「最もお客様に信頼されるブティックコンサルティング・ファームを目指す」を理念に2001年、大阪で設立されたアットストリームコンサルティング株式会社。規模拡大を追いかけることなく、「お客さまに寄り添う」コンサルティングスタイルを創業当時から続けています。今回は、同社の取締役 シニアマネージングディレクター渡邉亘様、マネジャー上野将範様より、ジョインされた経緯、同社の経営風土、カルチャーなどについてお聞きしました。
アットストリームコンサルティング 渡邉様、上野様のご経歴
佐々木
まずは、渡邉様のご経歴からお聞かせください。
渡邉様
私は大学を卒業後、大手システム開発会社に就職し、7年勤めました。その後、2006年にシニアコンサルタントとして参画し、今は企業の基幹業務のデジタル化を支援するサービスのリーダーとして業務に当たっています。
29歳の頃、将来の自分のキャリアを考えていた時にアットストリームに出会い、本質的なことに注力するプロフェッショナルとしての姿勢に強い共感を持ったことが、この会社に興味を抱いた最初のきっかけで、会話を重ねる中でお客様のために本気で物事を考えているアットストリームコンサルティングの人たちと一緒に仕事がしたいと強く思い参画することを決めました。
コンサル未経験での入社でしたから、まずは弊社がメインとする製造業のお客様の根幹となる仕事、いわゆる現場改善や工場の効率化といったところから始めて、そこからもっと経営に近い領域へと自身の幅を広げながら取り組んできました。
佐々木
御社でのお仕事で、特に印象に残っているものについても教えてください。
渡邉様
それまでのアットストリームコンサルティングに無かった、新たなビジネスを開拓してきたことです。
弊社では創業以来、管理会計の仕組みづくりをご支援するビジネスを手掛けていました。海外からデータを収集したりレポーティングするシステムは別のシステム会社に開発して頂いていたのですが、こういったシステムづくりは数年かかることもあり、完成した頃には経営環境が変わっていてマネジメントの考え方も変わってしまっているという問題点があったのです。ならば、業務のこともマネジメントのことも理解している我々コンサルタントが、システムの構築まで手掛ければ、もっと短期間で良い仕組みを提供できるし、それを積み重ねて拡張していくようなスタイルにする方が、価値があるのではないかと思い、そういったビジネスを立ち上げました。当初はなかなか思うようにいかないことがありましたが、チームで知恵を出しながら突破してビジネスを形作ってきました。
こうした経験を踏まえ、経営の立場になった今では、弊社のスタイルを活かした積極的な新規サービスの開発など、挑戦する風土を社内で育て、大切にしていきたいと思っています。
佐々木
現在の仕事内容についても、詳しくお伺いできますか。
渡邉様
今は主にマーケティングやクライアントとのリレーションを深くしていくような仕事をしています。コンサルタントとしては、管理会計の領域で制度、プロセス、システムを合わせて提供するようなサービスや、製造業の生産管理やサプライチェーン領域のDXを支援するサービスも行なっています。加えて、会社の経営をリードする立場として、今後の会社をどういう姿にしていくのかを考え、メンバーにその考えを浸透させ、実行していくという役割も担っています。
佐々木
続いて上野様、ご経歴からお願い致します。
上野様
私は公認会計士の資格を取得した後、大手監査法人で財務諸表監査や内部統制監査などの仕事を11年程務めました。製造業や建設業、さらには母校を含む学校法人など、様々なクライアントの監査を経験し、責任ある仕事にはやりがいを感じていました。
ただ、監査する側としてお客様と接する限界も感じていました。もっとお客様のために動きたいと思っても、いろいろな制約があり、一定の範囲内でしかできないことが多かったです。そんな中でも、自分のアドバイスでお客様が喜んだり感謝してくれたりすることに一番のやりがいを感じていたので、そういうところをメインにできるコンサルティングの仕事を志すようになりました。
監査法人内では、経験値が増えると共に評価もいただけるようになりましたが、他の業界でも活躍できる人材になれるのか確かめたい、環境を変えて新しいことにチャレンジしたい、という気持ちが徐々に強くなっていきました。
佐々木
なぜ御社を選ばれたのでしょうか。
上野様
転職活動中に大中小様々なコンサルティングファームの方とお話ししましたが、会計士というバックグラウンドだと、どうしても財務や経理のサポートを求められることが多く、財務会計の枠を抜け出せる場所がなかなか見つかりませんでした。また、問題の本質を真正面から解決しようとしている会社にもなかなか出会えませんでした。
そんな中で、アットストリームコンサルティングは問題の核となる部分を本気で突きにいっている会社で、扱っている内容の難易度も高いという印象を持ちました。実際の面接でも一番難易度の高い話をしていて、そこは他の会社とは大きく違った点でしたね。この会社には本当のプロフェッショナルがいると感じ、ここに身を置きたいと思い、転職を決めました。
佐々木
御社での仕事内容についてもお聞かせください。
上野様
私は2年前にシニアコンサルタントとして弊社に入ったのですが、まずは大手自動車部品関連会社が、一部の事業を切り出して設立した合弁会社との間で締結した様々な契約や、それに基づく取引全般の管理などを通じて全体の管理をサポートし、プロジェクトマネジメントを行うプロジェクトにアサインされました。
具体的には、様々な取引が契約通りに遂行され、請求や支払いが問題なく行われているかや、契約の追加や変更が適正な手順を踏んで行われているかなどをモニタリングしたり、双方の会社のCFOが出席される会議に出席して、日々発生する問題の解決にあたるなど、プロジェクトを色々な面から全体的に管理するといった業務を経験しました。
また、マネジャーになってからは、グローバルでネットワークコンテンツやゲームなどを展開している会社の経営管理高度化をサポートするプロジェクトのプロジェクトマネジャーとして、グループの経営管理の在り方や目指す姿を構想して、国内外多岐にわたるグループ会社に散在している様々なデータを集約し、グローバル横串で経営するための仕組みやデジタル基盤の構築をご支援しています。
佐々木
転職されて苦労されたこと、またそれをどのように乗り越えられたのかお聞かせください。
上野様
シニアコンサルタント時代には、クライアント側にもプロジェクトをマネジメントされている方がいらっしゃる中で、自分がどこまで前に出るべきか分からずに戸惑うことがよくありました。そういった中で、「我々は作業をお願いしているのではない」とクライアントのPMから言われたことが、コンサルとしての意識をガラっと変えるきっかけになりました。それからは、自分がどういったスタンスで臨めばよいか迷いが全くなくなりました。現在その方は別の会社でCFOをされているのですが、「私を近くで助けてもらえるような仕事をお願いしたい」と言ってもらえるほどの信頼関係を築くことができました。
マネジャーになってからは、プロジェクトが増えたり、下に人がついたりして、今までのように1つの仕事に全力を注ぐことができない状況で、如何に滞りなく高い質を維持しながら成果を出していくかというところを目指して苦慮しています。コンサルとして人を使い折衝し、クライアントともリレーションを築きつつ、社内的にも様々な取組みに積極的に関与する中で、今はまだもがきながらやっているといったところです。
100%お客様のことを考え、「定着と浸透」にこだわるコンサルティングスタイル
佐々木
御社のミッションについてお聞かせください。
渡邉様
弊社は、2001年に外資系のコンサルティングファームにいたメンバーがスピンアウトして立ち上げた会社です。当時はコンサルティングビジネスの黎明期で、コンサル未経験の人材が多く、お客様が本当に求めるサービスを提供できていない状況にありました。お客様の経営課題に対して本当に必要な解決策を提案する、少数精鋭のチーム体制でのサービス形態をつくりたいとの想いで始まりました。
我々は今も少数精鋭にこだわっていて、またメンバーには業務時間の100%をお客様のために使い、自分の価値を発揮してほしいと考えています。例えば、最近ようやく当たり前になってきたリモートワークも20年前から取り入れ、働く時間や場所もフレキシブルです。さらに会社としての業績目標はありますが、役員それぞれに売上目標を設定していなかったり、シニアマネジャー以下にも売上責任を持たせないなど、本当にお客様のためになることに集中する環境を作っています。これは弊社のメンバーの相互の信頼関係が強く、余計な目標設定などはなくても個々のメンバーが自発的に目標達成のために貢献するというプロフェッショナルとしてのマインドを持って行動する文化が根付いているからだと思います。
我々の強みは、お客様のビジネスを再設計し変革への道筋を示したうえで実行・定着を最後までご支援する、というところにあります。最後までやりきる強い意志でお客様に寄り添い、デジタル化が遅れている今の日本企業の生産性を圧倒的に高めることに貢献していく。それが我々のミッションだと考えています。
佐々木
他社と比較した際の御社の強みはどこにあるとお考えでしょうか。
渡邉様
計画策定をメインでやるコンサルティングファームや、お客様の業務をアウトソーシングのような形で引き受ける小規模なコンサルティングファームもありますが、我々は仕組みを変革し、それを定着、浸透させるというところに注力しています。計画はできても、人材不足や知見不足、どのようにやるかのHowが分からなくて実行や定着に課題があるケースも多いのですよ。
我々はお客様の業務に深く入り込んでいく会社で、定着面での課題を解決する力がありますし、お客様以上にお客様のことを深く知りたいと思えるメンバーが揃っています。
佐々木
「定着と浸透」ですか。
渡邉様
はい。実際に最後の実行段階になると、計画していたことと全く違う話が出ることもありますし、「何のためにこんなことしてきたのだっけ」なんて議論にもなったりする。我々はそこから色々修正しながらどう成果を出していくかを考えているのです。それが分かっているからこそ、きちんと夢があり、かつ実現性のある計画がつくれるようになりますし、そういう経験ができるのは、コンサルタントにとっての本当に良い成長につながると思っています。
上野様
我々が必要とされていることは、現場でも肌で感じています。そこは、お客様と我々の会社の想いが一致しているところだとすごく思います。
佐々木
どのくらいのプロジェクト人数で回すことが多いのですか。
渡邉様
大小さまざまですが平均すると大体3人ぐらいですね。例えコンサル未経験で弊社に入社したとしても、弊社に入ったらすぐにお客様の前に出ることになります。未経験の中でも役割というものがあるので、それをちゃんと設定して、その中で価値を出してもらうという考え方です。
大手だと大勢の体制の中の一員で、お客様に名前を覚えてもらえないこともあるようですが、弊社はそんなことは全くありません。
地域に捉われず、その人の専門性を活かせるアサインを
佐々木
ワークライフバランスについてもお聞かせください。
上野様
私の場合は基本的にフルリモートです。シニアコンサルタントのときは、ほぼ100%家で仕事をしていました。土日も普通にお休みです。マネジャーになった今は、お客様と対面で仕事をすることが多くなったので出張が増えましたが、それでも8割ぐらいはリモートです。
忙しいときもありますが、例えば子供のお迎えに行かなければいけない場合は一時的に抜けたりとか、そこは柔軟にできます。非常に働きやすいと私は感じています。
佐々木
出張は遠いとどの辺りまで行くのですか。
上野様
基本は東京と埼玉の2ヶ所ですね。
渡邉様
我々は、オフィスに出社するということを創業以来前提としていません。もっとも効率よくクリエイティブな発想のできる環境で仕事をすることが一番重要だと考えているからです。
ジョブのアサインは専門性で決めています。東京所属のメンバーが大阪のお客様に行くことも十分あり得ますから、採用の際には「出張大丈夫ですか?」と必ず聞いています。たとえば、家庭の事情などで長期の出張が難しい方でも、週2日とか、短期間ならいけるのかといったことは、確認させていただいています。今はリモートでやり取りするケースが多いですが、仕事内容によってはお客様先に常駐することもあります。これは全て我々の提供価値を高めるためにはお客様とどのように接するのが一番良いかを考えてのことになります。
佐々木
社内の雰囲気はいかがですか。
上野様
私が感じているのは、「これがしたい」という意志のある人にはチャレンジさせてくれる会社だということです。「私はこれがやりたいです。こういうことをしたいです。」と投げると、できるできないはあるにしても、会社は必ず反応してくれる。積極的に何かをする人を伸ばそうとしてくれる雰囲気はすごく感じますね。
変革について本気で考え、自ら引っ張っていく力のある方を求めている
佐々木
御社が求める人物像、人材像についてもお聞かせください。
渡邉様
まずは、実行と定着にこだわる当社の考え方に賛同してくださる方です。あとは、コンサルティングはかっこいいものではなく、汗をかいて泥まみれになって、100%お客様のことを考える必要があるという、弊社の風土をきちんと理解してくださる方。
弊社は働き方は自由ですが、自由である反面ちゃんと成果を出すことがセットで求められます。規律を持って自ら動くことができるか、そこも見ています。
採用面接をしていると、経営を変える仕事をやりたいとおっしゃるかたがいるのですが、「今の職場環境で何か変革するために、何を提案するか」と問うた時に、答えられない方も多いです。ですから、日々そういうマインドで考えているような、本気で何かを変えたいと思っているような人材を求めています。
佐々木
メンバーに共通するバックグラウンドなどはあるのでしょうか。
渡邉様
面白いことに、うちに入社する方の適正検査の結果を見ると、ある特徴が共通しているのです。それは、生活の安定性をあまり求めていないこと。そこは自分に対する挑戦だとか、そういったところの表れなのかなと受け止めています。
佐々木
御社に入って活躍されている人材はどんな方なのでしょうか。
渡邉様
お客様の期待値をきちんと満たしていくタイプや、上野のように新しいニーズを切り拓いていくタイプがいますね。両者とも、人や企業を変える前にまず自分を変えられるかということを考えられる人たちです。
佐々木
最後に、御社が今後目指す姿についてもお聞かせください。
渡邉様
はい。お客様の課題は様々な領域で発生しており、課題解決のアプローチも複雑化しています。我々はお客様を幅広い面でご支援ができるように努めていきたいと思います。特に大手のお客様は、部署間の壁が高いこともあり、我々が突破口となって互いに成長していけるよう、お客様の将来に渡る変革と成功体験を提供していきたいですね。
また、弊社には成長意欲のあるメンバーが多いので、メンバーが楽しんで仕事ができる環境をつくっていきたいですし、挑戦するメンバーを会社としてバックアップしていきたいです。個々のメンバーがきちんと専門性を持って、マーケットの中でも認知されるよう、会社も個人もブランド化していくことで、もっと楽しいファームになると思います。
上野様
私がマネジャーとして思っているのは、我々中間層が会社をどうしていきたいかを自分事として捉え、自分なりに考え発信していくのはとても重要であるということです。一緒になって考え、発信し、それを実現していく。それを我々の層がやっていければ、より強い組織になるのではないかと思っています。