デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、DTFA)Digital部門は、M&Aや新規事業など企業の最重要アジェンダをデジタルから支援しており、FASにおけるデジタル組織としては最大規模を誇ります。今回は、Digital部門に所属されるマネジャー K.T様より、組織の強みから、総合系コンサルティングファームとの違い、転職の背景などについてお聞きしました。
M&Aや新規事業など「社運をかける局面」をデジタル面から支援
井内
はじめにK様の経歴をご紹介いただけますでしょうか。
K様
新卒で信託銀行に入社し、資産運用部門にてトレーダーとして約5年間働いていました。その後、総合系コンサルティングファームに転職し、4年間で新規事業立ち上げ支援、システムグランドデザイン構想策定などの業務を担当してきました。
そして、2024年にDTFAに入社しました。現在は、DTFAのDigital部門の公共系グループに所属し、マネジャーとして活動しています。
井内
K様が所属されるDigital部門についてご紹介いただけますでしょうか。
K様
M&Aや新規事業立ち上げなど、社会の不確実性の中で対応を迫られる企業に対して、ITシステム・オペレーションの側面で、問題解決に向けて計画策定から実行まで迅速かつ柔軟に支援していくことがDigital部門の役割です。
2021年6月、以前は別々の組織であったDigitalとAnalyticsの2つのチームを統合し、「Digital部門」が立ち上げられました。
私どもは直接クライアントの声を聴きながら、「M&A」、新規事業立ち上げなどの「コンサルティング」、高度なデータ分析に基づく意思決定支援などの「アナリティクス」の3つ領域でご支援をしています。
M&Aとしては、Pre M&Aからデューデリジェンス、PMIの各フェーズにおいて、オペレーションおよびIT領域を一貫して支援しています。私どもはバイサイドだけでなく、セルサイドでもオペレーションおよびIT領域での実績と経験を活用して支援を行っています。
コンサルティングは、M&A支援を通じて培ったプロジェクトマネジメントやオペレーション・ITに関するナレッジやノウハウを活用し、新規事業の構築支援や大規模プロジェクトのマネジメントなどを行っています。
アナリティクスは、データ活用や予測モデル開発を駆使し、買収・売却、フォレンジック、再生など企業のさまざまな局面におけるデータ分析業務およびソリューション提供を行っています。また、SCMやCRMなどデータ活用を軸としたコンサルティング案件のプロジェクトマネジメントも手掛けています。
また、Digital部門全体における昨年度の案件比率は、M&A4割、コンサルティング4割、アナリティクス2割でした。
井内
組織の体制についても教えていただけますでしょうか。
K様
Digital部門は全員で約140名おり、インダストリーごとに10~20名くらいの組織に分かれています。バックグラウンドの比率は、コンサルティングファームの出身者が3割、事業会社の出身者が4割、SIerが1割、新卒が2割です。また、女性比率は3割です。
私が所属する公共系インダストリーでは国から民間企業まで、「社会課題解決」を主な目的にしています。ただ、アサイン自体はDigital部門全体で行っているため、公共系だからその他のインダストリーの案件にアサインできないというわけではなく、幅広い案件に携わることが可能です。
経営課題の解決を優先して考えられる「デジタル人材」を輩出
井内
Digital部門はFASの中のデジタル組織という業界でも特徴的なチームですが、コンサルティングファームのデジタル部門との違いや、強みについて教えていただけますでしょうか。
K様
より経営レベルのアジェンダが多いというのが大きな点かと思います。大手総合系コンサルティングファームでは、通常インダストリーやソリューションカットがあり、システム導入案件の場合、導入目的や狙う効果など、なぜ実施すべきかといった上流アジェンダを議論する人とシステム構築に係る実行の部分のみを担う人に分かれてしまいます。後者の場合、顧客の最上流アジェンダに触れられず、経営課題を解決するというコンサルティングの大事なスキルが身に付けられないままキャリアを築くことになります。
DTFAのDigital部門の場合、顧客課題をどう解決させるかを主に置き、従としてIT/デジタルを中心としたサービスラインアップがあるため、クライアントの課題解決を最優先にコンサルティングができます。
つまり、DTFAのDigital部門の場合、上流から入って下流まで関われるので、「経営×IT/デジタル」に強い人材になれます。
また、ITデューデリジェンスやPMIでのシステム対応など、直近のM&AにはIT/デジタルは欠かせない状況となっています。そのトレンドに乗れているところも強みかと思います。
井内
K様が相対されるクライアントでは、どのような悩みが増えていますか。
K様
昨今トレンドとなっている生成AI等、デジタルをどのように活用していくべきなのかを考えられているクライアントが多い印象です。「デジタルを活用した新しいサービス開発をしたい」「構想策定からマーケットの反応調査まで一気通貫で支援してほしい」といった0→1ベースでの依頼が多いですね。
課題解決を最優先に考えるカルチャーが組織全体に浸透している
井内
組織のカルチャーや雰囲気についてもお話しいただければと思いますが、K様はどうしてDTFAのDigital部門に転職されたのでしょうか。
K様
転職理由は2つあります。1つ目は専門領域を作りたかったから、2つ目は同じクライアント、領域に長くアサインされていたため、違う領域にチャレンジしたかったからです。M&Aを専門領域に定めた背景としては、企業の重要な意思決定に関われる点を魅力に感じたからです。
井内
DTFAに転職先を決めた理由はいかがでしょうか。
K様
DTFAはコンサルティングに対する考え方に共感できたことが決め手となりました。具体的には、現在の部門長である古賀との会話で、「目の前にいるクライアントが良くなるために全力を注ぐ」「有事の場合でもどうしましょうではなく、どうすれば良いかを常に考えられる集団にしたい」という話に共感しました。
井内
実際に、入社後はそのカルチャーを体感されていますか。
K様
自身の役職に関わらず、クライアントのために何ができるのかを考え、行動できる集団であり、思い描いた通りでした。
井内
メンバー同士の風通しはいかがでしょうか。
K様
部内のコミュニケーションイベントも多く設けており、プロジェクトでの関わりがなくても、メンバーのことを知っているような関係性を築けています。
井内
働き方について教えていただけますか。
K様
クライアントや案件の状況によっては集まって一緒に仕事をすることもありますがリモートワークも活用してフレキシブルな働き方が可能です。また、フルフレックスですので、お子さんの都合などにも合わせて仕事ができる環境です。
井内
最後に、求める人物像について教えていただけますか。
K様
クライアントの課題を最優先に考え、プロアクティブに行動できる方を求めています。また、最先端のデジタルを武器にしている組織でもありますので、常にアンテナを立てて積極的に情報を吸収し、アウトプットできるような方がいれば組織がもっと成長できるのではないかと思っています。
※内容や役職は2024年12月時点の情報となります