「成長途上にある若いフィールドだからこそ、自分の裁量で新しい道を切り開くことができる」。そう語る顧客体験変革コンサルティングのプロフェッショナル。今回はEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)でその最前線に立つカスタマー・エクスペリエンス・トランスフォーメーション(CXT)ユニットから対コンシューマー領域であるBtoCの担当のアソシエイトパートナー 青木健泰様、マネージャー 喜藤理枝様、マネージャー 三島康平様にお越しいただき、チームの魅力と求める人材について語っていただきました。
課題解決ファーストの姿勢を貫く、カスタマー領域のコンサル集団
堀場
本日は企業の顧客体験変革をサポートするCXTユニットから3名様にお越しいただきました。まず自己紹介を兼ねて、これまでのキャリアをお聞かせください。
青木様
だいぶ前の話になりますが、新卒でコンサルティングファームに就職したのが、この仕事との出会いです。当時はERP(基幹システム)の導入案件を中心にコンサルティング市場が勢いを増している時代で、僕もその渦中に身を投じることになりました。ただ、せっかくコンサルタントになったのにシステム偏重の仕事に終始する状況に疑問を感じるようになり、自分でビジネスを立ち上げようとその会社を辞めました。
その後、SNSのはしりのようなサービスに挑戦したり、不動産領域でのメディアプランナーに従事したりといろいろ経験を積んだ結果、最後はやはりこの業界に戻ってきました。最先端の情報と優れた実績を持つ大企業が起こすトランスフォーメーションを先導する、そのダイナミズムに惹かれたんですね。
大手ファームの就業経験を経てEYに移ったのは、大規模な組織にありがちな領域の細分化の中で、他の社員のテリトリーを気にしながらビジネスをやることに窮屈さを感じたから。まだ成長過程にあるEYのホワイトスペースに大きな魅力を感じました。
三島様
私も新卒で就業した企業でコンサルタントになり、EYが2社目になります。最初のファームはテクノロジーに強みがあり、自分が学んできた情報系のスキルが生かせると思ったこと、またコンサルティング会社であれば多様な業界のさまざまなビジネスに触れられると考えたのが、この道を選んだ理由です。EYに移るまでの7年間、基幹システムの導入や、データ分析を通じたビジネス課題解決などに従事しました。
データをもとにマーケティング戦略を構築する仕事はまさに私のやりたいことでしたので、この領域の経験と知見をもっと積み上げるためにEYへの転職を考えました。その舞台にふさわしい CXTという魅力的なチームが立ち上がったと聞き、ここなら自分の成長も加速しそうだと思えたのです。日本のEY自体が急成長の段階にあることも大きいですね。
喜藤様
広告代理店に5年ほど勤めた後、コンサルティング業界に転身しました。お客さま向けのコミュニケーション活動を展開する広告の仕事も魅力的でしたが、長く準備を重ねてきた施策が一過性の盛り上がりで終わってしまう、刹那的な取り組みに寂しさを感じ、もっと長い時間をかけて本質的な顧客体験の改善・向上に寄り添える仕事がしたいと転職を決めました。
前職のファームでは業務システムやマーケティングBPO構築など大きなプロジェクトを作っていくことが目的となっているような傾向があって、コンサルティングの在り方に違和感を覚えるようになりました。専門分化の進んだ縦割り体制にも抵抗感があったので、小さくても自由の利く、売り物にも制約されないEYの風土に惹かれて入社を決めました。
堀場
皆さんはEYの組織風土に魅力を感じられたわけですね。端的に言って、他のファームと比べて何が違うのでしょう。
青木様
EYというのは世界4大ファームの一角でありながら日本でのコンサルティングサービスは競合と比較しては、やや後発であり、言い換えると、組織内は一旗あげる人間にとっては伸びしろだらけの組織であると言えます。
まさに他の大手ファームに、追いつけ追い越せの気概で急成長中ですが、だからこそ同じ土俵で勝負はしたくない。
先ほどのお話にもあったように大規模システム案件の獲得合戦で利益を追求するよりも、顧客課題の解決を最優先に考える本来のコンサルティングで存在価値を高めたい。そのマインドの部分に最も大きな違いがあると思っています。
コンシューマー市場を舞台に「顧客体験」に変革を起こす
堀場
そうした文化の中で生まれたCXTという組織についてご紹介いただけますか。
青木様
ユーザーとの直接的な接点を持つ企業をお客さまとして、主に「マーケティング」「セールス」「サービス」という3つのプロセスを対象に変革を推進しているユニットです。したがって、マーケティング部や営業部、カスタマーサービス部などが、われわれのメインのお客さまとなります。
最近ではそれらに加え、DXを推進する部門がマーケティング領域に関連してきたり、IT部門がマーケティングツールの導入を担うケースが出てきたりしていますので、その分野のご支援を強化するための「カスタマーテック」にも力を入れています。また、マーケティング、セールス、サービスの3領域も分断されたものではなく、横断する関係性の中で戦略づくりをすべきだろうとの考えから、全体をくくる「カスタマーストラテジー」の領域も立ち上げました。
とは言え、セールス活動一つにしても、例えば半導体を売るようなBtoBの営業と、アパレル業のようなBtoCの販売とでは当然ですが、売り物も売り方も、その戦略やオペレーションが異なります。そこで、われわれの中でもビジネスモデルに応じてBとCを分けて対応しなければなりません。そのBtoCのチームをリードするのが僕の役割で、三島さん、喜藤さんもその一員です。
堀場
お二人は具体的にどのような業務を担当されているのですか。
喜藤様
カスタマーストラテジーの領域で、主にグループ企業を横断するデータ利活用の戦略構想などに携わっています。大規模な企業グループやコングロマリットともなりますと、多くの事業会社を抱えながらどうすればデータを無理なく統合し、そのデータを活用してグループ全体としての価値を生み出していけるのか、対応に苦慮されているケースが少なくありません。そうしたお客さまに伴走する形で、時には一緒にグループ内の事業会社を巡ったりしながら理解を得て、戦略・取り組みを進めていくことになります。
もちろん、システム導入ありきの解決策に縛られることはありません。既存のシステムがあるならそれを生かす方法を視野に入れ、新しく導入する場合も選択肢に制限なく、フラットな目線から真に適したツールをお薦めできる。私自身、そのことに満足しています。
三島様
まったく同感です。私の場合、カスタマーテックを担当していますのでシステムとの関わりも強いのですが、1年前にEYに入社してまず感じたのは、お客さまの課題解決ファーストの姿勢が徹底しているということでした。ソリューションの道具を売るのではなく、その道筋を考える。私の参加している案件でいうと、CMS(Contents Management System)というWebサイトや画像データを効率的に運用するための管理ツールがありますが、重要なのはそれを導入することよりも、それを極限まで使いこなし、他のシステムとも連携してビジネス効果を創出することです。たとえ小さな案件でも、お客さまの悩みがそこにあるなら解決したい。そんな感覚に心地よさを感じています。
DX時代に企業を悩ますデジタルツールの利活用を伴走支援
堀場
カスタマー領域を取り巻く現況はいかがでしょう。お客さまからのご相談で増えているテーマはありますか。
青木様
三島さんの話にもありましたが、新しいデジタルツールを導入したものの使いこなせていない、そういったご相談は顕著に増えているようです。DXニーズの高まりとともに、顧客データ統合基盤やCXM(Customer Experience Management)、SFA(Sales Force Automation)、最近ではそこにChatGPTといったツールや技術の導入も加速していますが、多くの企業がそれらをビジネスにどう活用するかの壁に直面しているのが実情です。
三島様
そうですね。CMSやDAM(Digital Asset Management)と呼ばれる画像や音声などのデジタルデータ管理システムの導入も進んできましたが、ツール自体のポテンシャルを引き出して、よりビジネス効果を創出したいというご要望もあります。
青木様
喜藤さんの担当するデータ利活用でもそうですね。各所にバラバラに蓄積されてきた顧客データを一元管理するためのツールにCDP(Customer Data Platform)がありますが、ではそれを使って統合したデータを一体どうやってビジネスに生かすのか、そこが多くの企業にとって大きな課題となっています。
喜藤様
はい、コングロマリットにおけるグループ企業間の連携などには特に難しさがありますね。事業会社ごとに独自のデータを使って業務改善や顧客体験変革を進めている状態から、各社で個別に保有するデータを一つにまとめてどう生かすのか。ある会社の方法が別の会社に有効であるとも限らず、せめぎ合いが生じるのが現実です。
そこを調整しつつ、具体的なユースケースやPoC(概念実証)を実施しながら一歩ずつ成功体験を積み上げていく。データを統合したり活用範囲を広げたりすることで、こんなことができますよと見ていただく。そんな伴走支援の先に、エンドユーザーたるお客さまにとってのよりよい価値を見いだせるよう努めるのが私たちの仕事です。
メンバー個々の「will」が尊重されるフラットな組織
堀場
CXTユニットにはどんなメンバーがいらっしゃるのでしょうか?チームづくりの方向性などもお聞かせください。
青木様
メンバーのバックグラウンドは多様です。われわれ3人のようにコンサル出身の人間もいますが、必ずしもそうした即戦力人材だけでなく、事業会社出身者も少なくありません。マーケティング、セールス、サービスの3領域に関連する業務で経験を積んだメンバーや、マーケティングツールの開発・運用を手掛けたテック系のメンバー、またはそれを使う立場に合った企業の出身者など、種々さまざまです。
この領域は今が伸び盛りの状況で、急成長するEYの中でも成長株と位置付けられているので、メンバーの人数も急増中。そうした中でEYらしい一体感を維持すること、そのために決して細分化ということではなく、コミュニケーションを加速させる意味でのコンパクトなグループ化、いわば大学のサークルのような緩いチーム、というものを試みています。僕自身は、メンバー各自がやりたいこと、挑戦したいことを最大限に尊重しながらビジネスをつくることを心がけ、チームづくりをしています。
コンサル会社で働くメンバーというのは、ともするとmustとcanを軸に生きていると思われがちですが、僕としてはそこにwillを持ち込みたい。コンサルタントとして生き生きと働くためにはこれも大事な要素であると、自分自身がコンサル人生として遠回りして得た教訓を生かし、日々チームづくりをする中から、そう強く感じているからです。
喜藤様
現場の目線から言いますと、メンバーとパートナーなど上位陣との距離感が非常に近いことはよく感じます。声を掛けやすいというか、案件を進めながら困ったことが出てきて相談すると、「その分野なら○○さんが詳しいよ」とすぐにつないでくれて、実際すぐにアドバイスが得られます。ユニット内はもちろん、外のチームであっても自分が知っていることは共有する。そんな文化がありますし、自分自身もそうありたいと思えます。
またCXTの案件は少数精鋭で回すケースが多く、少数だからこそ、経験の浅いメンバーにも挑戦の機会が与えられる良さがあります。そのことで成長のスピードが上がり、どんどん伸びていく。未経験で入社した新人でも、お客さまへのプレゼンに参加できる。これは励みになるのではないかと思います。
三島様
いろいろな意味でフラットな組織だと思います。毎週月曜の朝9時に、スタッフからパートナーまでCXTの全員が参加して近況を語り合う場があるのはその象徴です。ラジオ番組のような放送形式でやるのですが、仕事ありプライベートありの話題に笑いも絶えず、確かに自分もメンバーの一員なんだと実感できる時間です。また、毎月一度のCXT ALL MTGでは、パートナーから組織としての今後の方針なども聞けますし、みんなが同じ意識レベルに立てる点でもフラットだと言えます。
ですから、willを大切にする気風は青木さんだけでなく、CXTに共通するものだと思います。「何がしたいのか」「確かにそれはいい考えだ」「でもこういう方向性も考えられる」と言うように、パートナーであれディレクターであれ一緒に考えてくれる。なかなか得がたいチームではないでしょうか。
生活者の視点とベンチャー精神で未知なる道を開ける人材を
堀場
そうした組織にマッチする人材、仲間に加わって欲しい人材についてはいかがですか。
三島様
ロジカルシンキングなどのコンサル的スキルも大事ですが、それは大前提として本当に大切なのはこの仕事を楽しめることではないかと思っています。たとえ今はやりたい領域が定まっていなくても、楽しむ姿勢があれば仕事を通じて必ず好きな領域、得意な分野が見つかるはずです。私自身もそうでした。
喜藤様
他にも、悩めるお客さまに寄り添う姿勢、課題に立ち向かえるポジティブな思考もぜひ欲しいと思います。加えて、私の領域で言えばコンシューマー向けの価値を追求することが使命である以上、生活者の視点、消費者の目線は絶対に忘れてはいけない。企業視点からすれば正しく思えることも、顧客目線で見るとそうでもないことがあります。そういった目を持てる方にジョインしていただきたいですね。
三島様
そこがこの仕事の面白みでもありますよね。自分自身が消費者の一人としてうれしく感じることが、顧客企業にとっての利益にもつながるという。
青木様
そうですね。一生活者でもある自分がいかにして素直にカスタマーを表現し、説得力を持たせてお客さまに提示できるか。これが僕らの領域ならではのバリューであり、面白さだと思います。
堀場
では最後に、お一人ずつ応募者の方へのメッセージをお願いします。
三島様
繰り返しになりますが、どんなに小さな困りごとでもお客さまの課題を見つけ、ともに解決して一緒に喜びを分かち合う。いい意味で泥臭くもある、ザ・コンサルティングの仕事。そうした世界にやりがいを感じられる方、そしてその先に消費者の喜ぶ姿を見ることができる方、ぜひ一緒に働きましょう。
喜藤様
本当にそうですね。小さな成功を積み重ねていく道をお客さまとともに進みながら、PDCAを回していく。前職ではかなわなかったコンサルタント本来の仕事に向き合えていることは幸せだと思います。それも戦略の入り口から実行の出口までを一気通貫して一緒に走れる、そんな数少ないファームです。
青木様
CXTやCRM、マーケテック系のコンサルティングというのは、サプライチェーンなどと比べて歴史の浅い領域です。それだけに先輩たちの層もまだ厚くなく、決まったやり方も少なく、新しいことを取り入れながら成長が求められることが逆に魅力と言っていいでしょう。自分自身がそれを見いだしながら成長し、新しい価値を生み出していく。その難しさと楽しさを感じていただきたいですね。
そもそもEYSCという企業そのものが、まさに同じ環境にあり、レールのない道を自分たちで切り開きながら新しい何かを立ち上げていく途上にあります。市場としても、会社としても大きく伸びゆく今この時期に、ここに参画する価値は大いにあると思います。