今回の記事は、DigitalBCGのアナリティクスチーム「GAMMA」メンバーの座談会。 泉晃様(Associate Director, Data Science)、荒牧典幸様(Lead Data Scientist)、バレンティン・デイビッド様(Data Scientist)、横山聡恵様(Data Scientist)に、ご経歴やプロジェクト事例、チームの強みについてお聞きしました。
DigitalBCG GAMMAはデータアナリティクスのエキスパート集団
泉様
GAMMAのアソシエイトディレクター、泉です。この座談会のファシリテータを務めます。まずはDigitalBCG GAMMAについてご紹介します。BCG(Boston Consulting Group)は日本やアジアでも50年以上の歴史を持つ経営コンサルティングファームですが、GAMMAは、その中でも先進的なデータアナリティクスに基づく組織変革支援を行うチームです。
BCGの経営コンサルタントと連携して一体となりプロジェクトをデリバリーしています。データサイエンスやデジタルの活用は、今後社会にとって不可欠になるものです。そこを起点にビジネスコンサルティングをしてオペレーションや事業の変革を進めることで価値を出すという組織です。
まず私の経歴ですが、もともとIT企業のエンジニアでした。その後事業会社でビッグデータの立ち上げや、導入、全社のプラットフォームづくり、組織づくりをしていました。次にあるコンサルティングファームでR&Dを担当し、200以上のデータに関するプロジェクトを担当しました。その時に感じたのが、「データを使って価値を出すことを考えたときに一社単位ではなく、もっと社会全体として使えるようにしていかなくてはいけない」ということでした。社会や業界全体でデータを使って価値を出せる、変革を仕掛けられる仕事がしたいと考えGAMMAに移りました。
またGAMMAには非常に多彩なバックグラウンドを持つメンバーが集い、その価値を支えています。今からそのメンバーを紹介します。
泉晃様
荒牧様
荒牧と申します。前職では組み込みのソフトウェアエンジニアとして、カメラやビデオカメラの画像処理のAI技術を開発していました。好きな技術開発を突き詰められるということでやりがいを感じていたのですが、経験を重ねるにつれて、もっと自分の持つ技術で広く世の中にインパクトを与えるような仕事をしたいと考えるようになりました。そんなときにGAMMAの存在を知り、クライアント企業の変革をサポートする機会に魅力を感じて転職しました。
デイビッド様
デイビッドと申します。私は日本の大手企業に数年間勤務し、ディープラーニングなどの技術開発に携わっていました。その後、デジタル系ベンチャーで働く中で、より様々な領域にかかわってみたいという想いが強くなりました。転職を考えていた時にGAMMAの存在を知り、多様なクライアントと仕事ができること、さらに技術開発もできるということで、約3年前にGAMMAにジョインしました。
横山様
横山です。私は新卒でBCGの経営コンサルタントとして入社しました。プロジェクトでGAMMAのメンバーと一緒に仕事をする機会があり、もともと大学時代に数学やコンピュータ・サイエンスを学んでいたこともあり、AIやデジタルで各業界のトップを走る会社の経営課題を解決するのが面白そうだと考え、GAMMAに異動しました。現在はデータサイエンティストとしてGAMMAに所属しています。
分析して終わりではなく、クライアントに入り込み高速でPDCAを回している
泉様
皆さんは今、GAMMAでどのような案件に関わっていますか?
横山様
コンサルタントの経験を生かしたビジネス的な知見を用いつつ、より深くデータの分析に関わる仕事をしています。自分の分析によって、クライアントの経営に良い影響を与えていることを実感できるのが面白いところです。保険やエネルギーなどさまざまな業界のプロジェクトに携わっており、その中でデジタルマーケティングや、パーソナライゼーションを活用した営業の改善、顧客アプローチの戦略立案などを行っています。
泉様
横山さんは、コンサルタントとデータサイエンティストの両方を経験している貴重な人材ですね。デイビッドさんはいかがですか?
デイビッド様
今はこれまでに培ってきたデータサイエンスの経験を生かしてクライアントと一緒に新規事業を作っており、ちょうどリリースされたところです。
泉様
クライアントのデータをただ解析するだけではなく、サービスやアプリケーションを一緒に作るところからクライアントに入り込み、エンジニアリングやデベロップメントの経験を生かしてクイックに立ち上げていくところも、GAMMAの仕事の醍醐味ですね。
デイビッド様
そうですね。なかなか他の企業では経験できないことをしている実感があります。
また、1年目は日本のクライアントを担当することが多かったのですが、2年目からは海外のクライアントの仕事が増えました。シンガポールに3ヶ月間出張したり、韓国やベトナムにも行ったりと、色々な国で仕事ができるのが楽しいですね。シンガポールではビジネスと開発のチームが同じ部屋にいたので、何かあればすぐに相談でき、アジャイルに仕事を進められたのが印象的でした。
荒牧様
私もデイビッドさんと近い経験があります。そのプロジェクトではクライアントにプロジェクト用の部屋を用意していただき、そこでクライアント、経営コンサルタントと椅子を並べて密に連携を取りながらプロジェクトを進めていくことができました。加えてそのクライアントはBtoCビジネスを展開しており、すぐ近くに店舗があったので、そこで我々が構築したモデルを使っていただくということもやってみました。そうすると店舗からすぐにフィードバックをもらえるので修正し、翌日にまた試してもらう、そしてまたフィードバックをもらう……PDCAを高速で回しながらプロジェクトを進められるのがダイナミックで面白かったですね。
泉様
荒牧さんのプロジェクトは、まさにGAMMAの典型的な事例と言えそうですね。
荒牧様
そうですね。クライアントと話をしていると、我々が入る時点では、「AIやデータを使って何かをしたい、デジタル化をしたい」という想いは強く持っていますが、「ではデータを使って何を作るか」という部分が見えていないというケースが多くあると感じます。
ゴールが曖昧な状態でもビジネス仮説に基づいてクイックにモデルを構築し、フィードバックをもらって、少しずつクライアントが本当に行きたかった方向に寄せていくことで、クライアントのポテンシャルを最大限に引き出したビジネスを生み出せるのがDigitalBCG ないしGAMMAの特徴であり、他AIベンダーとの違いの一つであるとも考えます。
荒牧典幸様
データサイエンティストとコンサルタントが協働し、クライアントの問題を解決できる
泉様
今、荒牧さんから、「他のAIベンダーとGAMMAの違い」に関する話が出てきました。改めて我々だからこそできる、他社との違いは何でしょうか?
荒牧様
一般的なデータサイエンティストの仕事は、クライアントからデータをもらい、一定の精度があるモデルを作り、納品して終わり、というケースも多いのではないでしょうか。GAMMAでは、そのモデルを実際にビジネスの現場に導入して、机上検証だけでは見えてこなかった様々な課題を洗い出し、それによってモデルをアップデートするということをやります。技術的な部分だけではなく、クライアントのビジネスに密接に関わり、現場の声を踏まえて、精度や数値だけでは見えない部分をチューニングする、「本当に使えるもの」を作っていく、というのが他社との違いではないかと私は考えます。
泉様
たとえ素晴らしい技術を持っていても、ビジネスの部分をきちんと押さえないとバリューは出せませんからね。
荒牧様
そうですね。クライアントや経営コンサルタントと議論しながらビジネスコンテキストをおさえ、「本当の課題は何か」を常に探すようにしています。いくら我々のデータサイエンティストとしてのスキルが高かったとしても、クライアントの解決すべき課題が明確でないと、スキルを活かすことはできません。あくまでもビジネスの下地があって、そこにスキルのあるメンバーが適切なモデルを作り上げる、この両輪がまさにGAMMAの強みです。
デイビッド様
私も、ただ開発するだけではなく、「これを開発することにより、どのようなビジネスの課題が解決できるのか」を意識して仕事しています。また、ただ指示通りに作るのではなく、クライアントやチームのインプットを元に自ら積極的に提案するようにしています。要件定義の段階からコミュニケーションを重視していますので、後から「これはほしいものではなかった」となることはありません。
バレンティン・デイビッド様
泉様
デイビッドさんと一緒に仕事を進めた経験で印象的だったのが、まさにその部分です。彼はエンジニアリングやテクノロジーのスキルを駆使して、1日にいくつもプロダクトを作っていきます。それにより「ここはこういう風にしよう」と、クライアント側でもどんどん意思決定がなされていました。
私達は、IT系コンサルティングファームのように、大規模なリソースを大量投入できるわけではありません。その分、個々が持つテクノロジーで対応しています。データエンジニアリングやクラウドなどの最新技術を取り入れつつ素早くモノを作り、それをもとに方針をピボットするなど、ある意味「ドライバー」としてより速くビジネスの変革を進めていけるのが、他のコンサルティングファームと大きく違う部分です。
荒牧様
我々と広い意味で競合するファームはいろいろありますが、我々のように経営コンサルタントとデータサイエンティストが密に協働し、クライアントに伴走して価値を出せる体制を構築できているところは少ないと思います。また、コンサルタントとデータサイエンティストの片方が「主」で片方が「従」の関係になってしまっているケースも多いと聞きます。GAMMAは双方が対等な関係であり、ともに「クライアントの為になることは何か」を考えて仕事をしています。
泉様
私もそう思います。コンサルティングとエンジニアリングの両方を兼ね備え、かつコンサルタントとデータサイエンティストがお互いに高めあいながら協働できているのは、GAMMAの特徴だと思っています。
GAMMAにはビジネス、テクノロジーなど多様な面での成長機会がある
泉様
その他にGAMMAの強みとして、人材の豊富さが挙げられますね。
デイビッド様
私が現在担当しているプロジェクトは、これまで経験したことのない分野を含んでいますが、グローバルのGAMMAの中には必ずその道のプロフェッショナルがいて、専門家に直接インプットをもらいながら、新しい分野を学ぶことができています。
荒牧様
私も国内事例がなかなか見つからない際に、グローバルのGAMMAメンバーに相談して海外事例を教えてもらうことがよくあります。もちろん単純にそのソリューションを横展開するのではなく、ローカライゼーションやチューニングは必須ですが、海外からソリューションを仕入れレバレッジをかけて新たなバリューとする、ということはよくありますね。
泉様
グローバルとの距離の近さもGAMMAの魅力ですね。そしてグローバルレベルの多様なトレーニングを受けられるのも、GAMMAならではです。ビジネスとテクノロジー、どちらもハイレベルな研修を会社が用意しています。
デイビッド様
そうですね。ディープラーニングや自然言語処理など、様々な分野の研修がありますね。特に若い方は刺激を受ける機会が多いと思います。
泉様
横山さんはどのようなときに、成長していると感じますか?
横山様
毎回、プロジェクトが始まる前に「自分はこのプロジェクトで何をしたいか」「このプロジェクトでどのようなスキルを伸ばしたいか」をシニアメンバーと話し合う機会があります。日々フィードバックをもらいながらPDCAを回していけるので、着実に成長を感じます。プロジェクトの一つ一つが、私にとっては成長の機会です。
横山聡恵様
泉様
横山さんは経営コンサルタントからの異動なので、技術面で成長できることも重要なポイントですね。
横山様
チーム内でコードレビューをして、「こう書いた方が効率的ですよ」と丁寧なフィードバックをもらえるので、かなり技術面でも成長していると思います。
荒牧様
技術面はもちろん、海外のメンバーとやり取りする機会が多いので、私は英語のレベルがGAMMAに来てからかなり伸びました。自然に英語力が磨かれる環境があると思います。
泉様
わかります。私も英語はあまり得意ではありませんでしたが、日々の仕事を通して確実に英語力が伸びています。英語を話せるようになると「グローバルを巻き込んだこんな事例を作ろう」という、新たなモチベーションに繋がりますよね。
横山様
英語に限らず、これをやりたいという気持ちがあれば、能力を伸ばすためのサポート体制がありますね。
泉様
私が良いなと感じたのが、「ファイティングポーズでいるうちは、BCGはあなたをサポートし続ける」という言葉です。我々の仕事は苦労するのが当たり前。しかし自分を成長させたいと戦っていく姿勢を見せている限りは皆でサポートする、という文化がBCGにはあるのです。
今後も多様な人材を受け入れ、チームとしてのバリューを高めていきたい
泉様
最後に、皆さんは今後、GAMMAでどのようなことにチャレンジしたい、どのような部分を強化したいと考えているか教えていただけますか?
荒牧様
企業のDXを支援してきたいです。大きな会社でも、まだアナログのまま非効率なやり方をしているところは残っています。そういったところにGAMMAが入ることによって、効率を何倍にも高め、その成果として売上や利益を上げていく余地がたくさんあります。
横山様
以前、海外のエキスパートのメンバーとペアを組んで仕事をしたことがあるのですが、そのような経験をもっと沢山積みたいです。また、グローバルのプロジェクトで自分がどれだけ通用するかチャレンジしたいです。
そしてビジネスとテクノロジーの両方をマネジメントし、その架け橋となってクライアントにインパクトのあるアウトプットを出せるよう、これからも成長していきたいです。
デイビッド様
今はコロナ禍ということもあり、目まぐるしく世の中が動いています。日本の働き方も変わりつつありますが、アナリティクスによるソリューションを用いることで、そこにもっとアジャイルの概念を広げていきたいです。そうすることで、日本の企業をGAFAに匹敵するような企業に変えられるのではないかと考えています。
泉様
ありがとうございます。GAMMAには、いろいろなスキルやバックグラウンドを持っている人がいて、かつ、うまく連携を取りながら仕事を進めています。ぜひ今後も多様な人材を受け入れて、チームとして、より強くバリューを発揮していきたいですね。