関西コンサルファームでキャリアアップするという選択肢－採用実情と転職・キャリアパス事例まとめ

関西ではマッキンゼーが2018年に関西へ進出するなど、『ファーム関西拠点』の立ち上げが活況を迎えています。 一口にファームと言っても、東京と関西とではそれぞれフェーズが異なることから違ったスキルが求められ採用の基準も変わってきます。 また、その後のキャリアパスも東京とは異なり、関西での経験を利用してキャリアアップのチャンスを掴む方も増えてきました。

そこで今回のコラムでは、実際の事例とともに「関西拠点における採用およびキャリアの実情」についてご紹介します。

【目次】

1. シニアコンサルタント・2次受けSIer→関西にてマネージャーで採用
2. マネージャー1年目→関西にてシニアマネージャーで採用
3. ファーム未経験・東京のファームで見送り→大手ファーム関西拠点にて採用
4. 関西にてマネージャーで採用→東京にタイトル・年収で異動
5. （ご参考）ファーム→関西事業会社DX推進ポジション
6. 「今から2～3年」が関西にチャレンジする一つの目安か

シニアコンサルタント・2次受けSIer→関西にてマネージャーで採用

事例1：33歳 2次受けSIer（PM）⇒大手外資IT系ファーム関西拠点のマネージャー

事例2：32歳 大手外資系ファーム （シニアコンサルタント、セリングの実績もあり）⇒大手外資系ファーム関西拠点のマネージャー

関西拠点は立ち上げ期のため、事業会社出身の未経験層を採用しているケースも多く、現状はチームリードなど少数でもマネジメントができる方を求めています。
そのため、上記のように2次受けSIerのPMなど東京ではシニアコンサルタントクラスで採用される経歴の方でも、関西ではケイパビリティとセリング経験があればマネージャーとして採用されるケースもあります。

また、老朽化した基幹システムの大規模リプレイスなどITベンダー的な要素も求められるため、特に開発におけるPMなどの経験者を重用するファームが多いようです。

実際に、IT系のファームであればエンジニアのPMで50代の方もマネージャーとしての採用実績があるとのことです。 （マネージャー候補としてシニアコンサルタント枠で採用され、半年～1年など様子を見てからプロモーションするケースもあります。）

注意点としては、当然のことながらマネージャーとしてのロールやKPIは東京と変わらないケースが多いため、現状の経歴で入社できたとしてもその後のキャッチアップに時間や労力がかかる点と言えるでしょうか。 どのファームでもマネジメント・セリングスキルは必ず求められますので、予め経験を積んでおくことをおすすめします。

マネージャー1年目→関西にてシニアマネージャーで採用

事例1：40代前半男性：大手日系ファームにて、金融系会社を中心にデジタル化の企画／構想・立案から現場（ユーザ部門）でのPJ 推進に従事（年収1,400万円）
⇒大手外資系ファーム関西拠点にて製造部門のシニアマネージャー（年収1,600万円）

事例2：30代後半男性：大手外資系ファームにて、製造部門（グローバルPJ推進）のマネージャー（1,200万円）
⇒大手外資系ファーム関西拠点の製造部門シニアマネージャー（年収1,500万円）

上記と同様の理由で、マネージャーからシニアマネージャーというタイトルアップの事例も存在します。

ただし、「関東に比べて関西はお金に対してよりシビアで、ファームの存在意義も浸透していないため、セリングにおけるファーストコンタクトが東京よりも難しい」というパートナーからの声もよく聞かれます。

SIerからマネージャー枠に転職される方や、マネージャーからタイトルアップして入社される方は、共通してセリング・リレーションのスキルが高い、もしくはすでに関西でクライアントを持っているといったケースが多いようです。

ファーム未経験・東京のファームで見送り→大手ファーム関西拠点にて採用

事例１：文系出身の24歳生命保険会社の社内SE、ただし1年目のため実際には議事録作成や雑務がメイン（年収400万円）
⇒大手外資系ファーム関西拠点のIT戦略の立案などを手掛けるIT部門のテクノロジーコンサルタント（550万円）

事例２：25歳2次受けエンジニア（年収350万）
⇒大手ファーム関西拠点のコンサルタント（年収500万）

上記のようにアグレッシブな採用は未経験や若手クラスでも同様であり、東京では中～小規模ファームの書類選考や一次面接で見送られた方も、経験や状況次第では大手ファームから内定を獲得するといった事例も出ています。

大手ファームの採用担当者に「業界・業務知見はあるがIT経験がないという方も採用対象に入っているか」とお聞きしたところ、「そのような方も採用ターゲットとして見ている」とのご回答をいただきました。
採用後は「新人トレーニングを中途入社者も実施するようにテコ入れしている」とのことです。

ただし、求められるレベル感が下がるわけではなく、立ち上げ期特有のタフさも求められるため、入社後に相応の努力が求められます。また、新人トレーニング事情はファーム毎に大きく異なり、「未経験やジュニア層を育てる余力はない」という企業もあるため、事前にファームの体制などをチェックして判断することをおすすめします。

関西にてマネージャーで採用→東京にタイトル・年収で異動

事例：30代後半の男性 SIer（PMなど）
⇒大手外資系ファーム関西（マネージャー採用）
⇒同ファームの東京拠点（年収・タイトル共にスライド）

上記の方は、同等のファームで東京本社採用において年齢等を理由に見送られたものの、関西出身であることから関西で大手ファームの採用を受け見事マネージャーで採用。その後、関西拠点で高い実績を残したことで、東京の拠点に異動願いを出して受理され現在もご活躍されています。

特に関西のクライアントはファーム利用やコンサルティング自体を導入したことのないケースも多く、新規のクライアント開拓が難しいという声はファーム規模に関わらずよく耳にします。
「セリング力が試される関西で鍛えられたことで、東京でもセリング・リレーションでは苦労しなくなった」とセリングやリレーションスキルが上がったと実感されている方も多いようです。
そのため、マネージャー以上の方なら「キャリア戦略上、関西で早期昇格・昇給をして後に東京に戻る」という選択肢があり得ます。

ただし、関西のクライアントは関西拠点にいるマネージャーが引き継ぐケースもあり、場合によっては、異動後に東京で新しくクライアントを開拓するといった挙動が必要になることもあります。

（ご参考）ファーム→関西事業会社DX推進ポジション

事例１：監査法人⇒IT系ファーム（年収700万円）
⇒関西に本社を置く大手メーカーのビジネスプロセス革新部門（グループ全体に対して情報を活用した業務プロセス改革を推進）（年収1,000万円）

事例２：大手外資系ファーム（パートナー） 年収2,500万円
⇒関西製造系メーカーの社内コンサルポジション（マネージャー）年収2,000万円

上記は東京ではあまり考えられないオファー内容ですが、こういった事例は関西でよく見られます。 背景としては、関西の事業会社でも社内のデジタル推進を加速するためコンサルタントの採用に少しずつ力を入れ始めていることが挙げられます。

実際にパートナーからの意見として、「関西企業は人手不足に起因してシステム化や各種高度化が進んでいない。フリーランス含め、コンサルの潜在的なニーズは東京より高い」という声もあります。

「今から2～3年」が関西にチャレンジする一つの目安か

上記でご紹介した事例は、各ファームが続々と拠点を立ち上げ成長フェーズを迎えている現在の関西だからこそ得られる選択肢です。

冒頭でもお伝えしたようにマッキンゼーが関西に進出したのも2018年であり、まだまだフェーズとしては「立ち上げ期」ではあるものの、徐々にメンバークラスの採用は整ってきています。2019年現在はメンバークラスを育成するマネージャークラスの採用熱が高まっており、採用課題としては東京と近しい状況になりつつあります。

そのため、「これから2～3年」が一つの目安になるでしょうか。その後はまた違った環境になり、採用ニーズやそこからのキャリアも変わることが予想されます。
ぜひ時宜を見つつ最適なキャリアアップのタイミングをご判断ください。

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今回の記事では、関西コンサルファームでキャリアアップするという選択肢－採用実情と転職・キャリアパス事例まとめについてお伝えしました。

キャリアでお悩みの方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。