アビームコンサルティング株式会社 素材化学ビジネスユニットでは、主に製造業に対して従来のバリューチェーン・トランスフォーメーションといった支援だけでなく、サステナビリティ・グリーントランスフォーメーションなど未来を見据えた幅広いサービスを提供しております。
今回は、同ビジネスユニットのダイレクター 中村伸吾様、シニアマネージャー 長谷川まや様、シニアコンサルタント 長岡知代子様より、ご経歴、ビジネスユニットのミッション、プロジェクトの概要と取り組みの想いをお聞きしました。
- 目次
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- アビームコンサルティング素材化学ビジネスユニット 中村様、長谷川様、長岡様のご経歴
- 日本発コンサルティングファームとしての使命感を持って日本企業の変革における実行支援・実現をリード
- 世代やジェンダーを問わず一人一人がいきいきと活躍できる世界を
- アビームのノウハウを活かして様々な人が暮らしやすい世界の実現を
- 未来志向かつ具体性のあるテーマで、日系製造業のプレゼンスを高めていく
- クライアントと一緒になって取り組み、日々知的好奇心を満たせる環境
- フラットで良好な関係性を築ける仕組みや雰囲気がある
- 望むキャリアに向かって柔軟性や自主性を持って取り組める方を歓迎
- アビームコンサルティング株式会社 求人情報
アビームコンサルティング素材化学ビジネスユニット 中村様、長谷川様、長岡様のご経歴
遠藤
まずは皆様のご経歴をお聞かせください。
中村様
新卒でIT系の会社に入社後、2008年にアビームコンサルティングに転職しました。転職当初は戦略ビジネスユニットで事業戦略や事業再生を行っていましたが、製造業のクライアントを担当することが多く、その後製造業に特化してコンサルティングを行う部門(現・素材化学ビジネスユニット)に異動しました。
以降はグローバルでのSCM改革プロジェクトを担当し、現在は製造業のデジタル変革・製造業DXの領域をリードしています。
長谷川様
新卒で外資系コンサルティングファームにSEとして入社後、途中でコンサルティング事業に異動し、人材や組織に関するコンサルティングに15年程従事しました。その後ウェルビーイングの事業会社に転職し、ウェルビーイングや人材活用の事業に5年程従事し、2023年にアビームに入社しました。
遠藤
事業会社に行かれて再度コンサルに戻られた理由はいかがでしょうか。
長谷川様
近年ではESGやSDGsという言葉が注目され、財務情報には現れない非財務情報の開示がトレンドとなり、今後ますます人的資本経営の領域には広がりがあると感じています。自社だけでなくより幅広く人事領域で日本企業に貢献したい気持ちが高まり、コンサルに戻ることを決意しました。
遠藤
アビームを選んだ理由はいかかでしょうか。
長谷川様
人的資本経営の領域に取り組む専門チームがあったことです。ウェルビーイングに本格的に取り組んでいるコンサルは当時ありませんでしたが、アビームは数年前から着手しています。日本が本社だからこそ、自ら投資する領域を決め、意思を持って推進する体制があることに惹かれ入社を決めました。
長岡様
前職で通信会社の法人営業と販売戦略に携わったあと、2019年にアビームに入社しました。入社後はシステム導入の要件定義のPMOなどに幅広く従事した後、素材化学ビジネスユニットに異動しています。
日本発コンサルティングファームとしての使命感を持って日本企業の変革における実行支援・実現をリード
遠藤
素材化学ビジネスユニットのミッション、方向性についてご教示ください。
中村様
我々のクライアントである日系素材化学メーカーは、製品力・素材力は非常に力を持っています。しかしグローバルでは欧米・中国が業界のビジネスを牽引しており、日本企業のプレゼンスは低下傾向にあると感じています。
現在日系製造業は大きな岐路に立たされており、各社デジタルによる変革に力を入れています。一方で我々は源泉にある日系企業の競争優位性を改めて定義し、素材化学メーカー個社にとどまらず、川上・川中・川下の産業全体の変革を目指しています。
素材化学ビジネスユニットは立ち上がって3年目の組織になりますが、その間、クライアント数や変革案件数は徐々に拡大してきました。今後はより中長期的な視点に立ち、日系製造業の業界課題や社会課題にアプローチしているところです。
遠藤
素材化学ビジネスユニットの今期のテーマはいかがでしょうか。
中村様
今期は、素材化学業界の10年後20年後の未来を見据え、未来からの要請を変革テーマとして活動を進めています。
あくまで一例ですが、製造業の根幹であるモノづくりにおいては、人手不足を解消するための策として製造にかかるデジタル化を進めています。建設段階からデジタル武装された工場を企画することもあり、工場データの活用、および工場データとサプライチェーン・設計開発データとの連携を進めています。
また、より魅力的な仕事環境を考え、「Z世代がつくる未来の工場とは」「未来の事業の担い手をどう集めていくか」など社会問題に関わるテーマを設定しています。
また農業系のテーマにも取り組んでいます。素材化学メーカーでは、バイオ製剤を中心に環境・土地にやさしい農薬を開発しています。しかし一般に普及しているものは高価で、世界的に見ても普及率は圧倒的に低い状態です。
農業では土地の状態が非常に重要であり、バイオ製剤は次の世代にバトンをつなぐための重要な施策です。我々はこのような未来に向けた取り組みをお客様と共に進めています。
それ以外にもテーマは多岐に亘りますが、共通するのはこれらすべて日本の、日本人が考え、向き合うべき社会課題です。我々日系コンサルファームがこれらの問題に向き合う意義を感じています。
世代やジェンダーを問わず一人一人がいきいきと活躍できる世界を
遠藤
ご担当の領域・テーマ、マーケット動向についてお聞かせください。
長谷川様
サステナビリティに関しては、「サステナビリティ・トランスフォーメーション・イニシアチブ」という取り組みが全社であり、その中で私の役割はPMOとウェルビーイング経営です。具体的には人的資本経営やウェルビーイング、多いテーマはタレントマネジメントです。
この20〜30年、日本企業の人事領域はなかなか変わりづらい領域だったと思いますが、今は人的資本経営の観点で引き合いが増えています。
遠藤
長谷川様の変革テーマの領域についてもお聞きかせください。
長谷川様
素材化学ビジネスユニットでも、人的資本経営の領域が今一番注目されています。我々は独自に「人的資本ストーリー」というフレームワークを持っており、フレームワークに合わせた開示が1つのマイルストーンです。これは、読み手に対し魅力的にストーリーを伝えることができ、投資家だけでなく、社内外の労働市場にも惹きつける材料になりえると考えます。
人的資本ストーリーの要になるのは「人材マテリアリティ」だと思います。
各社のパーパスやビジョン、事業戦略、長期視点での目標やありたい姿などを統合的に考えると、人事がやるべきことは多数あります。そこで中長期に事業として重要な人材テーマを絞り込み、重要課題への合意形成をしてもらいます。
ある化学メーカーでは、人材マテリアリティの設定から入って統合報告書の作成まで支援実績が出ており、これは1つの成果だと思います。
また、素材化学メーカーでは技術が重要なテーマです。技術の変化、事業ポートフォリオの変化に対して、人材のポートフォリオもどう変えていくかについて非常に多くご相談いただきます。
素材化学ビジネスユニットには、コンサル出身者だけでなく、素材化学メーカー出身の中途入社者が多くいます。それ故、クライアントからは事業や業務プロセスの理解度の高さを評価してもらえます。 これは、アビームの初期仮説の品質、解像度が高いという強みに繋がります。
遠藤
日々プロジェクトを実行・実現していった10年後、20年後先にどんな世界観が待っているか、お聞かせください。
長谷川様
人事領域では、いかに全世代が活躍できるかだと思います。若年層の活躍も大事ですが、根本にあるのはシニア層がいきいき働くことだと考えています。
今の日本では、就職氷河期時代の影響で30~40代の人数が少ない砂時計型の構成になっている企業が多いと思います。50~60代が継続的に事業貢献できていないと、30~40代が疲弊します。
業務量でも、30~40代の疲弊は統計的に見えています。それを見た若手が、「ああはなりたくない」と30~40代、そして50代以上のキャリアを魅力的に感じることができません。
いかにシニア層にいきいき働いてもらうかということを、我々は「いきいきシニア」、そして若年層が魅力的に感じるキャリアの選択肢を「わくわくキャリア」と呼び、オファリングとしています。世代・ジェンダーを問わず、より長く活躍できる世界を作れたらと思っています。
遠藤
まさにそこは御社であれば実現できるし、しっかり力を持っていらっしゃる。
長谷川様
はい。自信を持ってそう回答できます。
アビームのノウハウを活かして様々な人が暮らしやすい世界の実現を
遠藤
長岡様が担当されているプロジェクトの話もお聞きかせください。
長岡様
製薬業界のクライアントに対するDigital ESG アプローチによる非財務情報の可視化のプロジェクト、直近ではクライアントの製品が社会へ与えるインパクトを金銭価値化し算出するプロジェクトを担当していました。
非財務情報の開示が求められる中、企業のESG活動が社会や企業の価値向上にどう寄与していくのか、市場の注目度が上がっていると思います。
遠藤
求められるレベルも高かったと思いますが、難しさやそこの乗り越え方についてはいかがでしょうか。
長岡様
先進的な経験をできたことは、難しい一方で個人的には良かったです。アビームに蓄積されている豊富なノウハウや事例を血肉にしながら乗り越えました。前例が少ない中でも、インパクト加重会計を用いた社会インパクトの算出についてはアビームの実績件数・ノウハウが圧倒的だったため、クライアントに頼りにされていると感じました。
遠藤
実行・実現にこだわった結果10年20年先に待っている世界観について、お考えをお聞かせください。
長岡様
昨今、サステナブルな企業価値創造に向けた取り組みを、多くのステークホルダーが企業判断の軸として重要視し始めています。環境や社会を配慮した活動は社会や企業の持続可能性を高めるための必須要素であり、長期的な企業成長を遂げるためにもESG経営に取り組む企業が増えています。
それを我々が支援することで、温暖化の防止や人権の保護が進む、従業員にとって優しい社会になり、様々な人が暮らしやすい世界を実現することができると考えます。
未来志向かつ具体性のあるテーマで、日系製造業のプレゼンスを高めていく
遠藤
中村様、今お二人にお話いただきましたが、素材化学ビジネスユニットが手掛けるプロジェクトで共通する点はありますでしょうか。
中村様
共通しているのは、未来志向で考えることだと思います。
先ほどの例のように、未来のものづくりについて考えるプロジェクトは複数ありますが、そのいずれも生産性向上にとどまらず、工場から発信できる顧客価値や地域貢献についても消費者・マーケットのトレンドを見据え検討していきます。
遠藤
他コンサルティングファームとコンペになるケースにおいて、御社の企画がクライアントから選ばれる理由についてはいかがでしょうか。
中村様
DXについては各社5年程前から企画・構想に取り組んでおり、構想を描くこと自体は一巡している認識です。そのような状況下において、クライアントが求めているのは、描いた構想の具体化・具体性が1つ挙げられます。さらに言うと、その具体化は経営インパクトに資する効果が得られるのか、それを他社での取り組み事例等を交えてお伝えしないと、クライアントから選んでいただけません。
その点我々は、描いた構想を実行・実現までこだわってクライアントと一緒にやりきります。それ故にプロジェクト実績が積み上がり、他のクライアントにも具体的な提案が可能です。
また、アビームではOperational Technology領域も対応でき、製造領域においては、その点が他社と差別化に繋がっていると思います。
クライアントと一緒になって取り組み、日々知的好奇心を満たせる環境
遠藤
今お話いただいた世界観を実現していくこのタイミングで、素材化学業界に関わっていく面白さやチームに入る魅力、やりがいについてお聞かせください。
中村様
面白さは、個社での取り組みを産業全体に広げられる点が挙げられます。幅を広げるほど様々な接点が増えるので、非常に知的好奇心が満たされるのが魅力です。知的好奇心が旺盛な方には、それを満たすだけのテーマ・環境があると思います。
また、我々は常にチャレンジャーであるため、新しいことを次々と仕掛けていきたい方にも良いと思います。アビームは日本国内ではある程度のポジションを確立していますが、グローバルでみるとまだまだ規模は小さいので、常に攻め続ける姿勢が必要だと感じています。
遠藤
長谷川様のテーマ領域、特に「素材化学業界×人的資本」ではいかがでしょうか。
長谷川様
単なる構想策定だけでなく実現までも得意とするアビームだからこそ、クライアントの問題・課題解決へ一緒に取り組めること、目の前の課題に取り組むことで出てくる新しいテーマを次々とクライアントにぶつけられることは、大きなメリットだと思います。
事業会社にいると、こうした機会は限られてしまいます。日々自分をアップデートさせることでクライアントにも価値提供できることは喜びであり、無限の広がりを感じます。
遠藤
長岡様の領域では、いかがでしょうか。
長岡様
クライアントの困りごとにアプローチできることには、非常にやりがいがあります。元々事業会社からコンサルに転職したのは、対応する課題の範囲が広がると思ったためです。実際に経営層や各部門の方々が悩んでいるサステナ領域において、一緒になって取り組み悩める点はとても嬉しく思います。
フラットで良好な関係性を築ける仕組みや雰囲気がある
遠藤
チームの雰囲気・特長についてお聞きかせください。長谷川様、いかがですか。
長谷川様
非常にフラットです。あとは、バーチャル組織が多いことです。基本的には入社をすると、事業会社にいる上司のような方がカウンセラーとして全員につき、紐づけることで複数のカウンセラーツリーがバーチャル組織のようにできます。
また①プロセス、②石油、③ヘルスケア、④住設・エンジ4つのサブインダストリーがあり、これも1つのバーチャル組織です。
あとは変革テーマ毎にも組織があり、リーダーのもとにSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)やESGのチームがあります。リーダーはクラスに関わらず、手を挙げた方がやっています。
また、ビジネスユニットを良くするためのチームも多数あります。組織を良くしよう、変革テーマを推進しようと志を同じくする人たちが、フラットで柔軟に役割をこなすチームです。
こうしたバーチャルな組織や取り組みが、相互の距離を近づけることに役立っていると感じます。
遠藤
御社では縦割りではなく横・斜めとさまざまなチームがあり、コミュニケーションが生まれているのですね。長岡様は、いかがでしょうか。
長岡様
わたしも風通しの良さやフラットさを感じています。頑張っている人を賞賛する文化があると思います。
私が素材化学に入ってすぐ、とある活動をしていた際に「よくやったね」「いい活動ですね」と全体にメール発信がありました。こういった賛称の声が、モチベーション向上やフラットな関係性に繋がると感じました。
また、若手社員が会議で発表した際には、周囲からコメントやフィードバックをもらえる文化やカウンセラー以外にも相談が出来、様々な方と関係を築ける仕組みが、風通しの良さに繋がっていると思います。
遠藤
管理職である中村様が、ワークライフバランスについて配慮されている点や気をつけている点をお聞きかせください。
中村様
私は育児をしながら働いているので、いつも自身の仕事と育児とのバランスを考えています。また、会社としては男性の育休取得比率が高く、組織の理解力が高いですし、制度が整備されていると言えます。
遠藤
長谷川様は、ご自身の働き方や実際の社員の方の話などいかがでしょうか。
長谷川様
私の感覚としても、柔軟な制度があってご家族との時間を大切にされている方々が多いと思います。
プライベートなことを共有してくれる社員が多いので、「自分もそういう時間を大切にしていいのだ」という風土があると思います。
遠藤
長岡様、いかがでしょうか。
長岡様
今、チームで時短勤務社員もいますが、良い雰囲気で働かれていると感じます。「子供のイベントでお休みします」に対して、「いってらっしゃい」で送り出せる雰囲気があります。
私も「ペットの具合が悪いのでお休みをいただきたい」と相談しても、快く受け入れていただき、しっかり仕事をすることが前提ですが、相談しやすく周囲の社員の理解もあると感じます。
望むキャリアに向かって柔軟性や自主性を持って取り組める方を歓迎
遠藤
入社後に研修、配属の流れが通常だと思いますが、チーム独特のものがあればお聞きかせください。
長谷川様
入社後にはまず中途導入研修が2週間程度あります。コンサルティング未経験者でもコンサルスキルの基礎を習得可能です。
配属後は、キャリアプレゼンテーション制度があります。自身がアビームで実現したいキャリアの志向をプレゼンし、求める支援をビジネスユニット長含めて理解したうえでプロジェクトへアサインしていくプロセスのことです。
入社後約半年の壁にぶつかりやすい時期には、カウンセラーやビジネスユニット長などではない、少し上位で直接の関係がない人との1on1があります。そこで話を聞き、組織内のしかるべき人と内容を共有し、個人やビジネスユニットの課題として解決していく事もあります。
さらに今後新しく始めたいのが、横のつながり強化策です。半年ぐらいでサブインダストリーのリーダーやカウンセラーとの1対1の関係性はできます。あとは横のつながりを作ることで、コンサル未経験の人同士、同様のテーマに向き合っている同志の悩みを共有し、相互支援していく体制を強化したいです。
遠藤
入社後に自分が望むキャリアを歩めるか不安な方は経験者の有無を問わず多く、非常に魅力的だと感じます。
どのような方に来てほしいといったメッセージをお願いいたします。
長谷川様
アビームで活躍する方は、主体性や自律性がある方だと思います。助けて欲しいときに、助けてくれる人は多数います。主体性や自主性を持って「助けてください」とタイムリーに言えることが重要です。
また、成長意欲や好奇心、柔軟性も重要です。現在の環境に制約を感じている方は、ぜひドアをノックしてほしいです。マネジメントに限らず、一人一人がリーダーシップを発揮できる会社です。
長岡様
これまでやりたいことを実現できなかった人には、魅力的な会社だと思います。手を挙げればチャレンジの場を用意してくれ、そこで成果を出せばさらに自分の望む方向に道が拓けると思います。
遠藤
では最後に中村様、よろしくお願いいたします。
中村様
様々なことを経験しつつ、更に活躍の場を広げていこうというチャレンジ精神を持っている方でしょうか。変革テーマを進めていくと産業全体を俯瞰するようになり、求められる要素が幅広くなっていきます。また、我々はお客様含めチームで仕事をしていきますので、チームで大きな成果を上げていきたいと志向されている方にぜひ入っていただきたいです。