プライマル株式会社は数百もの新規事業プロジェクトに携わってきた数少ない新規事業の専門家、プロフェッショナル集団です。今回は、同社の代表取締役社長である板倉譲治 様より、同社の魅力をアクシスコンサルティングの洲脇、江口、比留川がお聞きしました。この記事は2018年12月時点のものです。
新規事業立ち上げは「ゴールがわからない状態でスタートするマラソン」である
洲脇
初めに板倉様のご経歴をお聞きしてもよろしいでしょうか。
板倉様
大学卒業後にシステムインテグレーションにエンジニアとして入社しましたが、周りのライバルは土日も趣味で自分でサーバーを立てるようなスペシャリストばかりで、違う分野でナンバーワンになるためにどうしたら良いのか考え、エンジニアに繋ぐプリセールスに近い立場にポジションチェンジしました。その後、入社1年目の後半に大手総合商社との合弁会社におけるセキュリティコンサルティング事業の立ち上げに関わりました。しかし、事業に関わる中で「企業のマイナスを如何に減らすかというセキュリティの仕事は、マイナスを減らしているはずなのに、同時にコストというマイナスを増やす要因になっているのでは?」という違和感を抱き始めました。
そこで、<リスクを減らす><会社を伸ばす>という両面ができるビジネスマンになりたいと思いました。前職で新しいサービスを立ち上げようとしたのですが、なかなか上手くいかない中で出会ったのが新規事業コンサルを目的に立ち上がったプライマル株式会社でした。当時はまだ6名ぐらいの規模でしたね。
プライマル株式会社 板倉譲治 様
洲脇
御社が新進気鋭のベンチャー時代に転職されたんですね。
板倉様
そうですね。少数精鋭という魅力にも惹かれて入社しました。
洲脇
現在は代表取締役社長という立場ですが、入社されてからの11年間どのような立場で仕事に関わってきたのでしょうか。
板倉様
入社してから3年はコンサルタントとして働いてきました。その後、また3年ほどマネージャーを経験し、役員に昇格後、今に至ります。コンサルタントとして入社して1日目からクライアント先に訪問していましたね。
洲脇
初日からクライアント先に行かれたとのことですが、今までと異なる仕事ですし、いきなりクラアイントフェイシングで戸惑うことも大きかったと思うのですが。
板倉様
そうですね。最初のクライアントは結果的に失敗したんです「板倉さん、いらないよ」と言われて。正直、1年目はがむしゃらにやっているんですけど、何を言われてるかも、何を指摘されているかもわからないですし、何をすればクライアントのバリューになるのかわからない状態でした。
ただ、2年目でようやくきっかけをつかみましたね。こういうことをやったら役に立つとか、事業の立ち上げ成功に繋がっていくという方法を少しずつ掴んでいって、3年目になるとそれが自分の中でパターン化されてきて、こうすれば全員を引っ張っていける、事業が立ち上がるという自分なりの形ができましたね。そこまでは本当に苦しかったです。
洲脇
新規事業のコンサルティングにカッコよさと言いますか、スタイリッシュなイメージを持たれる方が多いと思いますが、ご入社する前のイメージと、その後のイメージの差はどういうところで感じられましたか。
板倉様
一番の大きなギャップを挙げると、新規事業は決まった正解がないんです。これをやれば必ず立ち上がる、これをやれば必ず成功するというルールがない中で走り続ける大変さは想像以上でした。例えるなら、ゴールがわからない状態でマラソンを始めるといったイメージです。距離もわからないですし、向かっている方向が正しいかもわからないのです。ただ、走ってみると、こっちは道がなさそうだなとか、あっちの方に人がっぱいいるとか、ヒントが得られるんです。それを頼りに修正し、徐々にゴールに近づいていくことができます。本当に粘り強くやるしかないんです。
洲脇
とにかく前に進むしかないんですね。
板倉様
そうです。既存事業のコンサルティングですと、例えばデータを分析して、精緻なレポートを出すといったファクトを元にするのでコンサルしやすいのですが、新規事業はトライして得たファクトで仮説を立て、修正するという繰り返しなんです。
新規事業を成功させる唯一の秘訣があるとしたら、その仮説・検証を如何にスピーディーに回すかだと思います。戦略は我々も当然立てるのですが、戦略をつくるのに何か月もかけたりしません。1~2日、かけても1週間ぐらい。2週間目に戦略を確かめ、3週間目には戦略をブラッシュアップするといったようにスピード感を大事にしています。
洲脇
よく会計士といった士業系の方から「コンサルは総合格闘技ですごいね」といった話も聞くのですが、その最たるところかもしれませんね。とにかく殴られても前に倒れても這いながら進むと。
アクシスコンサルティング 洲脇
板倉様
おっしゃる通りですね。MBAや中小企業診断士を取って入社される方もいるんですが、正直役に立たないことが多いです。習ったこと通りに実際のビジネスが動くことはほとんどないからです。
知識として持っておくのは良いですが、それがそのまま役に立つ教本として扱おうとすると必ず失敗します。クライアントにも新規事業立ち上げを長年経験された方が時々います。その人にSWOT分析といったMBAの理論を振りかざしても「で、それをどうやって活かすの」「経営の感覚とは全然違う」と言われます。私の感覚も同じです。説得材料としてそういうフレームワークを使うのはありだと思いますが。
「あえてムダをする」ことで可能性を見つけ出すのが既存事業ビジネスとの違い
洲脇
既存事業をやられている方と、新規事業をやられている方の考え方の違いに関してはどのようにお考えですか。
板倉様
既存事業と新規事業は発想の仕方が違います。既存事業の方は「ムダ、ムリ、ムラを如何に減らすか」からスタートしますが、新規事業の場合は「あえてムダをする」ことで、その中から可能性を見つけ出します。何か一つアイデアが出てきた時に、「それをやったらこんなリスクがあるよ」とか「既存事業にとってここは良くないよ」といった考えから始める人が新規事業を立ち上げるのはなかなか難しいです。
我々のクライアントは大企業がメインですが、既存事業で活躍するエースたちの中から集められて新規事業を始めることが多いので、やはり考え方が既存事業寄りになることが多いです。いち早く戦略をつくり、すぐに確かめてみようと言っても、すぐ行動に移すことは難しいので、我々が最初に行動して、一緒に巻き込んでいくことを大事にしています。
洲脇
クライアントのメンバー育成のような役割も担っているのですね。
板倉様
育成と言うよりは、一緒にやりながら互いの強みを活かし、弱みを補完し、新規事業を立ち上げています。
新規事業における成功・失敗の一番の要因はコアメンバーの「思い」
洲脇
11年このビジネスに関わる中で、クライアント側にも変化はありましたか。案件のテーマや、新規事業の立ち上げを経験されている方が増えているといった傾向はありますか。
板倉様
まず全体の話をすると、業種・業態問わずデジタル活用が必須になっていると思います。IDCが2021年までに日本のGDPの半分がデジタルサービスになると予測しているように、実際に右肩上がりでその通りの状況になってきています。
デジタルトランスフォーメーションがフューチャーされていますが、まさにその流れを感じます。AI、IoTに代表されるような最新のテクノロジーを活用して既存事業を変え、また新しい事業を作り上げていく動きが加速していますね。各企業にデジタルを活用できないと事業として収束してゆくといった考えも浸透していますね。例えば私が最近関わった化粧品メーカーの案件もデジタルを活用して新規事業を立ち上げるプロジェクトでした。コネクテッドカーやドローンを活用したプロジェクト等もあります。その影響もあり、新規事業コンサルの問い合わせは毎月増え続けているんです。今までは引き合いのなかった業種、業態からも問い合わせが来ることあります。
江口
新規事業コンサルのマーケットも同時に伸びるのでしょうか。
アクシスコンサルティング 江口
板倉様
自社で全部完結するビジネスが世の中的に減っていますよね。それぞれのプロが集まって事業をつくっていく中で、我々は新規事業のプロとしてバリューを発揮し続けてゆきたいと思います。
洲脇
新規事業の案件が増えているとのことですが、実際のところ世の中の新規事業の7~8割は失敗するという話を聞くこともあります。上手くゆく企業・いかない企業の違いはどこにあるとお考えですか。
板倉様
成功・失敗の一番の要因は新規事業立ち上げのコアとなるメンバーの方々の「思い」ですね。会社から言われたからやっているだけの人だと自分事にならないのでなかなか軌道に乗りません。色々な壁が現れた時に、自分事になっていないと逃げてしまうんです。アイデアの良し悪しではなく、新規事業は進め方が全てなので、立ち上げの思いに正面から向き合えないとゆくゆくは失敗に繋がりますね。
また、新規事業向きな方が組織の中にいるものの、そういった方は異端児扱いされやすい傾向にあります。例えば社内政治が苦手だったり、自分の思いが強すぎて協調性がなかったり、1人だけ思いが強すぎて周りのメンバーがついてこないケースがよくあります。ただ、我々がそういった方と社内のハブになります。思いが強い人であれば冷静に抑える役割も果たしますし、やらされていると思う人なら逆に同じような思いでやっていただけるように巻き込んでオーナシップを持っていただきます。
洲脇
中には新規事業に積極的な方もいらっしゃるんですね。
板倉様
います。クライアントによって状況は様々ですけど、新規事業向きな方もやっぱりいるので、その方がきちんと活躍できるようにしていくことが大事だと思っています。また、我々の会社の良いところは、新規事業立ち上げだけをやっているので、新規事業を立ち上げたい人、新規事業に対する思い入れがあるクライアントが増えていくんです。弊社のクライアントであるA社と B 社の新規事業責任者を組み合わせ、新しい事業を生み出す仕組みも生まれてきました。
アライアンスで重要なのは、会社対会社ではなく、どの会社の誰と誰が組むかが大切だと思っています。よくあるのが、大企業はベンチャーの技術を活用したい、ベンチャーは大企業のお金が欲しい、つまり相手のいいところが欲しいだけというアライアンスです。でも、一緒にその事業を成功させたいという思いがない限り成功する可能性はかなり下がります。よくベンチャーを活用したアイデアコンテストがありますが大概失敗しますよね。当事者同士がきちんと共同事業を育てたいという思いがないからではないでしょうか。
洲脇
新規事業を成功させるためには考え方も重要だと思いますが、「こうすればこの企業は儲かる」といった左脳的な考え方、それとも「こうやった方が面白いことができる」といったいたずらっ子的な右脳的な部分どちらが一番必要なのでしょうか。
板倉様
答えとしては両方とも大切です。新規事業なのでワクワクするような新規性を生み出す右脳的な考え方も必要ですし、その面白さをロジカルに説得していく左脳的な考え方も必要です。右脳に注目されがちですが、よく自分自身がマジョリティだと勘違いしてしまうケースがあります。特に、自分のように大学を卒業しサラリーマンとして働いている人だけで世の中ができているわけではないといった感覚は忘れてはいけないと思っていて、自分の思い込みを排除するためにもロジカルに考える左脳の部分が必要だと思っています。
稀に右脳だけで成功するケースもあるんですけど、それは運良く成功しただけというケースが多いです。起業したベンチャーの社長に比較的そういう方が多いと思いますが、たまたま成功したことを勘違いすると二つ目の事業が上手くいかなかったりすることもよくありますね。
お客様と信頼関係を築けたので新規事業特化コンサルとして唯一残り続けることができた
洲脇
コンサルティングファームの業界における御社の特徴や強みについてあらためて教えていただけますでしょうか。
板倉様
いくつかありますが、まずプライマルは新規事業コンサルに特化し、今までに650以上の新規事業立ち上げを行ってきました。実は、新規事業だけに注力しているファームは日本にないんです。よくあるのが、新規事業の立ち上げコンサルと言いながらも過去に社長が起業して成功した経験を「新規事業研修」という形で教えるケースや、新規事業のシステム開発や海外進出支援といった一部分に特化していたり、既存事業コンサルをメインに時々新規事業コンサルも行うといったケースです。既存事業コンサルの方がコンサル業としては儲かりやすく、どうしても新規事業特化に踏み切れない会社が多い印象です。また、「ムダ、ムリ、ムラ」を減らすことを重視するような支援をしていると、そういったコンサルのスタイルが染みついてしまっているので、新規事業を支援しても立ち上がらないケースもよく聞きます。我々は新規事業に特化しているので、とにかくムダをやって、早く確かめて、広げて、絞ってという考え方が染み付いており、この領域で結果が残せています。
また、様々な業種、業態の支援をしているというのも特徴だと思います。メーカーから食品、化粧品、ガス、新聞社までありとあらゆる企業から相談を受けています。最近は、自社の新規事業立ち上げも強化しており、新規事業コンサルを通じて大企業での新規事業の立ち上げ方、自社の新規事業を通じてベンチャーの新規事業の立ち上げ方を学ぶことができます。大企業の場合、リソースが多い分、巻き込む力が重視されるんですけど、ベンチャーの場合はとにかく徹底的にスピードです。この違いも知ることができるのは弊社の魅力だと思います。
洲脇
儲けやすい既存事業のコンサルではなく、あえて新規事業に特化した経緯を教えていただけますか。
板倉様
プライマルの前身の会社では幅広いコンサルティングをしていたのですが、新規事業に特化したいというメンバーでMBOをして立ち上がったのがプライマルという経緯があります。
洲脇
ありがとうございます。新規事業コンサルは儲けるのが難しいとおっしゃいましたが、それでも11年間順調に成長し続けている理由はなんでしょうか。
板倉様
実は、プライマルが創業したタイミングで新規事業コンサル会社が他にもいくつか立ち上がったのですが、ことごとく潰れたり、スタイルを変えていきました。唯一残っているのが我々だけなんですけど、残った理由はクライアントとの信頼関係をつくれたことが大きいと思います。
実は我々は新規事業コンサルをアウトバウンド営業しません。「こういう新規事業をやりませんか」っていきなり営業されても胡散臭いですよね。「この株売れますよ」って言われているのと同じで「いやいや、自分でやれば」と普通は思います。ですので、このスタイルのコンサルは信頼ありきなのです。クライアントと信頼関係を構築したことで、「こんないい会社があるよ」というクチコミが自然と広まったり、既存クライアントから紹介を受けて案件が広まっていったのが成長できた要素として一番大きいです。
最近は会ったことがない会社の方から「プライマルさんですか?」と聞かれることも増えてきていて、プライマルを宣伝していただいているクライアントの影響力の大きさを実感しています。一方でそういった方々の期待を裏切れないという責任の重さも感じています。
洲脇
信頼関係を構築するというのは簡単にはできないと思います。
板倉様
一見難しそうに思えますが、実は当たり前のことを当たり前にするだけなんです。だけど、それができない人が意外と多いのが実情です。細かいかもしれませんが資料提出が1秒でも遅れたらアウトですし、9時から始まる会議に1秒でも遅れたらアウトです。すごく小さなことですが、その積み重ねで新規事業が成功するかしないか決まるんです。ですので、新規事業の成功は、当たり前のことを当たり前にできるビジネスマンが揃っている会社なのか、どうなのかという点も大事だと思っています。我々の会社でもそこを徹底しています。
洲脇
ロジカルシンキングができる、戦略が立てられるといった才能やスキルではなく、約束を守れるかといった積み重ねで信頼関係を築けるかが一番大事なんですね。
板倉様
クライアントの状況によって我々の役割は変わってくると思います。ただ、トータルして言えるのは、アイデアをつくるところから立ち上げるところまで一気通貫で支援するというスタンスが評価されているのではないかと思います。
また、事業をつくる時にフロー型を想定する人がいるのですが、立ち上げをしようとする中で新しいアイデアが生まれたら、「二つ目の事業として立ち上げましょう」と提案することもあります。アイデアをつくって、戦略をつくって、形をつくっている時にアイデアが生まれたら複数事業を立ち上げて、いいものだけ残して事業の精度をアップさせてゆくといったことも評価されています。
比留川
あらためて新規事業の立ち上げに関わる魅力や、やりがいについてお聞かせいただけますでしょうか。
アクシスコンサルティング 比留川
板倉様
新規事業の立ち上げはゼロからイチを生み出す大変な作業です。ただ、苦労して事業を立ち上げると、クライアントと一生の友だち、戦友になれるんです。プロジェクトが一旦完了しても5年、10年ずっと飲み友だちであり、お互い仕事やプライベートの相談相手にもなります。そのような出会いが、新規事業立ち上げという仕事の魅力ではないかと思います。
また、世の中のビジネスの多くは価格競争や細かな機能競争など、完成された市場におけるパイの奪い合いなんです。それとは異なり、今までなかった新しい体験や、生活の豊かさを生み出したりとダイナミックな変化を起こせるのが新規事業だと思います。自動運転なんてまさにそうですよね。
「新規事業がしたい」という思いをすでに実践している方を求めている
洲脇
社長という立場から、御社の組織の今後についてお聞かせいただけますでしょうか。
板倉様
新規事業立ち上げのプロ集団として、一人一人の社員の質を高めていきたいと思っています。そのためにも二つ注力するべきことがあると思っています。一つは圧倒的なオーナーシップを身につけてほしいと思います。コンサルは仕事柄どうしても第三者的な立場を求められますが、新規事業コンサルの場合は第一に「思い」が必要です。クライアントの新規事業を自分ごとにできないコンサルタントが成功をもたらせるわけがないからです。ただ、いざ「自分ごととして思え」と言われてもできないので、自社の新規事業の経営を通して意思決定のやりがいや、経験を積んで欲しいと思っています。自社事業の成功・失敗はどちらでもよくて、相反する意見や考えを取捨選択して決めていくという経験があることで、コンサルタントとして説得力も増します。今プライマルの社員は全員が新規事業に関わっています。
また、社会的課題という難解な問題を解決してゆく仕事になるので、既成概念に捉われ過ぎない方がパーソナル面でマッチしていると思います。
あとはデジタルトランスフォーメーションの時代ですので、テクノロジーに関して社員全員が理解している状態にしたいと思います。プロになる必要はないですが、例えば、プログラミング、サーバー構築、通信の仕組みに実感を持って理解してほしいです。そのためにも、デジタル系の自社事業立ち上げをする際に、プロトタイプは自分たちでつくるようにしています。
あとは会社の中にTech Lab(テックラボ)という実験の場をつくり、IoTのプロダクトを自分たちでつくってみるなど最新テクノロジーを自分たちで関わる機会を設けています。
洲脇
自社でプロダクトをつくれるのは面白いですね。
板倉様
テクノロジーの領域に興味がある人や、その領域での成長を求めている人にとっては良い環境があると思います。
洲脇
なるほど、今後御社では具体的にどのような人材を求めているのでしょうか。
板倉様
世の中の流れを受けて、<AI×新規事業><IoT×新規事業>というようにテーマを絞った採用募集をしています。世の中の最新テクノロジーに興味があり、そのテクノロジーを用いて新規事業を生み出したい方にぜひご入社いただきたいと思います。また、例えば<農業×テクノロジー>など、興味のある分野×テックで新規事業立ち上げをしていきたいというチャレンジ精神のある方にもぜひ入社していただきたいと思っています。
洲脇
事前にそういった経験が必要なのでしょうか。
板倉様
その分野の経験はいらないです。それよりも新規事業をやりたいという思いが一番大切ですね。ただ「やりたい」思いが本当にあるのであれば何かしら行動しているはずです。新規事業だけでなく、今の会社でやったことがないことにチャレンジした経験があるかどうかも私は重視しています。
起業して失敗した経験がある人も良いですし、大企業で関係ない事業にチャレンジしようとして干されてしまった人でも良いです。何かしらチャレンジしている、行動に移している人を求めています。
江口
マインド面で求めていることはありますか。
板倉様
自分を客観視しようと努力できる人です。何かを指摘した時に、環境が悪いという理由から始まる人は成長スピードが遅くなってしまいますよね。言われたことが理解できなかったとしても、なんでそういう発言をされたのか整理して考えられる人は成長可能性があると思っています。そこを正面から見つけた上で、同じ失敗をしない人は圧倒的なスピードで成長していくので、まずは客観視できるかどうか面接でも見ています。
江口
他ファームから転職される方にとって御社の魅力はどのようなところにありますか。
板倉様
クライアントと一体になれるというところに喜びを感じている方もいますし、仕事の幅や裁量が広がったことに対して喜んでいる方が多いです。例えばあるコンサルティング会社だと、クライアントとの打ち合わせの場でマネージャーの許可がないと喋れないという決まりがあるといった話を聞きますが、我々は逆です。むしろ喋らないと価値にならないという発想です。
比留川
成長スピードを重視されているとのことですが、板倉様がプライマルに入社された時と同じく、1日目からクライアント先に行くこともあるのでしょうか。
板倉様
状況は変わっています。私が入社した時はまだ小規模で、1人1人がプロであることが当然という採用でした。しかし、今は最初から1人で動くことはないです。先輩社員と一緒に働き、早期に成長してもらうというイメージですね。やはり求める成長スピードは早くて、半年から遅くとも3年以内にマネージャーなっていただきます。入社前の面接で皆様には「普通の会社の3倍から6倍ぐらいの成長スピード」とお伝えしています。もちろん、仕事で得られることも3倍から6倍であり、本当に成長したい人が集まるのかと思います。
洲脇
最後にこの記事を読まれる候補者の方へメッセージをいただけたらと思います。
板倉様
圧倒的に成長したい人は是非ご入社いただけたらと思います。ある商社では幹部候補になるにあたって一度事業会社の経営を任せるのですが、我々の会社はまさにそういう仕事ができます。経営者としてもそうですし、ビジネスマンとしてもそうですし、新規事業のプロとしても成長していくという、圧倒的な成長を求める人にとって恵まれた環境だと思います。