アーサー・ディ・リトル・ジャパン ヘルスケアチーム パートナー花村遼 様、プリンシパル山本洪太 様 インタビュー/10年後、100年後の新産業創出を追求する少数精鋭組織

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社

世界最古の経営戦略コンサルティングファームであるアーサー・ディ・リトル。今回は、その日本拠点であるアーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社(以下:ADL)にて、10年後、100年後の医療業界を見据えた支援を行うヘルスケアチームへのインタビュー。

同組織をリードするパートナー花村遼 様、プリンシパル山本洪太 様より、
ご経歴や、同社ヘルスケアチームならではの強み、ミッションなどについてお聞きしました。

目次
  1. パートナー花村遼 様、プリンシパル山本洪太 様のご経歴
  2. フォワードルッキングで、新たな価値創出を重要視するカルチャー
  3. 『新産業創出』『イノベーション』という切り口で唯一無二の組織にしたい
  4. 「10年後、100年後のヘルスケアとは何か」と哲学的に問いながら今できる戦略を作っている
  5. 製薬業界から、官公庁まで多種多様なメンバーでチームを組成
  6. アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 求人情報

パートナー花村遼 様、プリンシパル山本洪太 様のご経歴

小野
これまでのご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

花村様
大学院修了後、新卒でADLに入社しました。大学院ではバイオ系の研究をしていましたが、入社後4、5年間は自動車、半導体、エネルギー、機械、素材、食品など、さまざまな業界の案件に携わり、国内の新規事業やM&A、海外の戦略案件などの課題にも多く取り組んできました。

当社にはもともとヘルスケア・ライフサイエンス関連の専門チームがなかったため、その分野の案件自体多くはありませんでした。しかし、私自身前々からヘルスケアやライフサイエンスの分野に積極的に関わりたいと思っていたため、マネージャーに就任後、ヘルスケア・ライフサイエンスプラクティスの立ち上げに関わり、チームを牽引しながら現在11年目になります。

花村様

小野
山本様のご経歴を教えてください。

山本様
私は新卒で精密機器メーカーに入社しましたが、その後総合系コンサルティングファームに転職し、戦略部門に在籍しながら、さまざまな業界のクライアントを支援しました。その後海外留学を挟んで、製薬業界に転じ、複数の製薬企業でマーケティングや事業開発に携わりました。

そうした中、製薬業界と他業界のコラボレーションに関心を持つようになり、それをきっかけにもう1度コンサルティングという角度からヘルスケア業界に携わりたいと思うようになりました。 当時ADLが、ヘルスケア領域に対してスタートアップ的に取り組んでいることを知り、また、コンパクトな組織を背景とした自由度の高さにも魅力を感じ、参画を決めました。

ADLに入社してからは、医療機器や製薬関連を中心に活動しつつ、異業種との業際領域のテーマ、例えばデジタル関連企業によるヘルスケアへの参入戦略検討といったテーマにも携わっています。

山本様

フォワードルッキングで、新たな価値創出を重要視するカルチャー

小野
花村様は新卒で入られてタイトルアップをされてきた中で、特にADLらしい印象的だったエピソードや業務内容があれば教えていただけますか。

花村様
当社はあまりタイトルで仕事内容が制限されることはありません。私は2年目でデューデリジェンス案件の実務リーダーを経験したのですが、そのように若手の内からチャレンジの場を多く与えてくれるのが当社の特徴だと思います。

また、ヘルスケアチームの立ち上げに手を挙げた時はまだマネージャーではなく、いちコンサルタントでした。チームの組成に関して、通常はプリンシパルやパートナーが率先して取り組むものだと思います。しかし当社では「やりたい」という声に対して一方的に反対するのではなく、とりあえず「やってごらん」という空気なので、思い切りチャレンジすることができました。

小野
自由度の高さやフラットな環境だというのがよくわかります。御社でそれを実現できている要因は何だと思いますか。

花村様
2つの要因があると思います。1つは、創業以来イノベーションを軸としたカルチャーがあることです。ADLは産業革命の頃に設立された会社であり、当時は新しいテクノロジーやイノベーションがどんどん生まれた時代です。その名残もあり、コストカットやオペレーション改革よりも、フォワードルッキングで新たな価値を創出することに重きを置いています。組織としても数字を第一に追いかけるというよりは、自分がやりたいこと、社会にとって必要なことをベースとしたカルチャーが根付いています。

もう1つは組織の規模ですね。我々は全体で160名と少数精鋭のコンサルティングファームです。チームは存在しますが、完全にセクションで分かれてはいないため、風通しがよく他組織との連携がしやすい環境だと思います。

山本様
組織規模が大きくなればどうしても売上を追求するというドライバーが働きやすくなります。一方で、当社は、個々の好奇心や、産業に対する問題意識から駆動されたテーマを開拓したり、長期的な視点でクライアントとの関係性を構築したりするカルチャーがあると感じています。

『新産業創出』『イノベーション』という切り口で唯一無二の組織にしたい

小野
ヘルスケアチームの特徴や強みを教えていただけますか。

花村様

3つの特徴があると考えています。

まず1つ目が、国や官公庁をはじめとしたステークホルダーとの関係性が構築されていることです。
ヘルスケアやライフサイエンスは、比較的規制が多く、外から入りにくい産業です。しかし、我々は国のプロジェクトに多く携わっており、経産省、内閣府などに対して提言をさせていただいております。私自身も国の委員として活動をしていますし、ADLとしても客観的な立場で産業や規制に対して声を上げられるポジションを確立しているのが1つの特徴になります。

2つ目は、ヘルスケア・ライフサイエンスの多様なイノベーショントピックに対して深いナレッジ・コンピタンスを有していることです。
ヘルスケア・ライフサイエンスでは今日、再生医療や遺伝子治療、デジタルセラピューティクスなど産業の垣根を超えるさまざまなトピックが次々と生まれています。そういった新しい領域は、クライアント企業にすべてのナレッジが蓄積しているわけではありません。テクノロジーやサイエンスの深い理解をベースとしたイノベーショントピックの案件を通して、我々自身が知を集積させ、それを発展的に深化させていくことで、カスタムメイドでクライアント企業の戦略作りのサポートができることが強みになります。

3つ目は、長期的な視野に立ったクライアントの変革です。
当社の代表も「長い目で『ありがとう』と言われるファームになろう」とよく申しています。短期的な施策や改善だけに留まらず、10年後、15年後の社会や政策の変化を鑑みながら、クライアントのイノベーションを多面的に支援することで、産業変革(Industry transformation)を起こしていくというのが我々のスタイルです。

山本様
企業の経営層向けのご支援と事業の現場でイノベーションと対峙しているの実務層向けのご支援をバランスよく提供することで、クライアント企業のイノベーションを促していくことも我々のミッションと捉えています。そうした地に足のついたコンサルティングスタイルによって、クライアント企業から信頼され、継続的にお声がけ頂ける関係性を築けているケースも数多くあります。

また、発信力も強みです。例えばプロジェクトや国の案件を行う中で醸成された産業に対する意見を各種媒体で発信し、それによって新たなプロジェクトにつながったり、関心を持った方に入社していただいたり。そういった循環が生まれているのも当チームの特徴ですね。

小野
他ファームと比較した際に、御社のヘルスケアチームの特徴についてはどのようにお考えでしょうか。

花村様
個のエッジを活かしながら新産業を創出する点だと思います。 戦略ファームは数あれど、「新産業創出」「イノベーション」という切り口において、我々は唯一無二の組織になりたいという強い想いがあるんですね。そのためには個々が持つエッジや強み、エキスパティーズを最大限尊重しながら事業を行っていくことが我々の立ち位置だと考えております。

チームの中にはサイエンスに詳しい人、ある業界やトピックに対して深い経験と知見を有する人、社会の変化に対して深く洞察し国に対してこうあるべきだと提言ができる人など、戦略コンサルタントとして必要なロジカルシンキング以上のスキルを持っている方が多いと思います。そういった個々人のメンバーの持つ想いを吸い上げながら、産業全体の視座に立ってコンサルティング活動を有機的に結びつけるという点で、他ファームとは根本的に発想が異なります。

花村様

「10年後、100年後のヘルスケアとは何か」と哲学的に問いながら今できる戦略を作っている

小野
ヘルスケアチームの直近のトレンド案件を伺ってもよろしいでしょうか。

花村様
今、ヘルスケア産業は大きな変局点を迎えています。例えばデジタルの観点で言えばヘルスデータ、サイエンスの観点では新たな治療技術の開発により社会制度や国の制度が追いつかず、早急な制度改革が求められています。他にも国の医療費が増大する中で、サステナブルな医療アクセスを担保するチャレンジに迫られています。予防医学や健康増進の観点では、病気をいかに未然に防ぐか、いかに重症化させないか、そのためにいかに行動変容を起こしていくかといったトレンドもあります。これらのテーマが、国や民間企業といった枠組みを超えて増えています。

山本様
さらに政治経済の激しい変化や、デジタル技術の躍進により、世の中は非常に複雑化しており、将来を見通すことが難しくなっています。そういった不確実な状況の中で、「どのような戦略を描いていけばいいか」といった今後のプランを練り直すようなご相談は以前よりも増えている印象です。

小野
御チームがマーケットから選ばれ続けている理由を教えていただけますか。

花村様
いくつか理由はありますが、真の意味でクライアントファーストであることだと思います。
クライアントとの付き合いが長期間になれば、さまざまな角度から相談を受ける機会が生まれます。その中で、当然ながら我々で対応が難しいものや、他企業の方が我々よりもよりうまく対応できる案件があることも事実です。それほどまでにクライアントのイシューは多様化・高度化し、同時にテクノロジーやサイエンスの幅も広がっており、どんなに大きなファームで1社では対応が難しいでしょう。、そういった際に、付合いが深いクライアントに対しても正直にそのことをお話しするようにしています。無理に刈り取ってビジネスにするのではなく、依頼できる企業やプレイヤーを紹介するんですね。

また、例えば大規模なコンサルティングファームでは、グローバルのベストプラクティスを持ってきて、それを日本のクライアントに紹介してプロジェクトを始めるというケースがありますが、必ずしもそのやり方がクライアント企業に合うとは限りません。
当社では机上で描いたものを無理にトップダウンで落していくのではなく、クライアント企業の実態やカルチャーを理解した上で、さらに10年後、100年後の医療とは何かと哲学的に問いながら今できる戦略を作っていきます。

このような挙動の積み重ねが、クライアントから信頼を寄せられる理由につながっているのだと思います。

山本様
もちろん国内外のベストプラクティスを検証することも大事です。しかし、成り立ちの異なる他企業のベストプラクティスをそのまま自社に当てはめることができるケースは限られると考えており、それぞれクライアント企業固有のカルチャーや成り立ちを踏まえた上で提言していく、というのが弊社の基本スタンスです。

山本様

製薬業界から、官公庁まで多種多様なメンバーでチームを組成

小野
御チームにご在籍されているメンバーのバックグラウンドについて教えてください。

花村様
ヘルスケアチームのメンバーは現在約30名おります。製薬企業、医療機器メーカー、ヘルステック系企業の出身者、コンサルティングファーム出身者、他にも前職が外務省、雑誌ライターだった方などバックグラウンドはさまざまです。

小野
多種多様でいらっしゃいますね。新型コロナウイルスの影響でオンラインのコミュニケーションが増えていると思います。オンボーディングではどのような工夫をされていますか。

花村様
毎週、誰でも参加できるランチ会を設けて、プロジェクトメンバー以外の人たちと交流できる機会を意識的に作っています。他にも1対1で相談できるメンター制度を取り入れたり、オンボーディング担当者をつけて丁寧にOJTを実施するなど、以前と比べてオンボーディングにはすごく気を遣うようになりましたね。とにかく、コミュニケーションの量を増やすこと、そのための場を半強制的にでもセットすることが重要と感じています。

小野
御チームが求める人物像を教えてください。

花村様
我々は産業創出やイノベーションを通じて、社会の富の総量を増やすことを目的に事業を行っています。多種多様な経験でスキルを身に付けながら世の中を良くしていきたい、新しい価値を提供していきたいという強い想いがある方に、ぜひ来ていただきたいと思います。

山本様
自分なりの意見を持ってヘルスケア産業の課題に取り組んできた方に参画していただきたいですね。組織がコンパクトなのでそういった方はプロアクティブに動きやすく、かつ充実したコンサルティングキャリアを積んでいただけると信じています。

花村遼 様
花村遼 様

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー。製薬・医療機器・消費財・化学素材・官公庁のクライアントに対して、経営戦略・事業戦略・研究開発・イノベーション戦略等のコンサルティング業務に従事。著書「新型コロナ収束への道」(日経BP)。経済産業省、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)主催の再生医療・遺伝子治療関連の委員会に委員として複数参画。

山本洪太 様
山本洪太 様

アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル。早稲田大学商学部卒業、エラスムス大学ロッテルダム経営大学院修士(MBA)。米系コンサルティングファーム、外資系製薬企業などを経てADLに参画。製薬企業を中心としたライフサイエンス企業および異業種からの参入企業に対し、新規事業戦略、マーケティング戦略、ビジネスデューデリジェンスなどを支援している。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社

技術力を中心としたマネジメントコンサルティングに強みを持ち、「技術をいかにビジネスや社会に応用するか」という現在のMOT(Management of Technology)に近いビジョンを掲げる。
技術をコアコンピタンスとする企業に対する全社戦略・事業戦略や技術経営(MOT)、知的財産マネジメントを中心としたコンサルティング事業をグローバルに展開。

日本法人は1978年に設立。
同社のコンサルタントは日本を代表するような大手製造業の出身者が多く、また外資系戦略ファームの中でもファミリー的で温かい雰囲気を持ち、長い目でコンサルタントの成長を見守るファーム。
日本における同社は「企業における経営と技術のありかた」にフォーカスしたコンサルティングに強みを持ち、製造業に強い経営コンサルティングファームという確固たる地位を確立している。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社の求人情報

募集職種 ヘルスケアコンサルタント
職務内容

医療・ヘルスケア業界に影響を及ぼす様々なステークホルダーに対しサービスを提供。 これにより、医療・ヘルスケアに留まらないマクロな事業環境変動要因を十分踏まえたコンサルティングを行なう。
また、クライアントは医薬品・医療機器のみならず、診断薬、バイオベンチャー、政府機関、ベンチャーキャピタル、医療・ヘルスケアへの新規参入を目指す電子機器・消費財・食品企業など多岐に渡ります。
日本、米国、スウェーデンを中心とし、主要国にヘルスケアプラクティスグループを置き、連携・情報交換を行いながらクライアントの活動を支援。

応募要件

●求める経験

  • 四年制大学卒以上で、医療・ヘルスケア業界での実務経験をお持ちの方

アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。

各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。

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