リクルートライフスタイルは、『じゃらんnet』(旅行)、『ホットペッパーグルメ』(飲食)、『ホットペッパービューティー』(美容)、『Airレジ(POSレジアプリ)など、日常のあらゆるシーンで、新しい価値を生み出し、カスタマーやクライアントの行動を支援するサービスを運営しています。今回は、リクルートライフスタイルの美容領域の事業推進部で部長を務める中村隆之さん、元大手外資系ファームのシニアコンサルタントから同社へ2年前に転職され、現在は事業開発グループのマネージャーを務める牧那菜子さんより、同社の魅力をアクシスコンサルティングの祝がお聞きしました。
- 目次
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- コンサルファームから”マネージャープロモーション目前で”リクルートライフスタイルへ転職、2年でグループマネージャーまで昇格
- 転職のきっかけは「戦略提案のその先を自分でやっていきたい」という思い
- 転職後の最大の驚きは「想像以上に合理的な意思決定をしていること」
- コンサル時代に培った「広い視野」と「手の早さ」がキャッチアップを助け、さらに現場感の習得にも繋がっている
- 採用側がコンサル出身者に求めるのは、論理性+組織・事業の「違和感」を見つけるセンス
- 「自身の意思をもって戦略を決め、それを推進したい…」という不完全燃焼を感じているコンサルタントが幸せになれる会社
- テクノロジーと豊富な顧客接点がリクルートライフスタイルの強み
- 現在、新規事業のカットオーバーから数か月。今後も新規事業を続々展開予定
コンサルファームから”マネージャープロモーション目前で”リクルートライフスタイルへ転職、2年でグループマネージャーまで昇格
祝
まず初めに、コンサルティングファームから転職された牧様のご経歴、御社での仕事内容や魅力、今後のキャリアや仕事の展望についてお伺いし、次に中村様から御社でコンサルティングファーム出身者を求めている理由や活躍できるポイント、期待することなどをお伺いさせていただけますと幸いです。
それでは、牧様のご経歴をお伺いします。
牧様
私は2013年の4月に会計事務所系の大手コンサルティングファームに新卒で入社をしました。そこのストラテジーユニットに配属され、様々な業種の経営を上流の戦略フェーズからご支援しておりました。
大体1~3か月に1本くらいのペースで、数多くのプロジェクトを経験させていただいていました。その中でも3分の1は、官公庁系の政策立案といった公共系のプロジェクトでした。
成長を実感できる素敵な職場ではありましたが、クライアントの短期間の契約期間満了後、継続的にクライアントをご支援させていただけない寂しさを感じ、事業の行く末に責任を持ち、自分でPDCAを回したいと思うこともありました。それをモチベーションにして転職活動を開始し、2017年1月にリクルートライフスタイルに転職。美容領域の事業推進部で、事業企画を手掛けるグループに配属されました。
入社後は美容領域の新規事業の企画や、ホットペッパービューティーにおける新しい商品企画などに従事させていただきました。
コスメ領域での新規事業を企画し、サービスの事業化決裁を獲得したタイミングで、新設された事業開発グループのグループマネージャーに着任しています。
リクルートライフスタイル 牧那菜子 様
転職のきっかけは「戦略提案のその先を自分でやっていきたい」という思い
祝
牧様が御社に入社した理由についてより詳しくお聞きしたいと思います。前職でのご経験や転職を決意されたきっかけなどをお聞かせいただけますでしょうか。
牧様
ストラテジーユニットでしたので、上流案件であればインダストリーに関わらず手掛けていました。その中でも特に新規事業の戦略策定のご支援が多いチームにいました。
「この新規事業をやったほうがいいと思います。事業ポテンシャルはこれぐらいで、次のステップとしてはこういうことをやっていきましょう」と提案をしても、1年半後に撤退しているケースもありました。そのような時には、「実行工程でどのような課題があったのだろう。提案時にもっと考え抜くべきことがあったのではないか?」など、初期フェーズに携わっていたからこそ、先が見えない寂しさややるせなさを痛烈に感じていました。
そのような考えの中、若い間に事業に責任を持つ立場としてビジネス経験を積むことで、戦略立案・提案に留まらないビジネスマンになりたい、という想いで25、6の時に転職活動を始めました。
祝
その中でリクルートライフスタイルと他社を比較した際に、魅力的に感じた部分はどのような点でしたか。
牧様
メガベンチャーやスタートアップにはトップダウンの会社も多かったりもするので、「現場から起案できるボトムアップな土壌で、新しいことにチャレンジできる事業会社」といった軸で3社ぐらい受けて、オファーをいただきました。その中で、活躍している人の雰囲気、そして向き合っている業界の面白さの2軸で比較して、リクルートライフスタイルに絞りました。
転職後の最大の驚きは「想像以上に合理的な意思決定をしていること」
祝
牧様からご覧になって、コンサルタント時代と比べて実際に働いてみて御社の社風や環境はどのように見えていらっしゃるのでしょうか。
牧様
転職時には、選社の軸として、「新しいことに挑戦できるか、現場から起案できる土壌があるか」という点を挙げていました。前職で千差万別のクライアントを見ていたこともあり、それがあるかないかで、企画者としての楽しさが違うと思っていたからです。
実際にリクルートライフスタイルで働いてみると、思っていた以上にフラットかつボトムアップだなという感触があります。目上の人や領域が違う人でも、気軽に“よもやまミーティング”などで相談に応じてくれます。ものすごく前のめりに教えてくれて、1聞いたら100教えてくれるみたいなタイプの人が多いです。新しいことを考えている人に対して心から応援する文化は非常に特徴的だと思います。
年次や職位に関しても非常にフラットで、転職して間もないにも関わらず事業化の起案もさせていただけましたし、実際に承認もいただいて今カットオーバーしています。入社前に考えていた通りのキャリアが描けています。
祝
では、入社後のギャップは全くないのでしょうか。
牧様
ネガティブなギャップはほとんどないですね。特に、企画の仕事の進め方については、思っていたよりギャップがなくてびっくりしました。想像以上に合理的な方たちが意思決定をされているので、起案の際に頂くアドバイスや指摘に日々勉強させて頂いております。
祝
もう少し、「情」の部分が求められると思っていたということでしょうか。
牧様
コンサルタント時代には、時には自分としては論理的に筋の通った提案と思えるものでもクライアントに通らないことがあり悔しい思いもしたのですが、現在は起案者たる自分と意思決定権者との距離感も近く、合理的に判断頂けている環境で事業を推進することが出来ています。
また、「現場の感覚」を学ぶ機会が豊富で、「現場的にはどう思うのか」という軸はやはりコンサルタント時代には少なかったものだからこそ学びになっていますし、実行フェーズを見据えるといったことは、コンサルタントの時よりできるようになっていると思っています。
祝
先ほど会話に出た「よもやまミーティング」というのは、実際どのような仕組みで、どんなことをされるのですか。以前「今、ぶつかっている壁や不安に思っていること、あるいは、構想中のビジネスや気になっている話題について誰かと話したい時に、ヒントをくれそうな人のスケジューラーに『よもやま』と入れるだけ。」とご説明いただいたのですが。
中村様
一言でいえば、部署や上下関係なく、アジェンダなしで相談する場でしょうか。
フローとしては、Outlookのスケジュール表を見て、空いているところに勝手に入れるだけです。知らない人から突然相談の依頼が来たりすることもあります。
また、隣の事業の概要や、進捗を聞いておきたい時にも使うことがあります。アジェンダも決まってない段階で申し込むこともあります。
牧様
直近の仕事に関係することも、全然そうでないことも、キャリアの相談で使うこともありますね。入社直後は「コンサル出身ですが、こういう雰囲気にまだ慣れなくて…」みたいな悩みも相談しましたし、活躍している事業部の方たちにどうやって成功したのかを聞いてみたこともあります。
コンサルから来た私としては、この気軽さは良い意味で大きなギャップでした。時間単位でお客様からフィーを頂いているコンサルでは、「この上司への相談時間、お客様にチャージしたらいくらになるのか」も気になりましたし…。
コンサル時代に培った「広い視野」と「手の早さ」がキャッチアップを助け、さらに現場感の習得にも繋がっている
祝
今、事業立ち上げに取り組まれている中で、コンサルタントを経験して良かったと思うこと、逆に新卒でコンサル業界に入らなかったらこんなに困らなかったと思うことがあればお伺いできますか。
牧様
前者については、やはり手を動かすことに関してはとても早い方だと思います。次の日までに50ページ分の資料を作るといった経験もしていましたので。
あとは、色々な業界の多種多様なビジネスモデルを見てきた経験は、今の職場においても強みだと感じます。新卒入社の方は特定の領域に対する考え方に深みもありますし、だからこそ本質的な課題を深掘ることが得意ですが、逆に別の業界ではこういうモデルがあるといった視点での提案ができるのはストラテジー部門で様々な業界の戦略策定を経験してきたからだと思います。
後者に関しては、やはりコンサルタント時代に向き合ってきたカウンターパートの職種は基本的に経営企画で、時には人事やバックオフィス系の事務職の方が出てくるものの、少数の限られた方としか対峙できなかったのだと事業会社に入って初めて気づいたことです。
正直なところ、事業を行う際に、多くのステークホルダーがカウンターパートの後続におり、その人たちの立場を考える重要性に気づけていなかったと感じています。その点については、入社してキャッチアップさせていただいたので、事業会社に新卒入社で入られた方にとってはすごく当たり前のことが、私にとっては新鮮で有意義だったと思っています。
祝
知識ではなく、相手を情で動かすなど、肌感に近いものはどのようにキャッチアップされたのでしょうか。
牧様
相手を動かすためには、相手の立場、相手が追っているKPI等から、今自分がお願いしようとしていることとどうすり合わせるかが重要だと思っています。ただ、実はコンサル時代に実践してきたクライアントワークと、そんなに違うスキルが必要なわけではないので、キャッチアップが大変だったというよりは、新しくカウンターパートが増えたみたいな感覚です。ただ、「よりそういった方々へのリスペクトが大事なんだな」というのが、入社しての気づきですね。
採用側がコンサル出身者に求めるのは、論理性+組織・事業の「違和感」を見つけるセンス
祝
上司である中村様からは、牧様はどのようにご覧になっていますか。
中村様
入社してすぐ感じたことですが、やはり「手の早さ」は圧倒的でした。弊社の新卒入社の社員は大体最初に営業というステップを踏むので、やはり新卒入社の社員だとなかなかここまで若いうちに成長できないと思いましたね。それから、社内の人間関係のキャッチアップは早かったです。
多分コンサルの中でもいろんなタイプがいて、そういうのがあまり得意じゃない方もいると思います。そういう観点では、良い意味でのギャップを感じました。人間関係やリレーション構築、どこまで組織にカルチャーフィットするのかなどは個人差があるので、それがとても早かったと思います。
祝
牧様の採用時の期待値は、どのあたりだったのでしょうか。
中村様
コンサルタントを採用する場合、基本的に論理性と整理能力を期待していますね。先ほど牧も言っていたように、新卒でリクルートにいるとリクルートの過去のビジネスモデルに皆縛られがちです。
コンサルから来る人には基本的にそういったものはないので、特に中途の人たちには、ゼロベースで我々のビジネスを見て、何か違和感を感じ、「もっとこうしたほうがいい、これ変えたほうがいいね」などと指摘してくれることを私は期待しています。
逆にいうと、中に入って物事を動かしていくのは経験がないでしょうし、それはやりながら学べば良いと思っています。
祝
実際に牧様が参画されて働かれているのをご覧になった中で、今後コンサル出身の方が御社を志望された時の期待役割は、何か変化されたのでしょうか。
中村様
大きくは変わりませんが、付け加えるとゼロベースで着眼して発想できる人が良いですね。あと、観点は変わりますが、新規事業など社内外のメンバーを動かす仕事がしたいと思うのであれば、たとえ処理能力が高くても、独りよがりな考え方の人は厳しいかもしれないと思います。
リクルートライフスタイル 中村隆之 様
「自身の意思をもって戦略を決め、それを推進したい…」という不完全燃焼を感じているコンサルタントが幸せになれる会社
祝
牧様としては、どのようなコンサルタントが御社に合うと思いますか。
牧様
すべての業務がそうではないですが、コンサルをやっていた際は、意外と「意思の強さ」や、「最後まで言い切る勇気」を発揮する場面が少なかったな、と思っています。特に提案の場面では、どうしてもコンサルというビジネスモデルの影響もあり、「オプションは10個ありますが、その中で評価したら3つに絞れました」「1から3の中だったら2番目がよいと思いますが、御社もいろいろご都合があると思うので…」といったケースが多かったです。
ただ、そのような時に、一次情報などを見て自分が一番良いと思う選択肢を提示して、「失敗したらごめんなさい、だけどやらせてください」くらいのことを言える人が、リクルートライフスタイルに向いていると思います。「あの時クライアントに対して本当はこう言いたかったな」と思っているような方が、とっても幸せになれる会社だと思っています。
特に、若く自分の意思をしっかり持っている人、そしてスケールの大きいことを成し遂げたい人、且つそれをワークライフバランスを維持しながら携わりたい、という、すごくわがままな方にもってこいの職場だと本当に思っています。また、そんな方と働けると嬉しいです。
テクノロジーと豊富な顧客接点がリクルートライフスタイルの強み
祝
中村様に改めてリクルート、そしてリクルートライフスタイル社の特徴について補足いただけますでしょうか。
中村様
まず、リクルートの風土としては、各社共通して「ボトムアップ」ですね。コンサルタントの方が転職先に選ぶ事業会社として、大体は大手ではなくメガベンチャー系かスタートアップだと認識していますが、横並びで比較されるメガベンチャーと比べても明確に違うと思います。
また、リクルートは人が入り、卒業していくという、良い意味で人の循環の多い会社ですが、私たちのようなビジネスモデルで、変化し続ける世の中に価値提供を継続するためには、一定の循環による若さはとても重要だと考えています。
私のように責任・裁量・タイトルが上がっても留まっている人に対して辞めさせることはないですし、残るという選択をしている人もいます。私の場合は、もともとこんなに長くいるつもりではなかったのですが、自分で独立するよりは、裁量もあり、スケールのあることができている点に魅力を感じ、残っています。
逆に、いつでも出る選択肢もあるし、別に出ることを決めているわけでもないし、常にフラットです。社内でもみんなでそういったキャリアについての会話も無邪気にします。出る方に対しても、「いってらっしゃい。困ったらまたもどっておいで(笑)」と、快く送り出す会社です。
祝
その中でも、「これがリクルートライフスタイルの特徴」だと言えることは何かあったりされますか。
中村様
リクルートライフスタイルは、リクルートグループの中でも一番IT企業に近いと思います。リクルートは元々顧客接点が強く、それが強みの企業です。かつて紙のメディアからオンラインメディアに変革する中で、単純にメディアが変わるだけでなく、多くアクションデータやログがとれるように変わったことで、会社としても大きく変革してきました。
祝
「美容事業」の特徴や定義についても教えていただけますか。
中村様
他の部署と比べても事業の成長性が最も違います。掲載クライアント数は9万件を超え、年間予約数は1億件を突破してもまだ高い成長を維持しています。さらに成長して人材も増え続けている分だけ、若いメンバーが多いのが特徴です。
定義に関しては、境目やルールは特になく、ある種しっかりと収益性をもってビジネス展開できさえすれば、どんなチャレンジでもして良いと思っています。国内に限らず海外に行くのも有りですし、「どこまでが美容の対象か」という議論も基本的にしないです。最近は、「家電」といったテリトリーでも美容家電が増えていますし、業界の定義がない新しいドメインです。世の中の変化に伴い、ビジネスも縦横無尽に変わっていくと思っています。
また、「美容」というと、特に男性からすると「よく分からないもの」と捉えられがちですが、実際は美容に興味なくても問題ないです。私も元から美容にすごく興味があったわけではないですし。この変化し続ける未完成な業界に、ビジネスの躯体としての面白さを見いだせれば良いと思っています。
現在、新規事業のカットオーバーから数か月。今後も新規事業を続々展開予定
祝
御社のサービスは、販促・集客から始まり、今では業務改善、経営支援と領域を広げています。中村様・牧様の今後のキャリアも含め、事業部の展開や戦略について教えていただけますか。
牧様
コスメに限らず、いろんな事業を0→1も1→10も10→100もできる、やりたいという志向性はとても強いです。ただ直近は、カットオーバーしたてのコスメ事業に関してやりたいことが沢山あるので、ここをしっかりやっていきたいと思っています。
祝
ありがとうございます。中村様からもお願いいたします。
中村様
事業成長のベースは、基本的に既存サービスであるサロン様向けの販促・集客ビジネスです。
もちろん、既存ビジネスも中長期で考えると成熟化していくでしょう。新しい価値提供するサービスを次々と生み出すなど、美容事業全体で継続成長するポートフォリオを考えた経営が求められてくると思います。
また、弊社は大企業的な動かし方を学ぶような会社ではなく、自分でどういう戦略をとってどう伸ばすかというのをひとりひとりが考えることを求められ、そしてそれを実行することも求められる会社だと思います。リクルートは人で成立している会社。その経験を若手に積極的に積んでもらうことで、ジョインしてくれた人にもうちの事業にとってもベストとなる環境を提供していきたいと思います。