【目次】
「追加で役員を募集」の背景にはその企業の課題が集約されている
前回の記事でお伝えした通り、ベンチャーでは「いきなり役職付き」では採用しないのが定説とされています。
(参考) 「いきなり役員」でアーリーベンチャーに入社する際の注意点
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/startupv
しかしながら、ベンチャーでは時に重要なポジションを追加募集するケースがあります。CFOなど役割や目的がはっきりしている役職は別としても、それ以外の場合には募集の背景にその企業の課題が集約されているケースが多くあります。今回は、役員を募集するベンチャーのよくある内情とその対策をご紹介します。
例1)社長が一本足打法で頑張ってきたが、会社が成長して限界を迎えた
こちらの例はちょうど50名前後のベンチャーによくあるケースでしょうか。
- 社長がスーパープレイヤー的に頑張ってきたが、一本足打法だとそろそろ頭打ちになってきた
- 現場は現場で頑張っているが、マネジメントは育っておらず、役員に上げるには厳しい
- 社長と現場のレベル感の差が広がってしまっている
「とにかく、社長の時間が足りない」「社長の時間をもっと未来に使えるように現状の仕事をどんどん引き継ぎたいが社内に適任者がいない」というニーズもこれに近いでしょうか。
例2)会社のフェーズが変わり、前任者がフィットしなくなった
こちらも上記と同じ、成長痛の部類と言えるでしょう。
会社のフェーズによって、内部にいる人材に求められる役回りも大きく変わります。ご存知の通り、立ち上げフェーズではなんでもできるユーティリティプレイヤーが重宝されますが、次第に専門化していくというのはよくある話です。
創業期にジョインして取締役として頑張っていた方が、会社の成長につれてフィットしなくなり他の役職に回る、場合によっては退職する、というケースもあり得ます。
例3)共同創業者(or役員)と揉めて、経営層が離散してしまった
様々な定説がありますが、スタートアップは一般的にチームで始めることが推奨されています。
例えば、会社を始めたときには共同創業者が3人にいたが、次第に反りが合わなくなり離散してしまったためメンバーを補充したい、というケースがあります。
役員クラスの退職ですから、単純な前任者の退職よりも何らかの理由があることが多いと言えるでしょうか。
例4)「現状を打破する何かをもたらしてくれる」”スーパーマン”ニーズ
組織が大きくなるにつれて社内の課題も絡み合って複雑になりやすく、解決しようにも「今のままだとよくないのは分かっているのだが、何をしたらいいか分からない」という壁に当たるベンチャー企業は少なくありません。
「何が課題か分からないので、このよく分からない状況をすべていい感じに解決してくれる人(スーパーマン)を呼びたい」というケースもあります。
求める人材の要件定義をいろいろ足していったら、それを満たす人は役員クラスもしくは、スーパーマンになってしまった、というケースも一定数あり得ます。
本来なら、一人の人材で解決するというよりも、数人で役割分担をする方がいい問題のケースも一定数存在します。採用の背景をよくよく確認いただくことをおすすめいたします。
「募集背景や求められている役割」について事前によくご確認を
これは転職全般に言えることですが、特に、役員の職務内容は特に抽象度が高くなりがちで、そこには上記のようにそれ相応の重さがあるケースが多く存在します。
抽象的な職務内容は、期待値のズレに直結します。募集している背景や、入社後の自分に求められている役割については、入社前に事前に相談いただくことをおすすめいたします。
「自分にはどこまで権限が与えられるのか」も要確認
上記のように、組織に何らかの課題があるため採用されるわけですが、その課題を解決するためには既存のやり方を大きく変えたり組織を変更したりするなど、大鉈を振るう必要があるケースも多く存在します。
そのような際には、
- どこまでが自分の責任範囲なのか?
- 自分はどこまで権限を与えられるか?
- どこまでの変更が許容されるのか?
を事前に確認して握っておくとスムーズです。
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今回の記事では、「追加で役員を募集する」アーリーベンチャーのよくある内情と対策をご紹介しました。
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