クラウドを中心とした先端テクノロジーを活用し、クライアントのシステム全体像をデザイン、実現に向けた実行支援まで行うデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 Cloud Division(C-Cube)(以下C-Cube)チーム。
今回は、同チームの根岸弘光様、守屋孝文様、T.N様、T.M様、K.O様より、
ご経歴や、チームのミッション・特徴、実際の業務内容、求める人物像などについてお聞きしました。
デロイト トーマツ コンサルティング C-Cube メンバーのご経歴
梅本
まずは、自己紹介からお願いいたします。
根岸様
C-CubeのDivisionリーダーを務める根岸です。大手SIerや複数のコンサルティングファームを経て、今に至ります。C-Cube では、クライアントのビジネスモデルの変革を、主にクラウドを活用して、構想策定から実行まで包括的な支援をおこなっています。
守屋様
前職はSIerでシステム開発を手がけてきましたが、その後、2007年5月にデロイト トーマツ コンサルティング(以下DTC)に入り、現在15年目になります。今は、“テクノロジー×金融機関”をキーワードに、金融機関のビジネス変革やDX、システム化の構想策定、システムの導入支援など、End to Endで支援をおこなってきました。現在はクラウドをベースとしたレガシーシステムのモダナイゼーションサービスをリードしています。
T.N様
もともとITコンサルを主軸としたファームに勤めていましたが、所属していた部門、担当していた案件がSAP中心だったため、「もっとフラットな立場でお客様にテクノロジーの価値を提供したい」という想いから2013年9月にDTCに転職しました。現在はクライアントの経営資源を活かしながら、DX実現に向けてテクノロジー基盤全体の構想・計画から導入、定着化に至るまでの支援をおこなっております。
T.M様
前職はSIerでシステム開発をおこなっていました。当時はアプリケーションの開発やプログラミングに興味があったため、技術を磨くことに注力してきました。しかし、調達仕様書など枠組みのなかでシステム開発するよりも、「何のためにシステムを作るのか」という観点で考えるようになり、そういった要件定義をおこなっているのがコンサルタントだと知りました。そこで、業界を調べているうちにDTCと出会い、2017年5月に入社しました。
K.O様
私も同じくSIerで10年ほど経験し、2019年8月にDTCに転職しました。現在は主にクライアントがシステムを導入する際に、PMOという役割で組織内のプロジェクト支援に取り組んでいます。
「クラウド」が持つメリットを最大限活用させることがチームのミッション
梅本
冒頭に根岸様からユニットの特徴をご紹介いただきましたが、あらためてC-Cubeの役割やミッションを教えていただけますか。
根岸様
C-Cubeでは、“真のクラウド活用”をクライアントに提示していきたいと考えています。多くの企業では新たな取り組みとしてクラウドを活用するシーンが増えています。しかし、現時点では、オンプレミスのサーバーにあるものを単にクラウド上のサーバーに移行するだけに留まるケースが多く、コスト削減の効果はある一方で、アジリティや拡張性の高さなど、本来クラウドが持つメリットが活かしきれていないと考えています。
そのため、我々C-Cubeでは、クライアントビジネスの競争優位性獲得に向けて、クラウド活用の助言だけでなく、IT部門の組織育成やプロセスの変革、そして、システムの実装までの支援をおこなうことをミッションとしています。
梅本
具体的にどのようなコンサルティングサービスを提供されていますか。
根岸様
C-Cubeでは、大きく5つのサービスを展開しています。
まず1つ目は、AWSやGCP、Azureなどのクラウドプラットフォームを活用して戦略策定から実行まで包括的に支援する「Cloud & Engineering」。これには3大プラットフォーマーのサービスだけでなく、API Managementのサービス等も含みます。また、IT部門の変革に向けたアジャイル開発の基盤構築や、クライアント内のエンジニア教育の浸透も実施しています。
2つ目が、新ビジネスモデルであるサブスクリプションのビジネスを展開するために、DTCのIndustry側の組織やオペレーション変革の組織と協業して、事業戦略の立案から実行、管理プロセスの確立までを支援する「Subscription Business Model」。
3つ目は、クライアントが持つレガシーな環境のデータを、様々な技術により新しいプラットフォームへ組み合わせ、昨今のビジネス環境下でも活用できるようにする「Application Modernization」。
4つ目が、マルチベンダーをコントロールしたり、全体のプロジェクトを推進しながらPMOとして支援をする「Program Management Service」。また、それに加えて、クラウド時代に適合した品質テストを効率的におこなう「Quality Engineering」の分野のサービスも開始しました。
5つ目がMicrosoftのアプリケーションの活用を支援する「Cloud Platform」。IaaS、PaaSだけでなく、ERP領域の導入も支援しています。
新たなビジネスモデルの実現に向けて「戦略策定」から「実行」まで包括的に支援
梅本
それぞれご担当されている案件やクライアントの課題感を教えていただけますか。
根岸様
現在、私は自動車業界に携わることが多いのですが、自動車業界では、基幹系システムに予算を使うよりも、モビリティサービスなど新しいビジネスモデルに多くの予算を使って事業を進める動きがあります。そういった新しいビジネスに踏み出すクライアントが増えているため、我々にもビジネスチャンスが広がっていると思います。
また前述した通り、既存データをオンプレミス型からクラウドへ移行したものの、本当の意味でクラウドを活用できていないケースが少なくありません。それに対し、我々はクラウド活用のアーキテクチャをきちんと設計し、クライアントの事業の変革まで寄り添った支援をおこなっています。
梅本
守屋様は、金融系を専門とされていますがいかがですか。
守屋様
装置産業と言われる金融業界では巨大なシステムを抱えているため、レガシーな資産をどのようにモダンに変えていくかが大きな論点になります。その上でさまざまなテクノロジーを取り入れながら、DXやオートメーション化に取り組んでいます。
また、金融業界でもクロスインダストリーが主要な論点になっています。例えば金融とヘルスケア業界をつないで新しいオープンイノベーションをどのように起こすか、といったご相談が非常に多いです。それに対して、クラウドプラットフォームを使っていかに実現していくかが、我々の論点になっています。
梅本
T.N様が担当されている領域ではどのような特徴がありますか。
T.N様
私は最近、公共系のお客様を担当していますが、民間企業と比べると、どうしてもテクノロジーによる業務変革に対してハードルが高く感じられる印象です。「クラウド・バイ・デフォルト原則」など政府が掲げている方針もありますが、そのなかでいかにお客様が現実的にできる、フィージビリティのあるプランを提案できるかがポイントですね。
梅本
T.M様は、現在サブスクリプションビジネスのチームに所属されていますが、いかがでしょうか。
T.M様
商品を売って、購入のタイミングで収益が計上される従来のビジネスモデルから、昨今は継続して定期的な収益を上げるサブスクリプションビジネスへの変革に関心を持つ企業が業界問わず増えています。例えば、医療機器販売を例にすると、従来のビジネスでは高額な機器の利用は、それを購入することのできる大病院などに限られていましたが、デジタルを活用したサービス提供にシフトすることで中小規模の病院も機器が利用できるようになり、またマーケットシェアの拡大も見込めます。この実現には、どのようなサービス仕様やシステムが必要か、どのように変革を進めていくべきかを、インダストリーのコンサルタントと連携してクライアントの課題解決を支援しています。
梅本
今、さまざまなキーワードが出てきました。全体のプロジェクト推進を担当されているK.O様はいかがですか。
K.O様
そうですね。実際にシステムを導入する際は、クライアントの会社全体の理解が必要になります。そのためステークホルダーをはじめ、IT部門の方、ビジネス部門の方たちから理解をいただけるよう調整し、案件が円滑に進むよう支援をおこないます。また、マルチベンダー体制のシステム導入における課題に対しても、我々の知見を活かした支援をしております。
経営層と同じ視座で案件に携われる
梅本
続いて、DTCに入社されてから、前職と比べて案件や立場などで何か違いを感じることはありますか。T.N様、いかがでしょうか。
T.N様
他のコンサルティングファームからDTCに転職しようと思ったきっかけは2つあります。1つが、ソリューション導入ありきのコンサルティングからの脱却。もう1つが、CxOなどの経営層と対話できるコンサルティングの機会を得たいということです。実際に、この2つはDTCで実現できていると思いますね。
特に、経営層クラスの方とフェイシングをしながら、相手の期待値に対してアンテナを張り、さらに「期待値以上の価値を提供するにはどんなアクションをすれば良いのだろう」と思考しアクションする機会は、スタッフ時代においても前職と比べて圧倒的に増えたと実感しています。
梅本
同じコンサルティングファームでも、いい意味での“ギャップ”を感じられたということですね。では、前職がSIerのT.M様はいかがですか。
T.M様
私はもともとSIerでシステム開発を経験し、スキルに対しては自信を持っていました。しかし、私が主に担当をしていた官公庁のプロジェクトでは、どのような機能を開発すべきかが調達仕様書に記載されており、「そもそも何のために、どのような解決策が必要か」というより上流から検討に携わる機会が少なく、そのような青写真から検討に関与できるコンサルタントの職種に興味を持ち、コンサルティングファームへの転職を考えるようになりました。
実際にDTCに入社してみると、エンジニアの視点では見えていなかった懸念や考え方に気づかされました。例えば、サブスクリプションビジネスを支えるパッケージ導入を例にすると、従来のビジネスとサブスクの違いやパッケージ導入のメリット、物売りとサービス売りの違いなどシステム以外の観点でも検討すべき事項が多く、これらをふまえて議論できなければ、適切なソリューションを導くことができません。DTCに入社後は、テクノロジーはもちろん、ビジネスに関するケイパビリティも高め、より上流からクライアントの課題解決に関与することができています。
梅本
K.O様はいかがですか。
K.O様
私はSIerで10年ほど従事するなかで、大規模な開発案件に関わることがあったのですが、大規模な案件ほど現場が疲弊しているケースが多くて。それを改善するにはどうしたらいいかと考えた結果、開発前の構想策定の段階から詰めて考える必要性に気づき、コンサルティング業界を目指しました。
転職活動をする上では、当時トレンドだったSAPやAWS、クラウドなどの特化した技術がなく、かつコンサル未経験のため不安はありました。しかし、これまでの経歴を説明した上で「DTCであれば活躍できる場がある」と根岸さんにプッシュをしていただいたのがきっかけでDTCに入りました。
実際に入社して経験したプロジェクトでは、構想策定のプロジェクトはもちろんですが、PMO業務でも当初やりたかったことに近いことができていると感じています。例えばPMO業務では、SIer時代に担っていた開発における進捗管理などではなく、プロジェクト全体の課題解決や現場の改善などに携わることができています。
コンサル、SIer、事業会社出身者がミックスされた多様なカルチャー
梅本
続いて、ユニット運営において意識をしていることを教えてください。
根岸様
コミュニケーションを大事にしていますね。どうしても人づてに聞いた話ではきちんと伝わらなかったり、誤解を生んでしまったりするケースがあるため、メンバーには「何かあれば直接、面談をしましょう」と伝えています。さらに、1ヶ月に1回、オールハンズミーティングをZoomで開催して、パートナー陣は和気あいあいと話し、メンバーが話しやすい雰囲気をつくるようにしています。
また最近考えていることですが、今は終身雇用が当たり前の時代ではないため、もしもこの先、違う道に進みたいという人は、DTCを通過点にしてもらってもいいと思っています。人生において、皆で一緒に頑張れる時期は限られています。その限られた時間のなかで、なんとなく過ごすのではなく、何かを掴み取ってほしい。自分の生き方は、自分で考えて日々を過ごしてほしいと思いますね。
守屋様
DTCは、インダストリーチームと我々のようなオファリングチームとのコラボレーションや、監査やTaxなどの専門家や、グローバルとのコラボレーションに強みがあるのが特徴です。そのため、私がマネジメントをする上では、多様なバックグラウンドを持つメンバー同士をどうつないでいくかを意識しています。ユニット内には、在籍の長い人やまだ入社間もない人、コンサル出身者やSIer出身者、事業会社出身者など、かなりミックスしたカルチャーになっているのですね。それぞれ持つスキルの活かし方を考えています。
梅本
実際に、コラボレーションができているとお感じになりますか。
T.N様
コラボレーションの機会は非常に活発ですね。グローバルの知見や事例をクイックにクライアントに紹介できるため、他社実績、最新の事例を気にされるクライアントからはとても喜ばれます。
また、インダストリーとも密に連携する機会が多いです。クライアントと話をする場面で、業界知見に関してはインダストリーのコンサルタントが、テクノロジーの深い知見に関しては我々が一緒になって提供していく。この掛け算で業界問わずデリバリーできるのは、DTC内でリレーションやコミュニケーションがあるからこそだと考えております。
システムではなく、「社会を変えたい」という人を求めている
梅本
C-Cubeチームでは、これからどんな方に入社してほしいとお考えですか。
K.O様
SIerから未経験でコンサル業界に入社した私の経験からお話をすると、最初は独特なコンサルの考え方に大きな違いを感じるかもしれません。これまでの経験を活かしつつ、新しく一から学んでいこうという心持ちの方に入ってきていただきたいですね。
T.M様
SIerでエンジニアとしてスキルを磨き、技術に自信のある方などより上流の工程からプロジェクトに関わりたい、いろいろな世界を知りたいというチャレンジ意欲のある方にとって、DTCは最適だと思います。またコンサルティングファーム出身の方で、テクノロジーの専門性を高めていきたいという方にもDTCはおすすめです。
T.N様
もちろん知見やスキルがあることにこしたことはありませんが、必ずしも経験やスキルを強く求めているわけではありません。ロジカルシンキングやプレゼンテーションのやり方、パワーポイントでの資料の作り方など、DTCに入ってからも学べる仕組みがたくさんあります。したがって、自らプロアクティブに動ける人、積極的に学ぶ姿勢を持った方にはよい環境だと思います。いろいろなことに興味を持って動ける知的好奇心旺盛な人が、コンサルタントとして活躍していくタイプだと思うので、そういった特性を持つ方と一緒に働いていきたいですね。
守屋様
C-Cubeは、クライアントのビジネスを変えることを目指しています。システムを変えたいというよりは、クライアント企業を変えたい、業界を変えたい、さらに社会を変えていきたい。そのためにシステムをどう活用していくか思考できるマインドセットを持つ方に来ていただきたいです。プロアクティブに人やクライアントとのつながり、企業と企業とのつながりを積極的に作っていける方をお待ちしています。
根岸様
今、皆さんがいろいろお話をされてきましたが、その根っこにあるのが“人と人とがリスペクトし合う”ことだと思います。否定し合うのではなく、みんなで議論をしながらよりよいものを作り上げていく、そういった組織にしていきたいのです。これから採用に力を入れていきますが、他人のことをきちんと尊敬できるという人材が一番のポイントだと思いますね。