンサルティングファームに引けを取らない年収が期待できます。

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

「18時退社」でコンサルファームへ転職。限られた時間内でもパフォーマンスする女性のキャリア事例
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/womenscareerasconsultants

【AXIS女性キャリアアドバイザー鼎談】 「女性コンサルタント」の活躍事例とその背景、ファーム内の取り組みについて
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/fccase

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今回の記事では、女性視点でのITコンサルタントの特徴・働きやすさ・メリット・年収例についてお伝えしました。

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