顧客戦略の策定から、顧客接点業務の改革、さらにはシステムソリューション開発・導入・定着化、チェンジマネジメントまで、一貫したCRM領域のコンサルティングサービスを提供しているアビームコンサルティングCRMセクター。
今回は、海外進出を目指すクライアントとのお取引が多く、直近でグローバルプロジェクトの比率も高まっている同セクターのシニアマネージャーの根本洋介様・シニアコンサルタントの齋田彰様に、日系ファームであるアビームを選ばれた理由や、グローバルPJに関わる魅力などについて、アクシスコンサルティングの福原、江口が伺いました。
海外大学出身・米国生まれのお二人がアビームに入社した経緯
江口
まず、初めに根本様と齋田様のご経歴を簡単にお伺いしてもよろしいでしょうか。
根本様
アメリカの大学を卒業して、2005年に新卒でアビームに入社しました。2010年までの5年間は国内におりCRMの中でもアフターサービスの専門性を磨いてきました。
2010年から2013年までは、SAPシステムを活用したアフターサービス領域のテンプレートをつくり、南アジア、アメリカを含めた国内外のクライアントに対して導入する、所謂グローバルテンプレートのロールアウトプロジェクトを行っていました。
2014年から出向したアビームUSでは、セールスからデリバリー、請求処理まで自分自身で一通り行うため、様々なフェーズの経験が積めました。US在籍時にはロールアウトの仕事が多く、中南米のメキシコ・コロンビア・ブラジルに2年ほど行き来する生活もしていました。
そして駐在期間が2019年に終わり、現在は日本でシニアマネージャーとしてメンバーやプロジェクトのマネジメントをしています。
シニアマネージャー 根本洋介様
齋田様
私は新卒でITコンサルティング会社に就職し、会計系のERPパッケージ導入コンサルタントとして働いていました。約2年間働いた後に、外資系アパレル企業に転職しました。ビジネスアナリストとして約3年半、会計、流通、BI、ECに関するシステム導入と運用をサポートしてきました。
そこからアビームに転職し、前職のシステム導入とERPコンサル経験が活かせることからCRMセクターに配属されました。
入社後は主にSalesforce導入支援プロジェクトに関わっております。具体的には、日系企業のグローバルロールアウト案件で、ドイツやアメリカにおいて導入支援を行ってきました。また、直近では医療機器メーカーにおける日本のエンハンスプロジェクトにも参加しております。
シニアコンサルタント 齋田彰様
江口
ありがとうございます。根本様は海外の大学に進まれ、齋田様はアメリカのダラス出身ということですが、なぜ日系のアビームコンサルティング社を選ばれたのでしょうか。
根本様
アメリカの大学ではMIS(Management Information System)を専攻しており、ITを使った業務改革の可能性に魅了されIT業界に興味を持ちました。また、ベンダーよりもコンサルの方が様々なソリューションを組み合わせてクライアントに最適な価値を提供できるため、コンサルティングファームを志望するようになりました。
その中でも、特に日本の大手クライアントから信頼が高く、日本社会の改革という大きな目標を追えることからアビームを選びました。
江口
齋田様はいかがでしょうか。
齋田様
前職のビジネスアナリストはクライアントの考え方、やり方に合わせて進める必要がありながら、外資系ということもあり、自分の裁量やソリューションの範囲が狭いというジレンマを抱えていました。
そこで、ルーティーン的な作業ではなく、クライアントに最適なソリューションを提案し、次々と新しいプロジェクトで自分自身もチャレンジできるコンサルティングファームを志しました。
今までの海外経験を活かし、日系企業のグローバル化を支援することで、大手日系企業だけではなく、日本社会のグローバル化に少しでも貢献できると思いアビームに転職しました。
日系ファームのアビームだからこそ、海外案件のリード経験が積みやすい
江口
根本様にお伺いしたいのですが、初めからアフターサービスの専門性一本でキャリアパスを築く方法もあるかと思います。ただ、根本様の場合は、そのコアスキルを生かして海外プロジェクトなど幅広い経験を積まれ、現在はシニアマネージャーまでプロモーションされました。振り返っていただいて、海外に出たことでどう成長できたのでしょうか。
根本様
弊社は米国においての規模は現地のコンサルティングファームと比較すると小さいこともあり、セールス・デリバリーではソリューションに捉われず幅広い案件に対応することを求められました。その為、幅の広い提案能力や、海外でのセールス経験を積めたのは今思うと非常に有意義だったと思います。
また、外資系のコンサルティングファームですと海外案件は現地拠点だけで回すので、日本人が出張し、案件をリードできる場は非常に少ないようです。その分、キャリアパス面でも海外案件のリードが積めるアビームは非常に有意義な環境があると思います。
多国籍メンバーゆえに文化的バックグラウンドへの理解が求められる
福原
グローバルプロジェクトに関わる難しさについても教えていただけますか。
齋田様
日系コンサルティングファームのグローバルプロジェクトと言っても、企業の進出先は中国、南米、インドなど多様化しています。その為、プロジェクトチームにも各国の多種多様なメンバーがいます。言葉一つとっても皆が同じ理解をすることはありません。そのため、英語を話せればそれで良い、また日本のやり方が優位性を持っているというわけではありません。グローバルプロジェクトに関わったからには、文化観を含めたメンバーのバックグラウンドへの理解が求められます。
プロジェクトの内容が例えばオフショアのマネジメントであれば、ある程度方向性が決まっている中での管理のため難易度は変わりますが、そもそもコンサルティングは要件そのものを詰めなければいけないフェーズから関わるので、そこで言語や文化や商習慣の壁が出てきます。そういう、多国籍ゆえの難しさは日系コンサルティングファームといえども常に感じますね。
福原
グローバルプロジェクトに関わる上で、気を付けていることなどはありますか。
齋田様
グローバルプロジェクトの「架け橋」を意識しています。単純に日本本社で決まったことをそのまま海外の子会社に投げるのではなく、例えば営業プロセスやシステムをグローバルで標準化する際にも、日本本社の方法が完全に正しいと押し通すのではなく、海外子会社の意見も聞き、逆に日本本社に対して現地の方法、考え方等コンサルタントとしての意見を伝えることもあります。私を介在して両者がコミュニケーション取り、改善点を見つけていくことが求められます。
福原
よく、英語力といったスキル以外にも、グローバルプロジェクトで海外出張が頻発する場合はタフさ(ストレス耐性)も重要という話もよくお聞きします。グローバルプロジェクトにおいて苦労されたことなどありますか。
根本様
海外ではコンサルタントはビジネストリップが必須であるという考えが浸透しており、実際にアメリカでは毎週飛行機に乗ってニューヨーク、次の週は西海岸など、移動に使う時間が非常に多いです。日本は特殊で、クライアントの本社も東京一極のケースが多いので最初は移動時間で消耗されることが多いですね。
齋田様
日本のテレカンベースでプロジェクトを進める時も大変です。時差があるため、朝早く米国とテレカンをして、昼頃からインドの拠点メンバーとのテレカンが始まり、夜になるとまたアメリカの拠点メンバーが出勤して、夜の10時11時からテレカンになるケースがあります。可能な限り日本側でスケジュールをコントロールしますが、調整能力が求められます。
福原
根本様がグローバルプロジェクトに長く携われた理由についても教えていただけますか。
根本様
私の場合、入社後5年間は日本国内のプロジェクトが中心でしたが、先ほど申し上げたアフターサービスというコアスキルができたことで、海外プロジェクトに参加できるチャンスが多くなりました。グローバルプロジェクトは案件の難易度も高く、日本よりも少数精鋭であり、コアスキルの秀でたメンバーが揃う印象はあります。
福原
その他に、明確に海外プロジェクトに参加する基準などがあるのでしょうか。
根本様
明記されたアサイン基準はありません。とはいえ、基本的な条件として、英語の勉強を常にしているかといった姿勢は見ています。 また、アサインメントを選ぶ時にも、海外に駐在したい意志が強いメンバーを選ぶことが多いです。実際に、今私がリードしている化学薬品のグローバルプロジェクトでは、新卒2~3年目のメンバーが2人います。1人は海外プロジェクトの経験はなかったものの、面談でやる気が伝わり、このプロジェクトにアサインしました。
CRMセクターにおけるグローバルプロジェクト比率は30~40%
江口
次に、CRMセクター全体の話に移ります。同セクターにおけるグローバルプロジェクトの割合について教えていただけますか。
根本様
まず、「グローバルプロジェクト」の割合は年々日本企業の海外マーケットへの進出に伴い増えています。現状は30~40%ぐらいですが、今後さらに増えることが見込まれます。
江口
実際に、現状関わっているグローバルプロジェクトや、その関わり方についてもお伺いしてもよろしいでしょうか。
根本様
私は今3つのプロジェクトをマネジメントしています。1つ目は米国医療機器メーカー向けに、アメリカからのロードインプロジェクトのエンハンスメントをやっています。
2つ目は、私はシンガポールのクライアント向けに、新しいソリューションの導入を行うプロジェクトです。海外拠点に足りないナレッジを日本ベースで提供しています。
3つ目は海外の子会社等で各々導入されたシステムを2025年までに統合するプロジェクトです。
江口
グローバル案件が増えているということですが、他ファームですと「グローバルプロジェクト」の定義がドキュメンテーションで英語を少し使う、良くてもテレカンに参加できるといったケースが多い印象ですが、アビームにおけるグローバルプロジェクトの内容についてもう少し詳しく教えていただけますか。
根本様
先ほどご紹介したシンガポールのプロジェクトも、私は日本でPMを担当し、若いメンバーがシンガポールに数ヶ月ほど滞在し、ご支援をしています。
また、他コンサルティングファームでは比較的、日本企業がロールアウトする時は現地のメンバーに引き継ぐケースが多いと思います。アビームの場合は日本のメンバーが付いて、現地でも日本のメンバーが駐在して対応するケースが多いです。クライアントからはアビームは日本でプランを立てて、そのメンバーが現地にきちんと説明しに行くなど、非常に心強く、また自分たちの意思も伝えやすいので現地子会社とのやり取りなどもスムーズにできる」という声をよくお聞きします。
積極的に、グローバルPJに対応できる若いメンバーを育てたい
福原
根本様はシニアマネージャーの立場からセクターを見られて、グローバルプロジェクトに対する現状の課題についてどのようにお考えですか。
根本様
今後セクターとして取り組むべきことは、日系企業の海外進出の増加に伴い、若いメンバーを速やかに育てていくことだと思います。そのために、グローバルプロジェクトの経験を積める環境づくりに力を入れていきたいと思います。アビームのメンバーの成長を通してクライアントのグローバルにおけるビジネス成長に繋げたいと思っています。
福原
グローバルで活躍できるメンバーを生み出すための環境や、制度についても教えていただけますか。
根本様
アビームとして若いメンバーを海外で育てるための公募制プログラムGTA(Global Training Assignment)があります。
入社一定年次以降のメンバーが対象で、将来グローバル拠点を担うことを目的とし、実際にグローバルのオフィスに1年間駐在します。アビーム全体では上記の制度がありますが、CRMセクターでも希望者に対してグローバル環境における研修を数週間行う取り組みを実施しています。
福原
齋田様はCRMセクターがグローバルプロジェクトに挑む上での課題感などどのように見られていますか。
齋田様
CRMセクターのグローバルプロジェクトでは、単純にロールアウトを成功させる以上に、グローバルプロジェクトを通して日系企業の有するグローバルへの対応力を改善することが求められています。まだCRM領域の最新情報やスキルにおいてはクライアントのリソースや組織面での課題は大きいと考えています。
そこで、グローバルのCRM領域の知識をセクターのメンバーが率先して学び、一早くクライアントに提供し、クライアントが競合他社より早く、顧客が求めている価値を市場に提供できるように貢献することが求められています。
「日本社会のグローバル化を推進したい」という高い志を持つ方と働きたい
江口
ありがとうございます。最後に、今後CRMセクターでグローバルプロジェクトに関わりたい方向けにメッセージをいただけますでしょうか。
根本様
CRMは幅広い領域ですが、アビームのCRMセクターではマーケティング、営業からアフターサービス支援までカバーできるキャリアを歩むことができます。その上、意欲さえあれば海外プロジェクトにも関わりやすい環境があります。このように、チャレンジの環境がある分、求められるスキルも多いです。この領域全体を網羅するキャリアを築きたい、そのためにチャレンジしたいという方を求めています。
齋田様
アビームは日本企業のグローバルでの成功を通して、日本の全体のグローバル化を推進できるチャンスに溢れています。そのような高い志を持つ方とぜひ一緒に働きたいと思っています。