コンサルタントに限らず、キャリアパスの大きな分かれ道を迎えるのがおよそ30歳前後とされています。
一方で、大学院への進学や、海外留学を経験し20代半ば~後半で新卒としてファームへ就職する方も多くいらっしゃいます。このような場合、例えば27歳で新卒入社したとすると、社会人経験3年と短いスパンで30歳というキャリアの分岐点を迎えることになります
弊社でも、上記に該当する経歴の方から、事業会社への転職のご相談を受けることがしばしばです。
今回は、転換期の決断をスムーズに行うための、「事業会社に転職するために押さえておくべき知識」、また「持つべきマインド」についてお伝えします。
【目次】
よくある見送り理由:「業界の知見が足りない」「年齢が高い」
30歳近いデリバリークラスのコンサルタントが事業会社の中途採用で見送られる理由としては、
「業界の知見が足りない」
「年齢が高い」
という理由が大多数となります。
「業界の知見が足りない」
就職して数年しか経たない20代半ば~後半に見られるこのような方は、プールにいることが多く特定の業界の知見がまだ身に付いていないため、基本的なデリバリースキルに留まるケースが大半です。
業界・プロダクトへの理解が求められる事業会社への転職では苦戦するケースと言えます。
「年齢が高い」
30代に近づくほど第二新卒やポテンシャル枠に対しては年齢が高くなってしまうため、事業会社ではこの枠で採用されることも稀になってきます。
年齢に関してはどうしようもないことですが、事業会社はある程度の勤続スパンを見越して教育や昇進サイクルの想定をしているため、能力があっても年齢がボトルネックになってしまう場合があるのも事実です。
デリバリースキルをアピールできるポジションを目指す
一般に30歳前後から、ポテンシャルよりも「前職の経験」を求められる比率が高まるのはどこの業界も同じと言えます。そこで、コンサルタント経験で得られるスキルがそのまま使えるポジションを目指すのがおすすめの転職ルートです。
例えば、他ファームはもちろん、事業会社では『社内コンサル』などがこれにあたります。
実際の求人に求められる要件として、「業界経験は尚可」などとされており、
高い論理的思考/業務分析スキル/システム理解/関係者間コミュニケーション/プロジェクトマネジメントスキル
などが重視されているものが狙い目でしょうか。
また、経営者がファーム出身だったり、すでに社内コンサルが高い実績を残している会社もあり、採用段階で経歴が評価されやすいこともあります。そのような企業も有力な候補となります。
プロダクト・会社理念への理解をアピールする
事業会社で転職するためには、業界の理解や前職のスキルも大切ですが、プロダクトへの理解、会社の理念への共感を何よりも重視する企業も多くあります。下記の記事もその一例です。
例:メルペイ社 高橋様インタビュー
「100%企業理念に賛同頂ける方を我々としては強く求めます」
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/merpay
面接では過去の経験だけでなく、会社の理念に共感した経緯や、プロダクトへの愛について熱意を持って伝えることも大切です。
企業理解のために、HPの熟読や、例えば大手ECサイト運営会社ならプロダクトを実際に使用するなどの具体的な行動は必ずした方が良いと言えるでしょう。
大学での実績や英語力も武器になり得る
さらに、大学で高い研究実績を残した方は、事業会社のR&D部門やシンクタンクの研究職、また留学経験のある方は高い英語力が求められるポジションで採用されることもあります。
活用していなかった過去の経験に光が当たることもあり、昔取った杵柄とするには惜しいような実績や技能に関しては、転職を希望する企業と相性の良いものがないか精査しておくと良いでしょう。
ご参考:「年収は下がる」ことも
コンサルティング業界ともなると、30歳前後・社会人経験3年でも外資系総合ファームなら年収600~700万円にもなる給与水準です。
事業会社では多くの場合、入社からの勤続年数が年収の指標になるので、年収は50万円から多くて200万円は下がりやすいと考えられます。
例:外資系総合ファーム600万円⇒大手メガベンチャー550万円
実際のところ、年収の下がり幅で現職残留を決める方や他ファームへ転職する方も多くいらっしゃるのが現実です。事業会社志望のコンサルタントの方でも、最終的に8割程はファーム残るイメージでしょうか。業界を変えるのであれば、年収ダウンについてはある程度の覚悟は必要と言えます。
もちろん、トレンドや企業毎の旬によって、事業会社によっても同レベルのオファーを出すケースはあります。
事業会社の転職採用に関する詳しい情報についてご興味を持たれた方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
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今回の記事では社歴が浅い30歳前後のコンサルタント向けに、転換期の決断をスムーズに行うための、「事業会社に転職するために押さえておくべき知識」、また「持つべきマインド」についてご紹介しました。
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