クレイア・コンサルティング株式会社 インタビュー/「最強のHRコンサルティングチームになる」というビジョンのもと、大企業の「組織・人事戦略の立案から人事制度の設計・運用支援」まで一気通貫でサポート

クレイア・コンサルティング株式会社

2002年にアーサー・アンダーセン出身のメンバーが創業した組織人事ブティックファーム クレイア・コンサルティング株式会社。「企業には各社固有の組織・人事課題があり、それらを解決するためのソリューションも各社各様であるべき」との信念のもと、パッケージ型のソリューションではなく、オーダーメードのコンサルティングを大企業向けに提供する同社。
今回は同社で採用責任者を務める桐ヶ谷COOより、マーケットにおける強み、実際の案件事例、人材の育成方針などについてお聞きしました。

目次
  1. 戦略と人事が融合する上流域で勝負をかける、そのため適正規模の組織を維持
  2. クライアントにフィットした“現実感のある”ソリューションを提供
  3. 経営陣と10年後の組織・人事のあり姿を議論し、実現に向けた道筋を提示
  4. 組織・人事は蓄積型の能力開発が可能であり、根気よく学習すればいずれ専門人材へ
  5. 求められるのは「思考の粘り強さ」と「矛盾を甘受する力」
  6. クレイア・コンサルティング株式会社 求人情報

戦略と人事が融合する上流域で勝負をかける、そのため適正規模の組織を維持

安形
まずは御社の概要について教えてください。

桐ヶ谷様
クレイア・コンサルティングは、米国系コンサルティングファームの「アーサー・アンダーセン」のHRMチーム(Human Resource Management)に所属していたメンバーが中心となって2002年7月に設立されました。(※アーサー・アンダーセンのコンサルティング部門は2002年に解散、その後KPMGコンサルティングに統合)
当時、外資系の大手コンサルティングファームでは、大規模なシステム導入プロジェクトに多くの人員がアサインされていました。私たちは大規模なシステム導入プロジェクトではなく、より上流域のマネジメントコンサルティングの分野で勝負をしたいと思い、組織・人事の専門ファームとしてクレイア・コンサルティングを創業しました。

安形
桐ヶ谷様はどういった経緯で御社に参画されたのでしょうか。

桐ヶ谷様
私は国内と外資の事業会社で計8年間人事部門の経験を積んだ後、31歳で創業半年後のクレイア・コンサルティングに入社しました。当時は事業会社の人事部門で経験してきたことをより多くの企業に広めたい、と思いがありました。事業会社に在籍していたときに現代表取締役の草間と出会う機会があり、それがきっかけで創業直後のクレイアに自ら書類を郵送して入社しました。クレイアのキャリア採用者第1号です。以来、事業会社時代も含めると、計30年間、組織・人事分野で仕事をしてきたことになります。

安形
現在の会社規模についてお聞かせください。

桐ヶ谷様
2024年4月時点で社員数は38名です。創業以来、過度な成長や人員拡大を目指さず、高品質なソリューションを提供できる適正規模の組織を堅持してきました。

社員の年齢構成としては、新卒採用で入社してきた20代前半の社員から、他の総合系ファームや事業会社から転職してきた30代、40代の社員まで幅広い年齢層の社員が活躍しています。新卒採用とキャリア採用を継続してバランスよく行っており、社員の男女比率もほぼ5:5で多様な人員で構成されています。

規模の拡大は追わないものの、組織・人事領域の専門性とソリューション力は他の大手コンサルティングファームに決して負けないつもりです。われわれは、組織の規模を拡大させ、拡大させた組織を維持するためにパッケージ化された低品質のソリューションを量産することはしたくありません。これからも大企業向けに高付加価値のソリューションを提供します。

安形
組織人事ファームの中でも、ユニークな会社というイメージがあります。

桐ヶ谷様
組織・人事のファームには、外資系大手のマーサージャパンやコーン・フェリー・ジャパン、総合系ファームであるBig4のHRコンサルティング部門、日系のコンサルティングファームなどさまざまなプレーヤーがおりますが、当社の立ち位置は非常にユニークであり、独立系ブティックファームでありながら、各業界のトップ企業の組織・人事案件に関わっています。私自身も同業界の関係者から、「どうしてクレイアでは大企業のビッグプロジェクトを引き受けられているの?」と不思議がられています。

桐ヶ谷様

クライアントにフィットした“現実感のある”ソリューションを提供

安形
競合他社との違いは、どのようにお考えでしょうか。

桐ヶ谷様
外資系の大手コンサルティングファームの強みは、これまでの歴史の中で確立されてきた“グローバルメソッド”を、グローバル企業向けに展開していく点です。たとえば、「ジョブサイズの測定」や「ジョブ・ディスクリプションの作成」といったテーマは外資系大手ファームが最も得意とする領域の1つです。

それに対してわれわれは“グローバルメソッド”のメリットを理解しつつも、それをそのまま日本企業に導入しても、日本企業の組織や人事の改革は必ずしもうまく進まないことをこれまで経験してきました。クライアント各社の組織の特徴は、現有人材の能力レベル、現行人事制度の運用実態等を踏まえ、各社にフィットした“現実感のある”ソリューションを提供していく点が当社の強みだと捉えています。

もう1つ当社の特徴を挙げるとすれば、組織・人事戦略の立案といった上流域から、人事制度の構築・運用支援などの下流域に至るまで、一気通貫でクライアントを支援できる点です。上流域は支援するが下流域までは手を出さない外資系大手ファームや、下流域なら対応するが上流域の議論は避けようとする国内ファームが存在する中、当社は上流域から下流域まで一気通貫でクライアントを支援できる点が強みです。

私自身もプロジェクトの前半で、クライアントの経営者と中長期の組織・人事戦略を協議したのち、プロジェクトの後半で、人事制度設計に必要なシミュレーションを精緻に実施したり、さらには各部門の事業責任者向けに新人事制度の説明会をしたり、講師として評価研修のファシリテーターを担当することもあります。それほどわれわれの仕事は幅広いと言えます。

安形
クライアントの規模感についてお聞かせください。

桐ヶ谷様
弊社のクライアントの多くは、プライム市場やスタンダード市場に上場している各業界のトップ企業であり、数千から数万人の従業員を抱える規模の会社も数多くご支援しています。これは代表取締役である草間自身の価値観でもあるのですが、「高難易度のテーマを扱うトップ企業向けのプロジェクトは非常にタフだが、コンサルタント自身の腕が磨かれる上に、プロジェクトを成功裏に導ければ、大きなやりがいや自信につながる」という価値観のもと、創業時から大企業をメインターゲットとしています。

安形
どういった業界のクライアントとお付き合いされているのでしょうか。

桐ヶ谷様
メインクライアントとしては、自動車メーカー、エネルギー企業、総合商社、金融機関、メディカル、航空会社、百貨店、IT企業などです。民間企業以外にも、官公庁、独立行政法人、学校法人などもご支援しています。官公庁や独立行政法人の案件は、大手コンサルティングファームとの競争入札を経て、当社が受注し、ご支援した案件となります。

経営陣と10年後の組織・人事のあり姿を議論し、実現に向けた道筋を提示

安形
特にどのようなテーマの案件が多いのでしょうか。

桐ヶ谷様
最近のテーマとしては、人手不足や賃上げブームの中、経営に対する人員や人件費のコントロールをどのように進めていけばよいか?といったご相談を数多く受けます。たとえば、新卒採用を継続するために初任給水準を引き上げると、2年目以上の既存社員の報酬も段階的に引き上げざるを得なくなりますが、売上が伸び悩んでいる企業では、無制限に賃上げを続ける訳にはいきません。また、昨今65歳までの定年延長継続雇用に対する社会的な要請が強まっており、企業としても定年再雇用者向けの人件費の財源をどこから捻出すべきか?というテーマに直面しています。現行人事制度のルールや総額人件費の枠内でどのように手を打つべきか?などの短期的な施策だけでなく、5~10年後の人員数や年齢構成の変化を見据え、今からどのような手を打っておくかといった中長期的な視点でコンサルティングを行っています。

これまで日本企業の賃金カーブは、年齢が低いときには報酬が低く、年齢が上がるとパフォーマンスとは無関係に賃金が上昇していく“S字カーブ”の仕組みでした。新卒一括採用で多くの社員が採用できた時代はそれでも大きな問題とはならなかったのですが、少子高齢化時代に突入し、若手社員の確保に向け、各社がこぞって初任給を引き上げはじめたことにより、多くの企業がこの“S字カーブ”の見直しに迫られています。初任給の引き上げによって若手社員を確保しつつ、さらにその上の世代である30代の中堅層や40代の管理職の報酬水準をどのように引き上げていけばよいのか?定年再雇用者の人件費はどのように確保すればよいのか?今、多くの経営者が会社全体の人件費コントロールのあり方に頭を悩ませています。こういった中長期の経営課題について、経営者の方々と日々議論を重ねながら解決策をご提案しています。

安形
長い目で見れば、経営戦略とひもづいていくようなご相談ですね。

桐ヶ谷様
はい。まさに上流域の経営課題に組織・人事の観点からアプローチしていくのが、われわれの真骨頂です。もちろん経営者から寄せられるご相談の中には、「ジョブ型人事制度を導入したい」「評価制度や報酬制度を見直したい」「エンゲージメントサーベイのスコアを改善したい」といった具体的なソリューションの提供をご希望されるケースもありますが、そのような場合でもわれわれはクライアントに対し、「貴社の本質的な組織・人事課題は何か?」「組織・人事の観点からどのように働きかければクライアントの経営課題を解決できるのか?」という問いかけを行います。そのため、クライアントのCEOや役員陣とディスカッションを行う機会も多々あります。私たちの仕事は、クライアント企業の経営陣と10年先の組織・人事のあり姿を描き、その実現に向けた道筋を示すことだと据えています。

安形
そういった上流域の課題に積極的に取り組んでいこうとされているのですね。

桐ヶ谷様
はい。上流域の経営課題にリーチしているからこそ、中流域や下流域の人事制度の設計や運用支援でも一貫性のあるご支援が可能であると考えています。

安形
コンサルタントは、大型案件にアサインされることとなるのでしょうか。

桐ヶ谷様
当社では入社後数年の若手コンサルタントは、原則1案件にフルアサイン(100%関与)することにしています。若手コンサルタントを大型案件にフルアサインすることで、プロジェクト期間中、担当するクライアントだけに向き合い、クライアントにとって真に役立つソリューションを考え出すことに多くの時間を注いでもらいます。また、大規模な案件であれば、同一プロジェクトに複数のコンサルタントをアサインすることが可能となり、若手コンサルタントの成長の場としても活用できます。

一方、マネジャー以上のクラスでは、受注したプロジェクトを確実にリードし、プロジェクト期間内でクライアントから一定以上の評価を受け、確実に次のリピート受注につなげていくことが求められます。

安形
ほかにも、具体的な案件例をいくつかお聞かせいただけますか。

桐ヶ谷様
最近はM&Aや組織再編に伴う組織・人事案件も増えています。たとえば、成長過程にある企業グループがホールディングス体制に移行する際に、持ち株会社と傘下の複数事業会社との間でどのように経営機能を分担していくか?グループ横断での最適な人材活用を実現するため、人事機能や人事制度をどのようにグループ各社で共通化していくか?といったグループ経営に関するご相談をいただいております。

この案件では、すでにホールディングス体制を取っている上場企業約30社をベンチマーク調査し、持ち株会社と事業会社の機能分担のあり方を類型化した上で、クライアントにとって最適な組織設計・組織体制をご提案しました。また、傘下の各事業会社の歴史や現在の事業内容を分析しながら、グループとしての全体最適での視点で横断的・統一的な人事制度の設計を行いました。

企業の経営課題に直面する組織・人事領域のテーマという意味では、次世代の経営候補人材をいかに発掘するか?というテーマも最近増えています。ある案件では、将来の経営候補人材の発掘・選定にあたり、本人に対する人材アセスメント(筆記形式の診断テスト)の実施だけでなく、各候補者の周囲の関係者にもヒアリングを実施し、将来の経営候補人材として適切な能力・資質を備えているかどうかを第三者機関として客観的に判定し、現経営陣にレポートを提出しました。

安形
今後の方向性やビジネス展開について教えてください。

桐ヶ谷様
「人的資本への投資」の重要性が叫ばれる中、企業にとって「ヒト」という資本がより重要な要素となってきています。特に大企業では、さまざまなステークホルダーに対し、「人的資本に対する自社の取り組み」を言語化し、発信していくことが必須となっており、この分野でわれわれが貢献できるテーマも増えてくると思います。

また、大企業が従来の環境に適応するために構築してきた仕組み・ルール・価値観を、新しい環境にフィットした形で進化させるためには、多面的な打ち手を継続的に講じる必要があります。過去の習慣に慣れてしまった既存組織の仕組みや価値観を大きく変革させるためには、われわれのような外部の専門コンサルティングファームの知見やノウハウを活用することが有効だと考えます。多くの大企業が既存事業の構造転換を迫られている今こそ、組織・人事のプロフェッショナルであるわれわれがお役に立てる機会やテーマは数多くあるはずです。

ほかにも、先ほどもお伝えしたM&Aや組織再編における人事関連案件や、HR Tech関連企業の勃興に伴う、企業内の人材データの活用場面などで、当社が貢献できるチャンスが出てくると思います。

桐ヶ谷様

組織・人事は蓄積型の能力開発が可能であり、根気よく学習すればいずれ専門人材へ

安形
社員の人材育成に関して、気を付けていらっしゃることはありますか。

桐ヶ谷様
大手コンサルティングファームのような「Up or Out」ではなく、時間がかかっても構わないから、「常に学び続けてほしい」と伝えています。組織・人事領域は、仕事の経験値が蓄積しやすい世界です。この分野で腰を据えて一定期間、経験を積めば、専門人材として活躍できるチャンスを広げられると思います。

安形
社員の裁量という点はいかがでしょうか。

桐ヶ谷様
標準的なプロジェクトの場合、プロジェクトマネジャー1名、メインのコンサルタント1名、データ分析などを担当する若手コンサルタントの3名でチームが編成されることが多いのですが、各コンサルタントに与えられる裁量は大きいと思います。プロジェクトマネジャーの支援・指導を受けながらではありますが、新卒採用で入社した2年目、3年目の若手コンサルタントにも、経営陣へのヒアリングや定例ミーティングにおけるプレゼンの役割を情熱的に担ってもらっています。

安形
御社でコンサルタントとしての経験を積む魅力はどこにあるとお考えでしょうか。

桐ヶ谷様
まず、さまざまな業界の大企業が直面する組織・人事課題に若いうちから携われる、という点は弊社の魅力の1つだと思います。各業界をけん引するリーダー企業の最先端の組織・人事課題に触れることで、自らの専門性を磨き上げられます。

また、組織・人事領域で豊富なコンサルティング経験を有するプロジェクトマネジャーのもとで仕事に携われる点も、弊社の魅力の1つだと思います。弊社では、各プロジェクトが終了したタイミングで、都度プロジェクトマネジャーとメンバー間で1on1を実施しており、1on1の場で今後の成長に向けたアドバイスをプロジェクトマネジャーからダイレクトに受けられます。

安形
御社の人材育成制度の特徴についても教えてください。

桐ヶ谷様
人材育成に関して他のファームと最も異なる点は、プロジェクトメンバーの選定において、大手ファームのような「プール制」ではなく、「ユニット制」を採択している点です。「プール制」の場合、プロジェクトマネジャーがプールされている複数のアサイン候補者から都度プロジェクトにとって最適な人材を選出しますが、この方法だと、選ぶ側も選ばれる側も非常に短期的な視点でマッチングを図ることになります。一方、われわれのような「ユニット制」であれば、ユニット長とメンバーとの間で長期的な育成計画が共有され、その計画のもとで各プロジェクトへのアサインが決定されます。ユニットの責任者が若手コンサルタントの育成に中長期的にコミットできる仕組みとなっており、その結果として若手コンサルタントの成長を加速させることができていると思います。

社内の人材育成制度としては、そのほかにも、先輩コンサルタントが講師役を担いプロジェクト運営に必要なスキル・ノウハウを若手コンサルタントに講義する社内研修のほか、全社横断的なプロジェクト共有会や事例共有会、新卒採用者・キャリア採用者向けのオンボーディング研修、外部専門機関が実施している経営知識に関する専門テストの実施など、多様なプログラムが実施されています。

安形
先ほど「ユニット制」のお話がありましたが、それぞれのユニットごとに特色があるのでしょうか。

桐ヶ谷様
現在3つのユニットが存在しますが、インダストリー別のユニットでもソリューション別のユニットでもありません。すべてのユニットが、どの業界のどのような組織・人事テーマにも対応できる状態にしています。若手コンサルタントの人材育成という観点でも、どのユニットに所属していても全社共通の環境のもとで個々人の成長を支援できる体制にしています。

安形
個人の希望や志向性がプロジェクトアサインに考慮されることはあるのでしょうか。

桐ヶ谷様
一人ひとりのコンサルタントとユニット長との間で年2回育成面談が実施され、その際にコンサルタントが自らのアサインに関する希望や意向を申告できるようになっています。当然ながら全員の希望をすべて実現することは難しいものの、進行中のプロジェクトが終了するタイミングで、希望するプロジェクトにアサインできるチャンスがあれば、できる限り本人の希望を尊重しています。所属するユニット内に希望する案件が見つからない場合は、別のユニットにかけあい本人の興味・関心にかなう案件がないか探索するケースもあります。必要に応じて実際にユニット間を異動するケースもあります。

安形
コンサルタントを目指す若手にとっての貴社の魅力をお聞かせください。

桐ヶ谷様
若手にとっての当社の最大の魅力は「成長機会」だと思います。率直に申し上げて、弊社の若手コンサルタントは非常によく鍛えられており、優秀な人材が数多く活躍しています。そのようなメンバーと切磋琢磨できる環境が弊社には備わっていると自負しています。組織・人事のコンサルタントとしてのキャリアに興味・関心をお持ちの方々には、ぜひ弊社の選考にチャレンジしていただきたいです。

採用面接の場面などでも、よく「small is beautiful.」という表現で当社のことを説明するのですが、大手ファームにはないブティックファームならではの「手厚さ」「ていねいさ」「細やかさ」が当社にはあると思っています。大手ファームの一員となり”one of them”として埋もれてしまうのではなく、ブティックファームの中で自らの存在感を発揮したい方にとって当社は非常にフィットすると思います。

求められるのは「思考の粘り強さ」と「矛盾を甘受する力」

安形
御社ではどのような方が活躍されていますか。

桐ヶ谷様
組織・人事領域のテーマには唯一の解が存在しないことも多く、常に「さまざまな視点から考え続ける」ことが求められます。そのため、「徹底的に考える」「思考し続けることをいとわない」などの、いわば「思考の粘り強さ」が不可欠です。もちろんその前提として「自律的な学習能力」が必須であることは言うまでもありません。

また、社内では、よく「矛盾を甘受する」という表現を使うのですが、シロクロはっきりさせにくい課題、たとえば、経営と従業員、組織と個人、短期と長期、といった対立概念を二元論で安易に片づけず、俯瞰的な視点で解釈し直し、受容していく能力も必要です。「ヒト」に向き合う仕事である以上、組織・人事コンサルタントとして人間や集団の心理・行動に関する洞察も欠かせません。

安形
マインド面ではいかがでしょうか。

桐ヶ谷様
組織・人事のコンサルティング領域では、企業で働く一人ひとりの評価や処遇といった非常にセンシティブな情報を扱うことも多く、慎重かつていねいな対応が求められます。経営陣の前で完成した資料をプレゼンする時間よりも、そこに至るまでのデータ分析や資料化に取り組む時間の方が圧倒的に多い仕事です。「仕事の効率性」はもちろん重要ですが、目の前のタスクに対し、手を抜かず、実直かつ誠実に取り組むマインドが不可欠です。

安形
Big4から転職された方もいるとお聞きしましたが、その方はどういうきっかけで御社にいらっしゃったのでしょうか。

桐ヶ谷様
前職でBig4に所属され、組織・人事とは異なるテーマでコンサルティングをされていた方をご紹介いただきました。組織・人事コンサルタントの経験はなかったものの、ご自身の専門分野ではメインコンサルタントとして大規模なプロジェクトに関わってこられた方でした。今後のキャリアとして組織・人事領域に関心をお持ちだったため、シニアマネジャーとして弊社に参画いただきました。現在、これまでのご経験を活かしてご活躍いただいています。

安形
大手ファームからいらっしゃる方も増えているのですね。

桐ヶ谷様
まだまだ数は少ないのですが、他の大手ファームに在籍している方々とキャリア面談を実施するケースは確実に増えています。企業不祥事発生後の組織変革案件や、ファンド出資に伴う事業再生案件など、われわれが扱うプロジェクトのテーマも徐々に広がってきており、大手ファームでこれらの分野をご経験された方がいれば、ぜひご連絡いただきたいと思います。

安形
若手コンサルタントをスピーディーに育成し、30代前半でプロジェクトマネジャーを担えるように育てていく取り組みにも着手しはじめるとお聞きしたのですが。

桐ヶ谷様
将来のプロジェクトマネジャーをどのように育成していくか?というテーマは、当社の重要課題の1つです。20代、30代の若手・中堅コンサルタントがプロジェクトマネジメントやピープルマネジメントに関する専門知識を習得できる研修の機会や、プロジェクトの中で特定のテーマに関しては疑似的に責任者としての権限や裁量を与えていくなど、将来のプロジェクトマネジャーの育成に向け、これからさまざまな取り組みを試していこうと議論している最中です。いずれ、30代前半のマネジャーが誕生する日も遠くないと思っています。

安形
最後に、御社に興味をお持ちの方に向けて、メッセージをお願いいたします。

桐ヶ谷様
当社では、経営的な視点に立って、大企業の組織・人事課題を共に解決していく仲間を広く募集しています。ご興味のある方はぜひ弊社までご連絡をください。

「企業は人なり」と言われますが、組織・人事コンサルタントの最大の魅力は、経営の根幹である「ヒト」という存在に関われる点です。また、私たちの仕事は将来の社会のあり方や雇用問題にも長期的な影響を与える仕事です。クレイア・コンサルティングの一員として、より働きやすい社会や組織の実現に取り組んでいきたいと思う方々からのご応募を心よりお待ちしております。

クレイア・コンサルティング株式会社
クレイア・コンサルティング株式会社
桐ヶ谷優 様

クレイア・コンサルティング株式会社 執行役員COO 兼 採用責任者
慶應義塾大学文学部卒業

大手人材派遣会社および外資系コンピューターメーカーの人事部門にて、人材開発や人事制度設計に携わる。その後、クレイア・コンサルティングに参画。
20年以上に渡り、人事制度改革を中心にコンサルティングを行う。最近では、企業再編に伴う人事制度改革や組織改革に従事。また、制度設計だけでなく、人事制度導入局面でのコンサルティング経験も豊富に持つ。

クレイア・コンサルティング株式会社

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クレイア・コンサルティングは、組織・人事コンサルティングを専門領域とするコンサルティングファームです。人事制度をはじめとした人と組織の問題解決を通じて、クライアント企業の価値向上、経営革新、持続的な成長を支援します。

アクシスコンサルティング

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アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

クレイア・コンサルティング株式会社の求人情報

募集職種 組織人事コンサルタント
職務内容

人事制度改革、人材アセスメント、人材育成システムの設計、組織診断、意識改革等のコンサルティングプロジェクトを推進。

応募要件
  • ・中規模~大規模の企業を対象とした組織人事領域のコンサルティングの経験を3~5年程度以上有する方、自律的に案件を推進できる方
  • ・組織人事以外のコンサルティングファームに丸2年以上在籍、もしくは数百人~数千人規模の事業会社の人事企画や経営企画等でプランニング~他部門を巻き込んだ施策の落とし込み等に従事した経験を2年以上お持ちの方

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