事業領域を「M&A & Crisis」と定義するデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)にて、クライシス領域の中核を担うフォレンジック&クライシスマネジメントチーム。不正・不祥事に対し、Readiness(予防)、Response(対処)、Recovery(回復)の3つのサービスを展開しています。
今回は、フォレンジック & クライシスマネジメントチームに所属される中島祐輔様(パートナー・部門長)、村上尚矢様(シニアヴァイスプレジデント)、小川圭介様(シニアヴァイスプレジデント)、阿部麻実様(ヴァイスプレジデント)、内田千晶様(シニアアナリスト)より、ご経歴や同チームにジョインされた背景、チームや案件の魅力などについてお聞きしました。
フォレンジック & クライシスマネジメントチームメンバーのご経歴
梅本
まずは、皆様のご経歴と現在の役割、仕事内容についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
中島様
フォレンジック & クライシスマネジメントチームのリードを務めている中島です。元々、大手監査法人で、公認会計士としてキャリアをスタートさせて、2002年にDTFAに入社し、M&Aやリストラクチャリングなどを経験。その後、2015年の総合電機メーカー不正会計問題で調査委員会が立ち上がり、その参画を機にフォレンジック部門に異動しました。
それまでフォレンジック部門では、不正調査をベースとしていましたが、総合電機メーカーの不正会計の事案以降、単に調査で不正を暴くのではなく、ダメージを受けてしまった企業の信頼を回復するまで、企業に伴走し続けていくことをミッションに掲げています。現在は、事案発覚直後のステークホルダーへの対応や再発防止策の策定といったところまですべてカバーしたサービスを提供しています。
村上様
私は現在、フォレンジック & クライシスマネジメントチーム内でデジタルフォレンジックを担当しています。不正・不祥事が起きた際に、電子データは容易に削除できてしまうし、意図すれば改ざんや隠ぺいされるリスクがあるため、速やかに関連するデータを特定し、そのデータを保全することが重要になるのですが、そういった不正の実態を調べるために必要なデータの取得方法や、取得したデータから重要な情報を見つけるための分析を行っています。
そんな私は、実は新卒ではテクノロジーとは関係のない人材アウトソーシングの会社に営業職として入社しています。その後、日本ではビジネスとして立ち上がったばかりのデジタルフォレンジックサービスを扱うベンチャー企業に転職し、そこで一からデジタルフォレンジックの技術を学びました。
2009年頃から日本企業に対する国際的なカルテルの摘発が相次いだことでこのサービスの認知度が一気に高まり、仕事の幅も広がりました。その縁でDTFAに入社しました。
小川様
私は、新卒で日系総合コンサルティングファームに入社し、ERP導入をはじめ、決算早期化や内部統制構築といった、システム開発や業務プロセス改革の支援を行っていました。その後、2012年頃、ちょうどDTFAがFAS業務以外にも業務領域を拡大していこうとするタイミングで、先にDTFAに転職をしていた前職の同僚からDTFAの話を聞く機会があり、ここで新たなチャレンジができるのではないかと考えDTFAに入社しました。
DTFAに入社以降は、ストラテジー部門でビジネスデューデリジェンスや事業計画策定、危機対応の案件にも携わっていましたが、中島と同じく総合電機メーカーの事案を機にフォレンジック & クライシスマネジメントチームに移りました。現在は、主に不正・不祥事が起きてからの再発防止策の策定・実行の支援、その中でも組織風土に関する取り組みに力を入れています。
阿部様
私は、元報道機関の記者として事件事故や行政、スポーツなど幅広く取材を担当していました。その後、出版社に転職し、記者を続けながら営業や広報などを経験し、DTFAに入社しました。
現在は、今までの経験を活かしつつ、有事におけるステークホルダーに対してのコミュニケーション支援を中心に行っています。例えば、不正・不祥事を受けて記者会見が必要な場合、登壇される方のトレーニングやメディア対応のご支援をしています。最近では、平時であってもいつ記者会見が起こるか分からないため、それに備えたトレーニング支援も行っています。
内田様
私は2020年に新卒でDTFAに入社し、今年4年目になります。入社1年目は現部門を含めた2つの部門をローテーションし、2年目にフォレンジック & クライシスマネジメントチームに本配属されました。配属されてからは、上場企業の特別調査委員会の調査補助の業務や、不祥事を起こしてしまった企業の再発防止策の策定、さらに実行支援までを行うプロジェクトに参画しています。
企業の危機対応、難度が高いプロジェクトだからこそ得られる大きなやりがい
梅本
皆様がDTFAに転職されるきっかけ、もしくは今の業務に携わるようになった背景や仕事のやりがいなどを教えていただけますか。
中島様
前述の通り、私は総合電機メーカーの事案をきっかけにフォレンジックに携わるようになりました。実際に渦中の企業の内部に入ると、さまざまな問題が噴出しており、いつ倒産してしまうかも分からないという大きな危機に直面していました。上場企業の副社長や専務といったシニアマネジメントが陣頭指揮をとっている状況のため、そういった上位層と連日、膝を突き合わせながら問題に対処していく必要がありました。DTFAに入社してから、M&Aやリストラクチャリングなどの難しい案件に何度も取り組んできましたが、先述の事案はこれまで経験したことがないほどの難しさがあり、同時に非常に大きなやりがいを感じました。
梅本
村上様は、なぜDTFAへの転職を決められたのですか。
村上様
当時、日本のデジタルフォレンジックの部隊はまだ規模が小さくて、その立ち上げメンバーとして声をかけられたことがきっかけです。DTFAへの入社を決めた理由は、いちベンダーとしてのサービスの期待値ではなく、自分に求められている期待値の高さと、かつそれに貢献できる姿をイメージできたからです。ビジネス全体の規模も競合他社よりも大きかった点も入社の決め手となりました。
梅本
小川様は、日系ファームからの転職ですね。
小川様
当時そのファームは、SAP導入案件がメインで、他のサービスも展開していましたがあくまで付随的なものでした。「このままSAP導入プロジェクトのPMでキャリアを積んでいいのだろうか。別の道はないのだろうか」と考え出したことが転職のきっかけです。
入社の経緯は先ほどお話をしたため割愛しますが、当社に入社してしばらくは同じような内容の案件にアサインされることはなく、サービスや業務の幅が一気に広がりました。「もっといろいろな経験を積んでいきたい」と思って入社しましたが、想像していた以上に多くの経験ができています。
梅本
阿部様は前職記者でいらっしゃったとのことですが、なぜDTFAに?
阿部様
さまざまな事件事故を取材してきましたが、不祥事の時に限って社長がうっかり失言してしまうケースがあり、なぜ、そのような事態になってしまうのか、もどかしさを感じることがありました。そこで企業広報を支援するコンサルティングファームにエントリーをしていたのですが、DTFAは、広報回りだけでなく、より深く企業の裏側からサポートできるため、そこに魅力を感じました。
また万が一、企業が不祥事を起こしてしまったとしても、ステークホルダーに対して伝え方に注意すれば、相手側の受ける印象は変わります。記者時代はいかに相手から裏を取るかというスタンスでしたが今はその逆。企業をサポートする立場としてのやりがいを感じますね。
梅本
内田様は新卒で入社されていますが、入社2年目に現在の部署に配属されていますね。
内田様
そうですね。もともと大学時代に総合電機メーカーの不正会計問題のニュースを見て企業再生や危機対応、リストラクチャリングなどに興味を持ったことがコンサルティング業界を目指すきっかけとなりました。新卒1年目で2つの部門を経験しましたが、フォレンジック & クライシスマネジメント部門がより自分の志向に合っていると思い選びました。
実際に企業で不祥事が起きると、社内では社員の方たちも含めてどうしたらいいか分からず混乱が生じます。その際に、私たちの提案を信じて企業の方たちが動き、事態が収束に向かっていく場面を目の当たりにすると、心から「この部門を選んでよかった」と思いますね。それがやりがいにも繫がっています。
予防・対処・回復。3つのステージを一気通貫で支援
梅本
続いて、フォレンジック & クライシスマネジメントチームが提供しているサービス内容についてお伺いします。クライシスマネジメントは、3つの領域があると伺ったのですが。
中島様
そうですね。我々は、Readiness(予防)、Response(対処)、Recovery(回復)の3つのステージのことを「3つのR」と呼んでいます。
3つのRの中でも我々の一番の軸は、不正・不祥事が発生した直後におこなうResponseです。Responseには、不正調査やステークホルダー対応が入ります。まず、不正調査に関しては、元々は粉飾決算や横領といったものが中心でしたが、それ以外にも世の中の不正・不祥事の広がりに伴って、品質偽装や情報漏洩などの非会計領域にも広がってきています。また、単に調査するだけでなく、ステークホルダー対応もご支援するケースが増えています。ステークホルダーには、例えば、品質偽装では取引先やその先の一般消費者も含まれますし、監督官庁などの当局や、工場のある地方自治体、メディアなどを含むため、それぞれの関心に応じた対応をおこなっています。
梅本
実際に、不正・不祥事が起きた時はどのような対応をされるのでしょうか。
中島様
まず、不正・不祥事が発生すると社内に対策本部が設置され、その対策本部の本部長に副社長、専務などのシニアマネジメントが就任します。我々は客先に常駐し、シニアマネジメントを含む対策本部メンバーと膝を突き合わせて、さまざまなイシューを一つひとつ整理しながら方針を立て解決していきます。
事態が一定の収束を見たら、あるいは緊急を要す場合は同時並行の場合もありますが、Recoveryの主業務である再発防止策の立案・導入を進めていきます。一口に再発防止といっても、さまざまな領域があり、分かりやすいところでは業務プロセスの見直しやそれに伴う内部統制の再設計ですが、不正・不祥事の原因が意思決定や組織風土に及ぶことも多くあるため、その場合は取締役会、各種委員会などの機関設計や意思決定プロセスの見直しなど、コーポレートガバナンスの根本に立ち入って支援することもあります。
また、そういった不祥事では事業基盤に課題がある場合もあるため、当社のリストラクチャリング部隊と連携し、事業再生を支援することもあり、これもRecoveryの一つになります。
梅本
Response、Recoveryについて伺いましたが、3つのRの最後、Readinessについて教えていただけますか。
中島様
不正・不祥事が起こる前の予防や準備ですね。これが最も後発のサービスです。統制強化などの予防策の導入とともに、万一発生した場合の準備の支援もしています。たとえ予防策を講じていても、不正・不祥事はどの企業でも起こり得るものです。そこで、いざという時の記者会見に備えた事前のトレーニングや、不正・不祥事が起きた場合の初動などのガイドラインの策定、AIを活用した不正検知のアナリティクス導入などを支援しています。
会計制度以外のクライシス案件も豊富
梅本
3つのRのお話がありましたが、現在、企業様からはどのようなテーマの引き合いが多いのでしょうか。
中島様
ResponseとRecoveryが多いのは事実です。我々としては不正・不祥事が起こる前からのReadinessの必要性を啓蒙していますが、実際に危機に陥って痛い目に遭わないと、なかなか社内で予算を通すのが難しいという現実が以前からあります。とはいえ、近年は社外取締役の責任を問われることが増えてきたのに伴い、社外取締役の発言がきっかけで不正・不祥事が起きた場合のガイドライン作成や有事に備えてトレーニングをするケースが増えてきています。
梅本
一方、フォレンジックやクライシスマネジメントは、他のファームでも同様のサービスが展開されています。その中で、なぜ御社はクライアントから選ばれるのだと思いますか。
中島様
いくつか理由はありますが、より顕著なのが、Response(予防)、Recovery(対処)、Readiness(回復)の3ステージをワンストップで提供できるところですね。他社で同様のサービスを提供していても、我々のように一気通貫でサービス提供しているところは意外と少ないのです。
これはコンサル業界にありがちですが、それぞれの個性が強くて、組織内に壁が存在していることが少なくありません。しかし、デロイト トーマツでは、クライアントのためにベストチームを組成してサービスを提供していこうというカルチャーがDNAとして根付いています。そのため、チーム間の壁が低く連携がしやすい。だからこそ、クライアントにとって満足できるサービス提供ができているのだと思っています。
梅本
他にもDTFAの強みはありますか。
村上様
監査法人で我々のようなサービスを提供している中で、デロイト トーマツが最も会計制度以外のクライシス案件に携わっていると感じます。というのも、例えばクライシス案件には、ウィルスによる社会的な問題や自然災害、環境リスクなどから派生した案件もあります。そういった案件に巻き込まれている企業の弁護士の先生から「デロイトさんで対応してほしい」と名指しで依頼されるケースが少なくありません。それは、我々が一般的な会計不正という案件以外の実績も多く積み上げてきたからこそ、信頼してご依頼いただけるのだと思います。
梅本
弁護士から案件を紹介されることが多いのですか。
中島様
デロイト トーマツ グループ内部から担当しているクライアントの案件を紹介されるケースが一番多いのですが、弁護士の先生から我々に直接ご依頼いただくケースもあります。やはり企業が不正・不祥事や危機に直面した場合、まずは弁護士の先生に相談されるケースが多いですから。幸い、我々も世間一般に認知されつつあるため、直接企業から相談されるケースも増えています。
短期間での成果を求められるため、一人ひとりのパフォーマンスを最大化するマネジメントを徹底
梅本
続いて、働き方についてお伺いできればと思います。まずは、阿部様からお聞きしてもよろしいでしょうか。
阿部様
私は現在、子育てをしながら働いています。当社はフレックスタイム制度なので、例えば午前中に子どもを病院へ連れていって、その分、夜は長めに働くというように、柔軟な働き方が実現できています。また、チーム内には同じ子育て中のメンバーもいますので、お互いに励まし合いながら助け合える環境ですね。
梅本
お互いのバックグラウンドを理解し合えているということは心強いですね。一方で、フォレンジックやクライシスといったテーマは、難度が高く、一筋縄にはいかない領域です。クライアントからの期待値が高い分、ハードスケジュールになることもあるのではないでしょうか。
阿部様
おっしゃる通り、何か有事が発生すればどうしても顧客優先になりますが、プロジェクトは、必ずチームで対応します。そのため自分が対応できなければチームメンバーにお願いをしたり、逆にメンバーが動けない時は代わりに対応したりします。チーム体制のため、一人で悩みを抱えることはない環境だと思いますね。
梅本
なるほど。ちなみに内田様は当初、新卒で働く上で不安を感じることはありましたか。
内田様
社会人としてまだ右も左もわからない状態でプロジェクトに入ったため、最初は自分に何ができるだろうかと不安でした。ところが、毎日フィードバックしてくれたり、不明点があれば気兼ねなくすぐに聞くことができたり、手厚いサポートのおかげで安心してプロジェクトを進めることができました。また、具体的に「ここはもっとこうした方がいいですよ」とアドバイスいただけたおかげで、自分自身の成長を日々実感しながら働くことができたと思います。
梅本
サポート体制が整っていたと。一方、メンバーをマネジメントする立場では、どのような意識をされていますか。
小川様
私は、メンバーの適材適所を心がけています。チームにはいろいろなバックグラウンドのメンバーがおり、それぞれ得意な分野、苦手な分野があります。不正・不祥事による危機対応というのは、どうしても短時間での成果が求められます。そのため、できるだけメンバー一人ひとりのパフォーマンスが最大化されるようにチームを組成したり、メンバー同士の組み合わせに気をつかったりしますね。また、メンバー一人ひとりの声に耳を傾けて働きやすい環境づくりに力を入れています。
梅本
村上様は、メンバーをマネジメントする上でどのような意識をされていますか。
村上様
小川さんとほぼ同じですね。一方で、成長という意味では、メンバーには今までやったことがないことにもチャレンジをしてもらいたいと考えています。とはいえ、私が一方的にアサインするのではなく、コミュニケーションを通してメンバーの意見も尊重しながらバランスを取ってアサインするようにしていますね。
梅本
中島様がマネジメントをする上で大事にしていることを教えてください。
中島様
私はナレッジマネジメントを軸にしています。フォレンジックやクライシスマネジメントというのは、ある種、総合格闘技だと考えており、1つの領域だけに閉じていては、今後市場が変化していった際に対応できなくなるのではと危惧しているからです。ですから、自分の領域を見定め、深めていくことと同時に、自分とはバックグラウンドが異なるメンバーが今、どんな領域で何をやっているかを常に理解しておく必要性を感じています。
そこで具体的に何をしているかと言うと、メンバーによる定期的なメールマガジンの配信と月1でのウェビナーの開催ですね。プロジェクトのデリバリーによる学びをまとめ直すことは、自身のブラッシュアップに繫がりますし、テキストや動画として残すことで共通のナレッジになるからです。そういった資料は内部研修でも活用しています。
求めるのは「コミットメントできる人」「インテグリティ(真摯)な人」
梅本
続いて、フォレンジック & クライシスマネジメントチームが求める人物像について、皆さんのお考えを教えていただけますか。
小川様
私が採用で重視しているのは、謙虚さです。言い換えると柔軟性ですね。ともすれば、コンサルタントは自分の考えや意見を主張して相手を納得させる、声の大きい人が向いている仕事だと思われがちですが、私は、専門性や自らの考えを持ちつつも、顧客の声をよく聞き、顧客の状況をよく理解した上で、顧客の想いを実現していくことがコンサルの仕事だと考えています。また、チームメンバーの意見に耳を傾けることも重要です。さまざまな意見や考えを受け入れて、それを自分の中で消化した上で、自分なりのバリューを出せる方に来ていただきたいと思います。
阿部様
私たちの仕事は、企業の危機対応になるため、有事の際はどうしても忙しくなります。そういった場面においても「クライアントのためになるのであれば、頑張ろう」と思える人は、やりがいを感じられるでしょうし、楽しめるのではないかと思います。また、何が起こるか分からないクライシス対応の中で、クライアントが困っていることに対し先回りして提案していく力のある人、ないしそうした仕事に興味のある人にとっては最適な環境だと思います。
内田様
自分で仮説を立てて、実行できる人でしょうか。私はこれまで、初めての仕事であっても、まずは自分で「こうした方がいいのではないか」と考えるようにしてきました。そして自分で考えた上で答えが見つからない場合は、上司に相談したり、アドバイスをもらったりしています。自分なりの考えを持てる人と一緒に仕事がしたいですね。
村上様
不正・不祥事に対して、なぜそれが起こったのか理由まで突き詰めていける人がいいですね。というのも、不正・不祥事は、意図しているケースもあれば、そうでないケースもあるからです。その原因が会社にあるのか、今の社会情勢にあるのか。目の前で起きたことだけでなく、裏側まで想いを馳せることができ、自分なりに仮説を立てて取り組める方と議論をしていきたいです。
中島様
今、皆が言ったことはどれも大事だと思っています。あえて2つ挙げると、1つはコミットメントできる人。企業の危機対応というのは、どうしても修羅場となる状況を潜り抜けなければならないため、強い気持ちで現場に対応していかなければなりません。そうした際に、クライアントや職業に対する強いコミットメントがあれば、多少スキルが劣っていても、解決していける力が身についていくと思います。
そしてもう1つは、インテグリティ(真摯な人)です。我々は、監査法人の信頼性をベースに仕事をしていますので、常に社会の目を意識する必要があります。志の高さがなければ、易きに流れて間違ったアドバイスをしてしまうかもしれません。実際に採用面接をする際においても、コミットメントとインテグリティの要素は重視して見るようにしています。
梅本
では最後に、フォレンジック & クライシスマネジメントチームに興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。
内田様
私たちコンサルタントは、プロジェクトワークでさまざまな専門家と共に仕事をします。学ぶことが多く、成長環境としてはとても魅力的だと思います。とにかく成長したいという志向を持つ方にはうってつけの環境です。
阿部様
私たちは大きなファームなので1つの案件でもさまざまな専門家と出会えます。仕事のやり方1つとっても、いろいろな人たちの取り組み方が見られるのでとても勉強になりますし、刺激にもなります。そうしたエキサイティングな環境を望んでいるのであればぜひ、エントリーしてみてはいかがでしょう。
小川様
「この会社はどうすればよくなるか」。それは、私が日頃から業務において、また部署内のコミュニケーション担当としてよく考えていることです。いい会社、いい組織をつくっていきたいと思う人に来ていただけたら幸いです。
村上様
不正・不祥事を起こした企業よりも、起こしたことがない企業と対峙するケースが多い中、私たちの専門性を活かしたサポートをクライアントは求めています。それに応えていきたいという方にチャレンジしてもらいたいですね。
中島様
日本全体に大きな衝撃を与えた総合電機メーカーの事案から、実はまだ10年経っていません。そう考えると、フォレンジックやクライシスマネジメントは非常に新しい領域です。私自身、新たな発見に出会うことが多く、刺激ある毎日です。まだプラクティスが固まっていない中で、自分たちの手で創っていきたいというチャレンジ精神のある方をお待ちしております。